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レポート

【ONE FF】吉成士門が圧倒的優勢もアイポークでノーコンテストに、TEAM TEPPENの彪司が速攻勝負で69秒KO勝ち「自分の強さを少しだけ見せることが出来た」、メインではヨードレックペットが2度ダウンを奪いマンマドフに勝利

2025/11/21 22:11
ONE Friday Fights 1342025年11月21日(金)タイ・ルンピニースタジアム※U-NEXTにてLIVE配信 ▼第4試合 ONEフライ級(-61.2kg)ムエタイ 3分3R―タギール・カリロフ(ロシア/Archangel Michel/Samingpri Muay Thai Gym)ノーコンテスト 2R―吉成士門(エイワスポーツジム)  士門・エイワスポーツジムこと吉成士門は、これまでにタイ国プロムエタイ協会スーパーフェザー級&ライト級王者、WPMFインターナショナル スーパーバンタム級王者、WMCインターコンチネンタル バンタム級王者、WMC日本フライ級王者に輝いている21歳。2025年10月にはヌンプーシンを1RでKOし、WBCムエタイ世界ライト級(-61.23kg)王座に就いた。  ONEには2024年12月の『ONE Friday Fights 92』で初参戦を果たし、リッティデットから見事TKO勝ち。2025年3月のONE日本大会では、ムエタイのトップスター選手であるヨードレックペットに完勝して世界に実力を知らしめた。8月もペットンローにTKO勝ちの圧勝劇を見せONEで3戦全勝、現在12連勝中。吉成名高の従兄弟。  カリロフはタイでムエタイを学び、現在はエカテリンブルクのサミンプライ・ムエタイ・ジムで練習を積む。ONE初登場は2021年2月のロッタン戦で、対戦相手の欠場による1週間前オファーのスクランブル参戦だったが、ロッタンを相手にスプリット判定まで持ち込んだ。その後はデニス・ピューリックに判定負け、チョーファーに初回TKO勝ち、ブラック・パンサーを初回KO。  2023年7月にはスーパーレックと対戦してTKOで敗れるも、11月にはヨードレックペットにスプリット判定ながらも勝利を収めている。2024年6月のナックロップ戦では初回KO負け、11月のゴントーラニーには判定負けと連敗を喫したが、2025年6月にリャオ・シーシュウに判定勝ち。ONE戦績は4勝5敗。  11月16日に開催されたONE日本大会では、吉成名高が日本人初のONEムエタイ世界王座に就いており、士門も続きたいところ。ロッタン、ピューリック、スーパーレックと拳を交えているカリロフに圧勝して4連勝を収めれば、上のステージへ行くことが出来そうだ。  1R、ジャブを突き、ステップを踏んで距離を作る士門。右ローと左インローを蹴っていくと徐々に圧を強めてカリロフをロープ際やコーナーに追い詰める。すると士門は右ハイから後ろ廻し蹴り。さらに右カーフをしっかり当てていく。右ハイを蹴ってすぐに左ロー、さらに左ミドルも命中。士門の右カーフを嫌がる素振りを見せるカリロフは、終盤になると足が流れる。  2Rも前に出る士門がカリロフの進路を塞ぐように動き、右カーフ、ワンツー、右ミドルハイ。士門の右カーフで大きくバランスを崩すカリロフは、士門の蹴り足をキャッチしてローを蹴る。右ストレートの後に、士門が顔を押そうとして伸ばした右手の指がアイポークになってしまい中断。  ドクターチェックが行われたが、カリロフは試合続行不可能に。ルールによりノーコンテストとなった。 [nextpage] ▼第3試合 ONEフライ級(-61.2kg)キックボクシング 3分3R×ワン・ユハン(中国/Sheng Li Ren He)KO 1R 1分09秒 ※ヒザ蹴り〇彪司(=ひゅうが/TEAM TEPPEN)  彪司はStand up King of Rookie 2021 -53kg級優勝、JAPAN CUP 2019 -55kg級優勝・大会MVPの実績を持つ。RISEを主戦場とし、数島大陸と引き分け、松本天志からは勝利を収めているが、有井渚海、松下武蔵、良星には敗れている。2025年は『STRIKE NEXUS』に参戦し、「初代スーパーバンタム級王座決定トーナメント」に出場したが、8月の決勝で堀本祐惺に惜敗した。戦績は8勝(2KO)5敗1分。  ユハンは2025年2月のONE FFで初参戦、KNOCK OUTの川野龍輝と対戦した。左ミドルを軸とし、強い左ボディを打つ。川野との試合では、1Rはかなりアグレッシブに攻め込んだが、2Rから失速。両者とも疲労が激しい展開となり、判定負けしている。  TEAM TEPPENは8月8日に水野夢斗、8月15日にGUMP、9月5日に吉田晄成、10月10日に山﨑一央、10月24日に奥村将真がONE FFで勝利を飾っており、彪司も続きたいところだ。  1R、強い右ローと右カーフを蹴る彪司が前へ出て積極的に右ストレート、左フックを打つ。ユハンも右カーフを返し、左ミドルと左インロー。蹴りが多いユハンに左ボディを叩き込むと、ユハンはロープ際まで下がる。そこへ彪司は右ヒザ蹴り2発の追撃。最後のヒザは倒れかかったユハンの顔面へ決まり、彪司が速攻のKO勝ち。  彪司は仁王立ちになり、刀でユハンを斬るポーズ。勝利者インタビューでは「このような大舞台で自分の強さを少しだけ見せることが出来たので良かったです。コップンカップ」と答えると35万バーツ(約169万円)のボーナス。 「自分はONEという舞台に自分の力を皆さんに分からせるために来ました。これからもっと強くなるのでチェックしてください」と語った。 [nextpage] ▼メインイベント フライ級ムエタイ 3分3R〇ヨードレックペット・オー・アトチャリア(タイ)判定3-0×アナル・マンマドフ(アゼルバイジャン/Team Mehdi Zatout)“ザ・デストロイヤー”ことヨードレックペットはラジャダムナンスタジアムでライト級(2015年と2017年)とスーパーライト級(2021年)の2階級制覇、ルンピニースタジアムでも2017年にライト級王者となり、2大スタジアム王座を同時に保持した。2015年12月にラジャで梅野源治と対戦してTKO勝ちしたが、2016年10月の日本での再戦では判定で敗れラジャ王座を奪われた。2018年4月のKNOCK OUTでは初代王者・森井洋介にTKO勝ちしてKNOCK OUTライト級王座を奪取。同年にはタイのスポーツ界で権威のあるサイアムスポーツ社認定のタイ・スポーツ大賞のムエタイ部門でMVPを獲得している。  ONEには2023年7月の『ONE Friday Fights 2』から参戦し、4連勝(3KO)するもムアンタイ、タギール・カリロフに連敗。2024年6月のコムアウット戦で連敗を脱出したのも束の間、8月にコンスックに敗れた。11月のプンルアン戦ではダウンを奪われるも3Rに逆転KO勝ち。1月31日の『ONE Friday Fights 95』ではジャオスアヤイに2RでKO負け、3月のONE日本大会では吉成士門に判定負けを喫したが、6月にONE4戦全勝だったドンキングを1RでKOした。8月にはポンペットに判定2-1で辛勝するも、9月のリマッチでは判定2-1で敗れた。戦績は92勝39敗3分。  マンマドフはWAKOのアマチュアキックボクシングで世界王者に輝き、プロ12勝3敗の戦績を持つ。10月のONE FFでONE初参戦を果たすと、コムアウットを2RでTKOに降している。  1R、サウスポーのヨードレックペットに右ロー、右インローを蹴っていくマンマドフ。ヨードレックペットは右ローを蹴り返すが、マンマドフがスピードのあるパンチを返してくる。ジャブ、右ストレートのマンマドフにヨードレックペットは得意の左ボディストレートを打ち込む。  右ストレートやコンビネーションからヒザにつなげるマンマドフ。パンチからローにもつなぐ。スピードでかなり上回るマンマドフに、ヨードレックペットは前へ出て左ボディストレート、右フックを打って行く。速いコンビネーションを繰り出すマンマドフが手数とヒットで上回った。  2R、マンマドフは前へ出てくるヨードレックペットにジャブ、右インロー。ステップで前へ出るヨードレックペットをかわしていくが、懐に入ったヨードレックペットが左ヒジでダウンを奪う。さらに左インローからの左ストレートでダウンを奪うが、これはスリップ判定に。マンマドフはステップを踏んで右ミドルを蹴るが、ヨードレックペットがすぐに右ボディを返す。  首相撲のヒザ蹴りから左ヒジを打つヨードレックペット。左インカーフでダメージを与えると、左ストレートでダウンを奪う。「ダウンじゃない」とアピールするマンマドフは立ち上がると打ち合いに行くが、ヨードレックペットはどんどん前へ出て左ストレートを打つ。  3R、マンマドフはワンツーと右インローも、ヨードレックペットの強烈な左インローで大きくバランスを崩す。ステップで回り込みながら右フックを打つマンマドフだがヨードレックペットは下がらない左フックからの右インロー、右ボディストレートからのヒザと反撃するマンマドフ。  下がるヨードレックペットはガードを固め、左ストレートのカウンターを狙うが逃げ切り体勢か。マンマドフはバックスピンエルボーから左右フックを繰り出す。下がるヨードレックペットにマンマドフは左右フックの連打、ヨードレックペットはロープを背負って耐える。試合終了。  判定は3-0で2度のダウンを奪ったヨードレックペットが制した。
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