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【UFC】マスヴィダルがネイトにドクターストップTKO勝ち、「BMF」ベルト巻いて「もう一度必ずやる」=『UFC 244』勝者コメント追加

2019/11/03 11:11
【UFC】マスヴィダルがネイトにドクターストップTKO勝ち、「BMF」ベルト巻いて「もう一度必ずやる」=『UFC 244』勝者コメント追加

(C)Josh Hedges/Zuffa LLC/UFC

2019年11月2日(日本時間3日)、米国ニューヨーク州ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)にて『UFC244』が開催された。

メインイベントでは5分5Rのウェルター級戦で、ホルヘ・マスヴィダル(米国)とネイト・ディアス(米国)が対戦した。

2019年7月の『UFC239』でベン・アスクレンを跳びヒザ蹴りでわずか5秒のUFC最短記録でKOしたマスヴィダルとと、かつてコナー・マクレガーと1勝1敗の激闘を展開しているネイトによる対戦。本物の“UFCギャングスター”はどちらか。

8月のアンソニー・ペティス戦後、ネイトは「この業界にはもうすっかりギャングスターがいなくなった。俺とヤツ(マスヴィダル)くらいだ。ただしヤツはウェストコーストのギャングじゃない」と対戦をアピール。

さらに、ネイトが自身を「BMF」(“Baddest Motherf*cker”)と呼んでいることを受けて、ファンの間では、今回のマスヴィダルとの試合は、ネイトが持つ「BMFベルト」の防衛戦であるとの声が高まり、ダナ・ホワイト代表は急遽、この試合の勝者に贈呈するための「BMFベルト」を制作。

大会前日の公開計量で、かねてから「MSGでこの試合の勝者の腰にベルトを巻いてみたい」と語っていたザ・ロックことドウェイン・ジョンソンが、ほんとうに「BMFベルト」を持って登場し、ファンを沸かせた。

さらに試合当日にはドナルド・トランプ大統領がメインイベントのみならず、メインカードから来場。全米を巻き込んだ注目の大会となっている。

【メインカード】

ウェルター級戦。3位のホルヘ・マスヴィダルと7位のネイト・ディアスの試合はメインで5分5Rで行われる。

34勝13敗のマスヴィダルは、2017年にはデミアン・マイア、スティーブン・トンプソンにいずれも判定負けも、2019年3月のダレン・ティル戦の2R KOで覚醒。7月には無敗だったベン・アスクレンを跳びヒザ蹴りで5秒・秒殺KOで勝利した。

20勝11敗のネイトは2019年11月の前戦で3年ぶりに復帰。ライト級からウェルター級に転向したアンソニー・ペティスを打撃でドミネートし判定勝ち。

最初に「BMF」ベルトを肩にかけてザ・ロックことドウェイン・ジョンソンが登場。先にネイト・ディアスが入場。セコンドに兄ニック・ディアス、クロン・グレイシーがつく。続けてホルヘ・マスヴィダルが入場。ATTのマイク・ブラウン、さらに“石の拳”ロベルト・デュランが脇を固める。

▼ウェルター級 5分5R
〇ホルヘ・マスヴィダル(米国/169.6lbs/76.93kg)
[3R 5分00秒 TKO] ※ドクターストップ
×ネイト・ディアス(米国/170.4lbs/77.29kg)

1R、両手を後ろ手に組み、ケージにもたれかかるカロリーナ・コバケビッチの真似でコールを受けるマスヴィダル。マスヴィダルからグローブタッチにネイトも拳を合わせる。オーソドックス構えのマスヴィダル。サウスポー構えのネイト。最初の跳びヒザ蹴りのフェイントを警戒するネイト。前蹴りから詰めるネイトに、マスヴィダルは差して仕込むと離れ際に右ストレート、右ヒジ連打! さらにネイトの頭が下がったところに右ハイ! ダウンしたネイトはガードを取るがパウンドに出血。中腰のまま足を超えようとするマスヴィダルだが、両足を伸ばすネイトは「来い」と挑発。下から蹴り上げも。しかし、効いたふりをしたマスヴィダルは中腰からパウンド。

スタンドへ。右ジャブを突くネイトだが、そこに左ミドルはマスヴィダル! かろうじて蹴り足を掴みながら金網まで押し込むネイトだが、突き放すマスヴィダル。足元がおぼつかないネイトだが、右のスイングがヒット! 前に出るが組むマスヴィダルは笑顔。左で差して体を入れ替えると右ミドル! さらにワンツー! ネイトの左右をかいくぐりサークリング。詰めるネイトは右ボディ、左ストレートを当てる。

2R、先に中央を取るネイトに左ローはマスヴィダル。ネイトは右ヒジで飛び込むがかわすマスヴィダル。ネイトは半身からサイドキック狙い。右前手を挙げて右フック、さばくマスヴィダルも右を突く。さらに右のオーバーハンド! 右ミドルにネイトは引き込み気味に下に。しかし深追いはしないマスヴィダル。

スタンド再開。サウスポー構えのマスヴィダル。そこに右を振るネトイトは前へ。金網で左で差して入れ替えるマスヴィダル。腿に鉄槌のネイトに離れ際に上下に打ち分けるマスヴィダル! さらに右ストレート右ヒザにネイトは半身になってしまう。スピード、フィジカルともに勝るマスヴィダルはボディロック。アームロック狙いのネイトをスラムしバックに。背後のマスヴィダルの右足を巻き込み前転したネイトは、グランドに持ち込むとヒールフックへ。しかし回転抜いたマスヴィダルがヒジを落とそうとしたところでホーン。

3R、まだ目に力はあるネイト。右ジャブで前に出る。しかしマスヴィダルの右ストレートは伸びる。さらに右ストレート。しかしネイトもワンツー! マスヴィダルは強烈な右ミドルに動きが止まり、腹を隠して半身となる。前手を触ってから右ストレートはマスヴィダル! しかしネイトも左右を伸ばすが、マスヴィダルには右ミドルがある。さらに左ボディをレバーに突く。ネイトは右目周辺からの出血が気になる。

接近戦から両脇を差したネイトだが、差し返したマスヴィダルが体を入れ替え、ボディロックで押し込む。右で差して崩すとバック狙い。前転してガードを取るネイト。引き込んで右手首をつかむネイトは下から鉄槌! しかしマスヴィダルもヒジを打ち返す。ネイトは右目上を大きくカットしている。

4Rへ、しかしドクターチェック後、カットが深く試合はストップ。3R終了時・TKOでマスヴィダルが勝利。大きなどよめきにブーイングもネイトも納得した表情。マスヴィダルとグローブタッチした。

「BMF」ベルトを持ったドウェイン・ジョンソンもケージイン。マスヴィダルの勝利コール後、その腰にベルトを巻いた。

マスヴィダルは、「ネイトにいま感謝を伝えたよ。こんな状態でケージを降りるのは不本意だ。バックステージですぐやろうという感じだ。ダン・ランバートやATTのみんなありがとう。また戻ってくるよ。ネイトを叩き潰す、ただその思いだった。ネイトにもまだ戦う光は見えていただからここで終わりたくなかった。必ずもう一度、ネイトとは試合する。こんな形でオクタゴンを出るのはゴメンだ。俺にブーイングしないでくれ。必ずもう一度試合するから。4ラウンド目が始まる前だって俺は行く気満々だったんだ」と笑顔でコメント。

続けてジョー・ローガンはネイトにもインタビュー。ガッツポーズを見せたネイトは、「ほんとうにクソったれの展開だった。まだまだ戦うつもりだった。出血の原因になった傷は前の試合でできたものだ。(あなたは後半に強いが?)普段よりスタートが遅かった。4ラウンド目も全然いけたんだけどな。これから巻き返す予定だったし、今日の作戦は4ラウンド目からエンジン全開で戦う予定だったまだ終わっちゃいねぇからな……マザーフ××カー」と再戦を望んだ。

ホルヘ・マスヴィダル「もう一度やるから、ご心配なく」

「実際、今さっきネイトに言ったところなんだ。もう一回だってね。向こうの愛を感じたし、こっちもそのお返しだ。UFCが実現したんだから、もう一回やろう。対戦相手に意識があるのに、こんな形でオクタゴンを出るなんてゴメンだ。方法はひとつしかない。洗礼を施すのさ。俺はネイトに洗礼を与えていないから、もう一度だ。個人的なことを言うと、アメリカン・トップ・チームに感謝したい。ニューヨークに戻ってくるから、最高の3ラウンドを見せたと思っているし、俺にブーイングしないでくれよ。ちゃんと楽しませるからさ。もう一度やるから、ご心配なく。もう一度必ずやる。唯一の戦略がヤツを連れ出すことだった。ネイトはヤバイからな。4ラウンドでも5ラウンドでもやるつもりだったんだぜ。やる気マンマンさ。覚悟はできていた。ヤツの目を見たら、向こうも全ラウンド行く気なのが分かったからな。俺は医者じゃない。だから俺に文句を言わないでくれ。俺は戦うためにやって来た。俺のせいじゃない。医者が止めたんだ」

▼ミドル級 5分3R
×ケルヴィン・ガステラム(米国/184lbs/83.46kg)
[判定1-2]※30-27,28-29,37-30
〇ダレン・ティル(英国/186lbs/84.37kg)

ミドル級4位のガステラムと、ウェルター級10位でミドル級初戦となるティルの対戦。

16勝4敗のガステラムは、2017年7月にクリス・ワイドマンに肩固めで敗れたが、17年11月にマイケル・ビスピンに1R TKO勝ち。2018年5月にホナウド・ジャカレイにスプリット判定勝ちで王座挑戦権を獲得、ロバート・ウィテカーに挑戦予定もがウィテカーが腸ヘルニアで欠場。2019年4月にイスラエル・アデサニヤとの暫定王座決定戦に臨むもダウンを奪われ判定負けした。

17勝2敗1分のティルは17戦無敗のままウェルター級王者タイロン・ウッドリーに挑戦したがダースチョークで一本負け。2019年3月の再起戦ではホルヘ・マスヴィダルに2R KO負けし連敗。今回、再起をかけてミドル級へと転向した。

1R、ともにサウスポー構え。両脇を差したガステラムだが四つに持ち込み体を入れ替えたティル。左で差して押し込むガステラムだが、互いに体を入れ替え、ガステラムは右手で腿に鉄槌。ティルの入れ替えをすぐに入れ替えるガステラム。

離れるティルは左ロー。頭から飛び込むガステラムを突き放すと左右のローキックをヒット。ガステラムも左ローを突く。両手を上下させフェントをかけるティル。ガステラムはダブルレッグのフェイントから中に飛び込みパンチを振る。

2R、ガステラムの組みに受け止めてヒザを突くティル。左回りでガステラムの左の強打を防ぐと飛び込んで左を突く。さらに左手を前に出してからヒザ蹴り。ガステラムの前手が目に入り中断。再開。左ローを当てるガステラム。さらに詰めて左で差して金網まで押し込むも体を入れ替えるティルは左ロー。また入れ替えるガステラムを突き放すティル。左ローを突くガステラムは突破口が開けない。右前手を上下させるティル。ガステラムのダブルレッグを切る。ガステラムはローを効かされたか軽く片足をひきずっている。

3R、先に左右のローはガステラム。その蹴り足を掴んでいなすティル。ティルの右をかいくぐりボディロックしたガステラムだが、倒せず。距離が空くとティルの左ストレートがヒット! しかしガステラムも右ジャブが当たり始める。右狙いにティルもバックヒジで牽制。互いに慎重で手が出ないなか、左ミドルはガステラムも掴んで前進しテイクダウンしたティルは深追いはしない。スタンド。ガステラムのジャブをかわすティルは逃げ切り体勢か。ワンツーで組みヒザを突く。追うガステラムは左もかいくぐられる。

マット中央でダブルレッグテイクダウンはガステラム! しかしすぐに立つティル。ガステラムは左から右もかわすティル。ガステラムはさらにダブレッグテイクダウンも右で差してすぐに立つティル。ホーン。

判定は2-1で、ガステラムの組みを潰しスタンドで試合をコントロールしたティルが勝利。4位のガステラムを下し、王座戦に近づいたティルは、「ウッドリー戦でどうしようかと思ったけど、ミドル級のブルドーザーであるガステラムと戦って実力を証明できたと思う。パワーもついたしこの階級で戦いたい。26歳でセミファイナルで戦った。もっと上を目指すよ」と語った。

ダレン・ティル「俺は真のファイター。俺がBMFだ」

「負けが込んでしまって、何人かの悪魔と戦わないといけなかったんだと思う。俺たちファイターはあまりそういうことを話さないけど、俺は今、心の底から話している。ウッドリーと戦う前、自分の人生で負けたことなんて一度もなかった。自分のことを超人だと思っていたのに、それから2回負けて、最近じゃメディアから前よりもっと非難される。だから、俺の中ではずっと戦っていた。正直に言えば、今日ここに来て、3ラウンドをやらないといけないことにビビっていた。最初のラウンドが終わったときに、“どうしたんだ、ダレン?”と自問自答した。自分が最強の一人だと思っていたから。

BMFの話題で持ちきりだけど、俺は今、ケルヴィン・ガステラムと戦ったばかりで、ミドル級のブルドーザーを相手にしたんだ。俺は一歩一歩確実に行く。ここにいられたことにも満足している。70kg以上のヤツなら誰だってぶっ倒してやる。俺には階級なんて関係ない。明日にでもヘビー級のチャンピオンと戦えと言われたらやる。立ち向かっていくし、もしかしたら打ちのめされるかもしれないけど、俺は戦う。なぜなら俺は真のファイターだからだ。俺がBMFだ」

▼ウェルター級 5分3R
〇スティーブン・トンプソン(米国/170.4lbs/77.29kg)
[判定3-0] ※30-26×2,29-27
×ビセンテ・ルケ(ブラジル/170.2lbs/77.20kg)

ウェルター級9位のトンプソンと14位のルケの対戦。

アメリカン空手出身のトンプソンは14勝4敗1分。2017年11月にホルヘ・マスヴィダルからダウンを奪う判定勝ちも、2018年5月にダレン・ティルに僅差の判定負け、2019年3月にアンソニー・ペティスに2R TKO負けを喫している。

17勝7敗1分のルケは現在6連勝中もノーランカー相手の試合が続いている。前戦はマイク・ペリー相手にスプリット判定勝ち。ストライカーだが2017年10月にはニコ・プライスにダースチョークを極めるなど首系の一本勝ちも多い。ランカーに初挑戦となる。

1R、ともにオーソドックス構えから。右インローを突くルケに、サウスポー構えにスイッチしたトンプソンは右ロー。半身から右サイドキック、右ロー。ルケも左ローを当て圧力かけ右で前進。ここはかわすトンプソン。低い手の位置から左右を突く。

左ミドルも蹴るルケ。ワンツーから得意の左ショートフックもかわすトンプソン。左の蹴りを掴んで右フックを放つ。右のカーフキックはルケ! サウスポー構えになるトンプソン。ワンツーで金網詰めるルケだが、トンプソンも左ストレートをヒット! さらにワンツーから右ミドルを当て、左ハイもブロックの上から当てる。

2R、左右のローはルケ。サウスポー構えから右に出てから右をひっかけて打つトンプソン。さらに左ストレート、左ハイ。ブロックするルケも右を振る。さらにワンツーから連打するトンプソンを触りながら下がるトンプソン。飛び込みにカウンターの右ボディストレートを突く。

動じないルケだがそこに右のサイドキックでルケは後方に倒れるもトンプソンは追わず。立ったルケを詰めると後ろ廻し蹴り! さらに後ろ蹴りをボディに当てる。ルケの右ローに右ストレートのカウンターはトンプソン! さらにオーソから右ジャブ! 金網に詰めてワンツーを当てる。互いに前蹴りもルケは左目周辺から出血する。

3R、詰めるルケにサイドキックで倒すトンプソン。立つルケにトンプソンは右ストレート! ダウンしたルケがガードを取ると、スタンド勝負を望んだトンプソン。しっかり距離を保ちジャブ・ストレート、左の攻撃から右ハイ。ここはブロックするルケ。追うルケだが、パンチをかわすトンプソンはステップを止めず。左顔面を腫らすルケ。左右の蹴りはトンプソン。さらにワンツーの右にルケは後退。右の後ろ蹴りのトンプソン! ルケの右ストレートに左ストレートを合わせたトンプソン。終了のホーン。

判定は大差でトンプソンが勝利。ルケの連勝は「6」でストップした。復活を果たしたワンダーボーイは、「(37歳だが?)ルケは素晴らしいキックボクシングと空手のテクニックも持っていた。集中して戦ったよ。ニューヨークのみんなありがとう!」と語った。

スティーブン・トンプソン「3回もMSGで試合ができるなんて」

「勝利街道に戻ってこられて最高の気分だよ。ここ2試合は完全に負けてしまっていたから、ここで復活してUFCやファンにまだ自分がタフな相手とやり合えること、勝利を飾れることを示したかった。自分の腕が上がって試合を終えられたこと、言葉じゃ説明できないよ。マディソン・スクエア・ガーデンは聖地、1回や2回でもなく、3回もここで試合ができるなんて夢がかなったも同然だ。何にも変えられない。ここで戦ってきた才能ある人たちやアスリートたちを思いながら、このホールを歩く。なんて最高なんだ。正直、素晴らしい気分さ。向こうは激しく打ってきたし、自分よりも相手の方がハードだったんじゃないかと思うくらいだけど、最高だった。タフな相手なのは分かっていたから、3ラウンドの戦闘を覚悟していた」

▼ヘビー級 5分3R
〇デリック・ルイス(米国/265lbs/120.20kg)
[判定2-1]※30-27,28-29,29-28
×ブラゴイ・アレクサンドル・イワノフ(ブルガリア/257.4lbs/116.75kg)

ヘビー級ランキングで5位のルイスと8位のイワノフ。ルイスは2018年11月の「UFC230」でダニエル・コーミエに一本負け。2019年3月のジュニオール・ドス・サントス(JDS)戦でも2R TKO負けで連敗中。MMA22勝7敗。

対するイワノフは、コンバットサンボでヒョードルを破ったことで知られる。日本の戦極にも参戦し、MMA18勝3敗。Bellatorではトーナメント決勝アレクサンダー・ヴォルコフに一本負けしてMMA初黒星も、以降WSOFで4連勝。PFLでも勝利し、UFC入り。JDSには敗れたものの2019年3月にベン・ロズウェルに判定勝ち、6月にタイ・ツイバサにも判定勝ちと、現在2連勝中。

1R、サウスポー構えのイワノフ。オーソドックス構えのルイスは右ミドルを打つが、蹴り足を掴んだイワノフはテイクダウン! サイドを奪うとアメリカーナ狙い。その瞬間に起き上がったルイスは左右のラッシュ! 金網背にしたイワノフは左ハイ! 組み付いたルイスはダブレッグテイクダウンも金網背に立つイワノフ。ルイスは左で差して押し込むがイワノフはギロチン狙い。頭抜くルイスは離れ際に右ヒジ! イワノフは払い腰狙いも耐えるルイス。左右フックを放つ。左ボディストレートはイワノフ。

2R、右インローはルイス。イワノフは左のダブルから押し込むが体を入れ替えるルイス。離れ際に右アッパーを振る。かわずイワノフは軽く左インロー。右ストレートから右アッパーを放つルイスは左右の連打。下がるイワノフは左回りでサークリングして凌ぐと小外テイクダウン! 1R同様にアメリカーナ狙うイワノフに、外して立ち上がるルイスはラッシュも疲労か動きを止める。右で差して組み付くイワノフにヒザを突き上げるルイス! ここのラッシュも凌ぐイワノフは左ストレートで飛び込む。四つからヒザはルイス。しかしイワノフはオーバーフック&払い腰テイクダウン! 両ヒザをマットについたルイスに腹の下にルイスをがぶりノーアームチョークを極めにいく。

3R、圧力かけるイワノフに右ストレートはルイス。ダックするイワノフは右で差して押し込むとボディロックもクラッチを切る。さらに払い腰狙いも凌ぐルイス。ルイスの右アッパーは空を切る。首相撲から引き落としたイワノフ。亀になるルイスだが手首をつかんでから立ち上がり。クリンチ首相撲はイワノフも右ヒザはルイス。右アッパー、右フック、さらに左右連打もイワノフは首相撲。ヒザ突くルイス。ホーンにルイスは座り込んでしまう。

判定は2-1で大きなパンチ、ヒジ・ヒザを当てたルイスに軍配が。イワノフも打撃&組みで遅れを取っていなかったが……。辛勝したルイスは試合後、「サポートに感謝するよ。大統領も見てくれた試合だった。(イワノフは)自分の重いパンチを吸収していたから驚いたよ。効いていたと思うけど」と語った。

デリック・ルイス「ちょっと我慢しすぎたのかも」

「今回の相手はタフだったし、激闘だったから、勝利街道に戻れたのは本当にうれしい。何発か打てば仕留められるだろうと思っていたけど、すさまじくタフだった。めちゃくちゃショックだったし、他の人なら失神しているはずなのに。相手がタフなのは分かっていたし、でかいショットを何発も食らっても前に出てくると分かっていたから、こういう試合になるだろうとは思っていた。今回の試合に向けて必死にトレーニングを積んだ。すべてはジムのグラインドハウスのおかげだ。ストレングスやコンディショニングとか、俺のことをすごく支えてくれた。それから、栄養士のルーも。ルートリション(栄養学の“ニュートリション”とルーをかけた造語)だな。今回はフィニッシュすべきだったのに。この階級のこのポジションにいるのはそういうことだと思う。ちょっと我慢しすぎたのかもな。でも、しょうがないことだ」

▼ライト級 5分3R
〇ケビン・リー(米国/155.6lbs/70.58kg)
[1R 2分47秒 KO] ※左ハイキック
×グレゴール・ガレスピーc(米国/155.4lbs/70.49kg)

グレゴール・ガレスピーはここまで13勝無敗。ケビン・リーは18勝4敗。2018年12月にアル・イアキンタ、2019年5月にハファエル・ドス・アンジョスに敗れ、2連敗中。

1R、ともにオーソドックスのクラウチング構え。ガレスピーはシングルレッグも深追いせず。左ジャブの刺し合いからリーの左にガレスピーのアゴが上がるが、ガレスピーの精度が上回る。追って右ボディはリー。

左インローを当てるガレスピー。さらに右ストレートもその打ち終わりにリーはボディストレート! 左ジャブを出したガレスピーにその上を右ストレートでかぶせたリーは、そのまま歩いて左ハイ! 後方にもんどりって倒れたガレスピーは金網に頭をもたれて意識が飛んだ様子。リーは鉄槌1発でレフェリーが間に入った。

リーは試合後、「彼は素晴らしいレスラーだ。自分の力を証明できたと思う。(ファイナルは)ジャブをセットアップしようと思っていた。彼のパンチは受けられると思ったよ。(エクストリームクートゥアーから出稽古した)トライスターのみんな、これからもよろしく。タイトルマッチに行けるよう強さを証明するよ」と語った。

ケビン・リー「トライスタージムが俺をさらに優れたファイターにしてくれた」

「勝利街道に戻ってこられて最高だ。2連敗から復活するには何日もかかるから、ものすごく大きな意味がある。ここまで来るのに大変だったし、あの蹴りを生かせるようになるには何年もかかる。そりゃ最高の気分さ。自分のキャリアで一番クリーンなノックアウトだったと思う。向こうは予想もしていなかっただろうし、ライト級のほとんどのファイターも思ってもみなかっただろう。これまで誰も見たこともない、まったく違うタイプのパワーを培っている。まだ俺の力は半分も見せていない。UFCではたくさんの試合をしてきたけれど、本気でまだスタートしたばかりだという気分なんだ。この試合の前でさえ、試合展開がどうであれ、トライスタージムが俺をさらに優れたファイターにしてくれたと感じていた。もっと集中できるようになっているし、ずっと才能もスキルもあると思ってきたけど、すべてをまとめるのに苦労していた。でも今はそれを成し遂げるために完璧な場所と完璧なガイドを見つけられたと思っている。俺にはライト級が合っている。タイトルを狙っていく。ここでキャリアをスタートした。こここそ俺が輝く場所だ」

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