MMA
インタビュー

【RIZIN】福田龍彌、フィニッシュの踏みつけ&フックは「安藤君はタフだから“止め刺し”に行った」×安藤達也「『力を抜く』のがテーマだったけど、ちょっと行ききっちゃった」

2026/01/07 14:01
 2025年12月31日『RIZIN師走の超強者祭り』(さいたまスーパーアリーナ)バンタム級(61.0kg)で、福田龍彌(MIBURO)と安藤達也(フリー)が対戦。  修斗時代には階級違いで交わらなかった実力者同士の試合は、互いにサウスポー構えから、1R終了間際に福田が右前手を当てて安藤に片ヒザを着かせると、すぐに立ち上がった安藤が同じ右前手を返して福田に片ヒザを着かせる、スリリングな展開に。  2R、右を突く安藤が近づくと首相撲に挑むが、両差しの福田は小外がけでテイクダウン。すぐ立つ安藤はコーナーを出るが、序盤に見せていたレベルチェンジの動きが影を潜め、スタンド勝負に。  互いの低い手の位置からの右が交錯するなか、安藤の右のスマッシュに、福田がカウンターの右フックでダウンを奪取! 身体を起してきた安藤に右の踏みつけ。  さらに四つん這いになったところに福田は、中腰で左フックを顔面に打ち抜いて崩れたところをサイドバックからパウンド。すぐにレフェリーが間に入って、福田が2R TKO勝ちしている。  リングで獲物を仕留めた福田は、試合後インタビューで新たに『外来種駆除』として、井上直樹を破り王座についたダニー・サバテロへの挑戦を含む、強豪海外勢との試合を希望。また、安藤は「もう1回“振り出し”に戻る」と、作り直しての再起を誓っている。 福田「戦いの幅は安藤くん、すごくあるけど、僕は逆にシンプルなことに大概の時間をかけて生きているから、そこの差やと」 ──試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。 「最高に幸せな時間でした」 ──首からかけているその手ぬぐいは? 「さっき安藤君からもらって。控室に挨拶来てくれて。やっぱナイスガイやなと思いましたね。僕もパーカーあげて、ユニフォーム交換して、今ここに至ってます(笑)」 ──安藤選手と実際に戦った印象を教えてください。 「やっぱ、マインドもすごいいいし。15分間はなかったけど、すごい濃密な時間で。ホンマに2人でしか作れへん空気感みたいなものを今日はお客さんに提供してあげられたんちゃうかなと思って、感謝ですね」 ──そんなヒリヒリした空気感のなかで、決め手となった一発は、狙っていたものが入りましたか? 「まあそうですね、1R目のやりとりのなかで、ほんまは1Rの終わりくらいにあれやりたかったんですけど、やっぱ考えるに、そこの微妙なせめぎ合いみたいなのがあって、でも2Rにあてはめれたって感じですね」 ──福田選手の踏みつけもありました。 「はい、咄嗟に入れちゃいましたね」 ──あれはもう本能的に? 「はい、“止め刺し”(※捕獲した野生鳥獣にとどめを刺すこと)。すごいタフなのを見てきてるし、ONEとかでもサカボ食らってブッ飛んだあと、その勢いのまま起き上がったりしてるんですよ、安藤君って、過去。それ見たときに衝撃を受けたのを覚えてたから、やっぱすぐにでも隙があったらね、躊躇なく行かないと」 ──試合を終えたばかりですが、今後の展望・目標を教えてください。 「展望で言うと、ホンマに話していた通り、たくさん、旬のうちにこういうヒリヒリをお客さんに提供しまくって現役を終えたいと思ってるんで。貴重な現役生活なので、たくさんいいお仕事もらえたら嬉しいですね。日本を代表して、外国人と戦っていったりとか、そういうこともやらしていただけたら、嬉しいです」 ──1R終了後(※1R 終了間際、福田の右で安藤が片ヒザを着き、続く安藤の右で福田が片ヒザを着いた)、グローブタッチをしていました。 「いやなんか、お互い気持ちがマッチしたんですよ、すごい楽しくて、ホンマに楽しくて。いやあ、“マジでこのリングのなかで出会ってくれてありがとう!”と僕は思っていました」 ──どちらからということもなくああなったということですね。 「めちゃくちゃ楽しかったですね。なんか脳汁すげえ出てたと思います(笑)」 ──日本を代表して外国人選手と対戦したいということでしたが、具体的には? 「いや……、具体的にか。今日、チャンピオン勝つと思うのですけど、もしかしたらね、サバテロさんにも“F●●K! F●●K!”言われてるので、『外来種駆除』っていう名目で、もし今日勝ったり、負けてしもたらでもいいですけど、そういう海外の方とやらしていただいたり、できれば嬉しいと思うのですけど」 ──相打ちになるような場面もありましたが、安藤選手の打撃はかなり効きましたか? 「いやまあ、相打ちになっても……試合前インタビューでも言ったんですけどね、『クオリティの差が出た』んかなっていう。相打ちになっても自信持って行きましたね。『相打ちになっても俺の方が取るな』って思って」 ──試合中にハグをするような、そういう気持ちになった試合は今までもありましたか? 「(山本)アーセンくんとやったとき。やっぱこう、なんて言うんですかね、マインドが見えるんですよ、その人の。お互い本気でやるから。それがいいもん感じると、アガっちゃいますね(笑)」 ──2人の試合は「裏メイン」と言われて、楽しみにしているファンがたくさんいました。会場でも大声援を浴びていましたが、それは数年前ではあまり考えられない状況かもしれません。こういう大きい会場で安藤選手と戦った、ということについて感慨深いものがありますか? 「それはもう僕の人生にとってほんまにかけがえのない時間やったなって思うし。今日のこの短い時間やったけど。人生でこういう時間をもっといっぱい作っていきたいな、という風には思うのでそれを達成すべく、毎日まだ頑張っていこうって強く思い直せた1日になりましたね」 ──ファンがもっと増えたと思いますが、生活のペースは変えずに行きたいですか? 「基本的には猟期は、練習ない時間は山に入って、鉄砲かついで山を歩き回っているので、変わらないですね。明日の昼間くらいにはもう山に入って、また狩り始めていると思います」 ──狩猟に関しては、いま話題になっている熊と遭遇する可能性というのは……。 「形跡あると探すんですよ。獲りたくて、むしろ。なかなか出会えないです。出会えないんですよ。だからこう、出没しているところが羨ましい気持ちはあります」 ──気をつけてください。 「ありがとうございます」 ──最後ダウン奪ったあと、サッカーボール狙っているときに安藤選手の向きが変わったら踏みつけに変えていて「楽しい」と言っていますが、楽しさに寄るわけではなく最後まで狩るという部分ですごく冷静だと思ったんですが。 「ありがとうございます。そこの感情に呑まれちゃうとね。ベストな判断できないんで。ほんまに『淡々と一撃必殺を狙う』と試合前インタビューで言ったんですけど、その通りですね、倒れるまで。やっぱ頑丈やったけど、打ち続けたら仕留められるっていう、自分の拳に自信持っているし、それ信じて毎日取り組んできてるんで。それの結果が出てくれたなってところです」 ──安藤選手が楽しさのほうに寄ってきていると、戦いながら感じましたか? 「まあそれは、僕も楽しさはずっと持っているから、めっちゃ楽しかったですよ。だから、楽しみながら、自分の研いできたものを、ただひたすら提供し続ける、ただそれだけなんですけど。安藤君もきっと、いろいろ感じてくれたと思うし、それぐらいいい時間やったんで、ホンマに。また日本男児で来年も沸かせられたらいいなって思います。いいファイターやと思います」 ──篠塚選手が福田選手に習ったことで腰を下げてあれだけ打てるようになったと話していました。彼の可能性をどれぐらい感じていますか? 「やっぱKrushでチャンピオン獲ってるから、打撃はね、土台は十分あるし。あとは、どんだけ他の部分っていうので、センスもすごいあるし、何よりも心意気、彼の持ってる志にすごい感動したというのが率直な意見なんで。そういう熱い気持ちで格闘技に取り組む、強くなることに取り組むっていう子やったら、練習メンバーのクルーにいてもらってもすごい嬉しい存在やなとは思うし、ぜひ『京都に来る予定あったら、いつでもセッションしようぜ』みたいな。結構こういう僕好みなスキル持ってるから、テイクダウンディフェンスとか強くなったらRIZINファンの人にも、面白いものを提供できるMMAファイターになれるんじゃないかなとは思っています」 ──安藤選手が戦前「自分のほうが手札がある」と。テイクダウンを仕掛けてきたのは安藤選手の言う手札の多さだと思いましたか? また、そこを上回ったのは距離なのか打撃のクオリティなのか。 「戦いの幅っていうのはね、安藤くん、すごくあると思うのですけど、僕は逆にホンマにやることシンプルなんで。そのシンプルなことに全て、生きている大概の時間をかけてきてますから、そこの差やと思います、ホンマに。だからもうやってる技とか僕の方が少ないんやろうけど、練習でそればっかり淡々と繰り返してきて、体に染み付いてきた、そういうのの差が出たんじゃないかなと思っていますね」 ──具体的な、技術的な説明をお願いできませんか? 「技術的な説明ですか? 僕の方が動きに無駄が少ないってことじゃないかってことだと思うんですけど」 ──最短距離で出せる、というような? 「所作に無駄がないってことじゃないかと思います。 ──お互いサウスポーで、前手の右手の相打ちもありました。相手にテイクダウンがあるなかで、その相手の打ち気を誘うような場面もあったのでしょうか。 「いや、テイクダウンされへんなって思いましたね、1回組み合ったときに。両差しで崩して逆に僕がテイク取ったと思うのですけど、“組みできひん”って思われがちなんですけどそんなことなくて、練習ではガンガン組むし、ガンガン極めるし。試合で提供したいのはああいう殴り合いっていう、ヒリヒリなんで。僕が試合でやることは決めてるけど、普段は組みも寝技もめちゃくちゃやっているので。そうですね、見せるものを試合前はいろいろ断捨離して、よりシンプルにヒリヒリにこだわってやらしてもらってます」 ──ありがとうございました。 「ありがとうございました。オブリガード」 [nextpage] 安藤達也「ニュー安藤になります!」 「(インタビュー席について)すみません、ホントっていう気持ちです」 ──いえいえ、試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。 「ちょっとここで今、技術的なこととか細かいことをグズグズ俺が今ここでみなさんの前で反省点を申し上げても言い訳にしかならないので。自分的にはできる調整しっかりアレして、ちょっといろいろうまくいかない場面もあったんですけど、サポートしてくれる仲間だったり、普段練習してくれたりしてる方たちのおかげでここまでしっかりコンディション作ることができて、自信持って取り組むことはできたんですが、ちょっと試合終わって初めてのKO負けなので、ちょっとまだ実感が沸いていないっていうのと、すこし解放された気持ちが大きいんですが、これで負けて、俺、なんかこんな感じで、変な感じなんですよね、多分あとから込み上げてくるのかなと思ってます」 ──福田選手と実際に戦った印象を教えてください。 「自分も試合の前に予見していた通り、やはりどっちかが1発当てたら、すぐ倒れるような試合展開になるのかなっていう予想通りの展開だったんですけど、ちょっと自分の個人的なアレではちょっとやっぱ『力を抜く』っていうのがテーマだったんですけど、2R目少しジャブを差せ始めたぐらいから、ちょっと“行ききっちゃった”のが今回の反省に繋がったかなっていうところです」 ──最後のフィニッシュのきっかけになった相手のパンチですが、不意にもらったものなのか、角度的に見えなかったのか、どのような状況でしたか。 「相手が右狙っているのは正直ちょっと、ラウンドの終わりで交錯する場面で少し感じていたのと、割と待ちの展開になっている感じがしたんですよね、相手が。なんで、ちょっと自分からどうやって崩していくかっていうところを探っていて、ジャブを差せたら自分の距離になりそうだなって思って、欲が出てしまったところで(苦笑)、“大きい攻撃に対して右フック合わせる”のがたぶん相手のテーマだったと思うのですけど、それをしっかりもらってしまった状況でしたね」 ──試合を終えたばかりですが、今後の展望・目標を教えてください。 「ちょっとここバッチリ勝ってKOして『タイトルやらしてくれ!』って言うことしか考えてなかったんで、皆さんも多分『ここ安藤勝ってくれるだろうな』という期待はすごい感じてたので、福田くんは前回タイトルマッチで負けてからのもう1回再起で自分と勝負して、上がるために挑戦してくれたっていうところだったけど、追いついたと思ったんですけど、ここでまた離されたので、1回振り出しに戻ったと思って、しっかりもう1回連勝して実力証明しないと『タイトルやらしてくれ』って言えないと思うんで、ちょっといろんな面からもう1回やっぱしっかり見直して、ちょっとやっぱ、2戦いい勝ち方してたんで泥沼にハマってたなと今回思ったんで、ちょっと12時越えたら(年が明けたら)ニュー安藤になります(笑)」 ──まだ、悔しさのようなものはこみあげてこないですか? 「いや悔しいっスねえ、でも“あれやったら”“これやったら”とか技術の展開“もっとこうしとけばよかった”っていうのは、もちろん反省するべきで必要なことなんですけど、勝負したっていう実感はしっかりあるのでそれに関しては悔いがないんですが、ちょっとそれ以外の面でしっかり反省するべきところは反省していかないと、ちょっと次の試合もっと悪くなったら自分の価値どんどん自分で下げてると思うんで、今せっかく期待してもらえていいステージまで上がってこれたんで、1回ちょっと落ちちゃったんですけど、こっからもう1回連勝を目指してちょっともう1回、ニュー安藤に、ちょっと12時越えたらなんですけど(笑)すみません、目指します」 ──あと6時間ぐらい。 「はい、それまでちょっと反省します!」 ──福田選手との試合を4万人の大観衆の前で戦えたことはいかがでしたか。 「めちゃめちゃ素敵な質問ありがとうございます、まさにで。ここでインタビューさせてもらうまえに自分から福田くんのところに挨拶行かせてもらって『とても、すごい、いい経験させてもらった』って彼にも伝えたんですけど。今日経験したことが……今まだ悔しさ込み上げてないんですけど、多分帰って一人で泣くんですけど(笑)『くそーっ!』つって、多分それで、今回この経験が、自分KO負けしたことなかったので、それをしっかり受け止めて、ここからまたどうやって進むかっていうところが重要で。でも『俺勝てます、俺やります』って言って大きい声で言って、みんなの期待だけ集めて答えられないっていうのはダメなんで、ちょっとやっぱ見直すところいっぱいあったな、って自分で思うんで、ちょっとあと6時間はアレですけど、ニュー安藤になります(笑)」 ──会場は、最高でしたか。 「いやもう最高ですね、初めて、こういう、リフトみたいな感じの(入場)とかやらしてもらったり、やっぱりRIZINめちゃめちゃすごいですし、昨日、計量のあとに公開計量で六本木のほうに集まらせてもらって、ファンの前でこう、パフォーマンスさせてもらったんですけど、やっぱりRIZINすごいなって、めちゃめちゃ実感して。今そこで自分が期待されてるっていうところにしっかり答えられるように、ちょっと今日結果出せなかったんで、ちょっと多分みんなも、スタッフとかも多分、俺が勝ってた方がおもしれえかなって思ってくれてたと思うんですけど、ちょっと俺もそれに応えられなくて悔しいんで、ニュー安藤になります! はい」 ──今はダメージを抜くことが最優先だとは思いますが、3月、4月とRIZINの大会が発表されました。安藤選手の試合を見たいというファンもすごく増えていると思いますが、ご自身はいつ頃に次戦に臨みたいですか? 「ちょっとそれはまだ、今すぐ負けたのでダメージもチェックして、とか思うんですけど、しっかり自分が自分自身でここのクオリティで、自分が思ってるクオリティ出せなかったので、試合の内容なんですけど。やっぱり自分が納得できるところまで、クオリティをしっかり保てないと試合に繋がらないと思うので、ここで負けたからすぐ試合して、ってやっちゃうと、クオリティ下げてでも焦って作るよりはしっかり相談させてもらって一番いいところでもう1回、ちょっと。でも負けちゃったんで『誰々とやらしてくれ!』なんてもともと言ってないですけど、もっと言えない立場になったんで、もう1回、双六でいったら“振り出しに戻る”みたいな感じで、振り出しに戻りました(笑)」 ──動きの確認です。リングの上から撮っているカメラを見ると、ダウンした後それでも起き上がって足を取りに行ってるようにも見えました。その辺は意識的だったのか、無意識だったのかは覚えていますか? 「自分で右をもらってフラッシュダウンしたのを感じたんですよね、それですぐ止めないで自分がまだ動いてることをレフェリーがしっかり確認してくれてたんでそこでは止めないでくれていて。その後の追撃(※ダウンから四つん這いになったところに、福田が中腰で左フックを打ち抜いた)がもう1発クリーンヒットしたところで、危険だと察してレフェリーが止めてくれたんで、レフェリーの判断はもう本当的確だったと思いますし、あの試合の前にも丁寧にあの自分の控室に来てくれて、『こういう状況で危険性があったりしたら選手のことを思ってるからこういう風に止めるよ』とか一応事前に確認していただいた上でのあの対応だったと思うんで、さっき自分すぐリプレイで見直したんですけど、あのレフェリーさんはもう、めちゃめちゃいい仕事してくれてると思って自分行きすぎちゃったんで、それが問題だったなって、はい特に問題はないと思ます、自分的にあそこは」 ──止めるタイミングについてではなく、安藤選手がまだあの段階で足を取りに言っているように見えたので、そこは意識的だったのか? ということを伺いました。 「無意識でやってたんですけど、いつもの自分だとあそこからもう1回ゲームが始まる自分なんですよね。なんですけど、今回はちゃんと仕留められてしまったっていうところで、相手の方がやっぱりすごかったし、優れてたなって。すごいいい選手だったなって。しっかり自分負けちゃったなって、実感してます、すみません、質問間違えちゃって」
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