AbemaTVAbemaTV
MMA
インタビュー

【UFC】マクレガー復帰戦を宇野薫が解説「突出したキャラクターを持ったスーパースターと名勝負製造機の試合、両者の精神状態にも注目」=1.18『UFC246』

2020/01/17 19:01
2020年1月18日(日本時間1月19日(日))、米国ネバダ州ラスベガスのT-Mobileアリーナにて『UFC246』が開催される。そのメインイベントで、コナー・マクレガー(アイルランド)が1年3カ月ぶりに復帰。名勝負男として名高い“カウボーイ”ドナルド・セローニ(米国)とウェルター級・5分5Rで対戦する。 この一戦の見どころを、WOWOWの『UFC-究極格闘技-』の解説を務める“総合格闘技のパイオニア”宇野薫に語ってもらった。 ――宇野選手が2001年にUFC初参戦(『UFC30』UFCバンタム級王座決定戦 vsジェンス・パルヴァー)してから、もう19年になるんですね。 「早いですよね。でも、たぶん僕はUFCで結果を出せなかったからこそ、現役を続けられている気がしますね。あそこでいいパフォーマンスができなかったことが悔しくて、この年齢ですけど、いまだに“オクタゴンに戻りたい”“いま自分がUFCで戦ったらどうなるんだろう”と思い続けていますから」 ――宇野選手はUFCでタイトル戦を2回経験していますが(1敗1分け)、そこでベルトが獲れなかったことが、その後の練習や試合の原動力になっている、と。 「もしUFCのベルトが獲れていたら満足して、もっと早く辞めていたと思うんですよ。でも、獲れなかったことへの悔しさと未練が、僕が戦い続ける理由のひとつにもなっているので、UFCってそれぐらい魅力的な場所なんですよね」 ――宇野選手が感じているUFCの一番の魅力はなんですか? 「やはり、総合格闘技の元祖であり、最高峰。誰もが認めるメジャーリーグということが一番ですよね。僕自身、総合格闘技の世界一の舞台だと思っていますし、1993年に誕生してから今日まで、ずっと進化し続けているのがすごい。どんどん強くてキャラクターがある選手が出てくるし、常に技術革新が行われていますから」 ――UFCは定期的にとんでもない選手が出てきますが、『UFC246』で1年3カ月ぶりに復帰するコナー・マクレガーは、その最たるものですよね。 「マクレガーは最初に見た時から“強い選手が出てきたな”“スターになるんじゃないかな”と思ってたんですけど、あれよあれよという間に、スーパースターになりましたからね」 ――マクレガーの一番の魅力はどこにあると思いますか? 「やはり強さと華やかさですね。試合前にあれだけリップサービスをしていながら、しっかりと結果を出すところも魅力だと思いますし。僕はファッション的なアプローチも気になるんですけど、マクレガーはオシャレを超えたセレブリティな服装がいいですよね」 ――「このスーツ高いぞ」って一目でわかる服装で会見にも出てきますからね(笑)。 「でも、トレーニングウェアはけっこう地味で、ちゃんとシャツをパンツにインしてたりして、そのギャップもいいんですよね(笑)」 ――人前では、“マクレガー”を演じるけれども、練習は超マジメなんでしょうね。 「そうだと思います。でも、人前に出ればマスコミが喜ぶような発言をして、その発言の一つひとつが世界中に報じられるという。そこまでやれる選手は、これまでの総合格闘家にはいないタイプですよね」 ――試合前のビッグマウスは、すべて自分に跳ね返ってくるわけですから、マクレガーはすごくリスキーなことを毎回やっているんですよね。 「僕には絶対にできないことです(笑)。僕はビックマウスが言えずに黙っているタイプなんで。だからこそ、マクレガーみたいな選手には憧れますね。今回の復帰戦もすごく楽しみです」 ――『UFC246』で行われるマクレガー復帰戦の相手はドナルド・セローニですが、これは夢の対決です。 「セローニは、彼がデビュー1年ぐらいで、まだUFCにも、WECにも出る前のルーキー時代から知っているんですよ。2007年に日本のCAGE FORCEという大会に出場していて、僕もそのイベントの手伝いをしていたので。そのセローニが、UFCであれだけの結果を残して、しかも10年近くトップで戦い続けている。そして今度、マクレガーと戦うというのは、何か感慨深いものがありますね」 ――WEC時代も含めると、世界トップレベルの試合を10年以上、年に4試合ペースでずっと続けているわけですからね。 「ものすごいことですよね。しかも、誰かメインイベントで負傷欠場しようものなら、“代わりに俺がやる!”ってすぐに名乗り出たり。セローニのそういう精神力に関しては、“一体、どんなメンタルをしているんだ?”と興味ありますね」 ――あのレベルの試合をやるというのは、精神的な消耗もすごいはずです。 「ファイターって、試合に向けていろんなことを犠牲にして、自分を極限まで追い込んで戦うので、試合が終わったら勝っても負けてもしばらくは休みたいものなんです。でも、セローニの場合、1カ月もしないうちに戦ったりしたこともありますからね。UFCのあのレベルでそれを長年できるって、セローニもまた、唯一無二の存在だと思いますね」 ――最近のセローニの戦いぶりに関しては、どう見ていますか? 「UFCは技術がどんどん進歩していますけど、その中でセローニは自分のスタイルを貫きつつ、アップデートして結果を出し続けているところがすごいと思いますね。最近、やや打たれ弱くなった感はありますけど、打たれてもそこから盛り返していく技術と精神力は健在ですし。そこはベテランのインサイドワークですよね。打撃の打ち合いの中で急に組みにいったり、戦いをよく知っていますよね」 ――激闘型に見えて、すごくうまい戦いをする選手だと。 「だからこそ、あれだけの試合数を戦い続けることができるんだと思います。激闘型の選手はどうしてもダメージが蓄積してしまって、現役を長く続けられない人も多いですけど、セローニはそこをうまく回避していますから」 ――では、そんなセローニとマクレガーの対戦は、どんな試合になると思いますか? 「名勝負製造機と、突出したキャラクターを持ったスーパースターの試合ですよね。面白くならないわけがない。ただ、マクレガーは1年3カ月ぶりの試合で、3年間UFCでの勝利から遠ざかっていますから、その辺のメンタル面がどう左右するのかな、とは思いますね。僕も去年の11月、3年半ぶりに勝つことができたんですけど、長く勝利から離れていると“本当に勝てるんだろうか”って、すごく不安がつきまとうんですよ。はたして、マクレガーもそういう精神状態になるのかどうか。もしかしたら、全然気にせずにいつも通りのパフォーマンスをしてくるかもしれないですけどね(笑)」 ――精神面も含めて、マクレガーがどんな状態で出てくるかがポイントだと。 「そこが気になりますね。あと、2017年にはフロイド・メイウェザー戦という別次元のビッグマッチも経験して、とてつもない大金も手にしたわけじゃないですか。さすがに以前よりはハングリー精神も薄れていると思うんですよ。2019年のハビブ・ヌルマゴメドフ戦もかつてのようなギラギラした部分が少し薄れていたような気がしましたし。マクレガーについては、そこが気になりますね。一方、セローニからしたら、勝てばこんなに美味しい相手はいないわけですから、モチベーションは最高だと思うので。その辺の両者の精神状態にも注目していますね」 ――では、ズバリ勝つのはどちらだと思いますか? 「僕はマクレガーの勝利を予想しますね。やはりセローニは長年戦い続けてきたダメージの蓄積で、少し打たれ弱くなっているし、反応も一瞬遅れたりしているんですよ。そうなると、マクレガーのような速い打撃を持っている選手とやったとき厳しいんじゃないかと思うんですよね」 ――マクレガーは長いリーチで、遠い間合いからも速いストレートが打てますしね。 「倒せるパンチを持っていますから。一発当たったら、そのまま意識を飛ばしてしまうんじゃないかなって。セローニはこれまで、ヒザが少し落ちるくらいのダメージを受けても、追撃をうまくかわして反撃していましたが、マクレガーのパンチをもらってしまったら、それも難しいんじゃないかなって」 ――一発が命取りになる可能性が高いと。 「だから極力もらわないようにしないといけない試合だと思います。逆にセローニが勝つとしたら、ハイキックですかね。見えない角度から打ってくるハイキックがすごくうまいので。それが当たれば、マクレガーでも倒れると思いますから。どっちにしても一瞬にして勝負がつく可能性があるので、本当に目が話せない試合ですよね」 ――宇野選手は、マクレガーやセローニと階級が近いですが、「もし戦えば」といった目で、やはり見てしまいますか? 「いや、さっき“UFCにもう一度上がりたい”と言ったばかりですけど、タイトルマッチクラスになると、観ながら『すげー! すげー!』ばかり言って、ちょっとファンに戻っちゃうところがありますね(笑)」 ――宇野選手でもそうなってしまいますか(笑)。 「世界一の舞台の本当に最高峰ですからね。だからこそ、僕はそれを身体で知りたいんですよ。いまの若いトップファイターがどれだけ強いのか。それを体感できたら、現役生活終わってもいいぐらいに思っているので。可能性は少ないですけど、それが自分の大きな目標であり、夢ですね」 ――現役ファイターでいる限りは、そこを目指したい、と。 「今、日本人UFCファイターも少なくなってきていますし、日本人が上がることすらなかなか難しい舞台になっていますから。今、UFCに出ている日本人選手(佐藤天、魅津希)には頑張ってもらいたいし、あの最高峰を目指す若い日本人選手がもっと増えてほしいですね。若い選手に、あそこに挑戦する気持ちを持ってほしいんです。僕もそうでしたけど、UFCに挑戦したからこそ今の自分があるし。ものすごく勉強にもなったので。だから若い選手にも、あの最高の舞台、最高峰の戦いを体感してほしいですね」(取材/文・堀江ガンツ) ◆「UFC246」放送スケジュール『生中継! UFC‐究極格闘技‐ UFC246 in ラスベガス UFC最強問題児マクレガー、全世界待望の復帰戦!』 1月19日(日)午後0:00[WOWOWライブ]生中継(WOWOWメンバーズオンデマンドにて同時配信) 1月23日(木)深夜0:00[WOWOWライブ]リピート(WOWOWメンバーズオンデマンドにて同時配信) 【メインカード】 ▼ウェルター級 5分5Rコナー・マクレガー(アイルランド)ドナルド・セラーニ(米国) ▼女子バンタム級 5分3Rホリー・ホルム(米国)ラケル・ペニントン(米国) ▼ヘビー級 5分3Rアレクセイ・オレイニク(ロシア)モーリス・グリーン(米国) ▼女子ストロー級 5分3Rクラウディア・ガデーリャ(ブラジル)アレクサ・グラッソ(メキシコ) ▼ライト級 5分3Rアンソニー・ペティス(米国)ディエゴ・フェレイラ(ブラジル) 【プレリミナリー】(UFC FIGHT PASS) ▼女子フライ級 5分3Rロクサン・モダフェリ(米国)メイシー・バーバー(米国) ▼フェザー級 5分3Rアンドレ・フィリ(米国)ソディック・ユサフ(ナイジェリア) ▼ライト級 5分3Rドリュー・ドーバー(米国)ナスラット・ハクパラスト(ドイツ) ▼フェザー級 5分3Rチャス・スケリー(米国)グラント・ドーソン(米国) ▼フライ級 5分3Rティム・エリオット(米国)アスカル・アスカロフ(ロシア) ▼女子フライ級 5分3Rサビーナ・マゾ(コロンビア)J.J.アルドリッチ(米国) 【収録日・収録場所】2019年1月18日 米国ネバダ州ラスベガス T-Mobileアリーナ 【出演】解説:宇野薫、堀江ガンツ ◆今後の放送スケジュール『生中継!UFC‐究極格闘技‐ UFC247 in ヒューストン 絶対王者ジョーンズ&女子フライ級王者シェフチェンコ、ダブルタイトルマッチ!』 2月9日(日)午後0:00[WOWOWライブ]生中継 ※終了時間変更の場合あり(WOWOWメンバーズオンデマンドにて同時配信) WOWOW番組オフシャルサイト 【関連記事】高阪剛「マクレガーvsセラーニは、お互い“勝ちに飢えている”だけに名勝負となる可能性が高い」
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 2020年7月号
2020年5月23日発売
表紙&巻頭は「復活」を期す朝倉海×内山高志のスパーリング対談! 特集「伝説を越えろ」では、木村“フィリップ”ミノル×魔裟斗、武尊、那須川天心らが「レジェンド7」と仮想対決も。朝倉未来をめぐる世界のファイターたち、「日本発世界へ」女子ファイターも多数登場!
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント

関連する記事