体重管理にいかに介入するか
前戦でフェザー級に上げての不甲斐ない試合、またRIZINルールへの対応など、日本マットを甘くみていた感のあるミックスだが、今回の計量前夜には、最終どのくらいの水抜きになっていたのか。計量日には腎機能の低下からか足がつり、まともに歩けない状態になっていたことが関係者への取材で分かっているが、2.85kgを残したことで、“最後のひと絞り”を行わなかったことは、ダメージを残さず試合に臨む形をとったとも言える。
一方、7日にマハチカラからウズベキスタンのタシケント経由で、東京入りしたガジャマトフは、扇久保博正戦の敗北から11カ月間のブランクについて、25年12月にヘルニアの手術をしたことを明かし、練習再開が4月。体重は増量していたが、5月には今回のフライ級戦のオファーを受けて、3カ月間を過ごしてきたことが分かっている。
試合4日前来日は、UFCのファイトウィークでの試合5日前現地入りよりは1日遅いものの、多くの団体で計量の前日入りとなっている状況を考えると、早めの対応だ。
また、今回のRIZIN滞在ホテルでは、2部屋を貸し切り、そこにマットスペースを用意。パーソナルサウナも導入されていた。
ラスベガスのUFC PI(パフォーマンス・インスティテュート)では、朝倉海のように身体測定による適正階級のアドバイス、また試合前の選手のそれぞれの減量状況に応じたミールプラン「UFC Ignite」により、減量(Cut)、現状維持(Maintain)、増量(Build)に対応する塩分やタンパク質が調整された食事が提供されるが、それは高度な施設と潤沢な資金があってこそのもの。
榊原CEOが記した通り、今後は「選手やチームだけに委ねるのでは無く、主催者としても事前に何度も注意を促す様な働き掛け」をこれまで以上にしていくことになる。「試合1週間前体重」を公表している団体もあるなか、今後は団体がどのように減量に介入していくか。
北米では、水抜き前にキャッチウェイト戦の交渉が行われることも少なくないが、階級制競技の興味がそがれる部分もあり、その意味では今回の「ノーコンテスト」ルールも同様。特にタイトル戦線に繋がる試合では、「その試合が何キロで行われたのか」は、評価の重要なポイントにもなる。
前日計量の一瞬だけを通過して、リカバリーでより強く当日を迎えるのが現在のMMAで、当日計量なら“イコールコンディション”の競技としてより公平との考えもあるが、もはや当日計量のプロ競技・団体は少数に限られており、前日計量&リカバリー(戻し体重)制限無しがほとんど(※IBFでは前日計量後から試合当日朝までの体重増加を10ポンド/約4.5kg以内に制限する独自ルールが設けられている)だ。
今後、体重超過選手の場合は、当日の体重戻し幅を定めるなどの対処が必要になってくるかもしれない。何より通常体重が大きな選手は、急激な減量に無理が生じるケースが多く、そのためにも早めの試合オファーと、普段の体重管理が最も効果的な施策となりそうだ。それでも起こる体重超過に、いかにファン、ファイター、プロモーターが納得する形を作るか。今後の解決策に注目したい。










