キックボクシング
インタビュー

【RISE】“3度目のチャンス”に賭ける常陸飛雄馬「自分の力を全て出すという事に集中していれば、自ずと結果が付いてくる」

2025/10/14 18:10
 2025年10月19日(日)東京・後楽園ホール『RISE 192』にて、「第7代RISEスーパーフェザー級(-60kg)王座決定トーナメント」一回戦3分3R延長1Rを同級4位のGUMP(TEAM TEPPEN)と争う同級3位・常陸飛雄馬(TARGET SHIBUYA)のインタビューが主催者を通じて届いた。  常陸は「RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kgトーナメント」の1回戦でシャクリヨール・ユラエフを新必殺技の二段飛び蹴りで三日月蹴りを入れる“スーパーひたちキック”でKOしたが、6月の準決勝で1月に判定勝ちしたエン・ペンジェーにリベンジを許して敗退。2023年1月に、当時の王者チャンヒョン・リーに挑んで以来となるベルト獲得のチャンスに懸ける。 テーマは「本来の自分の強さを出す」 ――先日は大相撲の鳴戸部屋に行っていましたよね? 「そうなんですよ。ご縁があって見学をしに鳴戸部屋に行かせてもらいました」 ――力士の方とお話をする機会はありましたか? 「ちゃんこを食べながら色々と話しました。競技は違うんですけど、同じ格闘技として通じるものがあるなとお互いに感じていて、キックボクシングに対してもめちゃくちゃ興味津々でした。自分たちも相撲に対して、迫力であったり礼儀の部分だったり、学ぶ部分が結構ありましたね」 ――良い刺激になったんですね。 「刺激になりました」 ――前回の試合は6月の-61.5kg世界トーナメントの準決勝で、エン・ペンジェー選手との2度目の対戦で惜しくも敗れてしまいましたが、あの試合を振り返ってみていかがですか? 「負けた原因も単純だったなと思うとことがあって、どうしてもやりにくい相手だったので、相手への対策というか、相手に合わせようという気持ちが強くて、合わせようとし過ぎていたのが1番の敗因ですね。“自分の良さを出せなかった”というのが1番悔しさが残る部分でした。だから今回は相手のことを何も考えていないというか、とにかく自分の戦いにできれば絶対に結果に繋がると思うので、そこを今は突き詰めています」 ――前回の敗戦を経て大きく学んだ部分だったり、新たに前に進んでいる部分というところですね。 「それを気づかせてくれた試合になったなと思います」 ――今回は再起戦でもあり、『スーパーフェザー級王座決定トーナメント』という現在空位のタイトルに近づく重要な試合になります。改めて1回戦のGUMP選手と戦うにあたって心境はいかがですか? 「GUMP選手と戦うのも楽しみなんですけど、さっき言ったように『相手に合わせて戦う』っていう事が最近は多かったので、今回は『本来の自分の強さを出す』っていう事をテーマにしている。それを試合でどう出せるか、それが通用するのかっていう所も楽しみですね」 ――スーパーフェザー級の「タイトル」という部分に関してはどうですか? 「次の試合で勝たないと進めないので、できるだけ今回は自分らしさも含めて考えないようにしているというか、“勝たないといけない”っていう気持ちが先行して、自分の戦いを出せないっていうのは良くないので、自分の力を全て出すという事に集中していれば、自ずと結果が付いてくるかなと思っています。ただ絶対に負けられないですね。やっぱりタイトルマッチを経験しているのも自分だけですし、前回のトーナメントも含めて今回で3回目なので、自分の中でも『これを獲れなかったら…』という気持ちはあります」 ――今回のトーナメントを発表会見の時に行ったフェイストゥフェイスで、すごく気合の入った表情が印象的でしたがどんな心境でしたか? 「本当に“ここで獲らないと”っていう自分自身の気持ちの表れだったかもしれないです」 ――ここ最近は-61.5kgで3試合をしていて、今回は久しぶりの-60kgでの試合となりますが、この“1.5kg”という部分は減量などに影響はありそうですか? 「1年以上60kgまで落としていなかったんですけど、今回久しぶりの-60kgなので、早い段階でベストコンディションに持っていけるように意識していて、その点でもどうなるか自分でも楽しみです」 [nextpage] 「久々に日本人と戦える」って感じ ――去年3月に行われたK-1との対抗戦での江川選手との試合以降、ずっと海外の選手と試合をしていましたが、“対日本人”という部分で何か思う事などはありますか? 「『久々に日本人と戦える』って感じですね。海外の選手って未知じゃないですか。戦績のデータも未知ですし、予測が通じない所もあると思うので、そういう部分では『日本人選手と久々に戦ったらどうなるんだろう』っていう自分自身の楽しみがあります。あとオーソドックスの選手と戦うのも超久しぶりなんですよね。相手もガンガン来てくれる選手なので、戦うのが本当に楽しみです」 ――オーソドックスやサウスポーに対して、苦手意識やこっちの方が得意だなっていうのはありますか? 「そういうのは言わない方が良いですし、そういう意識をしたらいけないなと思っています。どちらかというと、オーソドックスやサウスポーよりも、戦いのスタイルの方が気になりますね。自分の中で面白くないなと思うスタイルの選手とは噛み合わないのでそこに噛み合わせに行けるようにしていくことが今後の課題ではあります」 ――そういう意味では、今日一貫してお話ししている“自分のペースで戦う”とか“自分の得意な分野でやりたいようにやる”という所にもつながっている感じがしますね。 「試合への気持ちの作り方にもつながっていると思います」 ――試合に向けて充実していますか? 「めちゃめちゃ充実しています。自分の戦いをしっかり見つめ直して、自分の良さだったり弱点も含め『こういう戦いで、こういう風にやっていこう』っていうのが定まっているので、それは決して相手に合わせたっていうわけではないし、それを実際の試合の中で自分のペースにしていかないといけないので、そこがどうなるかっていうのは試合になってみないと分からないですけど、充実していて確実に成長を感じながら試合に近づいています」 ――メンタル的なバランスを保つためにやっている趣味やリラックスできる事などはありますか? 「サウナが好きなので、サウナに行ってリラックスしたり、オフの時に妻と出かけたりとかしています。やっぱり試合前は特に考えてしまうんですけど、プライベートの時間で何も考えずに済む時間を作ってリラックスしています。そういう時間のおかげでメンタルは割と保っていられます。『どうしよう』って不安になっても仕方ないと思っているので、良い方向に進むように、周りのお陰でメンタルはしっかりと保てています」 ――ご結婚されてから奥様の支えも大きそうですね。 「改めて今そう思うと確かに大きいですね」 ――特に試合に関しては奥様から色々と言われることはないですか? 「そうですね。あまり格闘技とかに興味がないので(笑)」 ――会場には来ていますよね? 「会場には毎回来てくれているんですけど『こういう攻めで、相手が今こういう段階にいて、勢いがあって』とかは全然気にしてなくて、僕が家庭を守るために戦っているので、その仕事として『絶対勝てよ』っていう感じですね(笑)」 ――それくらいの距離感がいいのかもしれないですね。 「プライベートと仕事が分かれるので丁度良いかもしれないです」 ――まだ先のことになるかもしれませんが、仮にベルトを獲得したとしたら、再び世界に挑んでいきたいという思いは強いですか? 「もちろんです。ベルトを獲った後にどうするかとかはまだ考えていないですけど、戦いたい選手が何人かいます。まずは11月のトーナメントの決勝戦の結果次第だと思うんですけど、いつかエン・ペンジェー選手にやり返さないといけないなと思いますし、ずっと戦いたかった中村寛選手にも挑戦したいです。あとは過去の自分との戦いにもなるんですけど、今回の王座決定トーナメントには怪我で出れなかったチャンヒョン・リー選手とも戦いたいです。自分がチャンピオンになったらそこの壁は絶対に乗り越えたいなと思っています」 ――最後にファンへメッセージをお願いします。 「10月19日は本来の自分の全てを出し切って、必ず白熱した面白い試合をしてKOするので楽しみにしていてください。応援よろしくお願いします」
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.341
2025年12月21日発売
大晦日決戦に臨むシェイドゥラエフと朝倉未来ほか「特集◎大晦日を読む」では、5大タイトルマッチのインタビューと川尻達也らが試合解説。UFC平良達郎、40周年記念・水垣偉弥インタビューも
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント