2025年11月16日(日)東京・有明アリーナにて開催された『ONE 173: Superbon vs. Noiri』(U-NEXT配信)の第10試合ONEバンタム級(※65.8kg)キックボクシング3分3Rで、スーパーレック・ギャットムー9(タイ)に判定勝ちした与座優貴(team VASILEUS)が、18日(火)都内にて行われた勝利報告記者会に出席した。
<会見での質疑応答>
――試合を振り返って。
「初めてスーパーレック選手と試合して、試合中の展開っていうのが、なんとなく覚えてるんですけど、初めて試合中に自分が何を出したかとか全く覚えてなくて。ホテルに戻って試合を見返したら、こういう動きしてたんだなということがあって。なんて言うんですかね、ゾーンじゃないですけど、無になって試合ができたかなっていう感じです。6歳から格闘技始めたんですけど、初めての感覚で、それだけ集中して試合に臨めたのかなという気持ちですね」
――今後に向けては?
「自分はチャンピオンになりたいので、次はタイトルマッチをやらせて欲しいなというのが率直な気持ちです」
――ゾーンに入ったのは初めて?
「初めてです。ゾーンなのか分からないですけど、本当に覚えてなくて。ただ、動きを見返したら練習でやってたことがまんま出たし。逆に練習でやってなかった動きも、スーパーレックのヒザに対するディフェンスとかがやってない新しいブロックとかもやってて。それだけ自分自身が一皮剥けた試合になったのかなと思います」
――スーパーレック選手のように駆け引きに長けた選手に対しては、どう反応・対応しようと思っていた?
「中距離とか遠い距離というのは、極力自分の蹴りの空振りを減らそうと思ってたんですけど、そこまで空振りすることもなく。空振りするんだったら、逆にスーパーレックに攻撃を出させて、その上で詰めるっていう作戦だったんですけど。それすらも考えることなく、体が思うままに動けた試合でした」
――次もそういう試合をしたい?
「次は(ONEで)まだKO出来てないんで、しっかりKOして。毎回言ってるんですけど(笑)」
――具体的にどの瞬間が記憶にあって、どっからなくなってる?
「本当に、1Rのゴングが鳴るぐらいから覚えてなくて。この蹴りスウェーしたなぐらいしか覚えてなくて。スタミナも全く使わないというか、息が上がらなくて。だから終わった直後は消極的な試合をしちゃったのかなというふうに思いました。覚えてなかったからこそ、どっちが勝ったか分からなかったので、判定で自分の名前が挙がった瞬間は、嬉し泣きというよりも、分かってなかったから安心して涙が出てきたという感じで。本当に全く覚えてないです」
――会場の声援が凄かった。試合中は聞こえなかった?
「それは凄い聞こえて。入場式でもオープニングセレモニーでも、これだけ観客が入った試合は初めてだったんで、結構感動してウルウルしましたね」
――勝因はどこだったと分析した?
「向こうのやりたい展開で全部自分が上回れたのかなと。距離の駆け引きとか蹴り返しとか蹴り分けとか、そういったもの。あと、コカしとか、そういった向こうの得意な展開でも、全部自分が一つ二つ上をいけたのが勝因かなと。後半向こうは結構諦めに入ってて、だからKOするより価値のある勝ち方が出来たと思います」
――今まで自分がやってきたことが間違ってなかったと、凄い自信になった試合だったのでは?
「そうですね。それはやっぱりスーパーレック選手という名前と実績のある相手に勝ったからこそ、より自信になったなと思います」
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次に欲しいのはベルトだけ
――今回の試合もバンデージなしで戦った?
「はい。これからも多分することはないかなと」
――チャトリCEOが試合後に、与座選手とスーパーレック選手が戦ったら、与座選手の前ではスーパーレックは平均的な選手に見えたみたいな発言をしていた。
「素直に嬉しいですね。関係者とか海外からの反響が凄いので、そういうのが自分は欲しかったし。次に欲しいのはベルトだけなので、そこに向けてやっていきたいなと思います」
――武尊選手があと1戦で引退するということを発表したが、それについては?
「ずっと背中を追いかけてきてたので、寂しいんですけど。絶対最後はみんなで勝って笑って終わりたいです」
――与座選手自身のダメージは?
「特に何もないです。今までの試合で一番ダメージがない」
――スーパーレックを相手にそんな試合ができると予測していた?
「いや、逆に骨の1本2本ぐらいっていう覚悟でやってたので」
――試合中何度もコカすシーンがあった。ダウンを取ってくれみたいな思いは?
「全然。あれはただのコカしなので、全然ダウンではないんですけれど。コカした後にポーズとかやってたんですけど、煽ってたわけじゃなくて。本当に楽しめたのかなって。スパーリングに近い精神状態で臨めたから、煽ってたわけじゃなくて、あれも覚えてないんですけど、本当に楽しみながらやれたのかなって」
――SNSでバズってますね。
「一回、掛け蹴りみたいなのを避けた後に、ケージだったので避けたけどもらってるように見えてるかなと思って、こうやったのはちょっと覚えてます。だからそういう駆け引きもあって結構楽しめましたね」
――武尊選手の最後の試合は来年4月の日本大会が濃厚。そこにはタイトルマッチでなくても出たい?
「タイトルマッチで出たいです(笑)。タイミングがあると思うので分からないですけども、ハガティ選手が怪我(の回復)が間に合うんだったらハガティ選手とやりたいし、間に合わないんだったら返上してもらって正規のベルトを懸けてやりたいです。その際はもう相手は誰でもいいので、ナビル・アナンでもいいし、多分ランキング1位は今ウェイ・ルイだし、秋元選手が勝ったから秋本選手もいるだろうし。本当に自分は相手を選んだことないので。強い選手とやりたいっていうだけなので、全然ナビルでもばっち来いって感じですけど、正規王座を懸けてやりたいです」
――海外の反応という話があったが、自分の名前が海外にも売れている、世界的に知られてるなみたいな実感は?
「そうですね。そういうのは本当に感じていて。オランダ修行に行った時もわざわざ走って追いかけてきて、写真撮ってくれって言ってくれたりとか。ONEのそういう海外からの効果っていうのは凄いなと思うし、みんな『ゆうき』って呼んでくれるので、自分の名前がちょっと好きになってきて(笑)。でもまだまだ、チャンピオンになってもっともっとスターになっていきたいなと思います」
――野杁選手は負けてしまったが、あの試合を見た感想は?
「本当にめっちゃ悔しかったし、めっちゃカッコよかったし。だからまた一緒にやり返したいなって思いました。スーパーボン選手も自分的にはポイントの取り方とか勉強になったし。本当に世界最高峰の試合だったので、凄いなと思いながら、いろんな気持ちがある試合でしたね」
――スーパーレックに勝って、ある程度武尊選手の仇を取ったみたいな形になると思うが?
「自分はそんなに意識はしてなくて。階級も違うし、いろいろ条件は違うので。自分がスーパーレックを超えたっていうのは嬉しいは嬉しいですけれど。全員倒します」