2019年12月28日(土)ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN ~初代女子フライ級王座決定トーナメント&スーパー・ライト級タイトルマッチ~』に出場する、第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者・野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)のインタビューが主催者を通じて届いた。
野杁は3月のジョーダン・ピケオー戦で敗れたものの、それ以外は2017年8月から全試合KO勝ち(6KO)。2階級制覇へ向けて、今回は2016年WFCA -68kgヨーロッパ王者、2015年WFL -65kg王者ハッサン・トイ(トルコ)と対戦する。
■オファーを受けた時も『あの選手か!』と思った
――8月K-1大阪大会では、大会前に対戦相手が変更になったものの、サミ・ラミリに圧勝と言っていい内容のKO勝利でした。
「あの時は試合内容というよりも、しっかり結果を残せたのがよかったですね。今年KRESTに移籍して勝っていなかったので、まずは内容よりも勝つことができて良かったなと思います」
――KREST所属として2戦目でしたが、それまではどこが変わったと思いますか?
「冷静に戦えたかなと思います。3月のジョーダン・ピケオー戦は無我夢中というか、ダメージがあったわけではないのですが、熱くなりすぎてあまり試合のことを覚えてなかったんです。でも大阪大会は最初から最後まで冷静でいられたし、ちゃんと試合内容も覚えているので、そこは良かった点ですね」
――改めてKRESTでの練習はいかがでしょうか?
「切磋琢磨できる仲間がたくさんいることが大きいです。K-1ジム恵比寿時代もプロ選手はたくさんいたのですが、KRESTの選手はみんなチャンピオンクラスだし、それだけ意識も高いので刺激を受けています。一緒に練習していても『周りがこれだけやってるんだから自分も負けられない』という雰囲気で、オーバーワーク寸前まで追い込むんです。そういう環境で練習できることは最高ですね」
――そして今大会ではヨーロッパの強豪ハッサン・トイと対戦が決まりました。かつてK-1でも活躍したイリアス・ブライドにも勝っている選手です。
「僕はそこまで海外の選手に詳しい方ではないのですが“ハッサン・トイ”という名前は昔から知っていました。だからオファーを受けた時も『あの選手か!』と思ったし、強い選手と試合を組んでもらえて良かったです」
――ファイトスタイルについてはいかがですか?
「タイプ的には僕と似ている印象ですね。180㎝ちょっとあって、自分よりも背が高いのはやりにくそうですけど……ファイトスタイルで言えばやりやすいかなと思います。KRESTの(渡辺)雅和さんや(上松)大輔さんと一緒に映像を見て、どうやって戦うかは話し合っています。だからもう攻略するイメージはできていますね」
――野杁選手としてはハッサンのような世界の強豪とどんどん戦っていきたいですか?
「そうですね。勝って当たり前の試合よりも周りから『今回やばいんじゃないの?』と思われる相手とやった方が僕も燃えるし、お客さんもどちらが勝つか分からない試合の方が見ていてドキドキワクワクしてもらえると思います。色んな選手がいると思いますが僕は“強いヤツと戦う”というスタンスを貫きたいです」
――この試合に勝てばタイトルマッチやピケオーへのリベンジも見えてくると思います。
「正直今はピケオーへのリベンジはそこまで意識していないというか。僕はウェルター級のなかでピケオーが一番強いと思っていて、11月の横浜大会は久保(優太)選手の怪我でタイトルマッチが流れたじゃないですか。それでピケオーと近藤魁成選手が試合をしましたけど、僕はその試合が決まった時に『もう近藤選手を当てちゃうの?』と思ったんですよね。僕にとってピケオーは高い壁ですけど、超えられない壁とは思わなかったし、今はピケオーへのリベンジというよりも与えられた試合を勝ち続けて、2階級制覇を成し遂げたいという気持ちの方が強いですね」
――そういった意味ではハッサンはピケオーに匹敵するレベルの強豪です。そういった相手と戦っても勝つ姿を見せたいですか?
「ファンの人たちに『やっぱり野杁はレベルが違う』という試合をしたいし、ベルトを巻くのは野杁しかいないと思われるような試合をしたいと思います」