元RISEヘビー級王者・清水賢吾(極真会館)が2月3日(日)『RISE130』後楽園ホール大会で引退セレモニーとエキシビションマッチに臨む。
2018年11月17日のRISE両国大会でマイティ・モーを相手にラストマッチを行った清水は今回、同じ両国大会で渡部太基を下し無敗のままウェルター級新王者となった同門の“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館)と引退エキシビションマッチで拳を交える。
1月20日に行われた極真会館城北支部主催の「清水賢吾引退記念&ベイノア祝勝会」では、後輩のベイノアから「エキシビションだから勝敗はつきませんが、1Rから倒しに行きます」とまさかのKO宣言を受けていた清水。今回のラストインタビューでは、「ベイノアには思いっきり来てもらいたいと思います」と清水は語った。トレーナーとして清水を支えた貝沼慶多氏、相見秀樹氏のコメントも併せて紹介する。
◆清水賢吾ラストインタビュー
──引退試合お疲れ様でした。マイティ・モー戦では逆転KO負けでしたが、いかがでしたか。
清水 モー選手は大振りに見えて結構正確にパンチを打ってきて、自分のガードの隙間を打たれて効かされてしまいました。
──2Rにヒザ蹴りでダウンを奪いました。
清水 欲が出てしまったというか、最後ということでKOで終わらせたいという気持ちがあり、今なら倒せると思って行ったところを逆にもらってしまいました。
──引退試合ということで試合にかける想いは今までとは違うものでした?
清水 あまり意識しないようにいつも通り戦うことを心掛けていたのですが、入場曲がかかったときに、もう最後なんだなと感傷に浸って泣きそうになってしまいました。試合に向けての練習はしっかり積むことができましたし、モチベーションも高く保っていたので準備は万端でした。
──引退して悔いはないですか?
清水 ないですね。すっきりした気持ちでいます。応援してくれた方々から『今までたくさんの感動をありがとうございました』と言っていただいたのが一番嬉しかったです。
──今回は“ブラックパンサー”ベイノア選手と引退エキシビションマッチが決まりました。ファンにどういうものを見せたいですか?
清水 本当に最後のリングになるので良いところを見せたいという気持ちはあります。無敗の現役チャンピオンで黒人の過去最強の相手だと思うので、しっかり気を引き締めて頑張ります。ベイノアには思いっきり来てもらいたいと思います。
──ファンの皆さんにラストメッセージをお願いします。
清水 現役時代にはたくさん試合を見ていただき、ここまで続けられたのはファンの皆さんのおかげだと思います。本当にありがとうございました。最後にいいところを見せます。期待していて下さい。
◆貝沼慶多氏(国際空手道連盟 極真会館 総本部 指導員)「真面目でクール。でも試合が始まるとファイタータイプに」
「彼と出会ったのは13年前ぐらいです。極真会館東京城西支部明大前道場でキックの試合に出る選手たちを集めて、私はキックの経験(第20代全日本キックボクシング連盟バンタム級王者)があるのでそこで指導させてもらいました。
清水君は元々極真の大会で実績があったので力強い、身体がしっかりしている印象がありました。彼は性格的には真面目で比較的クールなのですが、試合が始まるとファイタータイプになり、空手やキックの技術ではなく自己流で倒しに行くことが多かったですね。KO率が高いところが魅力的でしたし、極真の選手だけにフィジカル面も強かったですね。
自分が思う彼のベストバウトは、天田ヒロミ戦(2014年4月29日)。ボコボコに打たれていましたが、最終的に右ハイキックで大逆転KOした試合でした。ずっと13年間セコンドに付いていたのでもうセコンドに付けなくなるのは寂しいのですが、私としては良い勉強、経験をさせてもらいました。ありがとうございました。お疲れ様でした」
◆相見秀樹氏コメント(国際空手道連盟 極真会館・東京城北支部 成増道場 分支部長)「入会した頃の清水はマッチ棒のようでした」
「彼が中学生の頃、2人の同級生と一緒に極真の道場に入会してきました。それほど目立った存在ではなく、むしろ他の2人の方が素質があった印象があります。当時は身長は今ほど高くはなかったのですが、身体が細くてマッチ棒のようでした。結局その友達2人は先に辞めて清水だけが残りましたが、最後まで続けられたのは、格闘技が好きだったからだと思います。人に左右されず常にマイペースで練習していて奥底には必ず強くなってやるというものを感じました。
高校卒業後、大学進学ではなく格闘技の道を選んだ時点で、彼は凄く良いところまで行くと思いました。キックを始めると聞いた時は、旧K-1が流行っていて大きな外国人選手ばかりだったので大丈夫かなと心配でしたし、まさかチャンピオンになるとは思っていませんでした。キックに転向して一番感動したのは、自分が倒されてからも立ち上がって逆転KOしてきたこと。なかなか出来ることではないですが、そういうことを出来たのは彼の一番の持ち味かもしれません。
私の彼のベストバウトは、上原誠戦(2010年7月31日)。2Rにダウンを奪いましたが、3Rに左ハイキックで倒されたんです。KO負けしましたが、それでも立ち上がった姿を見て感動しましたし、これでキックをやらないと言うのかなと思ったら続けるということだったので腹を括っているんだなと思いました。
彼は試合中に結構打たれるので、“Strek”バダ・フェルダオス戦(2018年6月17日)でKO負けした時にそろそろ(辞めても)いいのではないかと思った時に引退の話がありました。チャンピオンにもなっていますし、彼はやり切ったと思います。
最後の引退試合はKO負けでしたが、大きなケガをしなかったことが一番良かった。これから彼は引退して第2の人生がスタートします。人を感動させる試合をしてきたので、良き指導者にもなれると思います。頑張って下さい」
◆清水自身が語ったベストバウト
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◆メインのライト級新王者がWORLD SERIES -61kgトーナメントに参戦!
今大会のメインイベントで行われるライト級王座決定戦『秀樹vs白鳥大珠』の勝者が、3月10日(日)『Cygames presents RISE WORLD SERIES 2019 1st Round』大田区総合体育館大会の「-61kg世界トーナメント」に参戦することが決定した。
RISE・伊藤隆代表は「両者(秀樹と白鳥大珠)にはライト級のベルトとWORLD SERIES 61kgトーナメント最後の一枠を争ってもらう事に決めました。二人ともトーナメント参戦の意思は確認済みで、粉骨砕身の覚悟でタイトルマッチに挑むと思います。この試合がライト級新王者決定戦、そしてWORLD SERIES参戦選手として相応しい試合になる事を期待してます」とコメント。タイトルマッチに加え、世界トーナメント出場を懸けたメインイベントに注目だ。