2026年8月30日(日)東京・後楽園ホール『Krush.191』にて、第13代Krushスーパー・フェザー級王座決定戦3分3R延長1Rで対戦する西元也史(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と上野奏貴(kickboxing gym SHINYUUKI+)のインタビューが主催者を通じて届いた。
西元「最後までしんどい思いさせようかな」
西本は伝統派空手出身で、2019年9月にKrushデビュー。朝久泰央、村越優汰、芦澤竜誠らと拳を交えた。一時は泥沼の5連敗を喫したが、2025年5月に紀州のマルちゃんから判定勝ちで連敗脱出。9月に小森玲哉に敗れるも、2026年1月に山本陸に延長戦で勝利。さらに4月のK-1では、元K-1王者の江川優生からダウンを奪っての大金星をあげた。戦績は18勝(12KO)14敗2分。
──前戦は4月のK-1での江川優生戦、判定勝利でした。あの試合を今振り返ると?
「あんなにちゃんと自分のやりたいこととか、やってきたことがガチッとハマって実行できたのは初めてやったんで、何か不思議な感覚でした」
──そうなんですね。その理由というと?
「コンディションももちろんよかったとは思うんですけど、ここ最近にないぐらい緊張してたんですよ。ですけど、力を抜いて楽しんでやろうって思ってたら、すごく思った通りに体が動きましたね。相手が強かったからこそ、そうやって集中してやり切れたかなと思います」
──その緊張感と、力を抜こうというバランスが、いい方向に働いたんでしょうね。
「そうですね、そんな感じだと思います。だから、結果もそうですけど、すごく自信がつきました」
──同時に久々の連勝にもなりました。なかなか結果が出なくて苦しんでいた時期も長かったので、いい流れになっているのでは?
「自分自身、それは普段からすごく実感してますね。でも、あんまり意識しすぎるとよくないかなと思ってるので、今はもう、とりあえず勝つことだけ考えているつもりです」
──7月のカード発表会見の時点ではワンマッチの予定でしたが、その後、急きょ王座決定戦になりました。決まった時はどう思いましたか?
「そうなるんじゃないか、みたいなことは最初からけっこう、周りからも言われてたんですよ。横山(朋哉)選手が、K-1の暫定王者になったじゃないですか。だからKrush王座は返上するんじゃないか、ということで。もちろん、王座決定戦に変わったことはすごくビビッと来るものはありますけど、試合でやろうとしてることは何も変わらないんで。タイトルを変に意識しすぎると、僕の中で邪念が出てきちゃうんかなとか思っちゃったりするので、あんまり意識しすぎないようにはしてます」
──タイトルのチャンスは2022年12月、中島千博選手に挑戦した時以来になります。前回の経験を思い出すと、どうですか?
「あの頃は僕ももうちょっと若かったですし、メチャクチャ集中して賭けていたつもりはあったんですけど、あの時よりも今の自分の方が全然強いと思ってますし、あんまり、タイトルマッチだからというのは、関係ないかなとか思っちゃったりしますね」
──では相手の上野奏貴選手について、対戦する上で一番気をつけているのはどんなところですか?
「やっぱり距離感が上手ですよね。自分の距離で打って、それ以外は、うまくいなすという感じで、自分だけ上手にやるのが得意なのと、そういう攻防での細かい技術が、年齢関係なくすごく上手だと思うので、そういったところはしっかり集中して対応していこうかなと思ってます」
──デビューから8連勝の19歳ということで、勢いに乗ってますよね。そこは?
「勢いはメチャクチャありますよね。勝負に関して、すごく持ってるなあと思います。でも、俺もさんざんやってきたんで、そこは気合いを見せてやろうかなと思ってます」
──やっぱりそこで一番の武器になるのは、経験プラス、今の手応えですか。
「そうですね。今までやってきた自分を、どこまで信じきれるかだと思ってるので。やってきたことの違いを見せたいなと思います」
──相手に対して、どう攻めていきたいと思っていますか?
「最初の早い段階から、ガンガン当てに行きますよ。上野君のいいところは出させないように。それがうまいことハマって、早く決着がつく場合もありますし、そうならなくても、最後までしんどい思いさせようかなと思ってます」
──基本的なスタイルは、これまでと変えないと。
「でも前回の試合で、周りからスタイルに関して、『すごい練習したんだね』みたいなことをかなり言われたんですよ。打つところはもちろん打ち抜きますけど、自分も最低限もらわないとか、そういうところは考えてやってるので。もちろん根底は変わらず、攻めるつもりです」
──ここで勝てばいよいよチャンピオンですね。
「そうですね。一つの区切りというか、今までやってきた証拠が一つ、手に入ると思います。でも、獲らないと何も言えないですからね。実際に獲るまでは、あんまり口に出しすぎないようにしようと思ってますけど」
──その相手が、デビューから無敗で来ている若い新鋭というところは、実際どうですか?
「運営側は、上野君みたいな若い子に獲ってほしいんだろうなっていう感覚はすごくあって。もちろん負けなしで来てるし、これからどうにでもなるじゃないですか。K-1がスターにしたいっていう感覚とかもあると思うので『そんなことはさせへんぞ』ぐらいにさせるつもりです。君はまだまだ若かくて、時間あるんやから、と。もしかしたらK-1もそんなこと思ってないかもしれないですけど、僕はちょっと、胸の内ではそう思っちゃってるんで。空気とか関係なしで、僕はふさわしい相手やと思ってますし、強い相手やと思ってるので、何も文句はないですけどね」
──しかし、そうやって若い世代を迎え撃つ立場になりましたね。
「なりましたねえ(笑)。気づけばもう中堅っていうか、ほぼベテラン寄りになってきちゃってますからね。間違いなく、向こうからしたらオッサンですよね(笑)。怖いもんもないでしょうし」
──しかも今回はセミでお兄さんの空大選手も出て、「2人で上野祭りにする」と言っています。もちろん「そうはいかねえぞ」という気持ちは…。
「メチャクチャあります。北海道から来て、たくさん応援も来てくれるやろうし、すごく気持ちが入ってるのも分かるけど、リングでは俺と1対1やぞってことなんで。そんな簡単にいかへんぞって、思い知らせてやろうと思ってます」
──そして西元選手にとっては、大きな節目になる試合ですね。
「はい。それだけの気持ちを持って臨んでるし、これからは全部そういう試合やと思ってるんで。もう、何一つ取りこぼさないようにやっていきます」
──では最後に、改めてこの試合への“決意”をいただけますか?
「王座決定戦に変わったりしましたけど、それも全部含めて、僕は今の自分の運命やと思ってるんで。もう、ここから一つも落とさず、全部絶対獲ろうということだけ考えて練習してきたので、必ず勝ちます」
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上野「兄と2人で勝つということに意味がある」
上野奏貴は空手出身で、K-1甲子園2023 -60kg王者として2024年7月に『K-1 WORLD MAX』でプロデビュー。2025年6月にRIZIN北海道大会で当時RISEフェザー級8位の山川賢誠に勝利し、12月にはKNOCK OUTの小森玲哉に判定勝ち。2026年5月、7連勝を飾っていた目黒翔大からダウンを奪って勝利し、現在まで8勝(4KO)無敗の快進撃を続けている。
──7月の会見でカードが発表された時点ではワンマッチでしたが、その後、王座決定戦に変更になりました。決まった時はどう思いましたか?
「練習後に、ジムの代表のお父さんから『連絡来たぞ』って言われて、『来たな!』と。ビッグチャンスが回ってきたな、って思いましたね。そこからはさらに上げて、やってきました」
──デビューから8連勝して、9戦目というこのタイミングについては、どう思いますか?
「無敗で、最短で来れてるなというのは、自分自身思っていて。ここまで8戦やってきて、自分なりに1戦1戦、経験してきたものも大きいし、その経験を活かして作ってきたこともたくさんあるので、ここで一つ、自分がやってきたことの集大成というか、自分がやってきたことを証明する試合かなと思ってます」
──経験を重ねるという意味では、前回の目黒翔大戦は、今振り返るとどうですか?
「自分の距離と相手の距離が真逆で、やりたいことも真逆だったので、そういう選手を相手にいい経験が積めたというか。その実戦の中で得られたものもたくさんあるし、あの試合から、自分はまだここが足りないと思ったところも細かく練習してきたので、いい経験をさせてもらったな、自分を強くさせてもらったなと思います」
──今回の西元也史選手もそうですが、確実に、自分よりキャリアのある選手との対戦が続くので、一戦一戦、得られるものが違いますよね。
「そうですね。相手のほとんどが、自分の何倍もキャリアがある選手で、一戦一戦、試合で得られるものが多いですね。その経験を北海道に持ち帰って修正していくことで、自分を自分を強くする練習ができているので、必要なことを一つ一つクリアしていけている感覚があります」
──今の時点では、西元選手に対して一番気をつけようと思っているのは、どういうところですか?
「『KOマシーン』と言われていたのもあって、一発の力がある選手だと思うので、そこは油断せず、でも、自分のやるべきことを徹底すれば、試合が始まってすぐに分かると思うので。今までどおり、自分がやってきたこと、やるべきことを出すだけですね」
──その言葉を聞くと、相当自信がありそうですね。
「自分はもうここまでいろいろやってきたので、もう準備は万端ですし、相手がどう出てこようが倒すぞという気持ちです」
──やはり最終的には倒したいですか。
「はい。初めてのメインイベント、そしてタイトルが懸かった試合でもあるので、『これはレベルが違ったな』と周りの人をビックリさせるようなKOで、Krushらしさを見せたいですね」
──早い段階から狙っていく?
「自分の試合を見てもらえば分かると思うんですけど、最初から行くときも、最後に倒すのも、いつでもやれるので。そこも本当に、やってきたことを出すだけです」
──先ほど出たように、初めてのタイトルマッチで、同時に初めてのメインイベントになりました。そこはどう感じていますか?
「兄貴(上野空大)が先にメインとかセミファイナルとかやっていて、自分は『ここで闘いたい』とずっと思ってました。自分は第1試合、第3試合、第4試合とか、最初の方で、兄貴はセミとかメインでやっていて、俺もここで闘わないとなという気持ちがずっとあったので、『やっと来たな』と思って、楽しみな気持ちが大きいですね」
──そして、これまでは勝ってお兄さんにつなぐという立場だったと思いますが、今回は逆ですよね。
「そうですね。でも、兄貴は必ず勝ってくれると思うので、前とか後とかは、自分はそこまで気にしてないというか。2人で勝つということに意味があると思うし、自分が最後をしっかり締めくくりたいですね」
──会見でも「上野兄弟祭り」と言っていましたが、「上野兄弟の時代」を見せつける、これ以上ないチャンスですね。
「大会の告知動画も自分たち上野兄弟にフォーカスしてもらって、最高の動画でした。そういう周りからの期待にも応えるというか…その期待を相当上回って応えられるように自分たちは準備してきたので、ここ北海道から、新しい時代を作っていきます」
──勝てば9戦目にしてチャンピオンです。獲ったら、その後はどうしていきたいですか?
「目指しているところはK-1の世界チャンピオンですけど、でも今は先を見ていられないというか。この一戦、西元選手も本当にすごく思いを懸けて闘ってくると思うし、死に物狂いで向かってくると思うので、自分もこの一戦に集中して、死に物狂いで命を懸けて、何が何でも勝つという気持ちを持っています。だから今はもう、先のことよりも、この一戦に全てを懸けています」
──そして、いずれは北海道で大会をという夢もありますよね。
「はい。ここで自分がベルトを獲れば、それもどんどん現実的な話になってくると思うので、はい、そういった意味でも、この大チャンスしっかり掴み取りたいですね」
──では最後に、改めてこの試合に向けての“決意”をいただけますか?
「まず、今回自分は、北海道から史上初のタイトルマッチに挑むことになります。今まで北海道からチャンピオンになった選手もいないですし、史上初めて兄弟でメイン・セミということで、いろんな歴史が変わる一戦だと思っています。自分が小さい頃から格闘技を教えてもらったお父さんや、一緒にやってきた兄貴だったり、今もいろんなトレーナーに支えてもらっているので、みんなで必ずチャンピオンベルトを獲りに行くという気持ちをしっかり強く持っていきたいと思います。それと自分は、この試合が10代最後の試合なんですよ」
──ああ、そうですね!
「来月が誕生日で、今回が10代ラストの試合なので、ここでKrushのベルトを獲って、8月30日は『上野兄弟祭り』をしっかり僕が締めたいと思います」