2019年12月31日(火)さいたまスーパーアリーナ『RIZIN.20』の第6試合で、石井慧(チーム・クロコップ)がジェイク・ヒューン(米国/アブソリュートMMA)と対戦する。
前日計量では105kg契約のなか、石井が103.8kgで、ヒューンが104.10kgでパス。ヒューンが缶ビールを飲みほして握りつぶすパフォーマンスの横で、石井は平常心でフェイスオフに臨んでいた。
2017年4月のヒース・ヒーリング戦以来、2年8カ月ぶりのRIZIN参戦に向け石井は、「久しぶりの日本での試合なので、すごく楽しみにしています」と語ると、ヒューンについて、「ずっとRIZINで試合していた選手ですよね。ただイメージは持たなくて、自分の戦いをするだけです。相手によって変えることはないです」とした。
事前アンケートでは、「榊原氏のウニヒピリを癒したい」と謎の言葉を残していたが、それについては「榊原氏のウニヒピリというのは潜在意識のことで、あまり僕の戦いについて良いように思っていないと取れるので、そういった部分を、彼の潜在意識の方から僕が癒していきたいなと、そう思っています。それは僕に関することだけじゃなくて、根本的なところから、ね」と笑顔。
「どうしたら癒すことができる?」と問われると、「彼を、愛してあげることが、一番いいかなと思います」と、試合を通して榊原CEOに愛を届けることだと語った。
大晦日から年を明けて2020年1月19日には、東京・竹芝のニューピアホールで開催される「HEAT46」にも出場予定(ブラジルのクレベル・ソウザを相手にHEAT総合ルール ヘビー級王座防衛戦)。怒涛の2連戦に臨む石井は、「経験を積む。常に試合があって、調整もできないくらい試合が詰まっている状況に身を置くことで、スーパーマーケットに買い物に行くような感じで(試合の)精神状態を持っていけたらな、と。自分で試行錯誤をしています」と、常在戦場の意味を語った。
リングでの試合は2017年10月「Final Fight Championship 30」以来。ここから石井は7連勝を飾った。ケージからリングの試合に戻ることについても、「特に問題ないですね。練習していたので」と意に介さない石井は、「自分の戦い方ができるか、練習してきたことが出せるかに重きを置いています。そういったことを僕自身が出していきたい」と語ると、「ヘビー級で一番強い選手になりたいです。常に戦いや試合のある状況で、どんな時もふつうの状態で試合に臨める選手になりたい」と、目標を語った。
カウンターカルチャーに影響を与えたカルロス・カスタネダの本を読んでいるという石井。その知恵は石井の戦いに何をもたらすか。
対するジェイク・ヒューンは、ビッグネームである石井の印象を「イシイは過去の試合を見ると回りながら逃げることが多い。彼を追いかけて攻めて、血を流すくらいの気持ちで向かっていきたい」とアグレッシブなスタンドで攻めることを予告。
石井が得意とする柔道の投げについては、「ある程度の対策はしてきたけど、イシイが投げてイッポンを取っても勝ちじゃない(笑)。柔道ではなく立ち上がりから殴り合いをしたい。このパンチでKOしたいと思っているよ」と拳を誇示した。
その左腕には般若風のタトゥー。「1年前にタイで入れた。侍のマスクを顔に入れるとちょっとマズいから腕に入れたよ」と笑う。
石井戦を越えて2020年は、「イリーとの再戦はもちろんやりたい。2020年には無差別級なのかヘビー級なのか、ライトヘビー級なのか、何らかのタイトルショットに挑戦できると考えている。トーナメントがあればもちろん参加するよ。明日にでもね。そのためにもイシイに勝って日本で正月に美酒で祝いたいね」と必勝を誓った。