アルバーグ「ナヴァホ・スターリングとの練習が大きかった」
──アレックス・ペレイラがベルトを返上したことで、空位のタイトルマッチの一角はイジー・プロハースカ(ライトヘビー級2位)になるだろうと見られていましたが、もう1人が誰になるかは不透明でした。自分がその候補になると、どのくらい前から分かっていましたか?
「プロハースカとマゴメド・アンカラエフ(ライトヘビー級1位)の試合が発表された時点で、その勝者と自分がやる可能性はあると思ってた。あとは相手が誰になるか次第だったね。もしプロハースカが勝ってライトヘビー級に残るなら自分になると思ってたし、アンカラエフでも五分五分って感じだった」
──あなたはパースで勝利したあと、ラスベガスで話したときに、保証はないけど誰とでも戦ってタイトル挑戦を証明すると話していましたが、実際にタイトルマッチ以外のオファーはありましたか? それとも最初からタイトルマッチだったのでしょうか?
「いや、最初からタイトルマッチだった。それだけだ」
──プロハースカについてですが、外から見るとかなり独特で予測しづらいスタイルに見えます。実際に分析してみて、やはり予測不能なタイプだと感じますか? それとも攻略できるポイントは見えていますか?
「穴はたくさんあると思うよ。どのファイターにも弱点はあるしね。ただ、自分は相手よりも自分がどう戦うかに集中してる。自分のベストを出すだけだ」
──プロハースカ自身も立ち上がりが遅いという指摘を自覚していて、改善に取り組んでいると話しています。それによってゲームプランに変化はありますか? それともあくまで自分主体ですか?
「その通りだね。彼は賢い選手だし、このレベルまで来てるのには理由がある。だからいきなり無理に打ち合いに来るとは思ってない。これまでの試合も見てるだろうし、簡単に前に出てくることはないと思う。自分は下がりながらでも戦えるし、当てるときは当てる」
──コーチのユージ-ン・ベアマンが、「世界最高のライトヘビー級の一人だ」と評価していましたが、自分自身で世界一になれると確信した瞬間はありましたか?
「ずっと自分が一番になれると思ってやってきた。この階級は一発で終わる世界だからな。本当に紙一重なんだ。だからこそ常に自信はあったし、今ここにいるのはそれを証明する段階に来たってことだ」
──ベルトを巻く姿をイメージすることはありますか? それとも目の前の試合に集中していますか?
「もちろんビジョンとしてはずっと持ってる。そう信じてイメージすることは大事だからな。でも今は、とにかく試合でやるべきことをやることに集中してる。それだけだよ」
──今回の試合は空位のタイトルマッチですが、王者からベルトを奪う形ではないことについて、何か物足りなさはありますか?それとも同じ価値だと感じていますか?
「できれば王者(アレックス・ペレイラ)と戦いたかったのは間違いない。やっぱりあいつが今のトップだし、あいつを倒してこそ自分が一番だと証明できるからな。あいつこそ、このベルトを懸けて戦いたかった相手だ」
──今回の勝利によって、その王者を再びこの階級に呼び戻すことができると思いますか?
「できると思う。ここで圧倒的に勝てば、戻ってきて挑戦したいと思わせることはできるはずだ」
──その試合が実現することの重要性についてはどう考えていますか? もちろんまずは目の前の試合がありますが、彼はこのスポーツでも最大級のスターの一人です。
「さっきも言ったけど、今のトップはあいつだ。トップに立ちたければ、そいつを倒すしかない。だからずっと注目してきたし、やりたいと思ってきた試合だ。でも言った通り、今は目の前の試合に集中してる。それがずっと自分のスタンスだ」
──プロハースカについて、いくつか弱点が見えると話していましたが、具体的にはどんな点ですか?
「ディフェンスだな」
──この試合は25分フルに使う展開になると思いますか?
「いや」
──UFCデビュー戦は黒星(2021年3月『UFC 259』でケネディ・ンゼチョクに2R 3分19秒 KO負け)でしたが、そこから9連勝でタイトルマッチまでたどり着きました。この位置まで来られると信じていましたか? それともどこかで疑いもありましたか?
「ずっと信じてたよ。最初から分かってた。そもそもUFCに来た理由は一つで、やるからにはどんなスポーツでも一番になるって決めてるからだ。頂点に立つ。それが目的でここにいる。それだけだ」
──これまでで最も厳しかったキャンプはヤン・ブワホビッチ(ライトヘビー級5位)戦に向けたものだと話していましたが、今回のタイトルマッチ、イリー・プロハースカ戦に向けたキャンプはそれを上回るものでしたか?
「キャンプは相手によって毎回違うものになる。プロハースカはプロハースカのスタイルがあるし、ヤンはすごくタフで経験も豊富で、総合的な能力が高い選手だった。あのときはそれが大きな脅威だった。だからといってプロハースカが劣るってわけじゃないけどな。今回は俺がしっかりコントロールして、あいつに流れを作らせないようにするだけだ(※ブワホビッチ戦=2025年3月『UFCファイトナイト・ロンドン』で判定勝ち)」
──今回のキャンプにはナヴァホ・スターリング(ライトヘビー級)も参加し、ファイトウィークにも帯同しています。他にもニュージーランドやオーストラリアの有望選手たちがサポートしていると思いますが、一緒にトレーニングすることの価値について教えてください。
「すごく大きいよ。ナヴァホも大きな勝利をあげたばかりだし(2026年3月『UFCファイトナイト・シアトル』でブルーノ・ロペスにTKO勝ちし、UFC4戦4勝を記録)、ああいう選手たちがチームに価値をもたらしてくれる。俺が世界王者になるための準備を手伝ってくれてるんだ。同時に、彼らにとってもキャリアの次のステップにつながるしな。チームとしての一体感、それが一番大きい。ああいう環境があるから、ここがホームだと感じられる」
──アレックスをこの階級に呼び戻す可能性について話していましたが、逆に自分がヘビー級に挑戦する可能性はありますか?
「いずれは間違いなくある。ただまずはこのベルトを取って、できるだけ長く保持することが最優先だ。ライトヘビー級でやるべきことをすべてやり切ったら、その次にヘビー級のベルトを狙うつもりだ」
──このイベントにはパウロ・コスタ(ミドル級14位)やアザマト・ムルザカノフ(ライトヘビー級6位)も出場しますが、もしどちらかが大きな勝利を挙げた場合、初防衛戦の相手になる可能性はありますか?
「もちろんある。特にアザマトは有力なコンテンダーだと思ってるし、タイトル挑戦者としてふさわしい相手だ」
──先ほどプロハースカがフェイスオフについて話していて、あなたに以前とは違うエネルギーを感じた、進化したように見えると言っていました。あなたはどう感じましたか?
「フェイスオフ自体はあまり気にしてないな。重要なのは試合前日から当日までの時間だと思ってる。その期間にいろんなことが起きるし、試合前の2〜3日はホテルの部屋で完全に集中して、自分のゾーンに入る。そのときに自分のなかからモンスターが出てくるんだ」



