2019年12月15日(日)東京・後楽園ホール『K-1 KRUSH FIGHT.109』の第6試合スーパー・フェザー級 3分3R・延長1Rで対戦する、第7代K-1 KRUSH FIGHTスーパー・フェザー級王者・島野浩太朗(菅原道場)とSATORU成合(K-1ジム総本部チームペガサス)のインタビューが主催者を通じて届いた。
島野はMA日本キックボクシング連盟をホームリングに、2011年からK-1 JAPAN GROUPに参戦。強打を武器にトップ戦線で活躍し、北井智大、レオナ・ペタスらをKOし、皇治、卜部功也、卜部弘嵩らトップファイターたちと拳を交えてきた。2018年6月に郷州征宜を破り第7代K-1 KRUSH FIGHTスーパー・フェザー級王座に就くと、同年12月に大岩龍矢を退けて初防衛に成功。しかし、2019年3月の2度目の防衛戦で西京佑馬に敗れ、ベルトを失った。KRUSHにはそれ以来の参戦となる。戦績は22勝(13KO)13敗。
対する成合はまだキャリア4戦ながらも、戦績は3勝(3KO)1敗でK-1 JAPAN GROUPでの3試合はいずれもKO勝ち。今回の試合は成合からの「もっと上の選手と戦いたい」とのアピールがあって元王者との対戦が実現したもの。
島野浩太朗「新しい引き出しを見せたいし、自分自身の新しい挑戦にしていきたい」
――3月にタイトルマッチで西京佑馬選手に敗れて以来のKRUSH参戦となりました。対戦カード発表会見では「あの試合は本当に悔しかった」と振り返っていましたね。
「西京選手はK-1甲子園世代の王者で、技術的に大分してやられたなというのがありました。自分も試合を重ねて経験を積んできたのですが、ああやって完膚なきまでに負けてしまったので、それが本当に悔しかったです」
――今の若い世代の強さを感じましたか?
「技術は本当にすごかったですね」
――とはいえ島野選手も3Rに西京選手をあと一歩のところまで追い詰めました。
「あそこでもう一つ詰め切れなかったのが悔しかったですね…。そこも実力ではあるのですが」
――KRUSHのベルトを失ったことは島野選手にとっても大きな敗戦だったと思います。そこからまたKRUSHでの戦いに戻ってきた一番の理由はなんですか?
「あの敗戦はすごく大きくて…正面から受け止めるまでに時間がかかりました。色んな想いを持って練習を続けていくなかで、最終的に残ったのは“格闘技が好きだ”や“このリングで一番になりたい”という想いだったんですね。だったらもう一回挑戦しようと思いました」
――対戦相手のSATORU選手にはどんな印象を持っていますか?
「SATORU選手とは何度か同じ大会に出ていて、控室で自分の出番を待っている時にSATORU選手のKO勝ちのコールが耳に入ってきていて。勢いがあって倒せる選手だなという印象がありました。ただすぐに自分と対戦するというイメージではなかったですね」
――SATORU選手は倒せる武器を持った危険な相手です。
「間違いなく自分を喰ってやろうという気持ちで来ると思います」
――その相手に対して島野選手はどう戦おうと思っていますか?
「もちろんそういう土俵で絶対に負けないようにという心の準備はしています。でもそれだけだとトップ戦線では勝って行けないし、あと一歩突き抜けきれないんですよね。自分は今までそれを痛感してきたので、新しい引き出しを見せたいし、自分自身の新しい挑戦にしていきたいです」
――競技者としてもレベルアップして、この階級のトップ選手たちと戦っていきたいですか?
「はい。タイトルを失って今回の試合が決まるまでの期間、自分のなかで強く意識する選手が出てきて、その選手に挑戦したいっていう気持ちが出てきたんですよね。それを言うだけの発言権を得るためにも、この試合は絶対に落とせないし、勝って次につなげたいです」
――それではファンのみなさんに向けてメッセージをいただけますか?
「自分のなかでKRUSH・後楽園は特別な場所なので、自分をしっかり仕上げて当日のリングに立ちます」
SATORU成合「今年は最低でも全勝、全KO勝ち」
――最初にオファーを受けた時の心境はいかがでしたか?
「うれしい気持ちがある反面、一気に対戦相手のレベルが上がったので、ここを逃したら次のチャンスは来ないという不安もあります」
――前回の試合後に「これからは上の選手と戦っていきたい」という言葉もありました。
「その気持ちは変わらないのですが、いきなり元チャンピオンの島野選手とやることになるとは思っていませんでした(笑)」
――SATORU選手はK-1 JAPAN GROUPで3戦3勝・判定決着なしという戦績を残しています。それについてはどう感じていますか?
「今年は最低でも全勝、全KO勝ちということを立てていたんですね。その目標を達成するために着実に進んできたという感触もあるし、トップ選手と戦っていくためには一つも落とせない試合だったと思います」
――対戦相手の島野選手にはどんな印象を持っていますか?
「気持ちはもちろん強いし、体力は化け物的だし、攻撃力もある。効かされている場面はあるけど、そこから挽回することが多いので、打たれ強さもあると思います。ただテクニシャンタイプではないので、僕とは噛み合う試合になると思います。
――タイトルを獲った人間と戦えるチャンスは決して多くないと思います。この試合は今後を左右する一戦になると思いますか?
「もともと今年立てた全勝・全KOという目標をクリアしたら、来年はタイトルを獲りにいきたいと思っていました。ここで島野選手と試合を組んでもらった以上、勝ったら一気にタイトルまで行きたいですし、さっきも言った通り、このチャンスを逃したら次はないという覚悟で戦います」
――SATORU選手は気持ちの強さや相手を倒すことへのこだわりでは他の選手には負けたくないですか?
「そこは誰にも負けたくないですね。僕は上手い選手じゃないし、技術もないです。それでお客さんを沸かせる試合をしようと思ったら倒す以外ないし、気持ちを見せる試合をしたいと思います」
――今のK-1・KRUSHでは10代・20代前半でチャンピオンになる選手もいますが、SATORU選手は29歳でK-1 JAPAN GROUPに初参戦した遅咲きの選手です。そういう意味で今の若い選手にはないものを見せたいという想いはありますか?
「僕は23歳から格闘技を始めて、29歳で初めてK-1 JAPAN GROUPの試合に出ました。みんな20歳を過ぎて格闘技を始めるのは遅いと思っているかもしれませんが、全然そんなことはないし、僕が勝ち続けることで諦めなければ夢は叶うということを証明したいです」