キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】伝統派空手の世界王者SHIORINが初参戦「『女子の試合は面白くない』とか『塩試合』とかって言われがちですけど、女子でも倒せるんだよというところを見てほしい」

2025/11/29 12:11

海外でも試合できるようにしたい


──22歳まで空手で、そこからすぐキックに移行したんですか?

「一度就職したんですけど、そこからちょっとやりたいなと思って、ダイエット目的ぐらいの感じでGRATINESSに入会してキックボクシングを始めました。やり始めると、マススパーをやってみたいとか試合に出てみたいと思うようになって、試合に出たら今度はプロになりたいと思うようになって」

──まんまとそうなったわけですね(笑)。伝統派空手と、プロキックボクサーとしての活動はだいぶ違うと思うんですが、そこはどう感じていますか?

「伝統派空手だと一つの大会で個人戦とか団体戦の競技に出て、1日で十何試合とかに出るんですけど、それでも1試合2分とかだし、寸止めなのでケガすることもなく、自分が動ければ勝っていけるって感じだったんですね。でもキックボクシングは、ある意味相手を壊しにいく競技なので、1試合1試合の重みは全然違うなと思いました」

──でもここまで10試合してタイトルも獲って、順調なのでは?

「今思えば、順調ではあるなと思いますね。最初は、間合いとか構えとかも違うじゃないですか。そこはメチャクチャ苦労しました。寸止めだったので、拳で当てることもしないし、インパクトも全然違うし。蹴りも、私たちは足の甲で蹴ってたんですけど、キックではそれではダメだし。寸止めなのでパーリングできるような力でしか殴られなかったんですけど、キックではもっと強くなりますし。それに当たった者勝ちなので、『やめ』がかかると後出しできないんですね。でもキックだと当てられてもやり返せるので、止めちゃう癖が抜けなかったりとか」

──いろいろありますね。

「そもそも、私はステップを踏むスタイルを貫き通してるんですけど、最初はジムの大和哲也代表からは、ムエタイ・スタイルなので『ステップを踏むな』と言われたんです。『どっしり構えろ』と。それも大変でしたね」


──でも、そこは貫いたんですね。

「貫きました(笑)。どっしり構えると、やっぱり動けなかったので、技が出せなくなっちゃうし、練習でどれだけどっしり構えてても、試合だとやっぱりクセで飛んじゃうので、もう代表も諦めて、『いいよ』と言ってくれて(笑)」

──あとは試合結果で証明してきているわけですね。

「証明できてるのか分からないですけど(笑)、今はもう『それがSHIORINだ』みたいな感じなので」

──でも面白いですね。伝統派空手をやっていたSHIORIN選手が「合氣ック」を押し出している大和哲也さんのジムに入り、ムエタイ・スタイルを指導されながら伝統派のスタイルを貫いているわけですよね。

「失礼な話なんですけど、ジムに入る時も哲也さんのことを知らなくて。プロになってから、みんなに『大和哲也のところでやりたいから入ったの?』とか言われるんですけど、本当にたまたまで。でもそれがいろいろ結びついて今の結果になってるので、よかったのかなとは思ってます」

──今もタイトルは保持していますが、これからの目標は?

「やっぱりスーパーバンタムとかの階級だと、日本だとなかなか女子選手がいなくて。今いる55kgの日本人選手はしっかり倒していって、海外でも試合できるようにしたいなと思っています。あとKNOCK OUTにも、今後呼んでいただけるなら出ていきたいですね」

──では最後に、今回の試合で注目してほしいポイントはどこでしょう?

「OFGなので、当たった感じで倒れ方も変わってくるとは思うんですよね。『女子の試合は面白くない』とか『塩試合』とかって言われがちなんですけど、私も頑張って、そうじゃないんだよ、女子でもしっかり倒せるんだよというところを見てほしいなと思います」

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