2025年12月13日(日本時間14日0時45分~)、フランス・リヨンのLDLCアリーナにて『PFL Europe 4: 2025 Finals』=『PFL LYON』(U-NEXT配信)が開催された。
メインイベントは「ヘビー級王座決定戦」。元Bellator世界ライトヘビー級王者のワジム・ネムコフ(ロシア・19勝2敗)が、2023年のPFLヘビー級優勝のヒーナン・フェヘイラ(ブラジル・13勝4敗)と王座を争う。
▼PFL世界ヘビー級王座決定戦 5分5R〇ワジム・ネムコフ(ロシア)[1R 4分00秒 肩固め]×ヒーナン・フェヘイラ(ブラジル)
ネムコフは、2024年2月にブルーノ・カッペローザを2R 肩固めに極めた後、25年1月にティム・ジョンソンに1R リアネイキドチョークで一本勝ち。2016年4月のRIZINでカール・アルブレッソンでスプリット判定負け以降、9年間負けなしの13連勝中。
対するフェヘイラは、4連勝後の24年10月にフランシス・ガヌーに1R TKO負け以来の再起戦となる。
身長183cmのネムコフに対し、フェフェイラは20cm大きな203cmで、リーチは216cm。また、ヒョードルチームのネムコフに対し、フェフェイラはノゲイラ門下生でもある。
1R、ともにオーソドックス構え。一回り、いや二回り大きなフェフェイラに対し、ネムコフは細かなステップから左を突いてダブルレッグで左差しに、フェフェイラは右小手で巻くが、ネムコフは右手をヒザ裏を掴んでテイクダウン。
両者頭から崩れてバック狙いのフェフェイラを落としたネムコフが上に。フルガードのフェフェイラの頭をケージに押し込み、右のパウンドを落とすネムコフ、エルボーも。ケージ背に座り両脇を差してネムコフを抱き寄せて打撃のスペースを無くそうとするフェフェイラ。
剥がして左パウンドのネムコフはフェフェイラを横に寝かせて背中をつけさせると、左前腕をのどもとに押し付け、右のパウンド! クローズドガードのフェフェイラに左右の強いヒジ! 左のパウンドも連打し、左足またいでハーフに。
フェフェイラをパウンドで潜らせないネムコフは左パウンドでマウントに。ハイマウントから脇を開けさせて腕十字に入るが、長い足でケージを蹴ったフェフェイラは後転してトップになってヒジお抜いて鉄槌連打!
ネムコフは右で差してダブルレッグもそれをそのまままたいで押し倒して上になるフェフェイラ! ケージに座りながらもフェフェイラのパウンドにすぐに右で脇差しトップを奪うネムコフ!
この際でバック狙いから落とされて譲ったフェフェイラは下でハーフで背中を着かされる。ハーフから左腕を流してしその脇に頭を突っ込むネムコフは肩固め狙い。
しかし、フェフェイラの左はケージ際でスペースが無い。いったんハーフに戻ったネムコフは再び左脇を開けさせて肩固め、ハーフからマウントになってサイドに出ることなく肩固め! フェフェイラがタップした。
コーナーのヒョードルとハグをかわした初代PFL世界ヘビー級王者は、「彼とレスリングをしようと考えていた。背が高いし、ストライカーとして優秀だからだ。僕は全局面で戦える選手だけど、ここはレスリングの方が有利だと判断した。
(最初の肩固めを防がれた?)非常にハイレベルなファイターだし、明らかにグラウンドも理解している。だから、このレベルでは何にも驚かない。ただ、自分が貫かなきゃいけないって分かっていたから最後は貫いたんだ。
(史上最高のヘビー級チャンピオンがあなたのコーナーにいる。エメリヤーエンコ・ヒョードルが到達したレベルにどう到達するのか?)彼は『まだ道のりは長い』と言った。努力はしているが、どのファイターもあのレベルには到達できないと思う。見ての通り、俺は誰とでも戦う。団体が望む相手なら、彼が望む相手なら誰でもだ。家族と子供たち、妻の支え、そして応援してくれた全てのファンに感謝したい」と語った。
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サイボーグがコリンズに一本勝ち、ディチェバとバンタム級戦か
▼PFL世界女子フェザー級選手権試合 5分5R〇クリス・サイボーグ(ブラジル)[3R 2分55秒 リアネイキドチョーク]×サラ・コリンズ(豪州)※サイボーグがPFL女子フェザー級初防衛成功
1R、サウスポー構えのコリンズにオーソのサイボーグ。コリンズが左インロー。左ローを返したサイボーグ。右オーバーハンドをガード上に打ち込む。サイボーグの右インローに右ダブルを合わせたコリンズ! サイボーグはバランスを崩す。
詰め直したサイボーグは右ボディをヒット。さらに左ジャブにコリンズは右で押し返す。アイポークを主張するコリンズ。再開。
喧嘩四つから互いにジャブの刺し合い。コリンズの左前蹴りとサイボーグの右前蹴りが交錯。コリンズは左ミドルハイ。サイボーグの右ローに右ストレート、左前蹴りを腹に突く。サイボーグは右を振ってケージに詰めて右をヒット。サークリングのコリンズに右インローを当てる。
左ローを打ち返すコリンズに右ローのサイボーグ。さらに右ミドルも。左前手を触角のように出して間合いを測るサイボーグは。コリンズの左に合わせてボディロックテイクダウン。亀から立とうとするコリンズの背後からパンチを連打。立つコリンズを詰めて右の連打。一瞬背中を見せたコリンズだが向き合うと、サイボーグはさらに圧力。
右ローでコリンズのバランスを崩すサイボーグは、さらにボディストレート。右で飛び込むと、コリンズは左にサークリング。サイボーグは左で外足を獲る。
右ストレートを打ち込むサイボーグはコリンズの左前蹴りを掴んで押し込み、最後にホーン後に後頭部に右を打ち込み、ブーイングを浴びる。
2R、コリンズが左前蹴り。詰めるサイボーグの右ローの打ち終わりに組むコリンズだが、突き放すサイボーグ。サイボーグの右に右のカウンターを合わせようとするコリンズだが、サイボーグは右ボディ打ち、さらに右ミドルで腹狙い。
左に回されるコリンズは左ミドルハイ。ガードのサイボーグは右ミドルをヒット。そこに右を狙うコリンズ。続くサイボーグの右ミドルを掴んでテイクダウンのコリンズ!
インサイドガードからコリンズはパウンド。クローズドガードのサイボーグの下からの細かいパンチ、蹴り上げにコリンズは中腰から立ち上がり。スタンドに戻してしまう。
サイボーグの右ストレートに、右ジャブを打ち返すコリンズ。サイボーグは右ミドルヒをガード上に当てて左腕を殺していく。さらに左ローと対角線の打撃。コリンズの右の蹴りを掴んで組んだサイボーグは左で差して押し込み、ヒザ、右のパウンド。
離れたコリンズが左ストレート。頭をかすめたサイボーグは右から左の連打から首相撲ヒザ、ボディロックに切り替え、コリンズは右小手巻きで凌ぐと、サイボーグは組んだまま右ハイを突く。
3R、右インローのサイボーグ。さらに右ストレート。コリンズは右を返すが、サイボーグの圧力にケージ背に。右から右ミドルを打ち込むサイボーグ。コリンズの右ローに左右をまとめる。
右のダブルから左で差して組んだサイボーグはヒザ蹴りも、コリンズは右手で首を巻いて右足を外に、払い腰テイクダウン! 袈裟固めで抑えるコリンズが左のパウンド。サイボーグは腰を引いて、ケージを蹴ってサイドバックについてから頭を抜いてバックに!
両足をフックして、パームトゥパームでリアネイキドチョーク。さらに後ろ頭で組んでタップを奪った!
PFL世界女子フェザー級王座の初防衛に成功したサイボーグは「サラは本当に優れたグラップラーだった。柔道も得意だ。だから我々は全てを創り上げた。つまり12週間のハードトレーニングだ。全ての対戦相手を尊重する。彼らがここに来る時は準備万端だと分かっている。本当に幸せだ。他の全てにも全力で取り組む。そして敬意を。
(フィニッシュは袈裟固めを抜けてのRNCだったが)2~3年前からずっと、サイドコントロールの防御、柔道のサイドコントロールの防御を練習してきたんだ。本当に一生懸命練習した。簡単じゃない。粘り強く続けなきゃいけない。私のキャリアは決して楽じゃなかったけど、彼らは一生懸命働き続けて、この防御を本当に気に入ってくれている。コーチ、本当にありがとう。全てに感謝している。
(MMAで勝ち得るものは全て勝ち獲るったが、次に何を目指す?)まず、来てくれた皆に感謝したい。PFLに参加し、チームの皆も頑張ってくれた。私の命だ。皆がボクシングを頑張ったことは、私にとって全てだった。そのことに感謝したい。だって私は一人じゃない。周りにチームがいる。計画を立て、トレーニングを。次の全てのために。戦いたい。
また戦うつもりだ。来年、これが私の最後のMMAの試合になる。そして引退前にボクシングの試合をいくつかやりたい。だってボクシングが大好きだから。レオとここで戦えるかもしれないけど、次の相手はリー・マーコート。彼女はBellatorで活躍した。もし彼女が無理なら、ダコタ・ディチェバと折衷案で誰戦うこともできる。135ポンド(バンタム級)で誰にも負けません。何をすべきか考え中ですが、きっと良い結果になると信じています」と語った。
21日のPFCアフリカはホセ・トーレスと2勝1敗のンデベレと6戦無敗ヘニエネが決勝
PFL Africa Finals Card:Sofitel Dome, Cotonou, Benin5 pm WAT | 4 pm GMT | 11 am EST | Saturday 20 December
PFL Africa Bantamweight Finals: Nkosi Ndebele (10-3) v. Karim Henniene (6-0)PFL Africa Welterweight Finals: Shido Boris Esperança (11-1) v. Yabna N’Tchala (13-2-1)Lightweight Showcase Bout: Jean Do Santos (9-1) v. Cornel Thompson (10-3)PFL Africa Heavyweight Finals: Justin Clarke (4-0) v. Abraham Bably (7-2)PFL Africa Featherweight Finals: Alain Majorique (6-0) v. Wasi Adeshina (9-3)Women’s Strawweight Showcase Bout: Juliet Ukah (7-0) v. Maryam Gaber (3-0)Light Heavyweight Showcase Bout: Styve Ngono (6-1) v. Mélèdje Yedoh (1-0)Heavyweight Showcase Bout: Abdoulaye Kane (4-1) v. Jashell Ticha Awa (3-2)Welterweight Showcase Bout: Mouhamed Ba (3-1) v. British Boloyoang (3-2)Bantamweight Alternate Bout: Boule Godogo (4-1) v. Thimna Mhlauli (5-0)Women’s Strawweight Showcase Bout: Shelda Chipito (0-0) v. Miracle Andrew (1-1) 日本時間12月21日(日)の『PFL Africa』(U-NEXT配信)では、バンタム級とウェルター級の決勝が行われる。バンタム級のンコシ・ウデベレ(南アフリカ)は、BRAVE CFでホセ・トーレスに2勝1敗の元王者。対するカリム・ヘニエネ(カナダ)は10月大会で跳びヒザ蹴りでKO勝ちした6勝無敗の30歳。
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アビホハが初回KO勝ち! EUROバンタム級アディギュゼルが優勝、ライト級はチゾフが優勝
▼ウェルター級 5分3R〇パトリッキ・アビホハ(ベルギー)171.0lbs(77.56kg)[1R 2分42秒 KO] ※左フック→パウンド×ケヴィン・ジョセ(フランス)170.5lbs(77.33kg)
▼バンタム級 5分3R〇テイラー・ラピルース(フランス)135.9lbs(61.64kg)[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×リアム・ギティンス(英国)136.0lbs(61.68kg)
▼PFL Europe 2025 バンタム級決勝 5分5R〇バリス・アディギュゼル(フランス)134.8lbs(61.14kg)
▼ライトヘビー級 5分3Rボリス・ムバルガ・アタンガナ(ベルギー)205.5lbs(93.21kg)[2R 2分35秒 リアネイキドチョーク]ギレルメ・ソアレス(ポルトガル)204.9lbs(92.94kg)
▼PFL Europe 2025 ライト級決勝 5分5R〇アレクサンデル・チゾフ(ラトビア)154.6lbs(70.12kg)[3R 0分50秒 KO] ※右ストレート×コナー・ヒューズ(英国)154.7lbs(70.17kg)
▼バンタム級 5分3R〇グスタボ・オリヴェイラ(ポルトガル)136lbs(61.69kg)[2R 0分34秒 TKO] ※左フック→パウンド×モブサル・イブラヒモフ(ベルギー)135.6lbs(61.5kg)
▼女子フライ級 5分3R〇サブリナ・デ・ソウザ(バーレイン)125.4lbs(56.88kg)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×パウリナ・ウィシニエフスカ(ポーランド)125.9lbs(57.1kg)
▼バンタム級 5分3R〇ハイアン・バルバリ(フランス)135.2lbs(61.32kg)[判定2-1] ×レヴィ・バチェラー(英国)135.9lbs(61.64kg)