2025年10月11日(土)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2025 act.5』にて、サイヤン・ウォーリヤー(ベルギー)と対戦するSB日本スーパーウェルター級王者・都木航佑(キャピタルレイズfighting GlaNz)のインタビューが主催者を通じて届いた。
都木は2023年9月のSB参戦以降、次々と同階級のSB上位ランカーを撃破し、今年2月にはRYOTAROを判定で下してSB無敗のままSB日本スーパーウェルター級王者に輝いた。6月に竜也、8月の前戦で荒尾祐太を下して国内では敵なしの状態。都木自身、かねてから外国人選手との対戦を希望しており、今回はそれが実現した形となる。
対戦相手のサイヤンはベルギー人ファイターで、21勝(9KO)1敗という高い勝率を誇る23歳。思い切りのいいパンチ、心ごとへし折るローキックを特徴とする荒々しいファイトで相手をマットに沈めてきた。
もはやSBでは敵なし状態となった都木が、念願の国際戦でどのような戦いを見せるか。
ヤバイやつが来たなと思わされるような選手とやりたい
――前回8月の荒尾祐太戦はお互いに組み合う展開が多くなり、再延長戦の末に都木選手が判定勝ちでした。どうして組み合う展開が多くなったんでしょうか。
「自分的には良いコンディションで臨めていたので、レベルの差を見せつけないといけない試合でした。あの試合では自分の中でいくつか決め事をしていて、それは今までできなかった『やられる覚悟を持って倒しに行く』、『組みや投げを極力自分からしないようにして、打撃で圧倒する』ということでした。そういう中で前に出た時に荒尾君も極真空手出身だったことで、近い距離で前に出るという空手の距離になり、『ここで下がっちゃダメだ』というお互いの意地がたぶん出てしまったのかなと。
今年5月のKrushで山口翔大さんと谷川聖哉さんの極真空手出身者同士の試合も同じ展開になって結構ブーイングがありました。自分はSB、キックでキャリアを重ねているので、そこでしっかりSBの距離に戻して戦う自分をコントロールする力があれば良かったなと思います」
――ご自身としては、ああいう展開で終わると消化不良の気持ちになりますか?
「試合内容は満足していませんが、なんか久々にお互いに前に出て退かない空手の試合感覚になり、力を出し切った感はすごくあり、中途半端に終わらせなかったので、そこに関しては良かったなと思いますが、試合内容に関しては反省しています」
――周りの反応はどうだったんですか。
「セコンドは『今回は全部出し切れたね』と試合内容というよりは気持ちの面を評価してくれ、応援してくれる方はみんな優しく『あれだけ組まれたら難しい試合になるよね』と言っていただけたんですけど、シーザー武志会長には『ああいう試合展開でどうするかが大事なんだ』と活を入れてもらいました」
――そういう中で希望されていた国際戦が決まりました。相手のサイヤンは22戦して1敗しかしていない勢いのある選手ですね。
「同じ人種の選手は昨年8月のロクク・ダリ戦以来になります。試合映像を2試合分だけ見たところ、テクニックというより、リーチがあって日本人にないフィジカルやバネ、勢いで押し切り、豪快に試合をする選手だなと。ローキックはスネを上から落とすような鋭いものだったので、しっかり注意していこうと思います」
――試合に向けてタイ合宿に行かれていたそうですね。
「3週間ぐらいVENUM TRAINING CAMPに行きました。ここはタイ人選手がおらず様々な国の選手が集まるONEの選手養成所みたいな場所で、いろんなタイプの選手とスパーをして刺激を受けることができてよかったですね」
――なぜタイで練習をやろうと?
「日本だとまだ練習環境が整っていない状況の中、5月にタイに行ったところ、日本ではできないスパーリングやミット打ちといった充実した練習ができたので、今回もそういう練習環境が欲しくて、タイに行きました。対人練習は基本マススパーなんですけど、外国人選手は急に本気になって大振り攻撃してくる選手がいたので、一切油断できなかったですね」
――タイでの練習で何か収穫はありましたか?
「原点に戻るというか、いろんな選手とスパーをやることで、俺ってやっぱりこうだよねと自分的にしっくりくる動きの再確認をすることができましたね。今回の試合に向けてKOするイメージができたので、残りの期間で自分の動きにはまるように持っていきたいと思います」
――ここで勝って11月24日のビッグマッチ参戦も狙いますか?
「そうですね。自分の中ではずっとそれしか考えてないです」
――そこで実現させたいカードはありますか?
「誰とやりたいというより、ヤバイやつが来たなと思わされるような選手とやりたいですね。そういう選手を用意していただけると、気が引き締まるというか、結構そういうところでムラが出てしまうのもあんまり良くない癖ではあるんですけど(苦笑)。まずは次の試合ですね。今年初のKOをしたいと思うので、ぜひ注目してください!」