3月10日(日)さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナで開催される「K-1 WORLD GP 2019 JAPAN ~K'FESTA.2~」の[K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ/3分3R・延長1R]で挑戦者・加藤久輝と対戦する王者シナ・カリミアン。
2018年9月にクルーザー級王者となって以降、日本に滞在し、ひたすら自身を高めることに励んできた。会見では相手を挑発することもなく、淡々とコメントを発する王者だが、そこには母国イランで待つ人々への想いがあった。
──カード発表会見では言葉数も少なく、試合に集中しているようでした。
「K-1のベルトを獲ってから、その重みと責任感をすごく感じているからだ。特にイランの人たちがすごく私を応援してくれているので、その期待に応えたいという気持ちから、そんな雰囲気になっているのかもしれない」
──昨年9月にチャンピオンになって初めての試合になりますが、ずっと日本に滞在しているそうですね。
「日本の新しい環境に慣れるために時間もかかったが、今はコーチや自分を支えてくれている人たちと話し合い、それに基づいて練習できる環境が整っている。試合間隔が空いてしまったが、9月のトーナメントも久しぶりの試合だったし、この期間が自分をハングリーにさせてくれている。その飢えを満たしたくて力が入っているよ」
──挑戦者の加藤久輝選手は総合格闘技で活躍し、K-1でも2戦2勝です。彼の試合はどれぐらい見ていますか?
「K-1での試合を客席から1試合だけ見た。私にとって相手が有名な選手であっても無名の選手であっても関係ない。試合をするというだけで、加藤がどんな選手かも問題にはしていない」
──では今回の試合におけるテーマはなんでしょう?
「このベルトを絶対に防衛すること、いい試合を見せること、そして今まで以上にファンの皆さんに楽しんでもらうことだ」
──前回のトーナメントでは身体がボロボロになっても最後まで前に出続けてベルトを獲得しました。今回も同じ気持ちでベルトを守るつもりですか?
「トーナメントでは1回戦からケガをして、決勝戦では目も足もひどく負傷していた。本当に厳しい試合だったが、試合中に色んな人たちの顔が浮かんできたんだ。家族、ファンのみんな……イランの人たちの顔が。
彼らがトーナメントの結果を楽しみに待ってくれていることを考えると力が湧いてくるし、自分自身も『絶対に勝つ』という強い気持ちを持って戦うことが出来る。今回も今まで苦労したことを思い出すし、試合で勝つために様々な努力を積み重ねている。自分の夢を実現するために前に進んでいるんだ」
──カリミアン選手はチャンピオンとしてK-1を代表する選手の一人であり、それと同時にイランを代表する選手です。どんな想いを持って戦いますか?
「母親は自分の子供を危険から守るためなら、どんなことも一生懸命やるだろう? 私も同じで、このベルトを守るために、ファンの皆さんを楽しませるために、そしてイランの人たちに楽しんでもらい、希望を持ってもらうために、もっと努力しなければならないという責任感を感じている」 (C)M-1 Sports Media