MMA
レポート

【DEEP JEWELS】聖愛が貫録TKO勝ち、百花はドロー。加賀谷花野が柔道対決を打撃で制す

2019/12/24 17:12
2019年12月22日(日)大阪・阿倍野区民センター大ホールにて、『DEEP JEWELS 27』が開催された。 ▼セミファイナル 第5試合 DEEP JEWELS KICKルール 47.5kg以下 3分3R△百花(魁塾/NJKFミネルヴァアトム級王者)[判定0-1] ※27-30、29-29×2△ローマニー・センチャイ(W.santai gym/WMC WORLD CHAMPIONWORLD AMATEUR THAI BOXING CHAMPION) NJKFミネルヴァ日本アトム級王者・百花(魁塾)が、タイのローマニー・センチャイとセミファイナルのキックルールで対戦。 百花は中学2年生でキックボクシングを始め、2010年12月にプロデビュー。2012年5月に『JEWELS』で行われたキックルールトーナメントで優勝して注目を浴びた。東京と大阪で試合経験を積み、2017年9月にミネルヴァ日本アトム級王座を奪取。2018年11月のRISEではプロ2戦目の那須川梨々に判定2-0でプロ初黒星を付けた。11月の『RISE GIRLS POWER』ではその那須川にリベンジを許したが、バチバチの打ち合いを展開して見せた。 ローマニーはWMC世界王座を保持したことがあり、百花にとっては初のムエタイ戦士との国際戦となった。 1R、ともにオーソドックス構え。先に右ローを当てる百花。ローマニーは右ミドルを当てると、続けて右ハイを見せるがスウェイして避ける百花。その打ち終わりに百花は右で詰める。 細かいステップの百花に長い右ミドルはローマニー。しかし前蹴りをかわす百花はその戻しの際で右を打ち込む。右ミドル・前蹴りな長く、遠間から中に入る距離を図る百花。 追うローマニーは右ミドルを当てると、右回りにステップする百花。右前蹴りとヒザで制空圏を握ろうとするローマニー。その右ミドルの打ち際に今度は百花が右ストレートで入っていく。右ミドルにワンツーをガード上にまとめる百花は右ボディストレートも。歩いての左前蹴りはローマニー。右ストレートの百花はワンツーをかぶせていく。しかしローマニーの右ミドルも当たっている。 2R、距離を近づけワンツースリーの連打を叩いていく百花。ローマニーの軸はやはり右ミドル。右ローを当てる百花。ローマニーの右の蹴りと百花の右ストレートでは右の蹴りが長い。左から入っていく百花は右にステップして角度をつけて右フック。しかし入り際にローマニーのは右の前蹴りで百花を後方にこかす! すぐに立つ百花。ローマニーの右ハイはブロックの上ながら百花のバランスが崩れる。右前蹴りから近づくとクリンチはローマニー。百花の入りに右のテンカオも当てるローマニー。右ボディストレートから右を顔面に打ち分ける百花。しかしローマニーも右の前蹴り&ミドル、左テンカオを打ち分けコーナーに詰めていく。 ローマニーの左ミドルのダブルで後退する百花。しかし右ミドルの打ち終わりに左右で前進するとローマニーが後退。右ストレート、右ボディのコンビネーションを受けたローマニーはクリンチに。下がりながら右のテンカオはローマニーだが、百花の手数にコーナーに詰まる。 3R、ゴングと同時にワンツー右ミドルで攻める百花。近距離で右フックを当てるが、ローマニーも右ミドルを当てていく。蹴りの圧力に下がらせられる百花。ローマニーは右ミドルから左ヒザで前進。ポイントを取ったと判断したか。ローマニーは時折左ミドルを見せるが逃げ切り体勢に。右ボディを突破口にしたい百花だが、ローマニーの長い左右の蹴り・ヒザには百花は受け身に。しかし、スーパーマンパンチから近づき、さらに右で飛び込む百花。クリンチが多くなるローマニー。 ローマニーの右ミドルにワンツーを打ち返す百花だが、近い距離はヒザを突くローマニー。百花が右で詰めたところでゴング。最後まで両者ともに決定打は当てられず。試合は、ジャッジ1名がローマニーを支持するも判定ドロー。百花はキックルールながらムエタイ相手にほろ苦い引き分けとなった。 ▼第2試合 DEEP JEWELS KICKルール 52kg以下 3分3R○聖愛(魁塾)[1R 1分29秒 TKO] ※3ノックダウン×くるみ(BLOW) 聖愛は関西でそのビジュアルも注目されている女子高生ファイターで、長い手足を利した攻撃が持ち味。6月に開催された『ミネルヴァ』ではミネルヴァ・ライトフライ級王者の楓を1Rでロングリーチから繰り出すパンチでマットに沈めている。11月8日の『RISE GIRLS POWER』ではパンチ主体の後藤まきに対して左右ミドルでいなす戦いぶりで判定勝利を収めている。 くるみは関西のキックボクシングとMMAの大会に出場しており、赤林檎が公園で行っている稽古にも参加している。今回は赤林檎の推薦を受けてのDEEP JEWELS初登場。目立った戦歴はないようだが、勢いに乗る聖愛を喰うことができるか。 1R、ともにオーソドックスス構え。右ローで牽制する聖愛は一転、早い左ハイ。ガードの上ながらくるみは反応が遅れている。くるみの左の入りに左を当てる聖愛。前蹴り・左ミドルも当てると、前に詰めてきたくるみに右ジャブでアゴを上げさせる。 さらに左ロー、右ミドルをヒット。開きながら打ってくるくるみにロープを背にしながらも左ミドルを当てると、くるみが後退。左ジャブから右ハイがヒットし、くるみは防戦一方に。ラッシュから右ストレートでダウンを奪った聖愛。 立ち上がったくるみだが、再び左ミドルをレバーに受けて腹を押さえると、レフェリーがスタンディングダウンを宣告。再開も腰が退けているくるみ。上下の蹴りを当てる聖愛は、左ミドル3連打でコーナーに詰めて右フックを当てると、レフェリーが間に入った。 キャリアで勝る聖愛が一方的な試合展開でTKO勝利。11月のRISEに続いて連勝。2019年を5戦5勝2KOで締めた。 ▼第3試合 DEEP JEWELS MMAルール フェザー級 5分2R×上田真央(フリー)[判定1-2] ※19-20、20-18、19-19(マスト判定・加賀屋)○加賀谷花野(柔術&MMAアカデミーG-face) 元大阪府警の上田真央は柔道出身。2019年3月のKINGレイナ戦でKO負けも、9月大会ではベテランの超弁慶にTKO勝利し復活。地元大阪凱旋となる。試合前には「今回、大阪でホームということで一生懸命いつもより2倍パインアメをまこうと思っています。“必死のパッチ”で頑張ります」と、らしいコメントを残している。 対する加賀谷花野は今回がデビュー戦。上田同様に柔道選手で九州大会3位、長崎明誠高でインターハイベスト16の戦績を持つ。松商学園の出口クリスタと同世代の柔道家だ。現在は北九州市八幡の柔術&MMAアカデミーG-face所属となる。 1R、四方に敬礼をした上田はオーソドックス構え。対する加賀谷はサウスポー構え。上田のワンツーに頭を振って左を打ち返す加賀谷。上田との組み手争いにもボディロックからバックに回り投げを許さない。飲んでかかろうとする上田はそこにバックフィストを当てて前に。 右の連打を浴びて後退する加賀谷だが、コーナーで体を入れ替え左右で応戦。上田の脇を潜りスタンドバックを取ると前方に崩して亀の上田にパウンドを当てていく。亀から立ち正対する上田。 打撃からスタンドバック、離れても臆せずパンチで上田を下がらせる加賀谷。上田の右の連打にサウスポー構えから右を当てる加賀谷はまたもボディロックへ。突き放す上田。 軸がブレない左右を放つ加賀谷に大きな右を当て返す上田。コーナーに詰まりながらも回る加賀谷は左を返す。さらの右利きサウスポーの右フックを当てると、上田も左右の細かい連打を当ててゴング。 2R、ワンツーの左、さらに右フックは加賀谷。詰める上田は引き手と釣り手をつかみにくるがすぐに抜いた加賀谷は投げられないよう徹底して脇潜りバックから崩していく。亀になる上田。ここは立つと右から連打する上田だが、内側を突く加賀谷の右に上田が後退! 上田は組みに行くとついに首に腕を巻き払い巻き込みでテイクダウン! 袈裟固めでパウンドを狙うが首を抜いた加賀谷が先に立つと右を当てる。シャープな右に上田のアゴが上がるが、上田も最後にラッシュで追うが加賀谷も打ち返しゴング。 判定は的確なパンチを当て、ポジションも失わなかった加賀谷がスプリットで勝利。MMAデビュー戦で接戦で競り勝った。 ▼第1試合 DEEP JEWELS MMAルール 55kg以下 5分2R×和田千聖(毛利道場)[判定0-3] ※19-20,18-20×2○栗山 葵(SMOKER GYM) ▼オープニングファイト第6試合 DEEP JEWELS アマチュアMMA ルール 45kg以下 3分2R○佐々木 萌(総合格闘技道場BURST)[判定3-0] ※20-18×3×有馬治美(毛利道場) ▼オープニングファイト第5試合 DEEP JEWELS アマチュアMMAルール ストロー級 3分2R○神野あかり(総合格闘技道場BURST)[判定2-1] ※20-19、20-18、19-19(マスト判定・池本)×池本 瞳(KING GYM KOBE) ▼オープニングファイト第4試合 DEEP JEWELS アマチュアKICKルール 45kg以下 1分30秒2R×富貴彩愛(トリニティーサンズ)[2R 1分30秒 判定0-3] ※19-20×3○長崎紗依茄(月心会チーム侍) ▼オープニングファイト第3試合 DEEP JEWELS アマチュアMMAルール 54kg以下 3分2R○川西まゆ(総合格闘技道場BURST)[1R 0分47秒] ※リアネイキドチョーク×HIME(毛利道場) ▼オープニングファイト第2試合 DEEP JEWELS アマチュアグラップリングルール 46kg以下 5分1R○須田萌里(SCORPION GYM)[判定3-0] ※10-9×3×上瀬あかり(毛利道場) ▼オープニングファイト第1試合 DEEP JEWELS アマチュアKICKルール 45kg以下 1分30秒2R×清水真菜佳(月心会チーム侍)[判定0-3] ※19-20×3○上村蘭唯華(真門伊藤道場)
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント