2026年2月8日(日) 東京・国立代々木競技場第二体育館『K-1 WORLD GP 2026~ -90kg世界最強決定トーナメント~』にて、K-1 WORLD GP女子アトム級タイトルマッチ3分3R延長1Rでベロニカ・ロドリゲス(メキシコ/Thai Rooster Team)の挑戦を受ける、王者・松谷綺(ALONZA ABLAZE)のインタビューが主催者を通じて届いた。
松谷は、23年11月に奥脇奈々を下して第4代Krush女子アトム級王者に。25年2月のK-1女子アトム級王座決定トーナメント準決勝でマフィア・ペットモンコンディー、決勝で末松晄を破り新女王となった。前戦は末松とタイトル防衛戦を行い勝利し、現在9連勝中。
さらに上を目指していきたい
――2度目の王座防衛戦をロドリゲス選手と行うことになりました。彼女の印象を聞かせてください。
「ムエタイのベルトを持っていたり、オープンフィンガーで戦っていたり、いろんな試合に出ているなと思っています。戦績もいいし、パンチも結構振ってくるんで強そうだなという印象ですね」
――彼女は筋肉ムキムキで、たしかにパワーがありそうですね。
「そうですね。日本人選手とは違うレベルの脚や腕の太さがあって、ムキムキだなとは思います。フィジカルも強そうだし、メキシコの選手なんでパンチを警戒しています」
――フィジカルでは、松谷選手も腹筋がバキバキで負けていない印象です。
「身体はデカいなとは思いますが、不安要素は全くないですね。試合になったら技術でも絶対上回ってると思うし、フィジカルも強くなっています。気合いと覚悟の違いを見せたいと思っています」
――気合いと覚悟が違いますか?
「はい。違います。K-1チャンピオンになってから、自分が一番でずっとあり続けたいと思っていますし、一番強いと思っているんで」
――K-1とKrushを背負ってる感じですかね。
「そうですね。向こうもベルトを2本持っていますけど、気合いとかじゃ全然誰にも負けない自信があります。技術もどんどん上がっているし」
――ここ最近は、松谷選手が所属するALONZA ABLAZEの選手の活躍が目立っていますが、刺激を受けていますか?
「かなりもらっていますね。結構、ALONZAは倒す選手が多いんで。そういう姿を見て、やっぱり倒す試合って面白いなと思っています。倒せなかったとしても、倒しに行く姿勢はお客さんに伝わるものですからね」
――なるほど。
「盛り上げる試合をするのはプロとして大切なことで、同時にチャンピオンとして勝つことも大事。負けない戦い方をした上で、これからは内容も重視されていくと思っています」
――期待値は高くなりますからね。
「勝つことは前提で、さらに上を目指していきたいです」
――そこが覚悟の違いだと。
「そこは、周りの選手と比べたら全然覚悟は違うと思います」
――そのためにも倒しに行くと。
「はい。でも、いつも倒しに行くと言ってダウンで終わってしまったり、結局は倒せずに終わることも多い。技術で圧倒するのもいいんですけど、試合を見て勝敗がはっきり分かる試合を心がけています」
――少し前に元Krush&K-1王者の卜部弘嵩さんがSNSで、“女子はマスト判定がいいのでは?”と提案をされていました。松谷選手は、どう思いますか?
「難しい問題ですよね、これは。でも、男子の試合と比較したら、女子はどうしてもくっついてしまう展開が多い。そこで差をつけるのは難しいかなと思います。それを考えると、マスト判定ならば差をつけられるかもしれませんね」
――女子選手のKO率を考えると、強引に倒しに行くことで膠着が生まれやすくなっている可能性もあります。ポイントが明確になることで、スピーディーな攻防が見られる確率が高くなるかもしれません。
「たしかに、女子はマストな方がいいかもしれないですね」
――あと練習終わりとかに、ノートに課題を書いているそうですね。
「メンタルトレーナーに、見つかった課題をいろいろと書き出していくのがいいとアドバイスを受けて、やっています。すぐに書かないと忘れてしまうので、その場で気づいたらノートに残すようにしています。ダメなところが多すぎて、いろいろと改善しなければいけないことがどんどん出てくるんですよね」
――時間が経つと記憶がどんどん薄れてきますからね。
「1つダメだと思うと、他のことに全然目が行かなくなってしまうんで、ノートに書くことで整理されていいですね」
――明かせる範囲で、何をノートに書いているんですか?
「次はこれをやってみようとか、試合映像を見てダメだったところとか。例えば、相手の攻撃をブロックできるんですけど、上体が浮いちゃっていたりなどです。前回の末松晄戦では、私よりも相手の身長が高いので、攻撃を受けた時にそのまま上体が浮いていました。そうした反省点を書いたりしています」
――上体が浮いてしまうと、バランスを崩しやすくなりますよね。
「顔はブロックできても、次の攻撃につなげられない。あとはボクシングを教わった時の足の位置、パンチの打ち方とか、細かく書いています」
――それは、動きにフィードバックできていますか?
「書くことで頭に入るので、意識は前よりもできるようになっています」
――2025年は、トーナメントも含めて3試合でした。ご自身ではもっとやりたいと思っていますか?
「はい、もう少しやりたいですね。試合間隔が短い方がモチベーションも上がるし、もう少しやりたいとは思っています。昨年はトーナメントで2回戦ったので3試合でしたが、年3試合を均等にできるのが理想です。7カ月とか試合間隔が空くと、厳しいなとは思います」
――女子は選手数が少ないので仕方がない部分もありますが、末松選手と2回戦って、二度と私の名前を出すなと発言して話題になりましたね。
「はい、出さないでほしいです」
――2回目対戦後、末松選手はSNSに「きらちゃん」と何度も書いていました。
「いやー、もう出さないでほしいですね(笑)」
――なかなか選手がいない中、今回のロドリゲス選手との試合はモチベーションが上がる相手ですね。
「ですね。弱い相手と戦っていても意味がないんで。ベルトを持っているし、戦績もいい(15勝1敗)。強いのは間違いないです。インスタで見ましたが母親のようなので、きっと背負ってるものがあるんだろうなって感じはします」
――2026年の目標は、どう立ててますか。
「海外選手とか他団体のベルトを持っている選手とやって、K-1のベルトの価値を上げたいですね。自分が世界でどれだけ通用するのかを知りたいです」
――海外で試合をしたい気持ちはありますか?
「ありますね。全然、自分はどこの国でもやっていける自信はすごくあります。環境とか何も気にならない性格で、海外は試合時間が急に変わっちゃったりとかあるようですけど、別にいいやと思えるんですよ。本当に適当な人間なので、なんでもいいやって思える感じなんですよね」
――試合のルーティンとかもないと。
「ないです。緊張もしなくなってきたし。絶対に勝たなきゃいけないなっていうのはありますけど、いい意味で吹っ切れられてるというか。これで負けたら、自分がそこまでしかできなかったっていうことだし。負ける覚悟もできている。そもそも負けないしなみたいなメンタルなんです」
――それは強い。今回のタイトルマッチに対してはどういう覚悟があるんですか?
「いい意味で、全然タイトル防衛は意識していなくて、今回も挑戦だと思っています。タイトル防衛戦は、2回目だろうと3回目だろうと、その時初めてのことになりますよね」
――たしかに、その通りです。
「だから、2回目の防衛戦だけど初めての挑戦になります。3回目も4回目も初めて。ずっと挑戦者なんですよね」
――チャンピオンだけど挑戦者だと。ちなみにKrush王座はどうなりますか?
「まだ正式発表はしていませんが、Krush王座は返上しようと考えています(※取材日は25年12月=26年1月23日にKrush王座返上)。K-1 をメインでやっていきたいし、私がKrush王座を持っていても動かなくなるので。Krushは誰かにチャンピオンになってもらって、自分は先に進みます」
――分かりました。最後にファンにメッセージをお願いします。
「いつも通り、しっかり勝って防衛することはもちろんなんですけど、内容にもしっかりこだわって行きたいので応援をお願いします」