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レポート

【Invicta】日本人2人目の快挙! 村田夏南子がInvicta FC世界ストロー級王者に

2019/11/02 12:11
2019年11月1日(日本時間2日)米国カンザスシティで開催される「Invicta FC 38」にて、日本の村田夏南子が、米国のエミリー・ドゥコッティを相手に「Invicta FC世界ストロー級王座決定戦」に臨む。 ▼Invicta FC世界ストロー級王座決定戦 5分5R〇村田夏南子(114.9ポンド/52.11kg/日本)[判定2-1]※48-47,47-48,49-46×エミリー・ドゥコッティ(114.2/51.80kg/米国) 村田は中学まで柔道で国際大会で優勝するなど活躍。高校ではレスリングに転向し、2011年ブカレスト世界ジュニア選手権55kg級で優勝。同年12月の全日本選手権では吉田沙保里に敗れたものの、第一ピリオドにおいて2ポイントを奪うなど健闘。2012年12月の吉田が欠場した全日本選手権では初優勝を果たしている。 バックボーンの柔道、レスリングを活かし、2016年4月の「RIZIN.1」でMMAプロデビュー。持前の組み力に極めの強さも加わり、これまでMMA10勝1敗。唯一の黒星は、2016年の年末に階級上で元UFCの中井りんと対戦した試合で、57.15kg契約の試合だった(※今回村田は52.11kgで計量)。2019年6月には、Invicta FCデビュー戦に臨み、MMA7勝2敗だったリアーナ・ピロシン(ブラジル)を相手に1R、リアネイキドチョークで一本勝ちを収めている。 近年のInvicta FCのストロー級では魅津希(現UFC)に勝利している第5代王者のヴィルナ・ジャンジローバがUFC入り、2019年5月の「Phoenix Series 1」トーナメントを勝ち上がったブリアナ・ヴァン・ビューレンもUFCで活躍中で、現在空位となっている同王座を争い村田はドゥコッティと対戦する。 8月にジャナイサ・モランジンに1R TKO勝ちしているドゥコッティは現在2連勝中。MMA8勝5敗の戦績で、過去には適正階級より一つ上のフライ級でBellator女子世界王者イリマレイ・マクファーレンと5Rのタイトルマッチを経験している強豪だ。 右の強打を持ち、王者マクファーレンを柔術でスイープ、さらにリアネイキドチョークや腕十字での一本勝ちも多いドゥコッティはケージでの戦いにも長けている。 これまで北米の同団体でベルトを巻いたのは、元Invicta FC世界アトム級王者にして現RIZIN女子スーパーアトム級王者の浜崎朱加のみ。村田は浜崎に続いて快挙を成し遂げられるか。 1R、桜庭の『SPEED TK RE-MIX』で入場した村田。サウスポー構えの村田にオーソドックス構えのドゥコッテイ。右のインローを当てるドゥコッテイ。ステップ踏む村田はワンツーから右の蹴りを突く。かわすドゥコッテイは右インローで前足を蹴る。さらに右ストレートで詰める村田は金網でシングルレッグから小外をかけるが倒れないドゥコッテイ。今度はボディロックから捨て身気味に回して投げるがここもドゥコッテイは立つ。村田は大内刈も崩しきれない。 スタンドでドゥコッテイの右をかわして大内刈テイクダウンは村田! インサイドからパウンド・ヒジも落とすがドゥコッテイは腕十字へ! 察知している村田は両手でクラッチ。ドゥコッテイはガードに戻す。金網まで押し込みパウンドする村田。ドゥコッテイは再三腕十字を狙う。金網際で立つドゥコッテイに首投げで投げる村田! 下から腕十字はドゥコッテイ。残り15秒にセコンドの山崎剛Me,we代表は「抜かなくていい」とステイを指示。 2R、ステップ踏む村田。左ハイを蹴るドゥコッテイは右インロー! 頭を上下させてフェイントを入れる村田。ドゥコッテイはさらにロー。左ハイをガード上に蹴る村田。さらにダブルレッグから組み付くが、捨て身気味になる村田に切るドゥコッテイ。 右ローを蹴るドゥコッテイ。今度はかわした村田だが、ドゥコッテイは左ローも前足に突く。右で飛び込む村田。その打ち終わりにドゥコッテイは右を刺す。村田はスーパーマンパンチ、続けて右フック。右を突くドゥコッテイをかわす村田はダブルレッグから山崎代表の「走れ」の声にドライブしてテイクダウン! ドゥコッテイの腕十字には正面に入り外すと、蹴り上げを狙うドゥコッテイの足をつかみ右のパウンドの飛び込み! さらに腕十字を潰してヒジを打ち込む。 3R、テイクダウンにアグレッシブな村田、スタミナはどこまで持つか。喧嘩四つで前手の突き合いからローを狙うドゥコッテイにワンツーの右を突く村田。右ハイを狙うドゥコッテイだがブロックする村田。左ローはドゥコッテイ。さらに右ボディストレートは浅い。左ジャブ突くドゥコッテイ。回る村田に右インロー。「相手が打ち気になったら入っていい」の声。 ドゥコッテイの打撃をレンジの外に立ち距離で外す村田。ドゥコッテイの右の打ち終わりにダブルレッグで組み付く村田だがここは切るドゥコッテイ。ドゥコッテイの圧力に下がる村田だが押し返す。右アッパーから組みつき、離れ際に左を当てに行く村田。足を触りにいくが深追いはせず。今度は左足にシングルレッグでクラッチするがドゥコッテイは足を抜く。次は右足にシングルレッグし、手前に引き出して村田がテイクダウン! インサイドからパウンドする村田。ホーンに先に立つドゥコッテイ。村田は鼻血を気にしたか、少し時間を置いて立ち上がった。 4R、ここからチャンピンシップラウンド。ステップ踏む村田。止まるとドゥコッテイは右を突く。左の前蹴りで牽制する村田。ドゥコッテイの右打ち終わりに右をヒット! しかしドゥコッテイも金網詰め右を当てる。村田の入りに右を返すドゥコッテイ! 村田は足を触りに行く。右ハイを当てるドゥコッテイ! 村田はかろうじてブロック。 右を突きテイクダウンを狙う村田。切るドゥコッテイの左ハイに場内が沸く。ダブルレッグから金網詰め首投げ払い腰テイクダウンは村田! 厳しい局面で上を取った村田。クローズドガードのドゥコッテイは足を登らせ腕十字に! またいで外す村田。腕十字を抜いて体を離すとドゥコッテイは蹴り上げ。そこに側転パスガードで飛び込む村田! その際で立ち上がろうとするドゥコッテイにシングルレッグは村田も潰そうとするドゥコッテイ。しかしここで村田がサイドを取り切ったところでホーン。 5R、最終ラウンド。ドゥコッテイの蹴りをかわし左の前蹴りを狙う村田。左ミドルはドゥコッテイ。その蹴り足掴む村田だが外れる。左前蹴りを当てる村田。苦しい時間帯だがダブルレッグに入る村田。シングルに切り替えるも切るドゥコッテイ。スタンドで左ミドルを当てる村田! しかしドゥコッテイは右をヒット! 村田は右の蹴りをつかんでテイクダウン! 「ハーフで抑えろ」の声だが右足は越えられず。インサイドに。下から煽るドゥコッテイ。ガードから腕十字で村田の腕を伸ばしかかるドゥコッテイ! 何度もまたいでかわす村田。ドゥコッテイはヒールフックを仕掛けて立ち上がる。 ホーンに両者尻を着くが先に村田が立ち上がる。テイクダウンの村田に下から仕掛けたドゥコッテイ。判定は2-1(48-47,47-48,49-46)とスプリットに割れて村田が勝利! 村田夏南子が浜崎朱加に続く、日本人2人目のInvicta FC王者に輝いた! 顔を腫らせ「信じられない」という表情で両手を広げてみせた村田は、試合後のインタビューで、「ワッツ・ハプン! 相手の選手が自分が思っていた以上に強かったです。私は打撃にそんなに自身が無いんですけど、コーチを信じてアタック・アタックしようと思っていました。チャンピンになったからにはやる試合・やる試合を防衛できるようにもっと強くならないといけないと思いました」と語ると、ケージの中でキリアンコーチと長いハグをかわして涙を流した。 試合後にはベルトを巻いて、的確なアドヴァイスを送った山崎代表、キリアンコーチとともにケージのなかで記念撮影。 ▼キャッチウェイト 5分3R ※ノンタイトル戦〇ヴァネッサ・ポルト(124.2ポンド/56.33kg/ブラジル)※世界フライ級王者[判定3-0]※29-28×3×カリーナ・ロドリゲス(126.1ポンド/57.19kg/メキシコ)※体重超過 ※ロドリゲスが規定体重を1.1ポンド(0.49kg)超えたため王座戦ではなく3Rのキャッチウェイト戦に。ファイトマネーの25パーセントの罰金。 ともにオーソドックス構え。先にダブルレッグテイクダウンはポルトもロドリゲスはすぐに立つ。左ジャブの刺し合いから、右の蹴りを当てるポルト。組んで金網まで詰めてダブルレッグテイクダウン。金網背に立つロドリゲスの立ち際にクリンチボクシングを当てる。 スタンド。右ローからボディロックテイクダウンはポルト。サイドからクルックフィクスも立つロドリゲスを追いかけボディロックから回してテイクダウン! 2R、手数が減るポルト。ステップを踏み左を当てるロドリゲス! さらに右ヒザ蹴りも! ポルトは右の蹴り、ポルトの左の蹴りに右のカウンターをヒット! ロドリゲスの打ち終わりに組み付くポルトだがロドリゲスは切る。ロドリゲスは左目を腫らし、ポルトもヒザ蹴りを受けた左目下を腫らす。 3R、ポルトの右の蹴りに左右を4連打するロドリゲス。さらに右ストレートで前に出るがそこに組んで右で差すポルト。金網まで押し込むがロドリゲスは突き放す。ロドリゲスのテイクダウンに脇を差して立ち上がるポルト。左から右のワンツーで前に出るロドリゲス。しかしそこでダブルレッグテイクダウンはポルト! 金網で上体を立てるロドリゲスは立つ。 右のオーバーハンド、さらにポルトの組み付きにヒザを突き上げるロドリゲス! ホーンにともに鼻血を流した死闘を終えた両者はハグ。 判定は3者29-28でポルトが勝利。意外な判定に勝者は「(ロドリゲスが体重超過したが?)彼女は体重超過したけど、すごい試合だった」と振りかえり、「目標? いまは家に帰って家族と休みたい」とかすれた声で語った。敗者は笑顔で勝者を称えた。 ▼ストロー級 5分3R〇マロリー・マーティン(115.8ポンド/52.52kg/米国)[判定3-0]※30-26, 30-26, 30-27×シンシア・アルセオ(116ポンド/52.61kg/米国) ※マーティンが再三マウント奪いパウンド ▼フライ級 5分3R〇シャナ・ヤング(25.7ポンド/57.01kg/米国)[判定3-0]※29-27, 28-27, 28-26×マイユ・スオタマ(124.2ポンド/56.33kg/フィンランド) ▼バンタム級 5分3R〇リサ・ヴェルゾサ(135.5ポンド/61.46kg/米国)[判定3-0]※29-28, 29-28, 29-28×ケリー・ケニソン(135.6ポンド/61.50kg/米国) ▼フェザー級 5分3R〇オウタム・ノートン(146ポンド/66.22kg/米国)[判定3-0]※30-26, 30-26, 30-26×シャイアナ・リンコン(143.8ポンド/65.22kg/米国) ▼バンタム級 5分3R〇タネイシャ・テナント(135.9ポンド/61.64kg/米国)[判定3-0]※29-28, 29-28, 29-28×セレナ・デヘスース(135.7ポンド/61.55kg/米国)
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