(C)KNOCK OUT
2月11日(月・祝)『KNOCK OUT 2019 WINTER 「THE ANSWER IS IN THE RING」』東京・大田区総合体育館大会の第5試合、70kg契約で対戦する緑川創(新日本キック・藤本ジム)と斗拳太郎(ボスジム)。
新日本キックボクシング協会の元日本ミドル級王者の緑川は、2014年2月にアンディ・サワーに判定勝利を収めるなど、現在の70kg日本人のトップ選手の1人。2017年8月のKNOCK OUT初参戦では宮越宗一郎に判定負けを喫したが、2018年8月の2戦目では宍戸大樹をヒジ打ちによるカットでTKOに降している。続く10月REBELSでの日菜太戦では判定2-0で惜敗したが、12月にはサリム・バントーンを3R TKO、復活を遂げた。
対するシュートボクシング日本スーパーウェルター級王者の北斗拳太郎は『北斗の拳』の主人公ケンシロウの“なりきり格闘家”。2015年6月にJ-NETWORKスーパーウェルター級王座を獲得し、2018年11月には緑川同様に宍戸大樹に勝利している。今回がKNOCK OUT初参戦となる。
インタビューでもケンシロウになりきる北斗拳太郎に対し、「俺とは絡まないで欲しい」とバッサリと斬り捨てる緑川。あの魔裟斗が切り拓いた日本伝統の70kg級戦線で、存在感を示すのか緑川か北斗か。
――昨年8月の宍戸大樹戦以来、6カ月ぶりのKNOCK OUT参戦が決まりました。
緑川「大きな大会に呼ばれたのでテンションが上がっています。新日本キックボクシング協会のリングは別として、KNOCK OUTのリングは他のリングに上がるのとは違って色んな 意味でワクワク感があります。普段見られないお客さんに僕の試合を観てもらえますし、大きな大会なので会場も大きくて雰囲気も全然違います。出場する選手も各団体のトップ選手ばかりで、下手な試合をすればもう呼ばれなくなり、周りからの評価も下がるだけなので きっちりいい試合をしないといけないと思います」
――新日本キックの看板を背負って出るという気持ちもあります?
緑川「そうですね。全然プレッシャーにはなっていませんが、僕が協会の看板選手だと思っています。自分一人でここまで育ってこれたわけではないですし、藤本会長や周りの人のためにもいい結果を残したい気持ちは強いです」
――新日本キック所属の選手が他団体で試合をすると伊原(信一)代表が最前列で観戦して、インターバルになると選手に近づき激を飛ばしている姿が印象的です。
緑川「ある意味、気合いが入るので自分にとってはいいことです」
――今回の相手、北斗選手についてはどのような印象がありますか?
緑川「おかっぱ頭ということぐらいしか……(笑)。試合が決まってから彼の試合映像を見たのですが、ちょっと背が高いと思ったぐらいで怖さはないですね。70kgの選手が減ってきているので、もしかしたらKNOCK OUTとか他団体のリングで対戦もありえるのかなとは思ったのですが、そこまで意識したことはないです。試合では意外と慎重派で全くケンシロウっぽくはないなと(笑)。普通にやれば問題ない相手です」
――北斗選手は182㎝、緑川選手は171㎝と身長差は11㎝になります。そこは気になりませんか?
緑川「僕はこの階級では小さい方で、先輩の松本(哉朗)さんとか背の高い人としか練習していないので、背が高いからやりにくいとかは全くないです。背が低い方が中に入って戦いやすいですし、背が高い選手は中に入られるとやりにくいですからね」
――北斗選手の北斗の拳の主人公ケンシロウになり切ったキャラクターについてはどのように思いますか?
緑川「格闘技のことを知らない友人に対戦相手の名前を教えたら、みんな『何、その名前? 面白そう』と言います。そういうキャラクター設定はいいとは思いますが、俺はああいう色物ファイターが好きじゃないですね。知り合いからお前もコスプレしろ、ジャギ(北斗の拳に出てくる登場人物)の仮面が売っていたからこれを被って出てくれとか言ってきて(苦笑)、勘弁して欲しいですね。相手が好きにやってくれるのはいいですが、俺はそういうことをやるタイプじゃないし、何かのキャラクターに固執しようとは全く思わないので、俺とは絡まないで欲しいですね」
――ちなみに北斗の拳は好きだったり?
緑川「世代的に違うのですが、少し読んだことがあるのでキャラクターは何となくわかります。友達にギャンブル好きがいて、北斗の拳のパチンコ台とか出ているじゃないですか。それで話を聞くぐらいですね」
――もし仮に負けるようなことがあったら、格闘技のことを知らない人は緑川選手のことをケンシロウの物まねをする人に負けた人と思われてしまいます。
緑川「そうなんですよ! 友達からは『絶対に負けられないね』と言われていて、負けたら何を言われるのかわからないので本当に負けられませんし、あのレベルを圧倒しないといけません。一方的に攻撃して倒すことをイメージしてます」
――2018年は5戦3勝(3KO)2敗でしたが、ご自身にとってどういう1年でした?
緑川「4月から連戦で6月にはラジャダムナンスタジアムのタイトルマッチ、10月には日菜太選手とやって意味のある試合が続いて、自分的に成長した部分もあります。その成果を活かして今年につなげていきたいですね。今年はKNOCK OUTに出られる時はいい試合をして、全試合倒すつもりでいって圧倒して勝ち続けたいです。やはりタイのベルトを獲ることが一番の目標なので、どこかでチャンスがあればタイでも試合をしてタイトルマッチにも挑戦したいですね」
――ご自身の階級でKNOCK OUTトーナメントを開催してもらいたいとは思いますか?
緑川「ぜひやってもらいたいですが、日本人選手がいないので外国人選手を絡めるしかないです。今の若い子はみんな軽い階級ばかりで70kgの選手も育ってないですよね。昔は70kgが人気の階級だったのですが、今は軽い階級が人気あります。選手がいない分、逆にチャンスですが、競い合える相手がいないと自分の価値は上がっていかないので、チャンスでもありピンチなのかなと思います。強い相手を海外から毎回呼んでもらえたらいいのですが、そういうわけにもいきませんよね。自分の意向だけではどうにもならないので、大事な試合で結果を残すことが重要だと思います」
――1月16日の『ROAD TO KNOCK OUT vol.3』では藤本ジムの先輩、石井宏樹さんがエキシビションマッチで小林聡さんと交わりました。何か感じたものはありました?
緑川「その日、石井さんのセコンドについていたのですが、僕は元々石井さんが現役の頃はよくセコンドに付いていて、久しぶりにセコンドをやることで、当時若かった頃の自分の気持ちを思い出しましたね。当時はずっと先輩を目標にしてきて、昔の自分はガムシャラに頑張っていたなと。その気持ちを取り戻すいいきっかけになったと思います」
北斗拳太郎「初心に戻って転龍呼吸法を試す」
――KNOCK OUT初参戦が決まりました。
北斗「うむ、KNOCK OUTという大きな舞台に立てることを心から楽しみにしている」
――KNOCK OUTのリングにはどのような印象がありますか?
北斗「遂に修羅の国に来た……。各団体の猛者たち、そして王者たちが上がれる舞台……恐らく今、日本で一番強い者たちが上がる舞台だと思っている。そんな舞台に上がれることを心から嬉しく思っている」
――今回の相手、緑川選手についてはどのような印象がありますか?
北斗「緑川拳法家……恐らくヒジありルールで日本一、世界でもトップの存在だろう。そんな格上の拳法家と拳を交えることが出来ることは楽しみだ」
――緑川選手を北斗の拳のキャラクターに例えると誰でしょう。
北斗「名もなき修羅……修羅の国での初めての戦いになる……」
――次の試合に向けて磨いている技はありますか?
北斗「修羅の国に来た。新たな拳法を修得している……そして今まで使ってきた拳法を全て使う。初心に戻って転龍呼吸法 (てんりゅうこきゅうほう)、まずはこれを試すかな」
――転龍呼吸法を使うと緑川選手はどうなるのでしょうか。
北斗「(いきなりナレーション風の語り口調で)説明しよう。転龍呼吸法とは、人間の持つ潜在能力を全て引き出す呼吸法。通常の人間では30%しか引き出せない潜在能力を、100%引き出すことで凄まじい身体能力を得る事ができる。つまり、ボス神拳伝承者である北斗は超人以上の力が出せるようになるのだ」
――おおおお! まさか一人二役でナレーション口調で説明をしてくれるとは。さすがの“なりきり格闘家”ですね(笑)。試合は何ラウンド決着になりますか。
北斗「そうだな……名もなき修羅との戦い。挑戦する立場ではあるが、倒せる機会があれば倒しにいく。1Rから倒しにいく。以上だ」
――今回勝ってKNOCK OUTの定期参戦も狙っていますか?
北斗「うむ、引き続き修羅の国で戦えることになれば、私にとってはこれ以上ない喜び。頑張りたいと思う」
――以前から対戦をアピールしているアンディ・サワーらK-1MAXファイターとの対戦も、KNOCK OUTのリングで実現させたいですか?
北斗「うむ、そうだな。KNOCK OUTという修羅の国で各国の猛者たちをぜひ呼んでいただきたい」
――KNOCK OUTのリングに限らず、2019年はどういう1年にしたいですか?
北斗「世界の頂に挑戦していきたいと思っている。もちろん、アンディ・サワーと戦いたいと常に思っている」
――最後に会場に来てくれるファンにメッセージをお願いします。
北斗「ボス神拳は無敵だ……」