2025年11月9日(日)東京・後楽園ホール『RISE 193』の前日計量&記者会見が、8日(土)都内にて14:00より行われた。
この会見で、11月2日(日)東京・両国国技館で開催された『RISE WORLD SERIES 2025 FINAL』にて、判定結果について疑問の声があがった3試合について伊藤隆RISE代表が説明を行った。伊藤代表は「判定で疑問に思った3試合を審判団にヒアリングいたしました」と、以下の説明。
▼第2試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R延長1R〇門口佳佑(EX ARES/フェザー級1位)判定2-0 ※29-28、29-29、30-28×龍斗(RAUSU GYM/第6代Bigbangフェザー級王者)
1Rは2名が門口、1名がドロー。門口に付けた2名は手数も門口ペース、圧をかけて試合を進行させたため10-9。ドローは龍斗のジャブとローの有効打、門口のパンチコンビも評価出来るが大きなダメージはなく差をつけるほどではなく10-10。
2Rは3名とも門口。こちらは門口のヴァレリーキック、パンチ、コントロールで10-9。
3Rは2名が龍斗、1名がドロー。龍斗に付けたジャッジは門口が積極性に欠けていた。龍斗の積極性と手数を評価して10-9。
以上のことから29-28×2、29-29の2-0で門口の勝利。
▼第6試合 SuperFight! ウェルター級(-67.5kg) 3分3R延長1R〇宇佐美 秀 メイソン(team VASILEUS/RISEウェルター級王者)判定2-0 ※29-28、29-29、30-28×ジョ・サンヘ(韓国/JINHAE-JUNG EUI HOI KWAN)
1Rは三者とも10-9でメイソン。2Rはサンへが先にダウンを奪ったがメイソンがダウンを取り返したため、10-10に戻る。その後、メイソンの攻撃でサンへのダメージがあったと見られて2名が10-9、1名が10-10。
3Rは2名がサンへ、1名がドローの2-0でメイソンの勝利となった。「2Rにダウンを取り合って10-10になったが、それでもダメージを考えるとメイソンの方が上だったと思うんですね。結果的に2Rの10-9という部分が明確ではなかった部分がドローなのか、勝ったのかという部分なんですけれどもこの内容を聞くと納得できると思います」(伊藤代表)
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▼メインイベント(第13試合)RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament決勝 3分3R延長1R〇中村 寛(BK GYM/第8代ライト級王者)延長R 判定3-0 ※10-8×3×エン・ペンジェー(中国/仏山温拿拳館)※中村が優勝。本戦の判定は29-28、30-30、29-29。
1Rが10-9ペンジェー、10-9中村、10-10ドローの三者三様。ドローのジャッジはペンジェーのパンチとキックは多かったが、中村もカーフキックで圧をかけて前へ出ていたため差はなかった。ペンジェーに付けたジャッジは、中村がカーフを当てていたがペンジェーの前蹴りとパンチの有効打のダメージを考慮した。中村に付けたジャッジはペンジェーのパンチとキックによる手数はあったが、中村のカーフを有効として評価した。
2Rは2名が10-9で中村、1名が10-10ドロー。中村を評価した2名のジャッジは、ペンジェーが消極的になりクリンチが多く、中村の積極性と強いカーフキックを評価した。ドローのジャッジは中村がダメージを与えるまでになく、前へ出てパンチで圧をかけていたがさほどの差がなかったためドローとした。
3Rは2名がドロー、1名がペンジェー。ペンジェーに付けたジャッジは、両者の差はほとんどなかったがペンジェーの攻撃で中村が出血したのを有効打として評価した。
ルールディレクターの見解は「ペンジェーのヒットもあったが、2Rにペンジェーが口頭注意を受けている部分もあるように、ホールディングもあり大きな印象が残せなかった。ペンジェーは攻撃して組むというより、手を出して当たったら下がって当て逃げのような印象で消極的に見えた。中村のカーフに対しては評価をしている。ペンジェーの戦い方はダウンを取れば分かりやすいが、当てて露骨に回っている印象があるのでジャッジも(攻勢を)付けづらかった。
そうなると1Rの中村のカーフキックを評価、2Rにペンジェーが攻撃を仕掛けてクリーンヒットを数発も、クリンチで注意がありポイントを取れるような印象がない。3Rはペンジェーも当てているが印象をつけるものが乏しい。ペンジェーの攻撃は軽くてダメージに及ばないけれども、3Rは中村が出血したので確実に当たっていた。ただ、これをポイントにするのであれば1Rの中村のカーフキックも評価していい」というもの。
以上が審判団のヒアリングの結果で、伊藤代表は再発防止のため「このようなヒット数がある今後のケースに関して、ジャッジがどう評価するかは非常に難しい。我々主催者側としても細かく明確な例文も出しながら、ジャッジ陣や参戦ジム・選手に伝えていかないといけない。さらに細かいポイントを取る部分を改正していかないといけないと思いました。こういうパターンは取られないとか、打ってすぐに相手の攻撃を封じるクリンチはかけ逃げになるとか。そういう部分を明確に文にして、もっと掘り出して明確なジャッジを付けられるようにしないといけない」とした。
そして「RISEとして今まで通り変わらず明確な攻撃、ダメージを与える強い攻撃、アグレッシブな選手を評価していくのは変わりません。戦いを見せるというか、RISEというのは戦いですね。戦いとはお互いの攻撃を見せることだと思うので。それによって選手が活躍して輝く大会でありますし、選手たちはその一戦に懸ける想いだったり、勝ちたいって選手もいるし、勝敗によって運命が変わってしまうこともあると思います。
だからこそ戦いをするべきだと思うんです。明確な試合をしていただきたい。RISEとはそういう舞台なので、今後選手の皆様にはそういう戦いをしていただきたい。勝ちに徹するのではなく明確な差をつけて、一番は倒しに行くことですね。そういうことを踏まえて参戦していただきたいし、そういう覚悟を持って試合をしていただきたい想いがあります。
全選手に言いたいことは、勝つためにだけ出るのはRISEに必要なくて、全選手勝ちたいのは当たり前で、その中で何を見せられるか。KOだったり、気持ちだったり、プラスアルファで何を見せられるかがプロだと思うので、そういう気持ちや覚悟を持って試合に挑んでいただきたいと思います。我々としては消化試合として試合を組むつもりは一切ないので、プロとしての試合を見せていただきたい」とRISEの方針を語った。