エピソードを語って涙を浮かべた所
2026年3月7日(土)東京・有明アリーナ『RIZIN.52』に出場する選手の個別インタビューが、5日(木)都内にて行われた。
第6試合のRIZINバンタム級(-61kg)5分3Rで、鹿志村仁之介(BatlleBox)と対戦する所英男(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)がインタビューに答えた。
所は終盤、盟友の勝村周一朗から「いい意味でも悪い意味でも何も変わってないよ」と、言ってもらったとのエピソードを話すと感極まって涙。試合前にそんなテンションで大丈夫なのかと心配されると「リングに上がれば違うので(笑)。そこまでは本当ダメですけど、リング上がれは所英男選手になりたいと思います」と、リングに上がればファイター・所英男に変身すると笑った。
1日1日がもう終わっちゃったみたいな感じ
「もう本当あっという間の毎日で、試合決まってからさらに早く感じています。本当に素晴らしい毎日を送れて幸せでした。ありがとうございます」
――なんか終わりみたいなコメントになってました。
「そんなことないです。こっからです」
――元々練習仲間であったという話ですが、対戦相手の印象は?
「グラップリング力はトップの選手ですし、何より見取れちゃうんですよね。本当に素晴らしい動き、自分がやりたいような動きをするのでカッコいいなと思いますし。それが試合でどこまで自分とやって 自分の方の寝技がどこまで通用するかっていうのも楽しみですし、また怖い部分でもあります」
――この試合のポイントは寝技になると思ってますか?
「そうですね。一本取ることしか考えてないっていうのはお互い一緒だと思いますけど、ただ総合格闘技なので何があるか分からないので、とにかく練習してきたことを出すだけです」
――どんな試合展開をイメージしている?
「やってみないことには分からないですね。練習とはまた違う展開になると思います、としか考えられないです」

――前田日明さん、あとZST四兄弟(矢野卓見、今成正和、所英男、小谷直之)と一緒に練習してるシーンがありましたけれど、前田さんにこう言われたとか、ZSTの仲間たちと何かこんな話したっていうのがあれば教えてください。
「前田さんが、本当にありがたい話なんですけど、思ってる以上に僕らに、こんな言い方あれなんですが、愛情を持ってくださってるのかなっていうのが凄く嬉しかったです。矢野さんも今成さんも小谷くんも自分もみんな褒めていただいて、凄く嬉しかったです。本当にいい時間でした」
――誰かがこんなこと言ってくれたとか印象的なのがありますか?
「作戦的な話になってしまうので…でも、お前が一番トレーニング出来たよっていうのは僕の中で誇りにもなってるんで、もう一生言い続けたいなと思います」
――どんなトレーニング?
「前田さんの締めでいつもトランプトレーニングをやるんですけど、ここ最近毎回言ってくださるんですよね。だから嬉しくなっちゃいます」
――所選手がよくついてきてくれたっていうことですか?
「はい。軽かったっていうのもあるんですけど、とにかくそうやって前田さんに言っていただけるのは嬉しいです」
――先ほどあっという間の毎日とおっしゃったんですけども、改めてラスト2試合って決めてからの日々の練習に取り組む気持ちだったりは何か変化ありますか?
「1日1日が、減量中の食事じゃないですけれど、あ、もう食べちゃったみたいな。もう終わっちゃったみたいな感じですよね。そのやってる5分が長いんですけど、終わってみると、あ、もう食べちゃった、なくなっちゃったっていう感じの毎日でしたね」
――試合に向けて、相手と比べて寝技対決とはいえ、ここの部分は違うんじゃないか、ここの部分で自分は上回れてるんじゃないかと思える部分はどんなところですか?
「技術的なことを言うと、ちょっと差は感じてるんで、あとはもう経験しかないですよね。本当に経験しかないと思います」

――ラスト2試合って公表する覚悟を決めた心境っていうのは改めていかがなんですか?
「まだやりたい気持ちと、でも人前で出来るる・お見せ出来るコンディションと内容、やっぱり内容を良くしないといけないので、このRIZINの舞台。その内容をやる自信っていうのがやれて2試合かなっていう気持ちです」
――前回の試合から1年7カ月も経ちましたけども、試合へのモチベーションはその期間に波があったのか、ずっと高かったのか、振り返ってみていかがですか?
「前にRoad to 代々木って、春に代々木で大会があるっていう噂を聞いたので、そこでアーセンとやるんだって勝手に思い込んでやるって言って。もう年明けぐらいから試合前の追い込みをずっとやってたんですけど、それがなくなって。でも次の大会、次の大会ってやってて。そうしたらもう1年経っちゃいましたね」
――毎回試合があるかもと準備はしていた?
「準備をしてコンディション、フィニッシュホールドはコンディションだって言い聞かせてやってましたね」
――決まらなかったことで気持ちが落ちることはなかった?
「またこの生活が出来るんだと思って、なんだったら試合なくてもいいかなぐらい言ってたんですけど、さすがにそれはダメだったですね」
――ついに試合が正式に決まって、鹿志村選手で強い選手となったことで、今まで以上に試合に向けたモチベーションが?
「ここに来て、RIZINの舞台でまたこんな素晴らしい相手と試合させていただけるという、最高としか言いようがないですね。それ以外ないです」

――所選手の試合が決まらない間に盟友の金原選手は引退されましたけど、ご自身に影響がありましたか?
「だから金原さんの分までっていうのは僕にはできないんですけど、金原さんと一緒に途中からRIZINで、まあ次元が違いますけどニコイチでやらせてもらってたんで凄く寂しい気持ちがありますし、いつかまた復活してくれんじゃないかなっていう気持ちはあります。でも本当にボロボロになるまでやって。僕、今回途中で体調崩しちゃったんですけど、金原さんみたいに試合できる状態じゃないのに試合しなきゃいけない、試合を成立させるっていうのって本当凄いなと思って改めて尊敬してます」
――鹿志村選手が現在24歳で、所選手の出世試合になった2005年のHERO'Sでのアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラとの試合の時の所選手よりもまだ若い。今大会で言えば、メインにはもっと若い秋元強真選手も19歳。そういう若い世代のファイターに何か伝えたいことはありますか?
「伝えたりするのは金原さんみたいな強い選手だと思うんですけど。でもこうやって長くやってると、そういった選手と試合させてもらえるのは凄く嬉しいですよね。次代の選手じゃないですけどなんか嬉しいですよね。よくやってきたなと思います」
――みんな自分ぐらいまで続けろよって感じですか?
「僕の時って(MMAを)まだ作ってる最中で自分はKOKルールで育ってきたけれど、今の選手っていきなり金網でヒジありでやってて選手生命ってどうなっていくんだろうなっていうのはいつも感じてます。デビュー戦でヒジやりでやってますもんね。考えられないです」

――あと2試合と決めて発表してから、ここまでの日々の練習の中でまだ伸びてるっていう実感はありますか?
「自分の中で技術とかを知らずに育ってきたっていうのはあるので、今インターネットでいろんな技を知れるっていうのは知識は増えたんですよね。ただ結局、実戦だとやることは一緒なんで。やっぱり体力面が、動きだとか自分でもすごい気になるんで、休むのも怖かったし体力トレーニングやらないとと思って。試合が決まる前ぐらいから、またグランドスラムで練習でお世話になってるんですけど、ご飯食べた時に勝村さんが『いい意味でも悪い意味でも何も変わってないよ』って言ってくれて…(声を詰まらせて涙)それがもう何より励みになりました」
――ちゃんと伸ばせてる前回より強い所選手が見られる?
「そのつもりでいます。なんか喋っていたらおかしくなっちゃうんです。すいません、テンションが」
――試合前なのに大丈夫なのか、と。殺気とか相手をやりに行く意識とかって今どれぐらい持ててるのかなちょっと心配になるんですけど。
「リングに上がれば違うので(笑)。そこまでは本当ダメですけど、リング上がれは所英男選手になりたいと思います。はい」




