雑賀ヤン坊達也「打ち合うなんて作戦には一切入ってなかったけど──」
──試合後の率直な感想をお聞かせください。
「いやあ、負けたなあ、って思うのと、あと、めちゃくちゃ楽しかったっすね。あの空間、あのヒリヒリ感。打ち合わずにいられませんでした」
──すごい打撃戦でしたが、ご自身の中では楽しかった、のほうが勝っていますか。
「そうっスね。負けたのになんかこんなにすっきりしているというか。悔しいですけどね。 なんか本当楽しくて『やったな!』っていう感じが。ま、でもやっぱ悔しいっスよ」
──衝撃的な倒れ方でしたが、その際の記憶はありますか?
「多分アッパーに対しての左フックで見えてなくて 倒れた時に“うわ、ヤバい、また左ハイか!”と思ってちょっと去年の11 月の神戸の記憶が蘇みがえった瞬間に止まってたんで。ちょっとなんか、走馬灯のような感じで“ヤベっ!”と思ったら 止まってました」
──宇佐美選手と実際に戦った印象を教えてください。
「もう見ての通り、パンチのスペシャリストっスよね。めちゃめちゃ精度高かったし当ててくるポイントもすげえ上手かったし、はい。楽しかったっス(笑)」
──試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望を教えてください。
「また戻ってこれますかね? でも、宇佐美君とあんな打ち合うの、多分僕しかいないっスよ。みんな多分打ち合うっていう選択取らないと思うんで(笑)。ま、“仕事はしますよ!”っていう感じなんで、また呼んでくださいって感じですね」
──負けた後の試合とは思えないほど笑顔が見られ、さっぱりした感じですが、そこはやはり、パトリック選手と打ち合えた満足感が大きいのでしょうか。
「どうなんですかね。なんかその“楽しかった”っていうのがやっぱ多分一番、前回11月ここで負けちゃった時は何もできずに負けちゃってもう悔しくて涙が出るぐらい“この先どうすんだ、死にたい”まで言っちゃうとアレですけど“死んじゃう”みたいなぐらい落ち込んでたんですけど。今回もうこんな感じっスね、なんかもう“やったな、殴り合ったな”みたいな。自分の持てるもん出して、自分の一番強いとこで 負けたんで、なんかちょっとすっきりしてますね。 悔しいですけどね。こんなですけど(笑)。めちゃくちゃ悔しいっスよ」
──ご自身の強いところも出したということでしたが、打撃のスペシャリストのパトリック選手を相手に、本来試合に勝つためであれば打撃戦を避けるのが定石だと思いますが、そういうことは一切考えなかったのですか。
「いやもう作戦はもちろんありました。はい。打ち合うなんて作戦にはもう一切入っておりませんでした。はい。最初組んだじゃないですか。組んでたんですけど。組んだ時に……、まあ組みも入れてっていうのが作戦だったんですけど、距離取りながらっていう。一回目離れた時に……、なんかまあ、性格なんすよね、“違えな”と思って、こう“退いたら負けだな”と思っちゃったんですよね。はい。そしたら負けちゃいました(笑)」
──組み合ってもしかしたら判定で勝っていたかもしれない選択肢よりも……。
「そうっスね、やっぱり退いたら負けじゃないですか。ハハ。やっぱ退けないんスよね。はい。ま、そういう性格なんスよ。“負けられっか”みたいな。自分もそこで勝負してるんで、はい。なんか試したくなっちゃったんじゃないですか。パンチのスペシャリストに。はい」
──それでこういう結果になっても後悔はない、と。
「そうですね。僕が自分で選んだやったことなんで、はい。結構“なんで打ち合ったの?”っていう連絡は来てます(笑)」
──負けながらも満足感が得られるような試合ばかりとは限りません。それでもまだファイターとしての意欲は衰えませんか。
「燃え尽きてはないですね。むしろ“次いつ?”みたいな感じです。8月行っちゃいますか? 行きますよ」
──明日は職場に復帰ですか?
「明日はまだ神戸にいるんで明後日から」
──また仕事をやりながら練習を再開ですか。
「そうですね、また。ま、ちょっと休ませてください。今月いっぱい休もうかなと思ってるんで、そしたらまた次に向けてアピールしながら頑張っていきたいなと思ってます」
──息子さんとはまだお話はされていませんか。
「今、多分バイト中っすね。ハハハ。僕の試合の日にまさかのバイトのシフトを入れちゃってたみたいで。『行ってこい』って。『自分で入れちゃったんだから』って。ま、ネタバレしないように帰ってきて後でゆっくり見てね、って言ってあります」





