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【ZST】令和のZSTで復活の旧RINGSルールマッチ、伊藤健一「ダナハー先生のテクニックが極まったら逃げられない」vs 飯塚優「ヴォルク・ハンのように一瞬で勝負を決する」

2020/01/10 11:01
2020年1月26日(日)東京・新宿FACEで開催される『ZST.67』の会見が9日、都内にて行われた。 同大会では、旧RINGSルールをもとにした「RXルール」で、“戦うIT社長”伊藤健一(フリー)とプロレスラーとして活躍する飯塚優(HEAT-UP)が対戦する。 ▼RXルール ライト級 10分1R伊藤健一(フリー)飯塚 優(HEAT-UP) 23歳の飯塚は、サンビスト。第4回品川区グラップリング大会74kg以下級準優勝など、アマチュア格闘技にも積極的に参戦し、プロレスリングHEAT-UPではヴォルク・ハンの首極め腕卍からの投げ技「コマンドスープレックス」を得意としている。“こよなく愛する”というRINGSルールで、ZSTのベテラン伊藤相手にどんな戦いを見せるか。44歳の伊藤は2016年11月にリトアニアで行われたイグナス・バリサス戦以来の試合となる。 旧RINGSルールをもとにした「RXルール」は、通常のMMAのオープンフィンガーグローブを直用せず、素手での掌底が許され(グラウンド状態での顔面・頭部への打撃は禁止)、レガースを履いた状態での蹴り、ダウンカウントおよび寝技でのロープエスケープが3回まで認められた総合格闘技ルールとなる。 会見冒頭で「自分がプロデューサーをやる中で、このルールでの試合は絶対やりたいと思っていたルールです」と、思い入れを語った勝村周一朗プロデューサー。 「最初に旧RINGSルールでの試合を考えたときに出てもらいたいと思い、ずっと注目していたプロレスラーの飯塚優選手。そして、今か今かと復活を待っていた“戦うIT社長”伊藤健一選手、この対決を組むしかないなと」と両者のマッチアップを説明した。 2014年4月以来、5年9カ月ぶりのZST参戦となる伊藤は、「今回、勝村プロデューサーからシャンパンとテキーラをご馳走になって、このカードを組んでいただき出ることになりました」と笑顔で語ると、「ZSTのときは19歳の相手と試合して、今回も23歳が相手。20代、30代とZSTで戦い、まさか40代でもZSTに出るとは夢にも思ってなかったですが、せっかく勝村Pにご指名いただいたので、試合までしっかり練習してきます」と意気込みを語った。 また、今回の試合に向け、ニューヨーク合宿も敢行。 「連絡が来たときからニューヨークに飛んで、ヘンゾ・グレイシー道場で徹底的に練習してきました。ヘンゾの道場には同階級の世界的に有名な選手、ニッキー・ライアンやゲイリー・トノンがいたので、いい練習ができました。そして世界的な名将ジョン・ダナハー先生のテクニックをしっかり学んできました。崇拝しているダナハー先生のテクニックをZSTでぜひ見せたいです。総合だとブン殴られるようなグラップリングテクニックも、RINGSルールなら思う存分発揮できる」と、最新の足関節システムを誇るジョン・ダナハーのもとで特訓を積んできたことを明かした。 対する飯塚は、「RINGSがすごく好きで、このルールで戦えることが光栄です。プロレスリングのほかにサンボの道場への出稽古もずっと続けています。僕の好きなヴォルク・ハン選手と同じようにサンボの技術を最大限生かして戦いたいと思います。ハン選手の首極め腕卍“メビウス固め”もぜひ極めてみたい」と、RINGSで活躍した“千のサブミッションを持つ男”ハンのようにRINGSルールで戦いたいとした。 その言葉を聞いた伊藤がすかさず「ちなみに僕はリアルタイムでヴォルク・ハンを見て、実際に会ったこともある」と大人げなく対抗。さらに「ダナハー先生はいま三角絞めにもすごく凝っていて、足関節だけでなく首系も細かいスイープ、パスガードも新鮮で、習ったことを全部出したい」と、ベテランらしく試合前の神経戦を仕掛けに。 しかし飯塚は、伊藤の“ニューヨーク仕込み”のテクニックについて、「対戦相手が決まって、相手(伊藤)の情報を調べたんですけど、柔術茶帯と分かって……(「一応、黒帯です(笑)」と伊藤が突っ込み)自分なりに寝技の練習のなかで、サドルロックなどは研究してきました」と、防御策を講じてきたと切り返し。 伊藤が「ヤバい、知っていましたね……」と苦笑すると、飯塚は最新ダナハーシステムに対しても、「サンボだと15秒で寝技が止められるので、いろいろなアプローチで攻める必要があります。たとえば跳びつき腕十字だったり、カニ挟みだったり、まさにヴォルク・ハンの戦いのように、本当に一瞬で勝負を決する極めの強さを出していきたいです」とサンボの強みを語った。 ここまで柔術アピールをしてきた伊藤は、突如「ちなみに僕も学生時代にずっとサンボをやっていたので」と対抗。勝村プロデューサーまでも「僕もコマンドサンボで優勝したことがあるんで」と妙な自慢大会となったところで“柔術vsサンボ”の話題は打ち切りに。 続けて記者陣からは、飯塚にプロレスラーとして参戦することについての質問も飛んだ。 飯塚は、「負けたくないですね。格闘技のお客さんに勝負論とそれ以外のものも見せていきたい。相手の技を受けるという面ではタフになっている。オープンハンドの打撃も、プロレスのそういうスタイルの試合のなかで経験しているのも有利だと思いますし、長井(満也)選手とやった(2019年12月30日ニコプロpresentsハードヒットで対戦)経験も間違いなく活きると思います」と、プロレスラーとしての身体の頑丈さとUスタイルでの試合経験が活きると語った。 その言葉を聞いた伊藤も、「プロレスラーで総合のリングに上がるのはすごく勇気がいること。彼にとってはリスクしかない。その意味では飯塚選手を尊敬しています。リスペクトを持って戦いたいし、僕も柔術黒帯の力を見せたいと思います」と敬意を表すと、「やっぱり僕にとってZSTのリングで勝つことはスペシャルなこと。昨年は祖母や長年飼っていた猫が他界するなど、不幸が連発していたのですが、リングで勝てば忘れられるのは経験上知っている。勝ってスカッとしたい」と長年戦ってきたZSTリングへの思い入れも語った。 また、44歳で1R10分の戦いに臨むことについては、「ずっと海外で柔術の試合にも出ているので大丈夫です(苦笑)。ただ正直、不安はあります。打撃も入りますし、練習で動けても実際に本番のリングで動けるのか。昔は打撃が得意でしたが、本番でどうなるか。海外の柔術大会とプロのリングはまた異なりますし、若者はガンガン来るだろうし、10分はおじさんにはしんどいかもしれません」と苦笑しながらも、本番での勝負になると答えた。 海外にもグラウンド打撃がパウンドではなく掌底などに制限されている試合形式が存在するが、今回のRXルールは、「ロープエスケープあり」が特徴的だ。 プロレスリング由来のこのルールについて飯塚は、「自分にとってはロープエスケープが有利だと思いました。それも最大限活用して戦いたいと思います」と語ると、伊藤は、「飯塚選手はロープエスケープに慣れていると思いますが、もしダナハー先生のテクニックが極まっちゃったら逃げられないと思う」と牽制した。 何の障害もないマットの上で試合を行うのも一つのルールに限定された形であるのと同様に、リングでロープに囲まれたなかで試合をし、ロープに触れたら掴んでエスケープしてもいいというのも一つのルールの形だ。かつてのRINGSルールでは、1エスケープ=1ダウンという考え方も示していた。 その一方で、ポジショニングを奪いコントロールし、サブミットしフィニッシュするという目的のなかで、ロープエスケープで仕切り直しのルールは、近代MMAのなかで異質ではある。 その意義を勝村プロデューサーに問うと、「逃げられないけど極められない、そういったときにロープに足がかかってエスケープになる──柔道の抑え込みで、足がからんで『解けた』となるように──格闘技にそういうゲーム性があってもいいんだよ、というところを見てもらいたいです。極め切らないけどエスケープさせてポイントを取って優位に立つというゲーム性の部分ですね」と、競技化していった格闘技を例に説明。 その上で、「RINGSルールって面白い。掌底でガツガツやって、エスケープもあって、体力勝負のところも出てくる。その分、このルールってつまらない試合もできる。アマチュアの戦い方ではなく、プロの技術があるもの同士がこのルールで戦ったときの面白さを、いまのMMAのファンに観てもらいたい。そして、僕らの世代とRINGSを知らない若い世代にも、こんな面白い戦いが出来る舞台があるなら挑戦してみたい、と出てきてほしい。そういう人たちを引きずり出してくれるのが、今回のこの2人だと思います」と、プロとしての力量が問われる試合形式だと話した。 令和のZSTで復活した旧RINGSルールの「RXルール」マッチ。伊藤と飯塚はどんな試合を見せるか。
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