キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】大沢文也「テーマは『KNOCK OUTらしくなく、いつも通り塩試合』という感じ」「今回は3つのスタイルを融合して戦うので、玄人にはメッチャ面白いと思う」

2025/11/12 13:11
 2025年11月15日(土)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT.59』のKNOCK OUT-RED -61.5kg契約3分3R延長1Rで、ゲーオガンワーン・ソー.アムヌワイデッー(タイ)と対戦する大沢文也。KNOCK OUTでは初となるREDルール挑戦について、大沢は「自分のスタイルなら勝てる」と豪語する。その中身とは? 僕は本当に現実主義者なので ──試合がかなり近づいてきましたが、もう追い込み練習は終わりましたか? 「追い込みは土曜日の夜までやって終わりました。みんな、俺が勝てないみたいに思ってますけど、『何か勝てんじゃね?』って感じですね。この感じがハマればですけど、もちろんそれは、別に次の対戦相手とか関係なしに、自分の戦い方って『ハマれば』って感じなので」 ──なるほど。 「僕って何が強いとかじゃなくて、どの対戦相手でも、いつも相手が弱いところで戦うので」 ──そこにハメる準備は、想定の中ではもうかなりできているということですね。試合前の大沢選手は、何かいろいろなことにイライラしている印象があるんですが、今回は口調を聞くとそこまででもなさそうですね。 「でも格闘家って、試合前はみんなイライラしてるものじゃないですか?」 ──そうだとは思いますが、それを正直に出すのが大沢選手かなと。 「ああ、確かに。みんなは表には出さないってことですね(笑)。今回は1kgだけですけど、いつもよりもちょっと減量が多いので、いつもよりピリピリしてるかもしれないですね」 ──いつもよりピリピリしてるんですね。 「してますね。今回はやっぱり、いつもよりは恐怖心があるので」 ──普段の試合前は、勝敗予想についてイライラしたりしてますよね。そこは? 「確かにそこはいつもイライラしてますけど、今回は別に、いつもほどはあまりイラついてないですね。普通に考えたら、オープンフィンガーグローブでムエタイで、しかもあの相手とやるんだったら、みんなが不利と言うのは確かに当たり前だろうと思うので。大谷翔司戦の時の予想はムカつきましたけどね」 ──あの時はかなりでしたよね。 「僕は客観的に見れるので、(大谷勝利の予想が多くて)『お前ら馬鹿だろ』と。『どう考えても俺が勝つだろ』って思ってたんですけど。確かに今回は、客観的に見て僕が不利というか、ルールもそうだし、もう圧倒的に難しいと思うのは分かるので。いい気持ちはしないな、ぐらいです」 ──試合と直接は関係ないですが、あとから同じ大会で軍司選手の試合が決まりました。軍司選手はゲーオガンワーンと12月30日の代々木大会で再戦するために、今回出場すると。だから今回、「できればゲーオガンワーン選手に勝ってほしい」と言っていました。 「別に、ゲーオガンワーンが負けても再戦はできるじゃないですか」 ──それは確かなんですが(笑)。そのあたりは、大沢選手としては関係ない? 「関係あったらヤバくないですか?(笑) 何とも思わないですね、別に。これで僕がゲーオガンワーンに勝ったからといって、タイトルマッチというわけでもないし。だからそこに関しては何もないです」 ──改めて、今回のゲーオガンワーン戦、大沢選手にとってのテーマは何ですか? 「テーマは『KNOCK OUTらしくなく、いつも通り塩試合』という感じですね。それは本当に思ってます。別に熱い試合する気なんてサラサラないんで。これはギャグじゃなくて、けっこう本当に思ってます。僕はもう勝てれば何でもいいと思っているタイプなので」 ──いつも言っている通りですね。 「僕は本当に現実主義者なので。ただ、僕がダウンを取られたりとかしたら、メッチャ熱い試合になると思います。ダウンしたらもう倒しに行かないと勝てなくなっちゃうんで」 ──どんな形になっても勝つと。 「分かりやすく言ったら、素人のファンは今回、特につまらないと思っちゃうんじゃないですか? でも格闘技を分かってる玄人の人が見たら、相当楽しいと思いますよ」 [nextpage] 正直『7:3で勝てんじゃね?』 ──「REDルールでやり続けたいわけではない」という話でしたが、REDルールに対応する練習をしていたら、もっとやりたくなったりしませんか? 「いやぶっちゃけ、REDルール対応の練習はそんなにしてないんですよ。週に1~2回MMAの練習はしてますけど、あとは別に変わらないです。別に首相撲の練習も一切してないし。首相撲は1ミリたりともやってないです」 ──そうなんですね。 「逆に、勝つためにわざと首相撲はやってないんです」 ──首相撲に捕まらないための練習とかもしてないんですか? 「組まれたらちょっと頑張ってディフェンスするとかいう練習じゃなくて、組まれたら思いっきりブレイクを狙いに行くという感じの練習しかしてないですね。組まれた時の対処というよりも、組まれた時にもう本当に相手が何もできないような、MMAで言ったらもう思いっきり下からしがみつくみたいな感じですね。コテコテのムエタイルールだと、首相撲でブレイクされるまでってメチャメチャ長いですよね。でも正直言って、KNOCK OUTのREDルールでは、別にそういうわけじゃないじゃないですか。だからこそ、その練習が生きるのかなと思ってます」 ──現時点で、勝つ自信は100%ですか? 「現実主義者なので正直なことを言うと、『7:3で勝てんじゃね?』というぐらいですね。みんなは7:3で僕が負けると思ってると思うんですけど、でもそれは本当にしょうがないことなので。さっきも言った通り、今回は別にそこまでムカつかないんですけど、自分としては『7:3で勝っちゃうんじゃね?』と思ってます。BLACKルールとUNLIMITEDの練習はずっとしてるんですけど、SNSに載せないだけで、他団体のチャンピオンとやってもけっこうダウンを取ったり、KOしたりするんですよ。僕は練習だけメッチャ強いので、練習だと熱い試合をするんですよ」 ──そうですか(笑)。 「でもそれは、あくまでBLACKルールでですけどね。でもそのBLACKルールのスパーでダウンを取ったりKOしたりするわけじゃないですか。それをうまくREDルールにアジャストできるのが僕だと思ってるので」 ──あと、今回はメインになりそうですが、そこも前から言っている通り、関係ないんですよね? 「ないです、ないです。全くないです。だって、第1試合だろうがメインだろうが、みんな主役なので。メインが偉いってわけでもないし、『前座』という言葉も別に好きではないし。全然関係ないですね。ただ関係はないけど、実績とか考えて、僕しか無理じゃないですかね」 ──なるほど。 「泰斗の方が実績も全然積んでるけど、でも今回の僕の相手に負けちゃってるので。僕の相手がゲーオガンワーンじゃない誰かだったら、泰斗がメインでいいと思うんですけど」 ──大沢選手は今、KNOCK OUTのチャンピオンですし。 「KNOCK OUTのチャンピオンだけど、6月の代々木は泰斗の前だったんですよ。そういうのはムカつくんですよ。いや、ちょっと待てと。お前、KNOCK OUTは初めてだろと。俺の方が先に出てるし、仮にも俺はチャンピオンだぞと。それで何で俺より後なんだと。それは思いましたね」 ──なるほど。では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょうか? 「僕の伝統派(空手)仕込みの戦い方です。今回は3つのスタイルを融合してるんですよ。僕のいつものボクシングスタイル、足を使って距離を取るアウトボクシングが一つ。それにプラスして、伝統派の戦い方。そして接近戦。この3つが混ざった戦い方になります。だからそこを見てほしいですね」 [nextpage] ゲーオガンワーン「問題なく私が勝つ」  8月大会で軍司泰斗を下し、その試合を見ていた大沢に対戦要求されたのを受けて再来日するゲーオガンワーン。軍司も12・30代々木での再戦を狙っている中、彼はどのような戦いを見せようとしているのか? いつでも軍司と再戦する準備はできている ──8月の軍司泰斗戦はいい結果になりましたが、あの試合を今振り返ると? 「あの勝利は本当にうれしかったです。勝っただけでなく、KOでボーナスももらえましたので」 ──軍司選手の打撃を効かされた場面もありましたが、元K-1王者の戦いをどう感じましたか? 「強くて名前のある選手に勝ったということに価値があって、とにかくうれしかったです」 ──初めて参加したKNOCK OUTのイベントについてはどう思いましたか? 「初参戦だったのでやはり緊張しました。またオープンフィンガーグローブでの試合も長いキャリアがありながら、初めてだったのでドキドキして興奮しました」 ──8月の試合の後は何試合に出場しましたか? 「1試合しています。10月18日にオムノーイ・スタジアムのメインイベントに出場して、ブアキィオ・プーケットファイトクラブに判定勝利しました。途中で脚を痛めたので、それがなければもっと大差だったと思います」 ──今回の相手、大沢文也選手の印象は? 「また、K-1で実績のある強い選手と戦えるとのことで、うれしく思っています。日本の強い選手の1人だと思います」 ──大沢選手はアウトボクシングを得意としていて「このスタイルなら勝てる」と言っています。それについてどう思いますか? 「彼がどんなスタイルだったとしても問題なく私が勝つと思います。それだけの力、技術、経験を私は持っていますので」 ──自分としてはどう戦ってどう勝ちたいと思っていますか? 「彼に合わせるのではなく、私は私のスタイルで油断せずに勝つだけです。もちろん常にKOは狙っていきます」 ──軍司選手が12月30日の大会でリベンジしたいと言っていますが、それについてどう思いますか? 「いいですね。いつでも彼と戦う準備はできています。決まったらいつでも彼と戦えます」 ──大沢選手にメッセージをお願いします。 「互いに楽しい良い試合にしましょう。そして私があなたに確実に勝つでしょう」 ──今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう? 「ムエタイの芸術的なテクニック、激しく楽しい試合をお見せしたいです。注目していてください」
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