2025年10月5日(日)神奈川・横須賀アリーナ『Shimizu presents BOM OUROBOROS 2025』(U-NEXT配信)にて、WBCムエタイ世界ミニマム級(-47.62kg)王座決定戦に臨む同級6位・安部焰(エイワスポーツジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。
現在7戦7勝(3KO)無敗の安部は吉成名高、品川朝陽、奥脇竜哉、吉成士門のエイワ四天王に続く次世代トップファイターの期待がかかる17歳。同級8位イムサイアム・トーテープスクワン(タイ/同級8位)とタイトルを争う。
どういう展開になっても負けない
――まずは格闘技のキャリアから教えてください。
「自分が最初に好きだった選手が武尊選手だったので6歳の時に、エイワスポーツジムとは違うジムでキックを始めました。自分の中ではK-1のアマチュア大会が憧れの舞台だったので、小学1年の時からずっとK-1のアマチュア大会で試合経験を積み、小学4年生の頃にムエタイのアマチュア大会に出たら楽しくなって、そこからムエタイの試合に出るようになりました。中学2年の時に『ミライ☆モンスター』というテレビに出ていた名高先輩のことを知って、自分もこういうふうになりたいと思ってエイワスポーツジムに移籍して、今に至ります」
――格闘技の素質はどうでした?
「最初は全然ないと思ってました(苦笑)。小さい頃は痛めつけられるのがすごく嫌で、練習の時は大人と組むことが多く、強めの攻撃を受けていて、よく泣いていたことから続けるのはちょっと難しいんじゃないかとよく言われてましたね。初めて試合した時は判定で負けちゃって、そこからずっと毎日練習するようになって、そこから少しずつ勝ち星を掴んできました。今でも素質があるとは思わないんですけど、格闘技は好きなことですし、試合で勝つことができればやってきたことが少し自分の中で報われるので、続けてきてよかったと思えます」
――憧れの名高選手と現在、一緒に練習していることになりますが、どういう気持ちなんですか。
「結構、今不思議な感じです(笑)。憧れの人と毎日のように練習させてもらえて、すごく嬉しいですし、いろんな部分を見てすごく勉強になっています。今でも一緒に練習していることが信じられないぐらいですね」
――名高選手から安部選手はどのように評価されていますか?
「聞いたことないので分からないです(苦笑)。自分から『僕のセンスはどうですか?』と聞くのはおこがましいというか……。『センスあるよ』といつか言われてみたいです(苦笑)」
――アマチュア経験はどのくらいやってからプロデビューしたんですか。
「小学1年生から大体80戦ぐらいやって、ベルトはWMC、Bigbangとスック・ワンキントーンの3本を獲りました」
――タイでは試合経験はありますか?
「プロデビューする前に、タイではラジャダムナンスタジアムで開催されているペッティンディー興行にセミプロという形で出させてもらって5戦して3勝2敗でした。初の試合と2戦目で負けて、それ以降はずっと勝っています。その2戦でつまずいたことで、ムエタイのルールをより深く知るようになったことで勝てるようにはなり、今のプロ戦績の7戦全勝にも続いています」
――今回、8戦目でWBC世界のタイトル挑戦が決まった時の心境はどうでした?
「ビックリしました。自分が挑戦していいのかと思うぐらい不思議な感覚でした。名高先輩は僕と同じ17歳の時にラジャダムナンスタジアムのミニフライ級のベルトを獲っていて、僕が欲しいのはラジャダムナンスタジアムのベルトです。今回、WBC世界のベルトを獲ることで、ラジャダムナンスタジアムのベルトに向けてスタート地点に立てると思っています」
――ラジャのベルトが欲しいというのは名高選手が保持していたというのも大きいですか?
「はい、大きいです。竜哉君も持っているので、僕もミニフライ級かライトフライ級のベルトのどちらかを狙いたいと思います」
――タイの軽量級は“神の階級”と言われて層が厚い階級ですけど、ベルトを獲る自信はありますか?
「強い選手たちがいっぱいいるので、その強い選手たちといっぱい試合をさせてもらって、自分も少しずつ成長させてもらっているので、絶対に1~2年以内には獲ってやるという気持ちはあります」
――今回の試合に向けて、名高選手から何かアドバイスはありました?
「いつも通り、ちゃんとセコンドの指示を聞いて、考えて戦えば絶対に勝てるとはアドバイスをいただけたので自信になります」
――今回の相手に関してはどういった情報がありますか。
「自分と同じ年で、身長も同じです。スピードがあって蹴りを使ってくる選手なので、自分は蹴り合いでも負ける気はしないですし、どういう展開になっても負けないような練習はしています」
――ご自身の持ち味は、どういったところだと思いますか。
「エイワスポーツで先輩の皆さんに毎日ボコボコにされながらも頑張れているので、気持ちでは負けない自信があります。いつも練習している先輩方や先生方のサポートがあったり、自分の力だけじゃなく、中川代表はじめいろんな人に支えてもらって成長しているのを実感しています」
――17歳と思えないぐらいしっかりしてますね!?
「いえいえ、全然です…。普段はほとんど喋らず、大人しい性格なんです(苦笑)」
――将来的に大きな目標は何かありますか。
「名高先輩、士門先輩、竜哉先輩、朝陽先輩と先輩方はみんなONEに出ていますが、自分ももっと強い選手と戦って、経験値を上げて、ONEでも通用できるくらい強くなりたいですし、RWSでラジャのベルトを獲って、もっといろんな強い選手と戦ってもっと強くなりたいという目標があります」
――名高選手の存在も超えますか?
「超えてみたいです! 自分と同じ歳の頃の名高先輩のタイでの試合を何度か見てるんですけど、自分はまだまだだなと思います。僕は周りの選手と比べてスピードが遅い方だと思っていて、やっぱり名高選手はスピードは全然あるし、一つ一つの動きに無駄がないので自分とは全然違うなと思います」
――では、会場に来てくれる方にメッセージをお願いします。
「今回初めてWBCというすごい団体の世界タイトルを組んでいただいたので、いろんな人に“安部焰”という存在を少しでもいろんな人に知ってもらえるような面白い試合して火付け役となり、ベルトを獲って士門先輩や竜哉先輩、あと藤原乃愛選手にも繋げたいと思います」