10月にコレシュコフとの接戦で判定勝ちしたラーキン(C)Bellator
米国の総合格闘技プロモーション『Bellator』(ベラトール)のスコット・コーカーCEOが、2019年12月29日(日)にさいたまスーパーアリーナで開催を控える同団体初の日本大会『Bellator JAPAN』の出場予定選手について、10月26日の『Bellator 232』の大会後会見で語った。
コーカーCEOは「我々はラーキンを12月29日の日本大会へ連れて行くつもりだ。対戦相手はまだ調整中だが、彼はBellatorを代表してRIZINとの対抗戦に出場する」とし、Bellatorウェルター級トップファイターの一人、ロレンツ・ラーキン(米国)が日本大会へ出場することを明言した。
これは『Bellator 232』でウェルター級グランプリを制覇し、同階級の新王座にも就いたドゥグラス・リマ(ブラジル)の次期挑戦者候補について、記者から問われた中で明かされたもの。記者からラーキンの名前を挙げられたコーカーCEOは、同選手の日本大会出場について言及し、そのうえで「リマは数カ月のオフを取ることになる。ラーキンが日本で負けなければ、彼がおそらく(次期挑戦者として)最有力だろう」と答えている。
ラーキンはStrikeforceで後のUFC世界ウェルター級王者ロビー・ローラー(米国)を破り、UFCでもホルヘ・マスヴィダル(同/現UFC同級3位)やニール・マグニー(同)といった実力者たちから勝利を挙げている強豪。2017年からBellatorに活躍の場を移し、移籍初戦でリマのBellator世界ウェルター級王座にも挑戦している(ラーキンが判定負け※写真左)。
その後、ポール・デイリーにKO負けも、2018年1月にフェルナンド・ゴンザレス(米国)、同10月にイオン・パスク(ルーマニア)、2019年10月にアンドレイ・コレシュコフ(ロシア※写真上)にいずれも判定で勝利するなど現在3連勝中と好調で、王者リマへの挑戦権を得るためにも、日本で絶対に負けられない試合に臨むことになる。
RIZINウェルター級リストには、元UFCの中村K太郎、現DEEPウェルター級王者の住村竜市朗、マルコス・ソウザ、さらにRIZINからBellaorに参戦中のストラッサー起一も名を連ねている。K太郎は10月の『RIZIN.19』でマルキーニョスに勝利後、リング上で「ベラトールとの対抗戦、ぜひ僕で組んで欲しいです」とリクエストしており、年末に連続出場となるか。ラーキンは日本で4連勝を狙う。
また、9月大会のシーク・コンゴ戦がノーコンテストとなり日本大会出場を示唆しているライアン・ベイダー(米国)について、コーカーCEOは「彼は日本でも試合をしたがっているし、2月にも試合をしたがっている」と、さいたま登場は明言せず。またベイダーがライトヘビー級での試合を希望していることも明かした。
さらに、元UFC世界ヘビー級王者で、パンクラスやPRIDEでも活躍したジョシュ・バーネット(米国)についても質問が飛び、コーカーCEOは「ジョシュは日本では戦わない。タイミングの問題だ。そして現時点ではジョシュが戦うべきヘビー級の舞台が向こうに無いようだ」と発言。「ジョシュについても調整していることはあるので、それが最終的に決まればアナウンスするだろう」とも話しており、年末の日本大会参戦はないようだが、ジョシュの復帰は近いとみられる。
この質問を受けての返答の中では、「ヒョードルvsランペイジ、チャンドラーvsヘンダーソン、そしてBellator vs RIZINの対抗戦。これらはパラマウント(・ネットワーク)で放送されるだろう。東京で29日の正午にスタートすることになると思うので、こちら(米国)では28日。プライムタイムの午後7時、西海岸で午後10時。DAZNとの同時放送だ」との情報も明かされた。
25日の大会中には、12月29日のさいたまスーパーアリーナ大会にて、前Bellator世界ライト級王者のマイケル・チャンドラーvs元UFC世界ライト級王者ベンソン・ヘンダーソンの再戦が、160ポンド(72.57kg)契約・5分3Rで行われることが正式発表されており、同時に『Bellator JAPAN』は正午スタートになることが日本のRIZINを通じて発表されている。RIZINファイターにとってもパラマウント・ネットワークとDAZNを通して世界デビューのチャンスとなる。
また、コーカーCEOはUFC女子バンタム級でアマンダ・ヌネスにTKO勝ちの戦績を持つキャット・ジンガノ(米国)がBellatorフェザー級で戦うことを10月30日に公式にツィートしており、2020年1月25日のクリス・サイボーグvsジュリア・バッドの女子フェザー級王座戦にからむ人材も補強している。ジンガノのBellatorデビューはどこになるか。
エメリヤーエンコ・ヒョードルvsクイントン・ランペイジ・ジャクソン、マイケル・チャンドラーvsベンソン・ヘンダーソン、そして3連勝中のロレンツ・ラーキンの初来日と力の入れようが伝わる年末の日本大会。対抗戦のさらなるメンバー、そしてBellator強豪選手同士の試合の実現にも期待が高まるところだ。