国際大会で猛威を奮ってきたロシアがアジア選手権に出場(C)全日本空道連盟
2025年11月3日(月・祝)東京・国立代々木競技場第二体育館『第4回アジア空道選手権大会』に、空道強国ロシア代表選手の出場が決定した。
道衣・拳サポーター・頭部防具を着用し、頭突き・肘・膝・下段蹴りを含む直接打撃と、投げ技・寝技によって争う着衣総合格闘技「空道(くうどう)」。4年に1度開催される、その世界選手権は、2023年大会においては、ロシアのウクライナ進攻により、世界情勢や安全性の問題等に配慮した結果、ロシア人選手の出場が見送られ、その中で日本人選手が、8カテゴリー中、6つを制した。

【写真】世界選手権の表彰台をほぼ独占してきたロシア
しかし、世界選手権の優勝者は、2009年は全カテゴリーがロシア、2014年・2018年は1つが日本で残りはすべてロシアと、近年はロシアが圧倒的な強さを誇っていただけに、ロシア抜きの世界選手権で王座を独占したところで「日本が競技母国としての復権を果たした」とは声高に言えない感があった。
そんな経緯を経て、今回のアジア選手権、KIF(国際空道連盟)は、ロシアのうち、ウラル山脈より東側(シベリア~沿海州地区など)はアジア圏とみなし、インド、韓国、香港、シンガポール、カザフスタン、パキスタン…といった国々に加え、ロシア内のそれらの地区より選出された代表選手の参加を認める判断を下した。
これにより、今大会に4カテゴリーにロシア人選手が出場する。うち2名は本年2025年の全ロシア王者であり、今回の措置は「2023世界選手権での日本選手の戴冠の真価を証明する機会が与えられたもの」と考えてもよいだろう。
<各階級展望>

▼-240クラス
今年2025年、悲願の全日本体力別-240クラス優勝を果たした曽山遼太(左)と、22年全日本同カテゴリー優勝、24・25年同準優勝の伊東宗志(右)の2大王者が、2025年の全ロシア王者であるVanush Chakhoyanを迎え撃つ。

▼女子 -220クラス
2023世界選手権-220クラスで優勝を果たした小野寺玲奈(左)と、キックボクシングでも活躍した大倉萌(右)、昨年の全ロシア選手権-220クラス優勝者であるBuldakova Olesiaが出場。

▼-260クラス
今年2025年ロシアカップ準優勝のOleg Ivanov、2023年世界選手権-260クラス4位、2025年全日本体力別-260クラス優勝の麦谷亮介(左)、9月のテストマッチ(関東地区交流大会)でMMA(HEATウェルター級)元王者・高木健太を下した水村健太郎(右)がエントリーした。

▼-270クラス
2025年全ロシア大会の準優勝者であるRuslan Dzhafarov、ワールドカップで優勝・準優勝歴をもち、MMAや柔術でも国際大会で好成績を収めているカザフスタンのTemirlan Aitimovを、今年2025年260+クラスで全日本初制覇を果たした松岡陽太が迎え撃つ。
▼その他のクラス
-230クラスでは、今年2025年の全日本選手権準優勝者・大西凜駿、-250クラスでは、2024全日本無差別優勝、2025全日本同クラス優勝の中上悠大朗と、2024全日本同クラス優勝の鈴木浩祐。女子220+クラスでは2023年世界選手権優勝後、2024年11月に第1子を出産し、今回、戦線復帰を果たす服部(旧姓:内藤)雅子らがアジアナンバーワンの証明を成せるか、注目される。



