2026年4月11日(土)東京・国立代々木競技場第二体育館『K-1 GENKI 2026』にて、K-1フェザー級3分3R延長1Rで新美貴士(名古屋JKファクトリー) と対戦する、大久保琉唯(日本/K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER) のインタビューが主催者を通じて届いた。
大久保は、24年に開催された-55kg世界最強決定トーナメント準決勝で玖村将史から判定勝ちを収めるも、決勝で金子晃大と戦い準優勝。同年12月に璃明武から判定勝ちを収めると、25年は竹見浩志郎、紫苑、ウー・ユートンから3連続KO勝利。2月は金子晃大とタイトル戦を行う予定だったが、1.3kgの体重超過でノンタイトル戦となり勝敗なしとなった。
新美は、20年9月に第5代Krushフェザー級王座決定トーナメントに出場して優勝。23年3月RISE有明大会にK-1×RISE対抗戦のメンバーとして参戦し、門口佳佑と対戦。同6月に寺田匠から勝利も、25年2月にリマッチで敗北。26年2月に松本海翔を破り再起した。
なんで俺はコーナーポストに登ったんだろうと反省
――前回の金子戦は、いろいろな意見がありました。体重超過で試合をしてとか、一方で動きがすごく良かったとか賛否出ています。ご自身ではどう分析しているのでしょうか?
「なんか複雑な感情でしたね。もちろん金子戦に向けて2、3カ月、ものすごく努力してきて。それがああいう形になってしまったっていうことは、自分自身が一番悔しかったです。周りの人も悲しませたなと思う中で、実際に手を合わせてみて、1年半前よりかは超えられたなっていうのもありました。もちろん悔しい方の気持ちは強かったんですけど、同時に自信にもつながる感じが自分の中でありましたね」
――批判が多い中で、あの試合はやってよかったですか?
「人前に出るのも最初は怖かったんですけど、やってよかったなって思っています。当日に会場入りした時は、正直ちょっと逃げ出したいくらいのマインドだったんですけど」
――それは、アンチのコメントとか?
「いえ、僕自身がベルトに対してすごく思って練習してきたので。それを自分自身で無くしてしまったことに対して、すごく悔しかった。勝ちもないし、俺何するんだろう? みたいな感じで」
――失敗した責任があったとはいえ、ベルト獲得はおろか勝利もないわけですからね。
「アンチとか正直どうでもよかったんですけど、やってきたことに対する思い、いろんな人に対して申し訳ない思いで一杯になってしまって」
――試合後にコーナーポストへ上がり、両手を挙げてアピールしているパフォーマンスに批判の声も出ましたね。
「あれはちょっと舞い上がっちゃいました(苦笑)。動きが良くて、ちょっと気持ちが上がったというか、試合が終わった時は正直ホッとしてしまいましたね」
――なるほど、苦しい思いから解放されて感情が爆発したと。
「でも判定の時に、なんで俺はコーナーポストに登ったんだろうと思って、反省しました。その時は純粋に、なんかホッとしていたので」
――後悔したと。
「正直リングに上がる時は、お客さんの反応が0で、みんな冷めたような感じなのかなと思っていたんです。でも延長に行く前だったり、試合が終わった後にお客さんとかが凄いとか声を掛けてくれたりして。 それに対して嬉しかったなと思います。でも、コーナーポストに上ったのは、ちょっとやらかしてしまったなと」
――アンチはともかく、選手・関係者まで絡んできましたね。
「エグかったっすよね。ブレイキングダウンの選手まで絡んできて。誰? みたいな奴まで。誰だよ、お前ら全員って(笑)」
――逆に金子選手は、そこに文句を言わないで、控室で「負けた」と落ち込む姿は、さすがチャンピオンだなと。
「強いチャンピオンだし、今もリスペクトを持っています」
――今回フェザー級の試合になりますが、階級を上げるということでしょうか?
「会見でも話しましたけど、今回から階級を上げたということではなくて、正直55kgの中で日本人だったらもう相手がいないなと思っての挑戦です」
――55kgのスーパー・バンタム級は相手がいないと。
「ええ…。ただ、やっぱりこの間、計量に失敗して、ゴールというベルト獲得が成し遂げられなかったんで、55kgのベルトを獲りたいなとは思っていますけど、まだどうなるのかは分かりません」
――ということは、スーパー・バンタム級とフェザー級の2階級でのベルト獲得を目指すということですか?
「現時点では、今までK-1では誰もやったことがない2階級同時制覇を考えています」
――また、とんでもないことを考えていますね。
「UFCだと何人かいると思いますが、キックボクシングではいないはずです。でも、自分はそこがゴールではなくて、もっと先も考えています」
――えっ、さらに先も?
「ええ、今の通常体重は64、65kgくらいなんですけど、もっと増やしていくつもりです」
――何kgくらいまで増やす計画ですか?
「65~66kgで試合ができるベスト体重に持っていきたいと思っています」
――そんなに上げる予定ですか……。
「世界を意識している以上、やはりそのくらいまで上げる必要はあるかなと思っています」
――今回は、57.5kgのフェザー級になります。
「新美選手と試合が決まったんですけど、この階級の上位は関口功誠選手と石田龍大選手の2人。その次くらいに新美選手がいると思うので、今回勝てば、必然的に関口選手と石田選手の勝った選手のタイトルに挑戦できるのではないかとみています」
――すでに王座獲得への道筋が見えていると。
「自分の中ではあります。もちろん、どうなるのかは分からないですけど」
――ちなみに高木会長は、どういう見解なのでしょうか?
「どっちの階級でも合わせられるんだったら、やってもいいと言われています。今は55kg、57.5kgですけど、どんどん身体を大きくしていくことも賛同してもらっています」
――そのためにも、今回の新美戦がターニングポイントになりそうですね。
「今回のマッチメイクは、普通の人だったら受けないと思うんですよ。階級を上げた一発目で、新美選手と戦うのは」
――たしかに厳しい相手ですね。
「はい。ただ、今回の試合を経験することで、すごく強くなれると思っています。もちろん勝つ気でいますし、勝てるとも思っています。でも、それ以上に今までいろんな試合をやってきた中で、ものすごく成長できるんじゃないかなと思っています。ここで圧倒して勝って、いろいろなものを変えていきたい」
――相手が強敵だからこそ、すごくいい試合になりそうな予感があると。
「寺田(匠)選手や関口選手も新美選手を倒せていないし、接戦だったんで。ここで一発倒して、しっかりアピールしたいなと思っています」
――新美選手は、難攻不落なイメージがあります。どんどん前に出るスタイルで、前回は松本海翔選手から勝利しました。
「これを当てたら調子に乗るなとか、これでペースを握ってくるなっていうのはわかっています。しっかり集中してやらないといけないし、うまく打っても絶対に前へ出てくると思うんで」
――そうでしょうね。
「ただ、新美選手が戦ってきた選手よりスピードも違うし、多分距離感も違うと思う。そこをどういう展開になるのかが、今の自分の中でも楽しいですし、近い距離でも大丈夫だっていうのもあります」
――楽しみ? 階級を上げていきなり新美選手を相手に、そこまで思いますか。
「でも、こういうのは55kgに上げた時もそうでした。いきなり世界トーナメントがあって」
――そうでしたね。世界トーナメントは初戦で中国のジャオ・ジェンドン選手、次は玖村将史選手に勝利しました。
「なんか楽しいんですよね。ワクワクしてるっていうか。どこまで行けるんだろう? っていう感じが、なんか冒険に出るみたいな感じで。もちろん超えるし、勝てると思っているんですけど、挑戦することが好きです」
――冒険ですか。
「たくさん失敗もしましたけど、どんな世界が待っているかを考えて挑戦するのはワクワクするじゃないですか。ただチャンピオンになるだけではなく、その先に何があるのか、見てみたい。今回の試合を乗り越えて、どんどん自分が未来を切り拓いていきたいです!」