試合後のインタビューに答える井上 撮影/滝沢徹郎
2025年12月28日(日)サウジアラビアのモハメド アブドゥー アリーナで開催された『THE RING V: NIGHT OF THE SAMURAI』。

そのメインイベントで行われた4団体世界スーパーバンタム級タイトルマッチ3分12Rで、挑戦者アラン・ピカソ(メキシコ)に判定3-0で勝利した王者・井上尚弥(大橋ジム)が試合後インタビューに答えた。
「今日の試合の内容も含め、終わってちょっとどっと疲れたかなってという感想です」と話し始めた井上は、ディフェンシブな相手を倒し切れなかったことについて 「正直悔しいですよ、そこは。期待に応えられなかったというのは非常に悔しいですし。自分も正直倒したかった気持ちは強いので。そこはピカソのディフェンスが上手かったというところですね」とした。

相手がディフェンシブになることは想定していたと思うが、それでも倒せなかった理由は、と問われると「何ですかね…これがボクシングですからね。やっぱり噛み合う、噛み合わない(があって)。その中で倒すことが出来るか出来ないかというのは、これからもこの先もあると思うし、そんな中で今後倒しきるというところを自分も一つ課題として、磨いていきたいなと思ってます」と答える。

試合後のマイクで「今日はよくなかった」と発言したが、顔は綺麗で被弾もほぼなく、フルマークを付けたジャッジもいた。自分の中でどこが上手くいかなかったと感じているのか、との質問には「今日のボクシングというより、気持ちですかね。集中力だったり、そこがいまいち身体と一致していなかったというか、そこですかね。ポイント的には離れてたと思うんですけど、ただ、自分のやりたいボクシングと気持ちが全然一致してなくて、そこがなぜ今日こういう形になってしまったのかっていうのはまた、改めて考え直す必要があるかなと思います」とした。

前日計量時に、2026年5月に東京ドームでプランされていた中谷潤人(M.T)との対戦について、井上がフェザー級に転向して日本人男子初の5階級制覇に挑戦するプランがあり、どうなるか分からないという旨の発言をしたことについて確認されると、「そういった話もありましたけど、今日、お互い勝って、それはもうやりましょうよ、と。自分としてもやる気持ちは十分あります。もちろん自分から呼びかけてましたし。ただ、そういう(5階級制覇)話がさらっと入ってきたので、あの場でさらっと話をしてしまったのが自分でちょっと“あっ…”てなってしまって。かき乱してしまって申し訳なかったというのはあります。自分としては来年5月、やる気はもちろんあります。もちろんフェザー級も考えています。それは5月ではなくて(その先の話)」と、中谷戦を実現させる気持ちはあり、5階級制覇はその先の話だと説明した。
このことが報道されて騒ぎとなったが、集中力に影響はなかったかと聞かれると「そこはあまり関係ないかな」とする。
最後に、初めてサウジアラビアで戦ってみての感想を聞かれると「環境と共に自分が凄くリラックスしながら調整はしていたんですけど、サウジアラビアを考えながら戦うというのは、戦っている最中はさほど関係なく、戦えてたのかなと思います。演出も凄いなと思いながら入場もしました。ただ、ゴングが鳴ってからはそこはもう全然気にせず戦ってっていましたね」と語った。



