「やるなら早い方がいい」(BRAVE宮田)
ダウトベックとの前戦では、サウスポー同士でカーフとヒザを効かせて打撃で攻勢に立つと、ダウトベックに能動的ではない、打撃を嫌っての組みを選択させた。そのとき久保は、ある程度まで組ませて力を使わせ、「疲れさせてから」最終的にテイクダウンを切っていた。
テイクダウンを切ること、崩されても背中を譲らず立ち上がること。これをサウスポー構えの朝倉未来の打撃をかいくぐり、何度も投げて殴って削ったシェイドゥラエフ相手に遂行する必要がある。
そして今回のLANDMARKはケージ仕様。シェイドゥラエフにとっては、UAEW以来、2年半ぶり。久保にとっては、24年3月の高橋遼伍戦以来のケージRIZINで、そのときは1R後半にダブルレッグで背中を着かされた久保が、蹴り上げでスペースを作り、3Rのニータップは久保がスタンドバックを許しながらもケージまで歩いてテイクダウンを防御している。
諸刃の剣となるケージをどちらが活かすか。
久保は「僕もケージでの試合は、2試合経験させてもらっていたり、BRAVE GYMの方でもケージの練習環境があったり、JTTも行かしてもらったりしているので」と、ケージでのテイクダウンディフェンスに自信。一方でシェイドゥラエフがケージレスリングで久保の動きをより制限させてドミネートする可能性もある。
BRAVE GYMの宮田和幸代表は、「ウチのストライカー出身のMMA選手では、久保君がやっぱり一番タックル切るのが上手いと思うんだよね。時間はかかったけど、ここに来て、そう簡単にはテイクダウンされないし、寝技になってもなかなか極められない」と、久保の組みの成長を評し、久保も「いまは結構余裕が出てきて、タックルの前処理よりも、(相手に)持たれた状態からの処理練習とかを優先的にやれる」と段階が変わってきているという。
「打撃はダメージで試合後すぐに練習できないときがあるけれど、寝技は試合終わった後でもすぐ出来るから、楽しみながら寝技の練習を続けるうちに、次の試合になったら必然的に上達してる」と、練習量がモノを言う寝技の動きに確かな感触を得ていることを語った。
宮田代表も、「以前はテイクダウンを切るのにいっぱいいっぱいだから打撃も効かせられなかったのが、打撃も当てるようになった」と、組みの進化がより打撃を活かしているとし、「ストライカーは練習だとブン回せないから必然的にグラップラー有利な練習になるけど試合は違う。久保君はとくに試合で強いタイプ。MMAファイターとして今、ピークじゃないかな」と、太鼓判を押す。そして「ストライカーとしては時間が経つと落ちてくる。久保君はMMAへの対応はもう今相当できているから、やるなら早い方がいい」と、打倒シェイドゥラエフに最高のタイミングだとした。
対オーソのシェイドゥラエフ戦では、サウスポー構えの久保はどんな位置取りと間合いを取るか。クレベル、コレスニック、朝倉戦で立ち合った王者の動きは、久保にインプットされている。そして久保の左の上下の攻撃は、シェイドゥラエフにとっても軽視できない武器となる。
久保は、「打撃ってもう本当に一発逆転が起こると思うんですね。僕はかつて憧れたミルコ・クロコップがやったようにハイキックもそうですし、倒せる武器がいっぱいあるので、パンチもそうですし、蹴りだったり、そういったその弱点を……ハイキックって言っちゃった(笑)、シェイドゥラエフの癖を本当は見抜いてるんで」と、絶対王者攻略の一端を語る。
しかし、今回、シェイドゥラエフは「ユウタ・クボ、今回は前みたいな打撃戦はせず、1Rか2Rで絞め技かトラアングルで早期フィニッシュする」と、久保が得意とする土俵に立たないことを予告している。
その言葉に、久保は「シェイドゥラエフは前回の試合でも僕を立ちの展開でも結構、上回ったみたいに言われてましたよね。だから立ち技にも自信があるらしい。自分もダウトベックと1Rであれだけの差があったわけじゃないですか。言うたらフェザー級のストライカーでは僕がナンバーワンだと思うんですよ。なので、そのナンバーワンストライカーの僕と是非、立ち技でもう足を止めて殴り合い、蹴り合い、どうですか。だって、シェイドゥラエフは『1日に3試合やってもいい』とか言ってるわけですから、絶対、僕からのこの殴り合い・蹴り合いは逃げないと思います。立ちだけでも彼が完全に圧倒するっていうところがやっぱり日本のファンの方も見たいでしょうし、是非シェイドゥラエフさん、立って殴り合って蹴り合って、めちゃめちゃ盛り上げましょう」と煽る。
新たなジャッジが適用される今大会では、よりフィニッシュに向かう姿勢が求められる。久保がグラウンドで凌いだときのブレーク、あるいは、シェイドゥラエフがより組み技でもハードヒットや極め急ぐときがあれば、そのスペースは久保にとっても動くチャンスになる。しかし、その際の打撃の強さ、丁寧な組み技も王者の持ち味のひとつだ。
久保は「もしシェイドゥラエフがビビってタックルに来て、殴り合い・蹴り合いを避けるようだったら、全然僕も対応できるんで構わないんですけど、せっかくならね、メイベントで是非、K-1とGLORYチャンピオンの僕を立ち技で完封して欲しいものですね」と、あらためて呼びかけた。






