POUND FOR POUND「テレ・マーカーpresents MUSASHI ROCK FESTIVAL2020」2020年1月13日(月・祝)東京・豊洲PIT
『MUSASHI ROCK FESTIVAL』(通称ムサフェス)は、格闘技とロックの“絆”をテーマに掲げたイベントで、武蔵が現役引退した2009年10月にZEPP TOKYOで引退を記念して開催され、今回、引退から10年を迎えたメモリアルイヤーに再び“絆”をテーマに「テレ・マーカーpresents MUSASHI ROCK FESTIVAL2020」として行われた。
今回は、武蔵選抜の日本チームvsピーター・アーツ&アーネスト・ホースト選抜のオランダチームによる3vs3マッチのほか、武蔵と親交のある5組のアーティスト(coldrain、Do As Infinity、OLEDICKFOGGY、SEX MACHINEGUNS、10-FEET)が出演。Do As Infinityのライヴでは、ソロシンガーとしてミリオンヒットの実績を持ち、現在はメタルバンド「GALNERYUS」のボーカルを務める小野正利が登場。GALNERYUSの楽曲「絆」の(2011年)のミュージックビデオに武蔵が弟のTOMOと共に参加したり、ボーカルスクールの講師も勤める小野の元に武蔵が通っていた縁があったという。
超満員の観客を前に、オープニングでマイクを握った武蔵は「すみません…こんなに多くの人たちの前でイベントができることは幸せです」と涙を見せ、「このイベントは格闘技と僕の大好きなロックとの融合です。熱いものと熱いものがぶつかって凄い化学反応が起こると思います。皆さん余力を残すことなく最後まで楽しんで下さい」とあいさつした。
▼第3試合 ヘビー級 3分3R○バダ・フェルダオス(オランダ)TKO 2R 44秒 ※ドクターストップ●山下力也(道真会館/MA日本ヘビー級王者)
フェルダオスはドージョー・ピーターアーツに所属する22歳の若手ホープ。オランダ国内でヘビー級のタイトルを持ち、18年6月のRISEで初来日。当時RISEヘビー級王者だった清水賢吾(極真会館)を1RでKOした戦績を持つ。
対する山下は愛媛県で空手の修行に励みながらキックのリングに上がり続ける朴訥な25歳。空手仕込みのハイキックを得意とし、プリンス・アリ、楠ジャイロといった実力者を次々と撃破。昨年12月のホーストカップで内田雄大に判定負けを喫しており、今回再起戦となった。
1R、しっかりガードを固めながら前進する山下に、長身のフェルダオスは長いリーチからパンチを繰り出し、強烈な左ミドル。さらにテンカオを何度も突き刺すが、山下は前進を止めず左右のローで削っていく。
フェルダオスは飛びヒザを見舞うと、山下は左まぶたをカットし流血→ドクターチェック。再開後、山下は左右ローで突進。フェルダオスのファウルカップが落ち、タイムストップ(フェルダオスに注意)。ここで山下に2度目のドクターチェックが入った。
再開すると、山下はフェルダオスをコーナーに詰めて左ローを散らして、至近距離からの左ハイでダウンを奪う。立ち上がったもののダメージの残るフェルダオスに、山下がラッシュを仕掛けたところで惜しくもゴング。
2R、フェルダオスはパンチで攻めると、山下は変わらず左右ローで前進。右ミドルでフェルダオスを怯ませたが、再び山下の流血がひどくなりドクターストップ。フェルダオスがTKO勝利したが、善戦した山下に会場からは拍手が送られた。なお、この結果を受けて対抗戦は1勝1敗1分のドローとなった。。
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▼第2試合 72kg契約 3分3R○T-98(クロスポイント吉祥寺)判定3-0 ※29-27、30-27、30-27●イリアス・ボカユア(オランダ)
T-98は“ムエタイゴリラ”の異名を持ち、パワーと頑丈な身体を活かした戦いぶりでこれまで数々のタイトルを獲得。2016年6月には日本人5人目となるラジャダムナンスタジアム王座を奪取した。また、同年10月にはタイのラジャダムナンスタジアムに乗り込み、KO勝ちで日本人初の現地での防衛にも成功。今年は2月にNJKFのエースYETI達朗に判定勝ち、8月のKNOCK OUTでは新日本キックボクシング協会の斗吾にTKO勝ちしたが、11月のKNOCK OUTでプライチュンポンに判定負けを喫した。対するアーツの愛弟子ボカユアはスリナム系オランダ人で、昨年5月のホーストカップ名古屋大会ではMA日本スーパーウェルター級王者・真樹親太郎を初回KOに葬っている。
1R、伸びのある右ストレートで前進するボカユアに対し、T-98は強烈なボディブロー、右ローを絡めながらプレッシャーをかける。このラウンドは勢いのある攻めを見せるボカユアがやや優勢の印象。
2R、さらに圧力を強めるT-98は右ロー、右ボディブローを次々とヒットさせ、ボカユアが後退を見せる。ボカユアは下がりながらも右ミドルを返すが、T-98の前進は止まらない。
3Rも前進続けるT-98が打ち合いに持ち込むと、ボカユアは背中を見せたムーブを見せたことでレフェリーはダウンカウント。ボカユア陣営は不満気ながらも再開。最後まで手数で追い込むT-98が大差を付けて判定勝ちした。
▼第1試合 63kg契約 3分3R△ピエトロ・ドウリャ(オランダ)ドロー 判定0-0 ※30-30、30-30、29-29△麻原将平(PFP)
スリナム系オランダ人のドウリャはA-1世界王者で、日本ではREBELSのリングで活躍。2016年3月の初来日では不可思とドロー、6月にはRISE三階級制覇王者の裕樹に判定勝ち。2018年8月には梅野源治に敗れている。
一方、新人時代から武蔵兄弟の指導を受ける元ホーストカップ日本スーパーライト級王者・麻原は昨年5月の名古屋大会でブラジル王者ファブリシオ・ザカリアスにKO勝利したが、7月のRISE大阪大会ではNKB王者の高橋一眞に判定負け。10月のホーストカップではMA日本ライト級3位・元氣から判定勝ちを収めた。
1R、ドウリャは右インローを次々と当て、麻原はバランスを崩す場面も。麻原は左ボディブロー、右フックを当てるなどパンチ主体の攻めで前に出る。
2R、ドウリャは右インロー、左ミドルを当て前進。「ローのダメージがあった」(武蔵)という麻原だが耐えて左ボディブローをヒットさせ、ドウリャの動きを鈍らせる。
3R、ドウリャのローで効かされるも前に出る麻原は左ミドル、左ボディブローで削っていき、パンチ主体の攻めで前進。最後に左ハイ、胴回し回転蹴りといった大技でKOを狙っていく。終盤には激しい打ち合いを経て終了。お互いに決定打はなくドローに終わった。