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【RIZIN】堀口恭司「ATTには“答え”がある」──神龍誠が出稽古中。野村駿太は「ATT所属」で「サトシに勝つためにやるべきことが明確になった」

2025/11/12 23:11
 2025年11月11日、堀口恭司が所属する米国フロリダのアメリカントップチームに、神龍誠とクレベル・コイケが出稽古で合流したことをそれぞれのYouTubeで報告した。  11月23日(日本時間)のUFCカタール大会でフライ級12位のタギル・ウランベコフ(ロシア)との仕切り直しのUFC再デビュー戦が決定している堀口恭司は「指が当たった」という右目上を腫らしてながらも現UFC世界フライ級王者のアレッシャンドリ・パントージャらと追い込み練習の佳境であることを伝えた。まだ神龍誠とは組んでいないものの、練習参加した神龍は出稽古数日で大きな刺激を受けていることを語っている。 (C)@makoto0705mma  練習後の対談では、2023年のRIZIN大みそか大会前の神龍の挑発を「プロレスの感じで煽ってきてるんだろうな」と試合を盛り上げるためだと気にしていなかったと語った堀口は、勝負を決めた瞬間を振り返り、そこに日米MMAトレーニングの違いがあったことを指摘している。  直に肌を合わせて戦った神龍について、「上手かったよね。タックルとか、俺が切ってたけど粘り強く力使ってきてテイクダウン取られたから“上手いな”とは思ったけど“ちょっとこれ(力を)使いすぎじゃないかな”ってのは正直思ってた。もう“バンバン使わせてやろう”っていう感じだったから。闘牛士みたいな感じで。こっちとしては作戦通りだったなっていう。やっぱりペース配分が大事だから」と、決定的なポジションは譲らずいなしていたと明かした堀口。  神龍は「僕的にはちょっとスタミナ残してたんですよ。残してて、でもなんか崩れたのが、2R目の序盤に右ハイをもらって、あれでめっちゃ焦っちゃって、そこですげえスタミナ全部持ってかれる感じで、最後フィニッシュされる時も極められない自信があったんで、わざとこう持たせて、ちょっとスタミナ(回復のために)呼吸しようと思ったら、ググって入ってきて、“あ、やべえ”と思って……ていう流れだったんです。あれで展開握れない時のスタミナの削れ方とかが結構分かったという。でも堀口さんに(一本)取られたのが僕、初めて(の一本負け)なんで。多分取られない自信めっちゃあったんです。だから“いいとこ持たせて休憩しよう”みたいな」と、説明すると、堀口はそこに「でもバックチョーク無理でしょ」と、指摘。  神龍が「いや、バックチョークもなんかスッて抜けれる自信があるんです(肩を内側に入れながら)。体が柔らかいからちょっと汗とか滑らせて、スルッと結構逃げてきたんで」と、日本での練習での成功体験でエスケープに自信があったと返した。  堀口は、その選択にミスがあったという。 「それが多分……なんだろう。海外来たら“やらしちゃいけない”ところだと思う。海外で練習してるやつら、もうそこで絶対極めるから。もういいポジションをまず取らしちゃダメなの。それでポイントも取られるし。元谷(友貴)さんとの時も首獲られてもしかしたらポイント取られてるわけじゃん」と、得意の“神龍逃げ”で極めさせずもポジションを譲った場面で、試合を落としていると言及。  神龍も「そうですね。それが良くないとこだからそこも改善していかないと。こういう風にズバズバ言ってくれるのが、やっぱり周りにいないんで」と、間違いと最適解をはっきり指摘し、修正すべきポイントが明確になる環境がATTにあると語った。 [nextpage] 堀口「ここに来たらすぐに『答え合わせ』ができる」 (C)shun97nomu  現在、ATTには堀口恭司、中村倫也、元谷友貴、牛久絢太郎、金太郎らに加え、野村駿太が「所属選手」として加わった。  野村は、出稽古のつもりでATTを訪れたが、稽古3日目には、「これ以上の環境はないな」と感じ、ATT所属となってチームのメンバーの一員となって、より細やかな指導を受けていくことを決めたという。  堀口との対談で「これがMMAなんだ」と評した野村は、「みんな技術の一つひとつが丁寧で、そのポジションになったら一個一個ちゃんと遂行していく。僕がいままでいかに1個飛ばしでやっちゃったりとかしていたことをすごい感じました」と、感覚ではなく理詰めの動きがあるとした。 「日本で1日ぐるぐる、2、3カ所に行ったりとかしていたけど、もっと大事なことにフォーカスして練習した方がいいんじゃないかと。“どれができてなかったか”を無視して次の練習場所に行っちゃったりしていて。ATTで組みの雑な部分を感じたり“ここが苦手”“ダメ”というのをすごく感じた」と問題点が洗い出せたという。  堀口も「ここに来たら“答え合わせ”がすぐできる。てっぺんにたどり着くには、時間が無いから近道をしないと」と、限られた選手生活のなかでいかに回答を得て、勝率を上げていくかが重要と諭す。  そのなかで自身の軸をいかに持ち、武器をいかに生かすか。  あらためて野村が米国で感じたのは「空手は世界の誰にでも通用する」ということ。堀口は、MMAの最適解をATTで学び、いちはやく自身の空手をMMAに融合させた。 「やっていた身からすれば空手は強いからね。めっちゃ使えるし、似た競技が無い。人によるから、いずれにしても“どれだけ考えて実行できるか”が重要」と、それを活かすも殺すも自分次第という。  堀口にとっても野村がATT入りしたことで、これまで日本帰国時に確認していた「空手の打ち込み」が米国でできることになる。 「こっちで空手が出来ないから、空手ができるようになってよかったな」と、笑顔の堀口に、野村も「7割くらい僕がそのまま教えてもらっている(苦笑)。どうやってやるのかという移行の仕方もあって、これまで掘口選手が考えてやってきたから言語化もされていて、すぐに答えが出てきてめちゃくちゃ勉強になる」と、先駆者・堀口の背中に続く。  大晦日には5度のライト級王座を防衛中の“絶対王者”ホベルト・サトシ・ソウザに挑戦するが、堀口はこの対戦を「今でも勝率はある。その勝率を上げるためには来てよかったんじゃないかなと思う」と、打倒サトシに必須のピーズがATTで揃うとエールを送った。  野村は、「いまサトシ選手がチャンピオンなんで、そのサトシ選手に勝つためにやるべきことが明確になったのでそれをやっていく。サトシ選手ですら通過点でもっと先までいけるようにしたい。やっぱり世界最高峰のUFCに、堀口選手のように行って、そこでチャンピオンになれるように」と、今後を語る。  そして、堀口も「11月23日の次の試合に勝つこと。その後何戦やるか分からないけど、UFCのベルトを巻く」と、世界の頂に立つとした。  元谷も含め、ATTの新たな日本チームは、年末の大一番に向かう。
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