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【RIZIN】大晦日全16試合が決定! ノジモフ「ブラックパンサー? せいぜい“ブラックうさぎ”」×ベイノア「“ノジ”の分析は間違っている」。榊原CEO「米国でそんなやれるんならRIZINでもやれよって」

2025/12/10 23:12
 2025年12月31日(水)『RIZIN師走の超強者祭り』さいたまスーパーアリーナ大会に、米国LFAで2連勝中の“ブラックパンサー”ベイノア(アメリカン・キックボクシング・アカデミー=AKA)の緊急参戦が決定。RIZINフェザー級(66kg)で3連勝中のイルホム・ノジモフ(ウズベキスタン)とライト級(71kg)で対戦することが10日、発表された。これでRIZIN甲子園決勝含め、全16試合が決定した。 ▼RIZINライト級(71.0kg)5分3R“ブラックパンサー”ベイノア(AKA)5勝3敗イルホム・ノジモフ(ウズベキスタン)12勝3敗  10日の『榊原社長に呼び出されました』に出演したベイノアは、米国サンノゼのAKA修行から「来日」。24年5月に同番組で井上雄策とともに「膠着試合」を榊原CEOから窘められて以来という出演で、意気込みを語った。 「今年、RIZINでは本当にポスター配りとバーベキューの司会しかやってないんで(苦笑)。気合い入りますよね。“やっとリングに立てるのか”と。上がりますね」と、凱旋試合に意欲を見せたベイノア。  名門AKAでのトレーニングを、「もう練習しかしないですね。家・ジム・ちょっと森みたいな。それぐらいしか行く場所もないんですよ。コンビニとかもないし、近くに遊べる場所もないんで練習するにはもってこいでしたね。誘惑が無い。シカとリスしかいないんで。1年目にダゲスタン勢とか、元UFCのダニエル・コーミエーさんとかが教えに来たりとか。刺激になりますね。みんなもうモチベーションの高い、どこの誰だか分かんない強い人たちがいっぱいいる。自信がつきましたね」と語る。  その言葉に、榊原CEOは「俺は、ベイノアが本当にアメリカで活躍している話とか、試合をして勝っただけじゃなくて、やっぱり評価に値するパフォーマンスとアメリカ人のオーディエンスに支持されてるっていうのがすごい。“なんで? そんなやれるんならRIZINでもやれよ”って思ってたぐらいなんですけど(笑)。選手ってどこかで覚醒するタイミングがあると思う。だから今まで苦い経験もしてる、ファンからのブーイングももらった。KOもされた。でも、そこからもう1回、自分で──本当に大変だと思うよ。AKAに行って揉まれて、アウェーで2連勝して『ファイト・オブ・ザ・ナイト』をもらう。現在4連勝中と勢いに乗ってる。ちゃんと武者修行して、海外でキャリアを積んで、AKAで揉まれてきたことは必ず力になってるだろうと思います。覚醒したベイノアが本来の姿かな?」と、RIZINでの試合に期待を寄せた。  ベイノアも「最高ですね、うん。僕もベストコンディションでいけるんで。(RIZINでは)ちょっと散々眠ってたんで、さっきも(ダウンして)眠ってる写真が出てましたけど、でもあれでアメリカに飛ぶことを決めたんで。そこからいろいろブーイングなり、禊試合とかいろいろありましたけど、まあ、全部このためだと思ってるんで」と、AKA修行を経てLFAで連勝した経験を、日本での汚名返上につなげたいとした。  大晦日の対戦相手のノジモフについては、「今まで違う階級でやってたし、選択肢になかったんですが、オファーをもらったことも含め、“いや、来たな”っていう。もちろんノジモフっていう強い相手というのもありますけど、誰がというより“いや、これ来たな”って思いましたね」と、相手以上にホームでのリベンジの機会を待ち望んでいたとし、「ちょっと前だったらアミダくじでジョニー・ケースが出て、“うわ、ジョニー・ケースかよ”ってなったんだけど、いまは“よっしゃ、やってやろう”っていう気しかないんで楽しみですね」と、満を持しての復帰戦の思いを語った。  一方、番組にビデオメッセージで登場したノジモフは、「おい、ノア・ベイ? 英語を話せない”アメリカ人”なのか? こんなの初めて見たよ。まあいい。試合になれば、言葉なんていらない。この拳で全部教えてやる。ちなみに俺も『RIZIN.46』に出てたんだ。お前がYUSAKU INOUEと試合した、あの大会だよ。俺は出てすぐ、会場を一番盛り上げた。本物のハンターっていうのを見せたんだ。で、その後に出てきたのが……お前だったな。史上最も退屈な試合を見せてくれたよ。自分のこと“ブラックパンサー”って言ってるのか?(苦笑)試合を見る限り、せいぜい“ブラックうさぎ”だな。12月31日、お前をバラバラにしてやる。さあ、フェイス・トゥ・フェイスで立とうぜ、ノア」と、ベイノアの試合を日本で観ていたといい、その戦いぶりをブラックパンサーならぬ、ブラックラビットと評した。  黒兎とノジモフのフェイスオフを見たベイノアも、「いいねー、ブラックうさぎ、全然ビビってなかったね。あれでいきますよ。“Let's GO”でしょう。もうやってやりますよ。まあ、さっきの“ノジ”の分析だと『英語は喋れない』『つまんない試合する』──どっちも間違ってますから。英語喋れるし、最高な試合しますから。やってやろうかなって思いますよ。その分析は間違ってるんだぞと」と、みくびっているとし、「『負ける勇気を持って勝ちに行け!』を一時期、1000回ぐらい(読んだ)。それを発散するのがアメリカだったんで、次は日本でそれを見せます。(すごい試合に)しますよ。もうノーガードで。顔で前蹴り受け止めてやってやろうかなって」と、生まれ変わったアグレッシブファイトを約束した。  柏木信吾マッチメーカーは「ベイノア選手はアメリカに行ってからのパフォーマンスが素晴らしくて。もう一気にMMAの精度がグンと上がって、現地でも本当に評価高いです。ベイノアvs.ノジモフ戦は、本当、すごい試合ですよ。ノジモフもフェザー級ではタッパ(身長)がある方なので、前から『ライト級はどうですか?』という話はしていて。でも本人はフェザー級にこだわりがある。けれども、『大晦日に出られるんだったら』ということで今回ライト級で戦う。  どうしても選手って、やはりすごく強い選手が相手だと、あまり旨味もないというか、そんな中、その対戦相手として今回、そのRIZINとしてベイノア選手に声をかけさせていただいた時に、二つ返事で『やりたいです』っていう返事で前に進めた部分があった。本当に全く迷いもなく『やりたい』という返事をしてくるところに、今のベイノア選手が波に乗ってる、その自分の手応えとか自信っていうものがすごく感じられたので、そこの期待感が本当に高いなと思います」と、待望の参戦だという。  また榊原CEOは、ノジモフのライト級についても「本人は、シェイドゥラエフに敗れた(練習仲間の)コレスニックの敵討ちをしたいという気持ちもあるだろうけど、もしかしたらライト級だって適正階級かもしれない。ノジモフにとっては、一番ベストパフォーマンスができる可能性が高いというか。あの体格でフェザーに落とす、66kgに落とすのに、だいぶやっぱり(体重を)カットするのにしんどかったので、その意味では、71kgはかなりベストコンディションで作れると思います」と期待を寄せた。  その試合予想を柏木氏は、「高いレベルの緊迫感のある打撃の攻防に期待したいんですけれども、やっぱりAKAでアメリカのMMAという部分で強くなって覚醒したベイノア選手が逆に“漬けちゃう”んじゃないかなとも思いつつ、そこは見たくないなと思いながらも、とにかくいい試合になるんじゃないか、そんな風に思ってます」と、AKA仕込みの“攻めの組み技”の展開も予想。  榊原CEOは、「本当にこの1年半、積み上げてきたもの。それは多分、技術とかそういうことだけじゃなくて、人間としてだいぶ成長したはず。やっぱり一人で、単身海外に行って生活するだけでも、いろんなものを身に着けて実際自信もつくし、人間としても大きくなっていく。総合格闘技って結局、最終的には人間力。人間としていろんな場面で起きたこととかが力になったりする。だから、この1年半で積み上げたものをしっかり見せてほしい。本来、僕らが期待していたベイノアのパフォーマンスって、今までのRIZINで見てたものでは不満足なんですよ。“もっとやれるでしょ”って。その期待感があるからファンプもブーイングする。そこを“やっぱすげえな、こいつ”って思わせるよう、本当に。持ってるものを全部、爆発させてほしいね」と期待を寄せながらも、「こうして上げて上げていって、また井上戦と同じような(膠着試合に)なったら……ノジモフ相手にあれができたら逆にすごい。そんなことは相手が許してくれないと思うけど」と釘を刺すと、ベイノアは「いや、行きますよ。前に出るしかない」と覚悟を見せた。  ノジモフは、フェザー級で身長182cm、リーチが189.5cmと群を抜いて高く、殺傷力が高い打撃はライト級になったときにどう変わるか。一方で、精緻な打撃のなかに組みが融合されてきたベイノアは、ノジモフ相手にMMAで危険な打撃を封じ込めて、階級差を活かした戦いで削れるか。タフファイトになっても勝ち切る北米での試合を、リングのRIZINルールでも見せられるか。 「RIZINの方がルールに制限がないじゃないですか。グラウンドのヒザ蹴りとか。そこはアメリカでは気をつけたというか、AKAで最初に行った時にスパーリングで相手をガブった時に、グラウンドヒザみたいなのをやっちゃって“何やってんの?”みたいな感じがあって。向こうだとRIZINルールが根付いてなくて、バイオレンスみたいな。でも日本だと当たり前で。試合した時もグラウンドでクローズガードの上の時にヘッドバットやっちゃって。それで注意になったんですけど」と、久ぶりのRIZINルール解禁を語るベイノアだが、柏木氏からは「RIZINでもヘッドパッドは禁止ですけどね……」と突っ込まれて苦笑したベイノア。日本でも覚醒なるか。 [nextpage] 『RIZIN師走の超強者祭り』全16試合 ▼RIZINフェザー級(66.0kg)選手権試合 5分3Rラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス/Ihlas)王者 16勝0敗朝倉未来(JAPAN TOP TEAM)挑戦者 19勝5敗1NC ◆ラジャブアリ・シェイドゥラエフRazhabali Shaidulloev2000年10月11日、キルギス共和国出身身長:170cm、リーチ:174cm(69inc)、体重:66.0kgIhlas所属キルギスの高地で広大な自然のなか育まれた脅威のフィジカル、さらに組技・寝技はもちろん立技でも高い技術を持つコンプリートファイター。家族の勧めでレスリングを始める。19年、地元キルギスのBatyr BashyでプロMMAデビュー。ロシアのACA Young Eaglesで3勝後、22年11月、アマチュアルールのGAMMAで4日で3勝しフェザー級王座獲得。23年6月のROAD FC 63kgトーナメント1回戦でヤン・ジヨンに1R一本勝利も、8月の準決勝は体重超過/計量遅刻により失格。10月、UAE Warriorsで一本勝利。24年6月、RIZIN初参戦。武田光司を1R序盤リアネイキドチョークで沈め、その漲る破壊力でRIZINファンを一瞬で虜にした。9月には体重超過のアーチュレッタに対し「全く問題ない」と応じると1R アームバーでタップを奪った。大晦日、立ち技の元世界王者である久保優太を完全ドミネートしてTKO勝利。25年5月、RIZIN4戦目でベルトに挑戦、クレベル・コイケをまさかの1R僅か62秒でTKOし王座奪取した。いつでも挑戦を受けるという強者の流儀を持ち合わせるが、参戦予定の7月は筆頭候補ヴガール・ケラモフの負傷等で防衛戦は実現せず。ファイトIQの高いビクター・コレスニックを挑戦者に迎えた9月、1R右ストレートでダウンを奪い、そのまま僅か33秒でフィニッシュし、初防衛達成。さらにプロ戦績16勝無敗に更新(全て2R以内フィニッシュ)。V2戦の今回、絶対的な長期政権を築くべく、朝倉を早期フィニッシュし、圧倒的な強さを誇示するつもりだ。 ◆朝倉未来Mikuru Asakura1992年7月15日、愛知県出身身長:177cm リーチ:178cm (70inc) 体重:66.0kgJAPAN TOP TEAM所属 12年MMAデビュー。13年から弟の海と共にTHE OUTSIDERへ参戦し、二階級制覇を果たす。ROAD FCを経て18年8月、RIZIN初参戦。19年7月の矢地祐介戦に完勝した頃から人気YouTuberに。7連勝後の20年11月、斎藤裕とのRIZIN初代フェザー級王座決定戦で判定負け。その後21年6月、RIZIN初の東京ドーム大会メインでクレベル・コイケに一本負け。10月、初の配信限定興行RIZIN LANDMARK旗揚げ大会では萩原京平を返り討ちにした。22年9月には日本人で2人目となるメイウェザーとの対戦で世界中にその存在を知らしめた。23年7月、ケラモフとの王座決定戦で一本負けを喫し再びベルトのチャンスを逃すと、11月のFIGHT CLUBでYA-MANにOFGでのキックボクシングマッチでTKO負け。24年7月には平本蓮に1R KOされ事前の公約通りに引退を宣言。しかし結果は陰性ながらも相手にドーピング疑惑が浮上したことで遺恨が残る結果に。その後、平本との再戦として復帰が発表されるも、相手の怪我を受け「男祭り」に名を変えた舞台で鈴木千裕と対戦、フルラウンドコントールし判定勝利、悲願の復活を遂げた。7月、4年の歳月を経て元王者クレベル・コイケと再戦、テイクダウン許さずリベンジを達成した。王座をかけた戦いに2年5ヶ月ぶりに挑む今回、最恐の王者を捩じ伏せ、悲願のベルトをその手に掴みたい。 ▼RIZINライト級(71.0kg)選手権試合 5分3Rホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)王者 20勝3敗野村駿太(BRAVE)挑戦者 10勝2敗 ◆ホベルト・サトシ・ソウザRoberto Satoshi Souza1989年9月19日、ブラジル サンパウロ出身身長:180cm、リーチ:185cm(73inc)、体重:71.0kgボンサイ柔術所属 06、09、10年とブラジリアン柔術世界選手権を制し、圧倒的かつ芸術的な極めの強さを誇る柔術界の至宝。13年10月、REAL Fight ChampionshipでプロMMAデビュー。5連勝で同団体スーパーライト級王座戴冠。19年4月よりRIZIN参戦。2連続TKO勝利後の10月、ライト級GP1回戦でジョニー・ケース相手に初黒星。再び2連勝を経て21年6月、GP覇者トフィック・ムサエフに1R一本勝利でRIZINライト級初代王者に輝く。22年大晦日、AJ・マッキーに判定負け。23年7月、開催4日前の緊急発表でBellatorライト級GPに出場したがパトリッキー・ピットブルにTKO負けで初戦敗退。再起戦の24年3月、中村K太郎を相手に右ハイからの猛攻で1R TKO勝利、9月には約2年5ヶ月ぶりの防衛戦でルイス・グスタボを1R僅か21秒TKO勝利して会場を驚嘆させ、打撃を不安視する声を払拭。大晦日、階級を上げたフェザー級前王者ケラモフから1R得意の三角絞めでタップを奪う。もはや国内無双状態に入ると海外の強豪を要望。25年5月、MMAデビュー当時以来の韓国にてノンタイトルで日韓二冠王者のキ・ウォンビンと対戦し、1R僅か50秒で失神一本勝利。9月、堀江圭功を挑戦者に迎え1R 1分40秒にタップを奪うと、ベルトの移動が激しいRIZIN戦線で、5度目の防衛成功を果たした。自身に勝利したピットブルを超えて王座挑戦権を掴んだ野村を、絶対王者として返り討ちにする。 ◆野村駿太Shunta Nomura1997年10月11日、愛媛県出身身長:173cm リーチ:177.5cm体重:71.0kgBRAVE所属 DEEPライト級王者。兄の影響で3歳から伝統派空手を習い始める。一時は空手を離れるも、高校時代には全日本空手道選手権大会5位の成績を残す。空手部に所属していた大学時代に伝統派空手出身の堀口恭司がRIZINで活躍する姿を見て衝撃を受ける。大学卒業後、空手を続けるため自衛隊に半年間所属したのち23歳よりMMAを開始。21年9月、GRACHANでプロデビュー。22年7月より主戦場をDEEPへ移すと、泉武志、小金翔、元修斗王者の川名TENCHO雄生らを相手に勝ち星を重ねる。通算4連勝で迎えた23年7月、江藤公洋に判定負けを喫した。その後、再び2連勝を挙げ、24年9月に江藤が持つ王座の初防衛戦に挑戦。レスリングベースの江藤の組みを切り、逆に得意の打撃を効かせてフルマーク判定勝利でDEEP王座戴冠とともにリベンジを果たした。地元の四国で初開催のRIZINに初参戦でいきなりライト級王座挑戦経験者のルイス・グスタボと対戦。激しい打撃戦に組みの強さも発揮。偶発的なバッティングで試合続行不可、3R 2分27秒テクニカル判定勝利、戦前の予想を覆すアップセットを起こした。さらに7月には元Bellator王者のパトリッキー・ピットブル・フレイレを相手に激しい打ち合いを制し判定3-0で再び大金星をあげ、その場で9月にホベルト・サトシ・ソウザへの挑戦が決定したが、自身の負傷欠場となる。大晦日に再びチャンスを手にした今回、スピードで圧倒することはもちろん、これまで積み重ねてきたレスリング、さらにATT修行で磨きをかけた技術でサトシを撃破し、RIZIN王座を手にしたい。 ▼RIZINバンタム級(61.0kg)選手権試合 5分3R井上直樹(Kill Cliff FC)王者 20勝4敗ダニー・サバテロ(アメリカントップチーム)挑戦者 16勝4敗1分 ◆井上直樹Naoki Inoue1997年6月14日、愛知県出身身長:175cm リーチ:177cm(70inc) 体重:61.0kgKill Cliff FC所属 バンタム級屈指のスピードと技術を誇る現王者。地元・愛知県豊橋市の名門・空手道白心会で姉・魅津希と共に格闘技を始める。15年2月のプロデビュー以来10連勝を挙げ、17年、日本人最年少の19歳でUFCと契約。6月のデビュー戦では判定勝利を収めた。18年6月、怪我からの復帰戦でマット・シュネルに僅差で敗れキャリア初黒星を喫し、その後フライ級廃止の余波でUFCを離脱。20年2月RIZIN初参戦。2連勝後の大晦日、元谷友貴に一本勝利。21年はバンタム級GP参戦し優勝候補と目されたが、大晦日に扇久保博正に判定負けを喫しまさかの準決勝敗退。23年5月、堀口恭司が返上した王座を巡る王座戦進出を賭けフアン・アーチュレッタと好勝負を繰り広げるも判定で敗れた。24年3月、佐藤将光とハイレベルな攻防を展開し、判定勝利で再起すると、9月には朝倉海が返上した王座をかけ、激闘派キム・スーチョルを1Rスタンドパンチ連打でマットに沈め、第7代王者に。25年3月、元谷友貴と再戦し、かつて1度も防衛されていないRIZINバンタム級王座の初防衛という快挙を達成。7月、DEEP王者の福田龍彌を挑戦者に迎えると、その類稀なファイトIQと打撃の技術を光らせ、完封勝利を挙げV2成功。今回、精緻なレスリング技術を持つダニー・サバテロを相手に3度目のベルト防衛を果たし、RIZINバンタム級絶対王者として君臨する。 ◆ダニー・サバテロDanny Sabatello1993年3月31日、米国イリノイ州シカゴ出身身長:178cm、リーチ:177cm(70inc)、体重:61.0kアメリカントップチーム所属 幼少期にレスリングを始め、高校時代イリノイ州王者に2度輝く。大学ではNCAAディビジョン1で活躍。18年7月のプロMMAデビュー以来6連勝を飾る。Titan FC では20年6月に王座決定戦で一本勝利を挙げベルトを獲得、21年2月には初防衛に成功した。5月よりBellator参戦。2連勝を挙げバンタム級ワールドグランプリへの出場権を獲得すると22年6月の1回戦を判定勝利で突破、12月、ラフェオン・ストッツが保有する暫定王者のベルトもかかった準決勝ではスプリットで敗れGP敗退。23年4月、マルコス・ブレノに一本勝利で再起を果たすと、7月、超RIZIN.2で初来日し、マゴメド・マゴメドフにギロチンチョークを極められ敗れる。11月、ストッツとの再戦ではユナニマス判定で敗れリベンジならず。24年8月のPFLではマジョリティドローに終わった。試合ではレスラーらしいコントロールを得意とするファイトスタイルだが、所謂Fワード連発のトラッシュトーカーで、その澱みない啖呵が??に向いているとBellatorに勧められアカウントを開設したほどだ。RIZINファイターとして初の舞台となった25年5月、オリンピック金メダリスト太田忍とのレスラー対決では3Rにスラムされた場面で体をひねるテクニックを見せ、太田が顔面から落ちたところにパウンド連打でTKO勝利を飾った。9月には佐藤将光を相手にフルラウンドコントロールし2連勝、勝利のマイクでは日本語で「首を洗って待ってろ」と井上に戦線布告していた。井上のスピードも、ステップも何もかも封じてドミネートし、3戦目の舞台で王座を手にする。 ▼RIZINスーパーアトム級(49.0kg)選手権試合 5分3R伊澤星花(Roys GYM/JAPAN TOP TEAM)王者 17勝0敗RENA(SHOOTBOXING/シーザージム)挑戦者 15勝5敗 ◆伊澤星花Seika Izawa1997年11月1日、栃木県出身身長:160cm、リーチ:162.5cm (64inc)、体重:49.0kgRoys GYM/JAPAN TOP TEAM所属 RIZINスーパーアトム級王者、DEEP JEWELSストロー級&アトム級王者。幼少期より柔道、レスリングを始め、好成績を残す。20年10月、DEEP JEWELSでプロデビュー。21年 6月、本野美樹に勝利しデビューから僅か8ヶ月、プロ3戦目で王座戴冠。大晦日、初参戦のRIZINで王者浜崎朱加を2RTKOの番狂わせを起こすと22年4月の再戦で王座奪取。スーパーアトム級GPでは1、2回戦を一本で飾ると大晦日パク・シウに判定勝利で優勝。23年7月の初防衛戦ではクレア・ロペスに1R一本勝利。23年大晦日、山本美憂の引退試合の相手を務め、2R一本勝利で号泣で見送った。24年3月、大島沙緒里からパク・シユンが奪取したDEEP JEWELSアトム級のベルトを一本勝利で獲得し3冠達成。9月、新旧王者対決となった浅倉カンナの引退試合で、有終の美を飾ろうと奮起する浅倉に苦しめられ、判定勝利後に悔し涙を流した。大晦日、ルシア・アプデルガリムに公開計量時に挑発され怒りを露にすると、1R腕十字でタップを奪った。25年7月、ROAD FCから参戦のシン・ユジンとの防衛戦では相手が大幅体重超過し、再び怒りの大会当日を迎えることに。キャッチウェイト戦で1R肩固めに極め、16戦無敗へと記録を更新した。11月には同年にプロMMAデビュー、女子格闘技を牽引してきた大島沙緒里を相手にそのリーチ差を活かしながら打撃の進化を見せつけ、判定勝利で防衛に成功。試合後ケージインしたRENAに対しては「ノコノコ出てくるな」「ウザい」と怒りを露わにした。その後の宣言通り「速攻組んでテイクダウンして、パウンドでボコボコに」し、かつてのツヨカワ女王に引導を渡す。 ◆RENA1991年6月29日、大阪府出身身長:160cm、リーチ:156cm (61inc)、体重:49.0kgSHOOTBOXING/シーザージム所属 07年にプロデビュー。09年にシュートボクシング女子の祭典、GirlsS-cupに出場し初優勝。翌10年の同大会も制し2連覇を達成。順調に勝利を重ね“絶対女王”の地位を不動のものにする。07年にプロデビュー。09年のシュートボクシング女子の祭典、GirlsS-cupで初優勝以来2連覇を達成、順調に勝利を重ね“絶対女王”の地位を不動のものにする。15年大晦日、RIZINのリングでMMAデビュー戦を一本勝利で飾って以来、怒濤の6連勝を飾る。17年大晦日にはGP決勝戦で浅倉カンナと対戦し、浅倉の総合力の前に屈した。その後18年7月の再戦でもリベンジを退けられる。19年6月にはNYで開催されたBellator222に堀口恭司と共に参戦するもリンジー・ヴァンザント相手に一本負けを喫し、Bellatorデビュー戦は黒星を喫した。しかし年末にそのリンジーと再戦し、パウンド連打でTKO勝利を収めリベンジに成功した。22年7月から開催されたスーパーアトム級ワールドGPに参戦。一回戦はウクライナのアナスタシア・スヴェッキスカを相手に1Rに打撃を効かせ3-0で判定勝利するも、二回戦は怪我で欠場。23年4月、クレア・ロペスを相手に優勢から一転、3Rに膝十字を極められ一本負けを喫し復帰戦は黒星に終わった。約1年ぶりの再起戦ではROAD FCアトム級王者シン・ユリとの接戦を判定で制した。24年7月にはケイト・ロータスを2R終盤にスタンドパンチでTKO。その後、大晦日の伊澤戦を怪我で欠場。1年越しの舞台で実現する王座挑戦を自らの集大成として、絶対女王伊澤に全てをぶつけ、かつて自らの手で生み出した女子格の熱狂を再びリングに沸き起こす。 ▼RIZINフライ級(57.0kg)選手権試合(フライ級GP決勝)5分3R扇久保博正(THE BLACKBELT JAPAN)29勝8敗2分元谷友貴(アメリカントップチーム)39勝14敗 ◆扇久保博正Hiromasa Ougikubo1987年4月1日、岩手県出身身長:162cm リーチ:163cm (64.2inc)体重:57.0kgTHE BLACKBELT JAPAN所属 07年プロデビュー。史上2人目の修斗世界王座2階級制覇を達成。RIZINバンタム級戦線を牽引し、21年のGPでは準決勝で優勝候補の井上直樹に総合力の高さを見せつけると、決勝では一度王座決定戦で敗れた朝倉海に根性でリベンジし優勝。その後22年9月にキム・スーチョルに判定で敗れてからは適正階級のフライ級に転向。現RIZINフライ級王者堀口恭司とは13年に一本負けによる修斗王座陥落以来、RIZIN初参戦の 18年7月、5年越しの再戦で判定負けを喫し、トリロジーとなった22年大晦日の対抗戦でもカーフキックを効かされ苦杯を舐めた。23年7月の超RIZIN.2では朝倉海の欠場に伴い急遽アーチュレッタと対戦。フルラウンド闘い抜くも判定負けでバンタム級王座の国外流出を許した。大晦日にはUFCフライ級王座挑戦を経験したジョン・ドッドソンを完封して連敗を脱出した。24年7月、神龍の指名に応じ因縁の師弟対決が実現すると、接戦を制し己の矜持を示した。1年ぶりの試合でもあったGP初戦は自ら「一番強いから」とホセ・トーレスを指名し、接戦を制した。準決勝進出者を決める総選挙では再び最強の外国人選手アリベク・ガジャマトフを指名しトップ当選を果たすと、9月28日、3R完封の判定3-0勝利で決勝進出を決めた。ここまでも存分に発揮してきた打投極+根性を信条とする自身のMMAを貫いて圧倒的にGPを優勝し、堀口恭司の抜けたRIZINフライ級の絶対王者にとなるつもりだ。 ◆元谷友貴 Yuki Motoya1989年9月14日、石川県出身身長:170cm リーチ:173.5cm(68inc)体重:61.0kgアメリカン・トップチーム所属 15年末の旗揚げからRIZINに参戦し、国内外の名だたる強豪と名勝負を繰り広げてきた歴戦の勇士。18年10月、DEEP二階級制覇を達成するとその大晦日ジャスティン・スコッギンスに一本勝ちで5連勝。19年7月、扇久保博正との死闘に僅差で敗れると、大晦日にはBellatorとの対抗戦でパッチー・ミックスのフロントチョークに沈んだ。21年のバンタム級GPは、2回戦で瀧澤謙太にTKO負けで敗退。22年は大晦日にホジェリオ・ボントリンにTKO勝利を収めるなど5連勝をマーク。しかし23年5月、朝倉海との待望の一戦で無念のKO負けを喫すると、大晦日にはヴィンス・モラレスと激闘の末に判定負け。24年5月、再起戦のDEEPで、負傷欠場の福田龍彌の代打で参戦した平松翔に一本勝利で復活した。大晦日の次期挑戦者決定戦で躍進中の秋元強真に完勝を挙げると、25年3月に井上直樹のベルトに挑戦。フルラウンド拮抗した試合を展開し、打撃で押されるも自身はグラウンドで上回ったがスプリット判定負けを喫しベルト獲得ならず、4年3ヶ月越しの井上直樹へのリベンジも果たせなかった。満を持してフライ級に落として臨んだ7月のGP1回戦では自ら指名したヒロヤに組ませずスタンドも制し、判定勝利。8月の総選挙では、スピーチで指名した神龍との対戦が2回目の投票で選ばれ、新旧DEEP対決が実現、9月28日の準決勝でスクランブル合戦を制した。19年にスプリット判定で敗北して以来の再戦となる扇久保を相手に、ATTで研ぎ澄まされた技術を駆使してねじ伏せ、フライ級最強の座に就く。 ▼RIZINフェザー級(66kg)5分3Rクレベル・コイケ(ボンサイ柔術)35勝9敗1分ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)21勝6敗  クレベルは、24年大晦日に鈴木千裕に判定勝ちで3連勝で王座奪還も、5月のラジャブアリ・シェイドゥラエフ戦でKO負けで王座陥落。7月の前戦で朝倉未来にスプリット判定で敗れ、2連敗となっていた。  24年大晦日にクレベルと同門の階級上の王者ホベルト・サトシ・ソウザに挑戦したケラモフは三角絞めで一本負け。25年6月に無敗の木村柊也に判定勝ちで再起を遂げるも、11月大会で松嶋こよみとの試合を、ウイルス性胃腸炎により前日キャンセルしていた。 ▼RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R斎藤 裕(パラエストラ小岩)21勝9敗2分YA-MAN(TARGET SHIBUYA)2勝2敗 ◆斎藤 裕Yutaka Saito1987年10月8日、秋田県出身身長:173cm リーチ:171cm(67inc)体重:66.0kgパラエストラ小岩所属 高校で伝統派空手を習い、大学進学後パラエストラ福島で格闘技を始める。アマチュア修斗を経て11年11月、修斗青森大会でプロデビュー。16年、第10代フェザー級王座獲得。20年8月、RIZINデビュー戦で摩嶋一整にTKO勝利。11月に2戦目で巡ってきたフェザー級王座戦で7連勝中の朝倉未来にフルマーク判定勝ちで初代王者に輝くと21年6月には難敵ヴガール・ケラモフとの激闘を制し判定勝利。10月、DEEP王者牛久絢太郎との初防衛戦がドクターストップで無念の王座陥落を喫すると大晦日の未来との再戦、22年4月の牛久との王座戦でいずれも判定負けを喫し3連敗に。23年4月の再起戦ではフェザー級でも屈指のオールラウンダーとして、勢いに乗る平本蓮に経験の差を見せつけ判定勝利。大晦日、再び頂点を目指しかつて対戦が実現しなかった因縁のあるクレベル・コイケと元王者対決に臨むと1、2Rを制するも勝負の最終Rで自身初の一本負けを喫した。24年7月、キックでは世界王者の久保優太の三日月蹴りを合わされると追撃のヒザで、キャリア初のKO負けを喫し再び2連敗となった。その後はリングを離れ年末よりラーメン店「麺ZINさいとう」をオープン。約1年半のブランクを経て、再びRIZINのリングへと帰還する今回、総合力の高いベテランの金原をKOし勢いに乗るYA-MANを相手に、自身としては平本蓮戦、久保優太戦に続くキックからの転向組を迎えうつ図式となるが、決してゲートキーパーの役割に落ち着くことなく、己の経験と技術に裏打ちされた、自らの信じるMMAで叩き潰し、フェザー級初代王者として、そのキャリアを再構築する。 ◆YA-MAN1996年5月31日、埼玉県出身身長:173cm リーチ:171cm(67inc)体重:66.0kgTARGET SHIBUYA所属正々堂々のド突き合いが信条の硬派ファイター。中・高はストリートファイトに明け暮れ、19歳頃よりキックボクシングを始める。18年、プロデビュー以来RISEを主戦場に、RISING ROOKIES CUPでは準優勝。21年はオープンフィンガーグローブで2連続KO勝利。11月に中村寛、続く大晦日のRIZINデビュー戦で皇治に判定勝利し、死力を尽くして戦う姿が観客の心を掴む。22年6月のTHE MATCH 2022で芦澤竜誠に1RKO勝利後、MMAとの二刀流を宣言。23年5月のMMAデビュー戦では三浦孝太をフック連打で1R TKO勝利した。11月、自ら主催するFIGHT CLUBでは1R僅か77秒、朝倉未来を右ストレートでKO。大晦日のMMA2戦目では予ねてより舌戦を展開した平本蓮にMMA経験の差を見せつけられ完敗。負傷欠場を経て24年7月、鈴木博昭を1R KOし復活。大晦日にはカルシャガ・ダウトベックとのハードパンチャー対決で“石の拳”をグラつかせる場面を見せたが、テイクダウンに苦しめられ判定負け。しかしダウトベックの7連続1R決着を止める奮闘で評価が高まる。25年3月のRISEではミゲール・トリンダーデにOFGで3R TKO負けを喫した。7月、ベテランの金原正徳を相手に組技の進化も見せながら、自身の殴り勝つ土俵に持ち込み、大金星を挙げた。今回、初代王者である斎藤裕をマットに沈め、自らの目指すコンプリートファイターの道を追求するとともに、上位陣を射程距離に収めたい。 ▼RIZIN MMAルール バンタム級(61.0kg)5分3R福田龍彌(MIBURO)25勝9敗1分安藤達也(フリー)16勝4敗1分  ムエタイからMMAに入った福田は、修斗で世界フライ級王座を獲得後、DEEPフライ級GPでも優勝。2024年3月の雅駿介戦からバンタム級に転向し、続く瀧澤謙太、芦澤竜誠、牛久絢太郎を下して4連勝。25年7月のRIZINでバンタム級王者・井上直樹に挑戦も判定3-0で敗れ、今回が再起戦となる。  レスリングベースの安藤は、14年9月にプロMMAデビュー。修斗環太平洋バンタム級王者から世界王者に。ROAD TO UFCを経て、25年6月、RIZINデビュー戦で強豪マケラム・ガサンザデから1Rダウンを奪ってのリアネイキドチョークで一本勝ち。7月にはヤン・ジヨンを相手に1Rにダブルノックダウンの場面もありながら、2Rにリアネイキドチョークでジヨンを失神させての一本勝ちで2連勝中。 ▼RIZINフライ級(57.0kg)5分3R神龍 誠(American Top Team)20勝5敗1分ヒロヤ(Japan Top Team)11勝14敗1分  神龍は、25年7月のフライGP1回戦で山本アーセンに1R ギロチンチョークで一本勝ちも、9月の準決勝で元谷友貴に判定負けでGP敗退。  その後、米国ATTに出稽古し、「練習でパントージャ選手とスパーリングして一本を極められてめっちゃ強いと思った。世界トップと肌を触れて追いつきたいなと思ったし、本当に技術練習がすごくて毎回知らない技を教えてもらい、“俺、まだ伸びしろあるな、ここにいたら強くなれるな”」と思い、ATT所属になることを決断した。年末に日本に帰国し、その進化を見せるか。  ヒロヤは、25年5月の男祭りでMMAデビュー戦の篠塚辰樹に1R TKO勝ち。ビリー・ビゲロウコーチのもとでの米国修行を経て、7月のフライ級GPに参戦も、初戦で元谷友貴に完封負けでGP敗退した。再起戦となる今回、ともに元谷に敗れた者ながら、王座挑戦も経験するなど自身より先を行く神龍を相手に金星を挙げ、群雄割拠のフライ級トップ戦線に名乗りを挙げられるか。 ▼RIZINフェザー級(66.0kg)5分3Rカルシャガ・ダウトベック(Turan Orda/Tiger Muay Thai)18勝3敗久保優太(PURGE TOKYO/BRAVE)5勝2敗  ダウトベックは2018年9月のRIZIN初参戦では朝倉未来に判定負けしたが、23年9月に元UFCのディエゴ・ブランダオンに1R 35秒でKO勝ちすると、元ONEの松嶋こよみも1R TKO。24月6月にRIZINに再参戦し、関鉄矢を1R、左ボディでKO。24年9月には木下カラテを左ストレートで初回KO。  大晦日にYA-MAN、2025年3月には鈴木千裕に判定勝ちと10連勝を飾っている。今回もフェザー級で戦う。  元K-1&GLORY王者の久保は、2021年9月にMMAデビュー戦で太田忍に敗戦以降、奥田啓介、木下カラテ、安保瑠輝也、高橋遼伍、斎藤裕を相手に5連勝。2024年大晦日にラジャブアリ・シェイドゥラエフとの対戦を迎えたが、2RにTKO負け。その後、参議院議員選挙に出馬も落選。今回が復帰戦となる。 ▼RIZINライト級(71.0kg)5分3R“ブラックパンサー”ベイノア(AKA)5勝3敗イルホム・ノジモフ(ウズベキスタン)12勝3敗  ベイノアは、極真空手からRISEで活躍し、21年6月に初参戦のRIZINで元DEEP王者・弥益ドミネーター聡志相手に73kg契約でMMAデビューを果たすもスプリット判定負け。その後も武田光司、宇佐美正パトリックに敗れ、2年連続大晦日に敗戦。  23年、単身米国サンノゼに渡り、アメリカン・キックボクシング・アカデミーでハビブ・ヌルマゴメドフ率いるダゲスタン軍団とともに練習。2024年4月にRIZINで井上雄策に判定勝ちも消極的な試合内容にブーイングを浴びる結果に。同年6月には体重超過のジョニー・ケースが50%減点のなか、ダウンを奪われての判定で辛勝。“負ける勇気を持って勝ちに行く”姿勢を見せられず。  しかし、25年5月に初参戦した米国LFAで、コール・ラーレン相手に3度ダウンを奪われるも倒し返すタフファイトで判定勝ちをつかみ取ると、7月の2戦目でも「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」を受賞する3R TKO勝ち。RIZINでの膠着試合から一転、RIZIN経由で北米に参戦し、「ライト級」で覚醒の活躍を見せている。  今回、RIZINに凱旋するベイノアの相手は、“タシケントの闘犬”と呼ばれるRIZIN「フェザー級」で3連勝中のイルホム・ノジモフ。緊急参戦でベイノア相手に1階級上で挑む。  ノジモフは、ミルコ・クロコップのPRIDEの試合を兄と一緒に見て夢中になり、6歳で格闘技を始めると、空道やボクシング、レスリング、柔道、コンバットサンボなど多種多様な格闘技を経験し、MMAファイターに。  2015年にプロMMAデビューし、18年3月から22年10月まで7連勝。23年11月にRIZINに初参戦し、ホアレス・ディア(現在UAEWで2連続フィニッシュ勝利中)に判定勝ちすると、24年4月に山本空良に2R TKO勝ち。さらに25年6月の前戦では新居すぐると対戦し、強烈な右前蹴りをアゴに突き刺し、1R、KO勝ちを決めている。  フェザー級で身長182cm、リーチが189.5cmもあるノジモフは、大晦日に階級上のベイノア相手にインパクトのある勝ち星を挙げ、メインイベントに予定されるラジャブアリ・シェイドゥラエフvs.朝倉未来の勝者に挑戦の名乗りを挙げるか。  また、逆輸入ファイターとなったベイノアは、RIZINでも米国で見せたアグレッシブファイトを披露することができるか。フェザー級でもライト級のベイノアよりリーチが長いノジモフを相手に、ベイノアは「(ノジモフは)今まで違う階級でやっていたし、選択肢になかったので。でも“来たな、よっしゃ、やってやろうって”気持ちしかない。もうノーガード。顔で前蹴り受けてやろうかなと思いますよ」と意気込みを語っている。 ▼RIZINバンタム級(61.0kg)5分3R後藤丈治(TRIBE TOKYO MMA)19勝8敗1分ホセ・トーレス(米国/KHK MMA)13勝5敗1分  後藤は、空手と柔道をバックボーンに地下格闘技を経て16年10月、PANCRASEでプロMMAデビュー。20年4月のRoad to ONEでは祖根寿麻を1Rニンジャチョークに極め5連勝。9月より修斗に参戦。4勝3敗を経て、23年6月、地元の北海道でRIZINデビュー。トレント・ガーダムからツイスターでタップを奪うと、さらに10月には日比野“エビ中”純也にも同じ技で一本勝ち。  24年5月にはONE Friday Fightsでロシアのイリアス・エジエフに逆転の一本負けを喫したが、DEEP、PANCRASEを経て2025年6月、約2年ぶりのRIZINで鹿志村仁之介に判定勝ち。11月には中島太一に1R KO勝ちして波に乗る。  トーレスは4歳で松濤館空手に入門し黒帯に。16歳よりMMAを始め16年3月、Titan FCでプロデビュー。2連勝後の8月、フライ級暫定王座戦でTKO勝利、続く17年1月の王座統一戦で1R TKO勝利、5月にはバンタム級王座を獲得し2階級制覇。18年6月、UFC代打参戦のチャンスを掴み、ジャレッド・ブルックス相手にTKO勝利を収める。  しかし18年8月にアレックス・ペレスに判定負けでプロ初黒星。19年4月、初参戦のBrave FCでアミル・アルバジに判定勝利。23年8月のバンタム級王座決定戦ではンコシ・ンデベレに判定勝利でベルトを獲得した。24年大晦日、初参戦のRIZINでは59.0kg契約で神龍誠に判定2-1で勝利。2025年7月開幕の「RIZIN WORLD GP 2025 フライ級トーナメント」1回戦で扇久保博正に判定負けを喫した。今回はTitan FC、Brave FCで王座を獲得したバンタム級で戦う。 ▼RIZINフェザー級(66.0kg)5分3Rフアン・アーチュレッタ(米国/THE TREIGNING LAB, HB ULTIMATE & GRACIE BARRA)31勝7敗新居すぐる(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)19勝14敗  アーチュレッタは、24年6月、階級を上げての再起戦で元フェザー級王者クレベル・コイケにヒールフックを極められ敗北。9月のシェイドゥラエフ戦では2.9kgの体重超過の末に、1R 腕十字で一本負けを喫した。  9カ月ぶりの復帰戦となった25年6月、米国BORROKAでフェザー級王座決定戦に臨むと、デニス・リントンを2R跳びヒザでKOし、王座戴冠。続く9月にはホゼ・ジョンソンを2Rリアネイキッドチョークに極め初防衛に成功した。今回、1年3カ月ぶりに他団体王者としてRIZINに復帰する。  アームロック職人の新居は、RIZIN3連敗中。摩嶋一整に一本負け、昨年大晦日には盟友・武田光司と対戦し、ローブローにより、その時点までのテクニカル判定により0-3の判定負け。2025年6月、イルホム・ノジモフの前蹴りに1R KO負け。再起を目指す。 ▼RIZIN MMAルール フライ級(57.0kg)5分3R篠塚辰樹(MASTER BRIDGE/剛毅會)1敗冨澤大智(フリー)2勝1敗  篠塚はボクシングを中学2年から始め、高校2年まで31戦24勝7敗。関東大会優勝、全国大会5位の成績を残す。高校中退後は名門ワタナベジムに入門し、プロ戦績は3勝(2KO)1敗。キックボクシング転向後、2023年10月にKrushフェザー級王座を奪取した。その年の大晦日にRIZIN初参戦を果たすと、OFGキックルールでBreakingDownの冨澤大智から大差判定勝利。  2024年4月にはベアナックルルールに初挑戦、BKFCからの刺客マルティネスを右ストレートでKOした。同年大晦日には野田蒼にKO圧勝。ヒロヤに対戦要求し、2025年5月のMMAデビュー戦でヒロヤと対戦したが、1R2分11秒でTKO負けとホロ苦い初陣となった。  冨澤は2019年にABEMAの『格闘代理戦争』でTEAM武尊の一員として出場。2021年10月のKrushでプロデビューし、2連勝を挙げたのち、BreakingDownに参戦。11月、朝倉未来チャレンジ1期生のヒロヤと自身初のMMAルールでの対戦するも判定負けを喫した。その後はBDキックボクシングルールで6連勝。RIZIN初参戦となった2023年大晦日、キックルールで篠塚辰樹に判定で敗れた。2024年6月、井原良太郎が持つBDバンタム級王座に挑戦したが延長の末、判定0-5負け。  引退宣言を撤回して12月、半年ぶりの再起戦で無敗の空手家よしきまるに判定3-2勝利を挙げた。大晦日の『雷神番外地』ではRIZIN MMA特別ルールに挑み、三浦孝太に1RでKO勝ち。2025年3月のBDではジョリーを秒殺KO。2025年5月は山本アーセンに敗れるも、9月に平本丈から判定2-1の勝利を収め、「大晦日に篠塚と再戦したい」とアピールしていた。 ▼RIZIN MMAルール バンタム級(61.0kg)5分3R芦澤竜誠(フリー)2勝3敗ジョリー(FIGHTER’S FLOW)2勝0敗  芦澤は2011年10月にキックボクシングでプロデビュー。2016年4月にはINNOVATIONフェザー級王座に就いた。2016年からはK-1グループに参戦、2022年6月の『THE MATCH』ではYA-MANとOFGキックルールで対戦もKO負け。2023年4月のRIZIN初参戦では、皇治から判定勝ちした。  2023年大晦日にMMAデビュー戦で太田忍にKOで敗れたが、2024年7月の皇治戦、11月の昇侍戦と2連勝から一転、2024年大晦日の福田龍彌戦でKO負け、2025年9月の梅野源治戦で判定負けと連敗中。  ジョリーは安保瑠輝也YouTubeチャンネルのメンバーで、2017年アマチュア修斗東海選手権バンタム級トーナメント優勝(全日本選手権では2回戦敗退)。GLADIATORでプロデビューして2勝し、2022年7月からBreakingDownに参戦。7勝2敗と勝率が良く、BD MMAルールではRIZINにホスト格闘家として出場していたYUSHIに47秒でKO勝ち、冨澤大智には38秒でKO負けしたが、2025年7月には秋元強真の兄・優志に判定勝ちした。 ▼DELiGHTWORKS presents RIZIN甲子園2025決勝戦 RIZIN甲子園MMAルール (-57.0kg)5分2R須田雄律(SCORPION GYM)プロ0勝0敗ヤマザト・エンゾ・マサミ(カルロス・トヨタ ブラジリアン柔術道場)プロ0勝0敗
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