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【QUINTET】「置き大将」のはずの手負いの中村大介がまさかの「行きます」で決勝粘りタップせず、脱臼一本負け。チーム・ノゲイラが優勝。準決勝はイゴールが2人抜きの逆転勝ち

2025/10/24 00:10
 2025年10月23日(日本時間23時45分~)アラブ首長国連邦ドバイのコカコーラアリーナにて『QUINTET.5』(Lemino配信)が開催された。  同大会では「レジェンドたちの再会と未来への継承」をテーマに『PRIDE』で活躍した桜庭和志、ヘンゾ・グレイシー、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ、ボブ・サップらレジェンドたちが「チーム監督」として集結し、下記の選抜した精鋭5名によるチーム戦で再び相まみえた。なお、今回のドバイ大会から、これまで禁止されていたヒールフックが解禁された。  1チーム5人の総重量は430kg以内。それを先鋒、次鋒、中堅、副将、大将に配置し、5対5の勝ち抜き戦で競う。一本で勝てばそのまま次の試合へ。大将戦まで判定は無く、ドローになれば両者失格。相手のポイントゲッターを引き分けて止める“分け役”が団体戦の勝負のカギを握ることもある。最後に人数を多く残した方が勝ちとなる。 準決勝 1 ◆TEAM SAKU JAPAN/監督:桜庭和志(Total:426.4kg)先鋒 大嶋聡承/Sousuke Oshima 86.7kg次鋒 桜庭大世/Taisei Sakuraba 72.8kg中堅 ハイサム・リダ/Haisam Rida 100.5kg副将 中村大介/Daisuke Nakamura 72.7kg大将 イゴール・タナベ/Igor Tanabe 93.7kg ◆TEAM RENZO GRACIE/監督:ヘンゾ・グレイシー(Total:426.0kg)先鋒 タリソン・ソアレス/Talison Soares 79.9kg次鋒 アンダーソン・ウェズリー/Anderson Wesiley 85.3kg中堅 ネイマン・グレイシー/Neiman Gracie 91.2kg副将 アンドレ・ルイズ/Andre Luiz 81.5kg大将 デウソン・エレーノ/Delson Heleno 88.1kg ▼△先鋒 大嶋聡承/Sousuke Oshima 86.7kg△先鋒 タリソン・ソアレス/Talison Soares 79.9kg  いきなり滑り込んだ大嶋。シッティングガードの大嶋にソアレスは足を掴んでパス狙い。ブレーク。両者指導。立ちから始める大嶋。組み手争いから頭をつけ合う両者。引き込む大嶋にパスのアタックのソアレスだが、超えさせない大嶋。シッティングガードで近付き下から右足を掴むが、ソアレスは足を抜く。ブレーク。両者に2枚目の指導。  組んでシッティングガードの大嶋。ソアレスのアタックに足が効く大嶋はレッグロック狙い。ソアレスが上体を抑えに来ると潜り足狙い。最後は自らシングルレッグテイクダウンでトップから攻めてゴング。両者脱落。 ▼△次鋒 桜庭大世/Taisei Sakuraba 72.8kg△次鋒 アンダーソン・ウェズリー/Anderson Wesiley 85.3kg  足払いでテイクダウンしたウェズリー。桜庭、足を戻すもパスしてサイドのウェズリー。マウントから腕十字狙いもシザーズで足をかけて抜いた桜庭。  スタンド。「相手は疲れてきている」の声に、桜庭は払い腰狙い。しかし潰したウェズリーがサイドに。エビで抜けた桜庭。スタンド。ウェズリーのダブルレッグを切る桜庭だが、ウェズリーはシングルレッグに背中を見せた桜庭。バックから崩したウェズリーが桜庭の身体を伸ばしてリアネイキドチョーク狙いに、桜庭は仰向けで防御。ハイガードで脇を開けさせるウェズリーに桜庭はまたも脇に足を差し込むシザーズからの足関節で脱出。  スタンド。先にシングルレッグを狙う桜庭。ウェズリーのシングルレッグを切って足払いで崩す桜庭。ウェズリーのシングルレッグに尻を着くが立ち上がる。  桜庭の払い腰を切るウェズリー。残り1分。両者指導。  奥襟から投げを狙う桜庭に、ウェズリーが潰してサイド、腕十字! クラッチしたまま後転した桜庭は残り時間を凌ぎ、分け役として体重差のあるウェズリーを道連れに。 ▼△中堅 ハイサム・リダ/Haisam Rida 100.5kg△中堅 ネイマン・グレイシー/Neiman Gracie 91.2kg スタンドから、ハイサムが崩してサイド。ネイマンのエビにダースを狙いつつ、バックに。ネイマンは横回転で場外に。  中央でバックから再開。ボディトライアングルから同側のおたつロックのハイサム。防ぐネイマンにブレーク。膠着とみなされ両者に指導。  足払いのハイサム。残すネイマン。両者に指導。残り1枚で失格のなか、スタンドで前に出るハイサム。下がるネイマンは押し出されて場外に。  スタンドで足払いで崩れてまたも場外に落ちるネイマン。スタンド、崩してトップを奪うハイサム。中央で再開。座るネイマンに上のハイサムはパス狙い。ネイマンはニーシールド。中腰から左右にパスを狙うハイサムに、立つネイマンは引き込み気味に下になると、ドロー。 ▼×副将 中村大介/Daisuke Nakamura 72.7kg[ヒザ固め]〇副将 アンドレ・ルイズ/Andre Luiz 81.5kg  中村のシングルレッグを切るルイズ。頭を抱えてハーフの中村にギロチン狙いでパスも仕掛ける。首を絞めるルイズだが、凌ぐ中村にバックに移行。ボディトライアングルからリアネイキドチョークも、後ろ手を剥がす中村。  腰をずらす中村。亀まで戻してブレークに。  ルイズの足払いに跳びつき十字を合わせに行く中村。ルイズのがぶりに仰向けになってから立ちに。引き込んだルイズ。中村は脇差しパス狙い。外してヒールを仕掛けるルイズにヒザを抜く中村。  ガードからストレートフットロック、トーホールドを狙うルイズ。最後は脇で足を抱えてのニーバーに中村がタップした。 ▼〇大将 イゴール・タナベ/Igor Tanabe 93.7kg[0分54秒 三角絞め]×副将 アンドレ・ルイズ/Andre Luiz 81.5kg シッティングガードのイゴール。ルイズのパスに合わせてイゴールは三角絞め! 54秒でタップを奪い、大将対決に持ち込む。 ▼〇大将 イゴール・タナベ/Igor Tanabe 93.7kg[0分47秒 腕十字]×大将 デウソン・エレーノ/Delson Heleno 88.1kg  シッティングガードからデウソンにすぐに足をからめオモプラッタのイゴール。腕十字に移行し、タップを奪った。47秒、逆転勝利でチーム桜庭が決勝進出。 [nextpage] 準決勝 2 ◆TEAM NOGUEIRA DUBAI/監督:アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(Total:427.0kg)先鋒 ゼリムハン・カサエフ/Zelimkhan Kasaev 88.5kg次鋒 ニコライ・ヴェトロフ/Nikolay Vetrov 75.5kg中堅 アブデルラウブ“ミドー”/Abdelraaouf “Mido” 65.8kg副将 チアゴ・サ・フォルテス/Thiago Sa Fortes 85.7kg大将 プーヤ・ラフマニ/Pouya Rahmani 111.5kg vs. ◆TEAM BANGTAO THAILAND/監督:ボブ・サップ(Total:422.5kg)先鋒 ケモイ・アンダーソン/Kemoy Anderson 92.6kg次鋒 PJバーチ/PJ Barch 87.5kg中堅 キム・ドンヒョン/Dong Hyun Kim 90.0kg副将 アレックス・シルド/Alex Schild 61.5kg大将 ルーカス・バルボーザ/Lucas Barbosa 90.9kg ▼△先鋒 ゼリムハン・カサエフ/Zelimkhan Kasaev 88.5kg△先鋒 ケモイ・アンダーソン/Kemoy Anderson 92.6kg  組み手争いからダブルレッグから小外がけテイクダウンはカサエフ! 場外となり中央からマウントで再開。半身のアンダーソンを上四方、さらにマウントに移行し、ニーオン。足を戻すアンダーソンに下になるカサエフは腕十字狙いから内ヒールへ。50/50からヒールを狙うが、アンダーソンは脇差しパス!  しかしカサエフは下から三角絞めへ! 座って極めさせないアンダーソン。カサエフのトップからの攻めでトラックポジション。解いてマウント。腕十字も上体を起こすアンダーソン。ともに疲れが見えるなか、カサエフがサイドになりゴング。ドロー。 ▼△次鋒 ニコライ・ヴェトロフ/Nikolay Vetrov 75.5kg△次鋒 PJバーチ/PJ Barch 87.5kg  ヴェトロフのトップからの攻めにバーチは下から50/50、足関節狙い。ヴェトロフも下になるとベリンボロを狙うも、作らせないバーチ。ヒザが頭に当たり、バッティングでヴェトロフの頭がカット。チェック後、再開。  デラヒーバからバック狙いのヴェトロフ。しかし正対するバーチに下から足首を抱えるヴェトロフ。潰して足を抜くバーチはパス狙い。そこにストレートフットロックのヴェトロフ。抜くバーチ。引き分け。 ▼4分 選択△中堅 アブデルラウブ“ミドー”/Abdelraaouf “Mido” 65.8kg△中堅 キム・ドンヒョン/Dong Hyun Kim 90.0kg  先に詰めてドンヒョンをスタンドバックで押し込むミドー。中央に戻るドンヒョン。ともにスタンドの組み手争いで時間切れ。65.8kgのミドーが90.0kgのドンヒョンを道連れに脱落。 ▼△副将 チアゴ・サ・フォルテス/Thiago Sa Fortes 85.7kg△副将 アレックス・シルド/Alex Schild 61.5kg  外ヒールのフォルテスに足を抜く小柄なシルド。フォルテスはストレートフットロック狙い、さらにがぶりからネルソン、アナコンダチョークも仕掛けるが、シルドは引き分けに持ち込んだ。 ▼4分〇大将 プーヤ・ラフマニ/Pouya Rahmani 111.5kg[判定]×大将 ルーカス・バルボーザ/Lucas Barbosa 90.9kg  体重差を活かしてトップからパス狙いのラフマニ。スクランブルするバルボーザに再び脇を差して攻めるラフマニ。下のバルボーザの足関節に、ラフマニも足関節で仕掛けてゴング。大将判定はチーム・ノゲイラのラフマニが勝利。チーム桜庭が待つ決勝への駒を進めた。 [nextpage] 決勝戦、もつれる対抗戦は大将戦決着に ◆TEAM SAKU JAPAN/監督:桜庭和志(Total:426.4kg)先鋒 大嶋聡承/Sousuke Oshima 86.7kg次鋒 桜庭大世/Taisei Sakuraba 72.8kg中堅 イゴール・タナベ/Igor Tanabe 93.7kg副将 ハイサム・リダ/Haisam Rida 100.5kg大将 中村大介/Daisuke Nakamura 72.7kg ※準決勝で左ヒザ負傷 ◆TEAM NOGUEIRA DUBAI/監督:アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(Total:427.0kg)先鋒 ゼリムハン・カサエフ/Zelimkhan Kasaev 88.5kg次鋒 ニコライ・ヴェトロフ/Nikolay Vetrov 75.5kg中堅 アブデルラウブ“ミドー”/Abdelraaouf “Mido” 65.8kg副将 チアゴ・サ・フォルテス/Thiago Sa Fortes 85.7kg大将 プーヤ・ラフマニ/Pouya Rahmani 111.5kg ▼△先鋒 大嶋聡承/Sousuke Oshima 86.7kg△先鋒 ゼリムハン・カサエフ/Zelimkhan Kasaev 88.5kg  組み手争いから下から攻める大嶋は内ヒールもカサエフは片手を掴んで防ぐと、カサエフはカウンターの足関節もヒザを抜く大嶋。  下のまま足を効かせる大嶋。半身から足首を掴みに行くが、切るカサエフ。両者指導。パスアタックのカサエフのアンクルを作らせない大嶋。下から足首をとらえるとカサエフは潰して腰を切りパス、サイドに。マウントの瞬間に腰を切り抜けた大嶋。カサエフのヒールを極めさせずドロー。 ▼×次鋒 桜庭大世/Taisei Sakuraba 72.8kg[ヒールフック]〇次鋒 ニコライ・ヴェトロフ/Nikolay Vetrov 75.5kg  いきなり足にからんだヴェトロフ。サドルロックを組むと内ヒール! RIZINでの試合を控える桜庭はセットされてタップ。 ▼△中堅 イゴール・タナベ/Igor Tanabe 93.7kg△次鋒 ニコライ・ヴェトロフ/Nikolay Vetrov 75.5kg 組み手から先にシッティングのイゴール。ヴェトロフはトップから足を束ねてパス狙いも、すぐに戻すイゴール。ヒザを割ってのパス、外回りとアタック。イゴールはいったん立ち上がり、引き込むヴェトロフにトップに。足を払うイゴールにインバーテッドから立って上のヴェトロフ。  草刈り、戻り際に三角絞め狙いのイゴールも作らせないヴェトロフ。イゴールのパス際に足にからんでトップに回るヴェトロフ。下のイゴールは足をからめるが、すぐに動いて作らせないヴェトロフ。  スタンドから残り1分。引き込むイゴールにヴェトロフのパスの際でトップになるイゴールは、パスしかけるもインバーテッドで足を戻すヴェトロフ。両者ドロー。ヴェトロフはイゴールを道連れに。 ▼4分〇副将 ハイサム・リダ/Haisam Rida 100.5kg[腕十字]×中堅 アブデルラウブ“ミドー”/Abdelraaouf “Mido” 65.8kg  体重差があり4分制に。がぶりからバック奪取のハイサム。リアネイキドチョーク狙いから腕十字に切り替え、4分勝負でハイサムが一本勝ち。 ▼△副将 ハイサム・リダ/Haisam Rida 100.5kg△副将 チアゴ・サ・フォルテス/Thiago Sa Fortes 85.7kg  引き込むフォルテスに、2人目のハイサムはトップから。下から足をからめて上を入れ替えたフォルテスに、ハイサムは立ち上がる。スタンドから頭の取り合いでハイサムの腕が当たり、中断から再開。  足をからめたハイサムのサドルの作りからヒザを抜くフォルテス。下からヒザを立ててニーシールドのフォルテス。ブレーク、両者に警告。残り3分。  フォルテスはハーフ。しかし残り42秒でパスしたハイサム! 中央から再開にアタックするハイサムだが、足を戻すフォルテス。スタンドに。ローキック気味の足払いから胸を押したハイサム。  指導を受け、中央でハイサムがバックを取られた状態で再開。前転から足関節を仕掛けるも極めきれず。ドローに。 ▼4分×大将 中村大介/Daisuke Nakamura 72.7kg ※準決勝で左ヒザ負傷[4分00秒 キムラロック]〇大将 プーヤ・ラフマニ/Pouya Rahmani 111.5kg  準決勝で左ヒザを痛め、分厚いサポーターを巻いた中村。入場時には足をひきずっており、「置き大将」で試合は棄権かと思われるが……。「行きます」の声とともにマット中央に進む中村。  38.8kgの体重差もあり4分間がスタートのなか、握手をかわして離れずそのまますぐにシングルレッグでこかしたラフマニ。ハーフガードの中村、目の前のサポーターが巻かれた左足をラフマニはトーホールドに狙う。足を抜く中村。腕をアームロックで手繰りに行くが太いラフマニの腕を引き寄せられず。  右足をとらえたラフマニはパワフルなストレートフットロック! 思わず「無理するなよ」と漏らす解説席の中井祐樹氏。仰向けになりヒザを曲げて極めさせない中村は、股を潜りデラヒーバからバック狙いも、崩れないラフマニは正対してパスすると、トップから抑え込んで肩固め、ここも半身になり極めさせない中村はヒザを立てて亀になる。  バックを奪いネッククランク気味にリアネイキドチョークに移行するラフマニ。身体を伸ばされかけるがここも凌ぐ中村に、ラフマニはトップに移り、マウント。下から両腕で胴をクラッチする中村を剥がしたラフマニはノースサウスチョークへ! 半身になる中村にラフマニは頭をまたいでキムラに。クラッチして凌ぐ中村。残り30秒、何度も切ろうとするラフマニ、身体ごと浮かされる中村。ラフマニはついに左腕を背中に回して極めるが、中村はタップしない。残り10秒、ラフマニがさらに絞ると、中村が脱臼。折れた手応えにラフマニは自ら手を離した。タイムは4分ちょうどを表示している。  折ったラフマニは離れて頭を抱えヒザをマットに着く。中村もヒジを押さえて苦悶の表情に。左ヒジがあらぬ方向に向いている。すぐにドクターとチーム桜庭のメンバーが駆け寄ると、スタッフをかき分けてラフマニが近寄り、中村の頭に頭をつけて健闘をたたえた。  優勝はチーム・ノゲイラ。整復師により腕を戻した中村だがヒジが黒ずんで大きく腫れている。タップしない以上、極めるのが勝負。勝ち目のないなか、タオルが投げられてもおかしくないが、ギブアップしない中村の意思を尊重した形か。座り込むと大粒の涙が溢れた中村の負傷の度合いはいかばかりか。
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