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【UFC】デメトリアス・ジョンソンがUFC殿堂入り「私は倉庫で時給10ドル76セントを稼いでいた男だった。私の夢は、ただ“MMAのやり方を学ぶこと”だった。それを実行した時、情熱が芽生えた」

2026/03/30 16:03
 UFCは2026年3月29日、米国ワシントン州シアトルのクライメット・プレッジ・アリーナで開催された『UFC Fight Night』で、元UFC世界フライ級王者のデメトリアス・ジョンソン(39歳)が、2026年度のUFC殿堂の「現代部門(Modern Wing)」に選出されたことを発表した。式典は今夏に開催される。ジョンソンは、ONE Championshipでも史上初の殿堂入りを果たしており、2団体で「Hall of Fame」となった。 「デメトリアス・ジョンソンは世界最強の125ポンド、パウンド・フォー・パウンドのキングだ」と、UFCのプレジデント兼CEOであるデイナ・ホワイトはコメントする。「デメトリアスはMMA界で最も素晴らしいキャリアを築いた偉大なチャンピオンの一人であり、彼の11回連続王座防衛という記録は、プロスポーツ界で見られる最も驚異的な記録の一つだ。この夏、彼をUFC殿堂に迎え入れることは光栄である」。 ◆マックス・ホロウェイ「空中で相手を捕まえ、そのまま地面に叩きつけて腕十字を極めるなんて、一体誰が思いつく? あの男はレジェンドだ」 ◆フランキー・エドガー「かつて私がカブ・スワンソンと戦った時、残り4秒くらいでUFC史上最も遅いストップ勝ちを記録したことがあった。でもDJがそこに行って、残り1秒でそれをやってのけたんだ(※堀口恭司戦 5R4分59秒・腕十字)。見事に私から記録を奪っていったよ。それについて彼を恨む気持ちなんて全くない。むしろ尊敬している。地球上で最高のファイターがあそこにいるんだ」 ◆ショセフ・ベナビデス「デメトリアスが見せる動き、フットワーク、アングルなどは、常人の理解を超えている」 ◆ジョン・ドッドソン「彼は他のファイターを愚か者に見せてしまうんだ」 ◆ヘンリー・セフード「彼を史上最高のボクサーたらしめているのは、その距離感、スキルセット、そして戦略だ。彼はミニチュアサイズのジョルジュ・サンピエールだよ」 ◆ドミニク・クルーズ「私が最も覚えているのは、彼にエゴが欠如していたことだ。私にとって、エゴがないことこそが真の自信だ。真の自信には謙虚さが伴う。証明したり見せびらかしたりする必要がないんだ」 デメトリアス・ジョンソン「自分の『武道』という芸術の形を表現すること」  これらのコメント後、DJは、「私は倉庫で時給10ドル76セントを稼いでいた男だった。私の夢は、ただ“MMAのやり方を学ぶこと”だった。そしてそれを実行した時、情熱が芽生えた。これが、私が歩んできた道だ」と語っている。  そして地元シアトル大会での「殿堂入り」の報を受け、「ついに(殿堂入りの)知らせを受けて、実際にその場(式典)に行けばどんな気分になるか分かるだろう。ただ、UFCの歴史に名を刻めるということは格別だ。UFCがどこかに消えてしまうことはない。1993年から続いていて、どんどん大きくなっている。あそこにある観客席を見てくれ、超満員だ。メインカードだけでなく、プレリムの時点ですでに満員だった。このスポーツはこれからも成長し続けるだろう。フライ級王者としてトップに立ち、王者として歴史的な連勝を重ねてきた。だから、これは……MMAファイターとして最高のキャリアを歩めている。私は常に謙虚で、感謝の気持ちを忘れないアスリートであり、人間でありたいと思っている。  今の日常は家のトイレを掃除したり床に掃除機をかけたりすることだけど、今私はこの会場クライメイト・プレッジ・アリーナにいて、殿堂入りを果たそうとしている。UFC殿堂の一員になれるなんて、本当に素晴らしいし、最高の気分だ。現役時代は『UFCにいても誰も自分を見ようとしない』『正当な評価や愛を注いでくれない』なんて多くの人に言われたこともあった。でも、誰かが言っていたよ。『いなくなって初めて、人々はお前を愛し、その価値を認めるようになるんだ』と。今でも人々が私に花を贈り(敬意を表し)『君は今でも史上最高の選手の一人だ』と言ってくれる。現役のチャンピオンたちでさえそう言ってくれるんだ。それは本当に素晴らしい気分だよ。なぜなら、私がやりたかったのは、自分の『武道』という芸術の形を表現すること、ただそれだけだったから。  選出されたことに興奮しているよ。長い道のりだった。18歳から37歳まで戦い続けて、素晴らしいキャリアだった。今でもほぼ毎日トレーニングはしているよ。MMAではないけれど、健康を維持するためにね。UFCに認められて、ドミニク・クルーズらと一緒に、あの中にいる素晴らしいアスリートたちと共に殿堂入りできたのは最高の気分だ」 「モダンウイング」部門には、MMAのユニファイド・ルールの下で最初のUFCイベントが開催された2000年11月17日以降にプロデビューした35歳以上(または引退から1年以上が経過)のアスリートが含まれる。ジョンソンは、現代部門の18番目のメンバーとしてUFC殿堂入りを果たす。  17年間のMMAキャリアの中で30戦の経験を持つベテランであるジョンソンは、通算戦績25勝4敗1分(UFC/WECでは17勝3敗1分)を記録し、元WECバンタム級王者のミゲール・トーレス、元HERO'Sミドル級トーナメント優勝の山本“KID”徳郁、元RIZINフライ級王者の堀口恭司、元UFCフライ級・バンタム級王者のヘンリー・セフード、そして現ONEフライ級王者の若松佑弥、元ONE同級王者のアドリアーノ・モラエスらから勝利を収めている。  様々な団体でアマチュアMMAの最初の9試合に勝利した後、ジョンソンは2009年8月15日にプロデビューし、『King of the Cage: Thunderstruck』にて一本勝ちで初勝利を飾った。その後、アラスカ・ファイティング・チャンピオンシップに参戦して続く2試合に勝利し、WECに加入した。  ジョンソンは、2010年4月24日に米国カリフォルニア州サクラメントのARCOアリーナで開催された『WECR 48: ALDO vs. FABER』のプレリムでWECデビューを果たした。デビュー戦はブラッド・ピケットに判定で敗れたものの、その後WECとUFCを通じて4連勝し、当時の王者ドミニク・クルーズに対する自身初のタイトル挑戦権を獲得。2011年10月1日、ワシントンD.C.のベライゾン・センターで開催された『UFC LIVE: CRUZ vs. JOHNSON』のメインイベントでジョンソンはクルーズと対戦し、クルーズが判定でジョンソンを破り、王座を死守た。  次戦のイアン・マッコール戦で引き分けた後、ジョンソンはマッコールとの再戦で判定勝ち、再起を果たした。この勝利により、ジョンソンは『UFC 152』で行われたUFCフライ級トーナメント決勝でジョセフ・ベナビデスと対戦することに。2012年9月22日、オンタリオ州トロントのエア・カナダ・センターで開催された『UFCR 152: JONES vs. BELFORT』にて、ジョンソンはコメインでベナビデスと対戦。スプリット判定で勝利を収め、初代UFC世界フライ級王者となっ。  UFC世界フライ級王者として、ジョンソンは記録破りの連勝街道を突き進んだ。その後4年間にわたり11連続勝利と王座防衛を成し遂げ、歴史上最も偉大なMMAアスリートの一人としての地位を確立した。  2018年8月4日、『UFCR 227: DILLASHAW vs. GARBRANDT 2』のコメインにおいて、ジョンソンはヘンリー・セフードにスプリット判定で敗れ、5年ぶりの敗北。敗戦後、彼はUFCを離れ、シンガポールを拠点とするMMA団体であるONE Championshipと契約した。ONEでの続く6試合のうち5試合に勝利し、フライ級ワールドグランプリのタイトルを獲得。さらに同団体のフライ級王者となり、1度の防衛に成功しました。彼は2023年5月5日に引退し、防衛成功後に王座を返上している。 【ジョンソンのUFCでの実績】 UFCフライ級史上最長王座保持期間──2,142日間(UFC史上第2位)UFCフライ級史上最長連続勝利記録──13連勝UFCフライ級史上最多タイトルマッチ勝利数──12勝(UFC史上第3位)UFCフライ級史上最長トップポジション保持時間──1時間5分52秒10回以上のテイクダウン試行において、成功率100%を記録したUFC史上3人のうちの1人UFCフライ級史上最高有効打的中率──57.2%UFCフライ級史上最高有効打防御率──68.4%UFCフライ級史上最多勝利数(タイ記録)──13勝UFCフライ級史上最多フィニッシュ数(タイ記録)──7回UFCフライ級史上最多有効打着弾数(第3位)──1,059発  ジョンソンはそのキャリアの中で数多くの賞を受賞してきた。2013年にはFOX Sports、2017年にはESPNとSports Illustratedから「ファイター・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀選手)」に選出され、2017年には『Fighters Only』ワールドMMAアワード、ESPN、MMA Fightingから「サブミッション・オブ・ザ・イヤー」の栄誉を授与された。  ワシントン州パークランド出身のジョンソンは、ワシントン高校でレスリングに励み、ジュニア(3年生)とシニア(4年生)のシーズンに州大会で2位と3位に入賞。高校卒業後、趣味としてMMAのトレーニングを始め、その後ワシントン地域の地方興行でアマチュアとして試合に出場した。MMAを始めたばかりの頃、レッドロブスターの厨房でアルバイトとしているときに、当時ウエイトレスだった妻と知り合い、結婚。また、ジョンソンは熱心なゲーマーであり、柔術の実践者でもある。IBJJFマスターワールドおよびパン選手権出場経験を持つ。現在は妻と子供たちと共にワシントン州に居住している。
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