MMA
レポート

【ONE】マリキンがケインを4R KOで3つのベルトを抱えて引退。ケイド・ルオトロが手塚裕之を回転系フェイントから右ストレートKO、ダヤカエフがスーパーレックからダウン奪いスプリット判定勝ち、KOKOZが判定負け

2026/05/15 18:05

▼ONEライト級(※77.1kg)MMA 5分3R
×手塚裕之(日本)15勝7敗
[2R 2分02秒 KO]
〇ケイド・ルオトロ(米国)4勝0敗

“ジャパニーズ・ビースト”こと手塚裕之はMMA15勝6敗。2019年にPANCRASEウェルター級王座を獲得すると、同年10月にONEデビュー。ONEでは、ONEウェルター級(※83.9kg)を主戦場に10戦7勝3敗6フィニッシュの戦績を誇る。

 2021年11月のアギラン・ターニ戦から、エドソン・マルケスをともに3R TKO後、ジン・テホとアブラーオ・アモリムの両者を1R 腕十字に極め、2024年4月にヴァミール・ダ・シウバを2R ノースサウスチョークに極めて5試合連続フィニュシュをマーク。しかし、24年9月にイシ・フィティケフに判定負け後、25年2月にジャン・リーポンと178.5ポンド(80.96kg)契約で対戦し、1R TKO負けで2連敗。

 2025年11月の日本大会で約9カ月ぶり再起戦をONEライト級(77.1kg)に階級を下げて青木真也と対戦。1Rにツイスターに入られ、マウントを許したが、2Rに右ボディを効かせてダウンを奪いパウンド、最後は顔面ヒザでTKO勝ちしている。36歳。

 ルオトロ兄弟の弟のケイド・ルオトロは、兄タイと並ぶ柔術界の天才児。『ONE 157』でのケージで行われたONEサブミッショングラップリングデビュー戦で青木真也と対戦し判定勝ち後、2022年9月のADCC世界選手権-77kg級で優勝。同年10月のONEでウアリ・クルジェフをヒールフックに極めて初代ONEライト級サブミッショングラップリング世界王者となった。

 2024年6月の『ONE 167』でMMAデビュー。MMA2勝1敗のブレイク・クーパーを1R ムエタイ打撃から組んでリアネイキドチョークで仕留めて勝利すると、11月に10勝4敗のアフメド・ムジタバも1R ダースチョークに極め、25年2月には7勝0敗だったニコラス・ヴィーニャを1R 肩固め。MMAで3試合連続一本勝ちをマークしている。

 その間、24年9月にはCJI(Craig Jones Invitational)-80kg決勝でもリーヴァイ・ジョーンズレアリーを下し優勝。とどまることを知らない23歳だ。

 15勝中9つのKO・TKO勝ちと4つの一本勝ちを記録する手塚は、ストライカー寄りのオールラウンダー。近年、二瓶空手に取り組み、キック出身の自身のMMAの間合い、ステップに融合させている。またMMAでは一本負けが無く、主にトップから高いグラップリングスキルを見せている。

 しかし、今回対するケイドは、異次元のグラップリング能力を持つグラップラーで、その強い組みの圧力を活かした、テイクダウンと同じ入りの右オーバーハンドは見分けがつきにくく強打で、ブジタバからダウンも奪っている。一方で、打撃と組みの際には多少の強引さも見せている。

 ケイドにとって、4戦目にして初めてのMMAベテランとの対戦で1年3カ月ぶりのMMAでどんな進化を見せるか。ONEライト級2戦目の手塚にとっては、強い組み技の受けも含め、MMAのトータルで13歳若いケイドを封じ込めるか。

 試合決定で手塚は「ルオトロちゃん、あんたの柔術は俺の喧嘩に通用しねぇ。敗北の味を教えてやるよ」「I’m going to win. Then I’ll cut his hair.」と早くもビーストモード。坊主頭の手塚による一方的な敗者髪切りマッチは、勝てばボーナス連発のケイドと、「15勝13フィニッシュ。Noボーナス」の手塚による、ボーナス獲得マッチでもある。ケイドに勝って初のボーナスがコールされるかどうかも見どころの5月15日ルンピニー決戦だ。

 1R、ともにオーソドックス構え。中央とトル手塚にルオトロは右前絵蹴り。左ミドル。手塚も細かい前後のステップから左フックもかわしたルオトロが左ハイ、左右で押し戻し。手塚もボディ打っちから前に。左を振ってコーナーを背にさせてダブルレッグのルオトロを2度差し上げた手塚。右ボディの手塚。

 右ハイも。その打ち終わりに左右で組もうとするルオトロ。右ヒザも! 右フックで詰めてきたルオトロはヒザを突いて前に。組んだルオトロを前に押し倒した手塚がテイクダウン。ラバーガードを狙うルオトロに中央にステイする手塚。ルオトロはラバーガードで絞めるが手塚は頭を上げて抜く。中央から中腰になる手塚、フルガードのルオトロにパウンド。ルオトロは上体を上げてスイッチしてトップを奪い返してヒジを突いた。ルオトロのラウンドに。

 2R、ケイド・ルオトロにとってMMA初の2R目に。左ボディ、右カーフを当てる手塚。詰めるルオトロは左ハイもブロッキングの手塚は右オーバーハンドは空振り。ジャブで詰めるルオトロに左回りの手塚は右カーフを当てる。右から左の飛び込みの手塚! しかし右を返すルオトロ。左を突いて回転して右後ろ廻し蹴りを突く。手塚のボディとルオトロの左が交錯。

 再びルオトロの回転のフェイントに、手塚は右ローを打っていく。しかしルオトロは回らず右ストレートに変化してダウンを奪い、パウンド。KO勝ち。ケイドはMMA4戦全勝に。

 試合後、ケイドは「まず最初に言わせてもらうけど、1年間のブランクは確かに感じられたよ。うわっ、マジでさ、ラスティ、間違いなく錆びついてたよ。試合中は確かにちょっと荒っぽかった気がするけど、最終的には右拳で決めることができた。みんな、ありがとう。

(スピンを仕掛けようとしていたように見えたが?)ああ、実は30秒前にバックルームで練習してたんだ、ベイビー。俺たちはあれを『ザニー』って呼んでる。隠し玉だったんだ。(回転する)フェイクの後に、あの後ろの右手からパワーショットを放つんだ。だから確信が持てなかったんだ。すごくうまくいった。

(5万ドルボーナスに)ありがとうございます。うわー。言葉も出ないくらいです。本当にありがとう。兄貴が毎回言ってるよ。『俺たちを金持ちにしてくれる』って。信じられない。夢が叶ってるんだ。本当にありがとう」と語った。

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.344
2026年5月22日発売
日本人初のUFC世界王座獲得を目指した平良の挑戦を追う。ロッタン撃破で引退の武尊特集、悲願のRIZIN王座戴冠のグスタボ、扇久保博正、鶴屋怜も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント