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インタビュー

【DEEP】新王者・嶋田伊吹がストラッサー起一に浴びせた“暴言”。顔面骨折の敗者は「“終わってる”許されへん」(ストラッサー)

2026/03/23 20:03
 2026年3月20日(金・祝)東京・後楽園ホールにて、『DEEP 130 IMPACT』(U-NEXT/DEEP YouTubeメンバーシップ配信)が開催された。  セミファイナルの「DEEPウェルター級タイトルマッチ」(5分3R)では、王者・嶋田伊吹(Fight Holic)が、挑戦者ストラッサー起一(総合格闘技道場コブラ会)を1R 3分44秒、リアネイキドチョークで極めてタップを奪い、初防衛に成功。“因縁の対決”を制したが、一本勝ち直後、嶋田は茫然とするストラッサーに向けて「暴言を吐いた」と明かし、ストラッサーもそこで何を言われたかをYouTubeで説明。リベンジを誓うなど新たな因縁が生まれた。 ああっ、なんで下なっていく?  試合は、先にテイクダウンを奪ったのはストラッサーだった。嶋田の左の蹴り足を掴んでシングルレッグでテイクダウン。しかしここで嶋田はすぐに下から足を跳ね上げて後転して立ち上がり、四つに組んだ。  ここで、ストラッサーが「今回の負けの全て」という動きがあった。  四つに組んだストラッサーは右足を外がけで得意の四つからの崩しを仕掛けるが、左足を抜いた嶋田に、ストラッサーは引き込み気味みに下に。嶋田が上になったことで、ストラッサーが下からの足関節で力を使い、そこからの立ち上がり際に嶋田のサッカーボールキックを被弾した。  ストラッサーは「あそこで嶋田に対しては──『嶋田選手』とも別に言わないです──嶋田もあそこで咄嗟に反応して返すもの上手かった。そこでケージに押し込んで四つに組んだ時に“あ、これ組んだ感じは絶対いけるな”ってなって、右足で外足かけて引けるな、と思った時にちょっと左のヒザがスッて抜けたような感じでスルスルって引き込んだような形になって──俺はあん時、もうほんまになんやろ、生まれて初めて“ああっ、なんで下なっていく?”みたいな感じになっていったのが、もうあそこのミスがやっぱ敗因。  そこで立ち上がり際に寝技の攻防があって、サッカーボールキックをもらってしまった。最近やっぱずっとそういうルールではやってなかったから、そのサッカーボールキックの恐ろしさっていうのはやっぱ改めて思ったような。そこで効かされて俺が下がってちょっとフラついてる状態で嶋田がガンガン来て、結構あいつも頭振ってもうここやと思って来てるから。そこで俺も打ち合いしてしまって最後もフラフラの状態でバックチョークで極められたっていう形で」と、四つの攻防で引き込む形になったことが、そこからのラッシュを受けた敗因だと語った。  とはいえ、「あの日はほんま嶋田が強かったかなっていうのは認めるよ。でもホンマに格闘技って強い弱い、もちろんあるし、その日勝ったやつが強いっていうことが全てやから。あそこで俺が下になって、そのチャンスを逃さんかった嶋田が一歩上やったなと思う。そこに関しては俺はほんまに負けた部分では認めてんねん」と、嶋田の実力を認めている。 [nextpage] 放心状態のストラッサーに「バカが!」  サッカーボールキックも浴びて顔面を骨折、四つん這いになって背後からパームトゥパームで絞められたストラッサーはタップ。出血しマットに正座し、茫然と座り込んだ。  上から見下ろした嶋田は、放心状態のストラッサーに対し、何か吐き捨てるように言葉を浴びせ、踵を返している。試合後の会見でそれを問われた嶋田は、「ああ、“暴言”言いました。やっぱ鬱憤溜まってるんで」と、試合前の因縁によって溜まっていたフラストレーションが、勝利の瞬間、溢れ出たとした。  敗者に吐き捨てた言葉は、「バカが!」だった。  ストラッサーはその瞬間を覚えているという。「俺も試合終わってやっぱあんな状態やったから、ある程度冷静ではなかったけど、はっきり覚えてんねん。もう(チョークを)極められて頭こうやって押して立たれて、放心状態の時に パッって上見た時に、『バカが!』って言われて。“あ、そうなんや”って。だから俺はその時点でもう俺は“こいつマジで終わってるな”と思って。ホンマに終わってるなと思ったし、そもそも俺はなんであいつに(試合前に)ムカついてたかって言うと、角野(晃平)に対して何を言ったか分からないけど、そういう罵声を浴びせたことに対しても怒っていた」と、角野との試合後の嶋田の行動に、憤りを感じていたと明かした。  発端は25年9月のDEEP大阪大会で、当時の王者・角野晃平に嶋田が挑戦し、判定5-0で嶋田が勝利し、王座を奪取後、嶋田が解説席のストラッサーをコールアウトしたことにある。  角野と交流があったストラッサーは、解説を務め、「すごく見ごたえのあるタイトルマッチ。お互いの強みを出してどっちが持っていくかという試合だった」と両者を高く評価していたが、ケージ上の嶋田から、「ベルトを獲ったからといってまだ終わりではないので、ウェルター級まだ強い人が残っていると思いますけどね、ストラッサーさん。お願いします」と呼びかけられ、ケージに上がった。  ストラッサーはマイクを持つと「まずは勝利おめでとうございます。自分がDEEPに上がってきたのはチャンピオンになるためです。ブッ倒すので待っていてください!」と宣戦布告し、嶋田が何か言葉を返すと、「なに喋ってんねん。お前、俺にビビってるだけやろ。いつでも勝負したるわ。かかってこい」と戦闘モードにスイッチが入っていた。  マイクを奪い取った嶋田は「今はあなたの舞台じゃないです。降りてください。はい、またお願いしますね」と、自身が呼び込んだストラッサーをあしらってメインを終えている。  この態度に怒りを表明していたストラッサーだが、嶋田はそれが意図していたものではなかったという。 「当然リスペクトも選手によって持ちますけど、まあ僕の最初の絡みもあんまり僕、悪いと思ってないですけど。結果ああいう形になっちゃったんで。(大阪のケージ上で)別に『今すぐ来いよ』と言ったつもりじゃなくて。(ストラッサーが)佐藤さんに勝って、何戦かしてタイトルマッチに来るだろうとは思ってたんですけど、なんかああいう感じで僕が挑発したみたいになっちゃって。タイミング合えばやりましょうっていうつもりだったんですけど」と、ストラッサーの名前を出した経緯を語る。  しかし、そこでの嶋田のナチュラルヒールのふるまいが、ストラッサーの怒りを引き起こしていた。 「なんかもう上がってきた段階で怒ってたんですよね。僕が角野選手にちょっとあまり良くないことを言っちゃったっていうのもあるんです、たぶん。よく分からないですけどそれでワーってなったので、面倒で『もう(ケージを)降りてください』って言ったんです」(嶋田)  このやりとりをストラッサーは「呼ばれたから上がったのに、俺がケージに上がって話した時に『お前は順番並びしろ』みたいなことを言うから俺は怒っただけの話だけであって」と振り返り、そして今回、直接戦った後に罵倒されたことについても、「格闘技にスポーツマンシップはないとか言う人もおるかも分からんけど、やっぱ格闘技って試合終わったらノーサイドや、基本的には。それはもう人それぞれの考えよ。ノーサイドじゃないやつもそれはそれでいいよ。でも俺は嶋田に対して、あの時は放心状態やったけど、なんかやっぱ許されへんなっていう気持ちが。“敗者に口無し”やけど、俺はもうあの日に関しては、もう嶋田が強かったから勝った、あの日は嶋田の日やったって俺はホンマに思ってる。でも俺ん中では、やっぱ許されへんていう気持ちがさらに心底出てきてるというか、だからこそ俺は嶋田に勝ちたかった。  今回負けて俺も試合終わって控室に行って、(仕切りの)横にまだ嶋田いるって分かったから、俺も今までずっとやってきた年上やし、嶋田(の控室に挨拶)に行って、『色々、俺も言ったけどごめんな』って言って。その時の態度も『ああ』みたいな感じよ。それはあいつの素なんか分からへんけど、なんかこうさっぱりしてるというか、“俺はやっぱコイツとは合わんな”というのは正直思ったし、“コイツなめんなよ”って思ってる。だから俺はあん時に『バカが』って言われて、その後マイクで『ストラッサーさんのことも応援してやってください』みたいな。何を抜かしとねん、と俺は正直思うし、お前にそんな言われる筋合いはないと。『バカが』って言った選手に直後に『応援してあげてください』って。なめてんのかと」、試合後のやりとりも含めて、怒りが収まらない理由を語っている。 [nextpage] トラッシュトークとファイターの生の感情  嶋田にも言い分がある。「向こう(ストラッサー)はSNS上でワーワーやってるんですけど、ぶっちゃけあれもバカバカしい。格闘技をやっている以上、ケージで決着をつければいいだけの話なんでね。面と向かって言うのが筋だと思うんで」と、ケージの中がすべてとした。  近年は、試合後に次期挑戦者をマットに上げてフェイスオフし、今後の大会に繋げる演出は珍しくない光景となっている。大阪大会でも、両者がその役割を果たした結果、公式を含めたSNSでの煽りもあり、“因縁の戦い”に注目が集まった。難しいのは、常にそこにファイターの生の感情が入ることだ。  指定席が完売、当日立ち見券が販売された同大会後、DEEPの佐伯繁代表は、「嶋田くんについては前回までどんな人か分からなかったし、大阪でストラッサーさんが暴れた件も、もちろん嶋田くんも悪いんだろうけど、勝って仲間でワーってしているところにストラッサーさんが入っていったから、それもどうなの? っていうのもある。でもそれも含めてストラッサーさんは演出したと思う。だからこそ2戦目でタイトル戦なんですよ」と説明する。  そして「嶋田が新王者になったけど、問題は次の目標がないってことですね、ウェルター級は」と、今後の同級のストーリーラインを危惧する。  そのひとつがストラッサーの再起戦になるか。 「妻と娘と母親も大阪から駆けつけて応援に来てくれて、娘に勝つ姿、チャンピオンになる姿をやっぱ見せたかったし、これも今回、嶋田と因縁というか、DEEPの大阪大会でケージの上でひと悶着あって、会場の外でも俺がちょっとヒートアップして怒ってしまったっていうところがあって、そういう経緯があって試合も組まれたっていうところもあったと思うし、だから俺ん中では嶋田には絶対負けられへんていう気持ちもあったし、自分でやっぱリスク背負って言いたいこと言ってほんまにここまでやっぱ試合やるまで作ったかなと思ってんねん。あとはもう結果取るだけっていうところで、俺は今回負けたよ。  今回は完敗や。だけど次やったら、絶対嶋田に負けることはない。これをはっきり言っておく。みんなに言われると思う。『負けたやつが、負け犬の遠吠え』って言われると思うけど、俺は嶋田、絶対逃がさんからな。俺はこの1年、2年以内にもう1回、嶋田と戦ってブッ倒すから。俺ほんまにその気持ちでおんねん。俺あそこまでコケにされて馬鹿にされて、俺はホンマに許されへんねん。  俺は嶋田に勝ったら、嶋田に対して『ありがとう』て言うつもりやった。俺も色々言ったけど悪かったと。俺も実際、そのムカつきもあるよ。あるけど試合を盛り上げるっていうのもあんねんぶっちゃけ。ほんまに後味悪いっていう。ほんまに負けたらあかん相手に負けたなと。逆にこういうイラついた気持ちにさせてもらえて逆にパワーもらえたなっていうのあんねん。これが嶋田に対しての今のホンマの気持ちやな。  試合であいつに一本でやられた時も、ケージから降りて『疲れて倒れた』みたいに誰かに書かれて、あれは目の前の来ている人に土下座した。ホンマにすみません、申し訳ございませんでした、と。朝までやっぱ寝られんかったよ。目つぶったら試合のデジャブ、試合のことがずっと出てきて、“あの時こうやっておけば”とかいろんなこと思い出して。“あそこでテイク取ってたら俺の時間作れてた”とか……あいつが今、DEEPのウェルター級の王者で、俺はあいつからベルト奪い取ることできへんかったけど、必ず俺はリベンジします」──44歳のストラッサー起一が、引退についても語った『ストチャンネル』では、二瓶空手で得た新たな動きや、今後についても語られており、必見の内容だ。
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