元PANCRASEライト級王者でUFCにも参戦していた徳留一樹(パラエストラ八王子)が10月25日、「ONE:DAWN OF VALOR」ジャカルタ大会で、ONE2連勝を飾った。
ONE初戦は急遽対戦相手がエリック・ケリーからジャダンバ・ナラントンガラグに代わり、第2戦もエミリオ・ウルティアからクリスチャン・リー(現ライト級&GP王者)に変更されながら試合を受け、連敗を喫していた徳留だが、ナラントンガラグ戦はフェザー級(※70.3kg)戦で、リー戦は73キロ契約。
ようやく望んでいたONEライト級(※77.1kg)への階級変更となった5月のエイドリアン・パン戦では、得意の左の攻撃に加え、テイクダウンから立ち際にヒザ&ヒジと力強く流れるような動きを徳留は見せていた。
今回のジャカルタ大会では、TUFシーズン22、WSOFやBellatorでも勝利を収めているジョニー・ヌネス(米国)を相手に1Rにパンチを効かせ、2&3Rもテイクダウンに成功するなど、ONEライト級にフィットした戦いを見せ、判定で勝利している。
ケージのなかで「疲れました。何とか生き残れてよかったです。テレマカシー!(ありがとう)」と、インドネシア語で挨拶した徳留。試合後、パラエストラ八王子の塩田GOZO歩館長とともに話を聞いた。
【写真】同じジャカルタ大会でONE本戦デビューをTKO勝利で飾った内藤大樹(左)と、2連勝をマークした徳留(右)。
──ONEで2連勝、おめでとうございます。今回、新たに模索した組みの比重を強くしたスタイルはご自身での手応えはいかがでしたか。
「新たなスタイルは良かったと思います。ただ、まだ改善の余地はたくさんあります」
──スタンドでは「真っすぐ下がらないこと」を注意されていたと思いますが、ヌネスのダブル、あるいはトリプルの最後を被弾することもありました。同時に下がりながらも徳留選手が当てて、相手を崩しました。
「最初は受けてしまいましたが、気持ちを切り替えて練習してきたヒジが出せたのが良かったです。相手をうまくいなせたのも作戦通りでした」
GOZO「今回の徳留は、距離を取っての打撃に固執するのではなく、相手の距離を潰して相手の勢いを封じ込めることも課題にしていました。相手の距離を潰した結果が、1Rに決まったヒジに現れています」
──なるほど。蹴りは空振りをつかまれましたがラバーガードで相手の動きを止めて問題なかったように思います。
「1Rの蹴り足を掴まれたテイクダウンは、自分から攻めてハイキックに行った結果なので。下で凌ぐ為にラバーガードを使いました」
GOZO「組みになってもしっかり組み勝てたのは、徳留がGENで日本トップの重量級選手と練習してきた成果も出ていたと思います。それに減量の心配がない(※ONEライト級は77kg)ため、パワーや瞬発が上がったのもいい方向に作用していると、見ていて感じますね」
──フィニッシュまであと一歩という内容でしたが、1勝3敗にせずにしっかり2勝2敗の五分に戻すことができました。ご自身ではどのような思いでしょうか。
「2連勝は素直にホッとしています。1R目に仕留めに行って体力を使い切った部分もあったため、2R、3Rでフィニッシュ出来なかったのは、ファンに申し訳なかったと思います。もっと上に行くためにはやはりあそこで仕留めきらないと」
──日本ではかつて徳留選手が保持したPANCRASEライト級のベルトを巻いた王者と修斗王者が、ONEで対抗戦を行いました。どのような感想を抱いていましたか。
「ライト級の試合は2人(久米鷹介が松本光史に判定勝利)とも強いと思いましたし、見応えがありました。それと個人的には、佐藤将光選手の強さに痺れました(※ハファエル・シウバに2R TKO勝ち)」
──今後の目標を教えてください。
「ONEで2勝2敗なので次の一戦が大事になります。しっかりと一つひとつの積み重ねを大事にしていきたいと思います」