MMA
インタビュー

【RIZIN】勝者サバテロ「次も闘犬のような戦いを自分は強制する」×佐藤将光「『置かれた場所で咲く』ように──」

2025/10/02 20:10
 2025年9月28日(日)愛知・IGアリーナにて『RIZIN.51』(U-NEXT配信)が開催され、第8試合のバンタム級戦では、佐藤将光(坂口道場一族/FightBase都立大)が、元Bellatorタイトルコンテンダーのダニー・サバテロ(米国/アメリカントップチーム)と対戦した。  佐藤は、太田忍、キム・スーチョルに判定勝利し、井上直樹に敗れているバンタム級トップファイター。対するサバテロは、Bellator、PFLを経て、5月のRIZINで太田を3R TKOに下している。  MMAレスリングの猛者でありながら、試合前から「壁打ち」のようにトラッシュトークを仕掛け、前日のフェイスオフでついに佐藤将光からリアクションを引き出したサバテロ。  試合は、初回にサバテロの前進からのローシングルをさばいた佐藤がサッカーキックを当ててグラつかせたものの、クリンチからトップを奪うサバテロに佐藤も二重がらみでディフェンス。  被弾して以降、打撃戦を避けて組みに徹したサバテロに対し、佐藤も決定的な局面は作らせないものの、無尽蔵のスタミナでコントロールされ、判定はスプリットに割れたものの、サバテロが勝利。リングサイドで観戦した王者・井上直樹への挑戦をアピールしている。  善戦も及ばなかった佐藤は、「組みを切って打撃に繋げるところをもっと見せたかったけど、相手のターンにずっとなっていった」と敗因を語り、日本の環境で「ATTに行けば答えがもらえる時代ですけど、『置かれた場所で咲く』ように、考え様というか、工夫次第でどうにでも勝負できるんだぞっていうのを見せたかった」と、FIGHTBASEで作った自身で上回りたかったとした。  一方の勝者は、「効かされた状態から、獣のように戦って反抗した」と初回のピンチを凌いでアウェーで挽回できたこと、ジャブから組みまで佐藤をコントロールしたことに手ごたえを得ながらも「次はフィニッシュしなければならない」と満足せず。試合後の井上直樹への挑発で「しっかり相手の頭のなかに入った」とすでにペースを握っていると語っている。  ハイレベルなバンタム級の一戦後のバックステージでの一問一答全文は以下の通りだ。 [nextpage] 佐藤将光「やってみて、やれねえことはねえなって。世界でも」 ──試合を終えた率直な感想を聞かせてください。 「力及ばず……でした。まあ、自分の作ってきたMMA、世界に通用するところを見せたかったけど、力及ばず。届かなかったです」 ──サバテロ選手と実際に手を合わせた印象を教えてください。 「うーん、まあ想像通りレスリングスクランブルがすごい強い選手で。まあ想定してたところ以上にしつこく来るし、やっぱりリフトしてのスタンドバックでリフトしてブン投げるっていうのが思ったより上手くて、その展開を簡単に作らせすぎた、というところですかね」 ──将光選手は、公開計量でのフェイスオフのときに「本気になった目」がファンの間で話題になっていました。ご自身としてはそういう状況も含めて試合に臨みましたか。それとも試合ではもう平常心でしたか。「もう平常心ですね。試合はもう試合なんで」 ──試合を終えたばかりですが今後の目標・展望を教えてください。 「まあ勝つつもりでいたんで、白紙ですけど。うーん、まあ課題も見えたし、自分がこう、ある程度は通用するのも見えたし。このままやっぱ伸びているのも感じるんで、まだまだやりたいな、という気持ちです」──先ほど、後半の展開をおっしゃっていて「力及ばず」ということでした。前半に相手のテイクダウンを切ってサッカーキックでグラつかせましたが、それ以降は立ち技の展開が、ほとんどなくなってしまい、サバテロがスタンドで打ち合うことをしてくれなくなりました。という状況の時に、佐藤選手としてはどうしていこうと考えていましたか。 「やっぱりバックスクランブル。スタンドでのバックスクランブルで、スタンドに戻す。で、倒されてもすぐ立つとか、グラウンドのバックスクランブルの中でちょっとトップ取る練習とかもしてたんですけど……うーん。立つのは何回かできてるんですけど。まあ、思ったよりやっぱしつこくて。相手にやりきられたなっていうところでしたかね」 ──低いテイクダウンからバックには回られなくてもクラッチを組まれてしまうと、なかなか……? 「あれはまあ想定している範囲だったんですけど、あそこからやっぱ返すところまでとか、そこから切って打撃に繋げる、みたいなところをもっと見せたかったんですけど。どっちかって言ったら、相手のターンにずっとなっていた、という感じになっちゃったですね」──RIZINの判定基準において、ジェネラルシップと、アグレッシブネスが相手についたとして、ダメージの点では取ったという思いもあったでしょうか。 「まあでもダメージあれじゃつかないと思うんでね。本当にもうニアフィニッシュのところまで行かないとダメージつかないんで。まあ、ダメージは僕自体はないですけど、やっぱアグレッシブで取られているんだろうなっていうのはすごく感じていました」 ──スプリット判定になった時、自分に最後の一票が入るとは思っていましたか。 「いや、どうだろうなあって。1Rのダメージどこまで評価してくれてるか。ダメージがつかないにしても、まあアグレッシブにくだる、ダメージが付かなくても、アグレッシブの方に評価を回すみたいなことを言われていたので、そこに回ってきてたら、まあなくはないけど。まあダメージは僕もそんなにもらってないけど、コントロールタイムというかね、主導権は相手が握っていたかなというのはありますよね」 ──試合中は、常に冷静に今はどうか? と考えながら戦っていましたか?「ああ、そうですね。やっぱりインターバル中に考えてましたね。2Rが終わった時にこのままいくとちょっと取られるかな、もうちょっと決定的な場面、ダメージを与えるか、僕がちゃんとしたポジション、バックなりトップポジションから削る動きみたいなのを見せないと、2Rの流れで3R行ったら取られるかなというのは思ってましたね」 ──Bellatorのタイトルコンテンダーに対して、自分の技術が通じたという手応えはありますか。「そうですね。まあ通用、やれないことはねえなって。なんかやっぱ試合前とか、どんなもんだろうなって、全く何もできなくて終わるんじゃないかなっていう不安はやっぱあったんで。まあ、やってみて、やれねえことはねえなって。世界でも。通用しないことはないなっていうのはちょっと見えたんで。ちょっと力及ばずでしたけど、まだできるなってのは自分の中で感じられたかな」 ──試合後リング上で会話されていらっしゃいましたけど。英語で何か。 「そうね。なんか『プロモーションでやってた、リスペクト・ユー』って言ってて。まあ悪いやつじゃないのはもう最初から分かってたけど、営業防衛になりますかね、これ、ハハハ(笑)」 ──佐藤選手は、戦うことで感じるものはありましたか。 「まあ、最初からわかってますよ(笑)」 ──最近はファイターの練習環境、所属ジムやコーチのことが話題に上がることが多くなっています。そういうなかで、相手は世界でも有数のメガジムであるATTの選手で、佐藤選手は、こだわりのある畳のジムで練習されています。そういうジムの規模感に対して、自分のやってきたもので最先端のジムに勝ってやろうという思いは? 「それはめちゃあったっすね。やっぱりこの小さな国の、小さなジムで、考えて。練習相手もATTに比べたらそんないろんな選手いるわけじゃないし、コーチングも自分たちで考えてやっていくっていうところで、それでも世界とやり合えるんだぞっていうのはやっぱり証明したかったし、試合を通して。で、そうね……ATTとか、今なんか調べれば答えが出てくる時代だったり。ATT行けば答えがもらえる時代ですけど、何て言うか『置かれた場所で咲く』じゃないですけど。考え様というか、工夫次第でどうにでも勝負できるんだぞっていうのを、まあ見せたかったというのはありましたね」(※マザー・テレサから着想を得た、修道者の渡辺和子氏の言葉)──結果はこうなりましたが、そこの部分をある程度見せられたという手応えは?「まあでも結果がすべてなんでね。そこをやっぱり見せたかったですよね」 ──2、3R続く中で、サバテロのスタミナとあのテイクダウンは続くと考えていましたか、どこかでチャンスが来ると思っていましたか? 「そう、やっぱりクローズドガードに入っちゃったら、ヘバることないと思うんで。やっぱり2Rの時にあのままクローズドで終わるのはダメだ、と思って。3Rはもう動きをちょっとリスクを負ってでも作らないといけないという風には思っていて。で、その中でやっぱり倒されて・立つを繰り返しているなかで自分のターンを引き寄せられるんじゃないかなというふうには思って戦ってましたね。やっぱ多少は落ちるんで、彼も。ほかの映像を見ていると。なのでそこにちょっと勝機を見出そうとしていた部分は、あります」 [nextpage] ダニー・サバテロ「佐藤が自分の撒いた餌に食いついてきたのはすごく嬉しい。井上の頭の中にももう俺が入っている」 ──試合を戦った後の率直な感想をお聞かせください。 「まずは、(日本語で)『ごめん名古屋』。すまない、非常に良くないパフォーマンスだと思いますし、自分としてもだらだらとした非常にブサイクなパフォーマンスだと思います。非常に僅差の判定になったんですけれども、自分としては間違いをたくさん犯してしまいました。このスポーツでは、2つのミスを犯すと自分の勝敗に関わってくると思いますので、そういったミスは許されないなと思っています。  ただ、良いところを見ますと、たくさんのリングの経験を得ることができたという風に思いますし、自分はやはり効かされてピンチの部分からもしっかりと逆転できる、自分がそういった心の強さを持っているという部分を認識できたというのは、すごく良かったと思います。この試合は非常にハイレベルで技術も高くて本当にたくさんの技術があのリングの中で見られたと思うんですけれども、本当に、一番最初に効かされて逆転をできたということが、しかもこの逆境を、家から24時間離れている、そして自分も効かされた状態、佐藤将光のホームの国、相手の敵地でああいった、本当に逆境、効かされた状態から、自分はまさにこう、獣のように戦って反抗して、あの不利な状況から勝ちを拾った、勝ちを得たという部分に関しては、非常に自分のことを褒めたいと思います。  もちろんファイターとしてはみんなフィニッシュを狙っていきたいと思うんですけれども、ただもう顔面をPKみたいに蹴られて、そこから勝って逆転をするっていう部分は自分で評価したいなと思いますので、自分はとてもタフなマザーファッカーだと思っています」 ──対戦した佐藤将光選手と実際に戦った印象を教えてください。 「彼は非常に経験豊富なベテランだと思います。すごくトリッキーな技とか、いろんな引き出しを持っていて、それはもう事前にわかっていたことなんですけど、まあ実際に戦ってみて非常にハイレベルで非常にタフな選手だと思います。そしてあのたくさん試合の経験があるので、試合をしている総合的な時間がたくさんあるので、そういった選手っていうのは非常に賢くなる、こう老獪なテクニックですごい頭を使った戦い方になってくるので、まあそこがまさに出たんじゃないかと思います。  その中でも彼は一発でKOできる一撃必殺のヒザだったりとか、いろんな大技を用意していて、それが当たらなければ自分のテイクダウンが入るという部分で、非常に大きなリスクを伴う技を出してきたという部分に関してもそこは評価したいなと思いますし、やっぱり彼はいろんな団体のチャンピオンでもありますし、今のRIZINチャンピオンの井上(直樹)ともやっています。あのピッチ野郎と試合をして非常にいい戦いをしているのも、わかっていますので、自分としては今、現状、RIZINで2回戦って素晴らしいパフォーマンスが1回、そして微妙なパフォーマンスが1回、でもいずれにしろ勝っているという事実は変わらないんで。  そして自分は適地に乗り込んできて、自分の家から離れている、みんな俺のことを負けろと思っている中で、ああいうふうに効かされ、逆境から帰って勝つ、そういった本当に自分がやっぱりタフなマザーファッカーだっていう部分を誰も否定はできないと思いますんで、そういった部分では、自分がよく頑張ったんじゃないかなというふうには思います。自分が井上選手に勝ってチャンピオンになってからは、佐藤選手とぜひリマッチをしたい。彼をフィニッシュしなきゃいけない。本来だったら今回フィニッシュしなければいけない相手だと思っているので、ぜひリマッチして、本当にフィニッシュをしたいなという風には思っています。  今はもうリスペクトっていう部分は当然あるんですけど、自分はトラッシュトークするときは本気です。試合前にトラッシュトークしてる時は全然キャラクターでなくて、これは心の底から言ってます。こいつのことが大嫌いだと思ったら本当に嫌いです。なぜならば、自分は試合をするため、目標がある、試合が決まった時はすべてを犠牲にしてすべての時間を勝つために自分は費やしてきます。それを邪魔するものは本当に心から嫌いです。で、今試合が終わって言うと、彼はすごくナイスガイだと思います」 ──次はリング上でも指名したチャンピオンの井上直樹選手が、次の『嫌いな相手』になってしまうんですかね? 「そうですね、ナオキ・イノウエが間違いなく次の標的になると思います。願わくば大晦日のさいたまスーパーアリーナになる。俺がベルトを取るっていう部分が次の目標になると思いますので、本当にもう何年も前からこのRIZINのベルトが欲しかったので、その日がようやく来るという風に思います。そしてこのベルトを取る取り方としては必ずフィニッシュでやらなければいけない。自分は日本のファンにフィニッシュを届ける義務がある。それは今夜できなかった。けれども、大晦日、必ずフィニッシュをして、ドデカい花火を上げて、自分の人生の中で最高のパフォーマンスをしなければいけない。  当然、自分は直近の対戦相手を甘く見てその先を考えるようなことはしない。けれども、太田(忍)選手、佐藤選手とやってきた中で、その後ろでベルトを持っている井上っていうのは、ずっと自分の頭の中にはいて、ずっとヤツのことを考えてきたっていうのはあります。なので、大晦日。みんなに来てもらえなければいけない。自分のことを応援する、それでも自分のことを嫌いな人間も全員来てもらって、これを素晴らしい大会にしたいです。自分が長年夢見たこのベルトを手にするその日を、自分のことが好きな人でも、嫌いな人でも、みんな見に来る必要があると思ってる」 ──1Rにサッカーキックを受けてから、一気にスタンディングでのストライキングの時間が減ったと思います。インターバルでのコーナーマンのアドバイスも含めて、プランを変更することに躊躇はなかったですか? 「そうですね。MMAの中では打撃は当たるものなので彼は非常に美しいサッカーボールキックを自分に当てました。むしろ日本代表のサッカーチームに入った方がいいと思うくらいでしたから、それを推薦しておきます。ただ自分の作戦としては何も変わってないです。やはり自分の一番の強みっていうのはコンディショニング、体力だとわかっていますんで、今日それを証明できたと思います。で、自分がやっぱりこう野犬のように、闘犬のように戦い続けるっていう部分も、見せられたんじゃないかなという風に思いますし、自分のそのコンディショニングを使って対戦相手の心を折ったという風に自分は思っています。もしかしたら、そのサッカーボールキックで、彼は自分の足を持ったんですけれども自分はコンディショニングで彼の心を折りました。  どんどん彼の体が衰弱していて、気持ちも弱っていくのは感じました。自分を止めるためには、まず殺す必要があると思います。サッカーボールキックを当てました、どうぞ。振りかぶって打撃を当てました、どうぞ。10発サッカーボールキックも当ててもいいです。それでファンが喜ぶであれば、ぜひ自分の顔面を蹴っ飛ばしてください。ただ、自分は止まりません。なのでそういった心の強さ、そしてドッグファイトですね。闘犬のような戦いを自分は(相手に)強制をします。なので作戦は1回も変わりません。自分は大きい打撃をもらったけれども、自分は彼の顔にジャブを何発も当ててると思いますので。MMAのいいところは14分50秒勝ってても残りの10秒でひっくり返る可能性がある素晴らしい競技だと思ってますので今回はそういう内容でした」 ──テイクダウンした後の処理について、下半身を固めたりバックに取るより、佐藤選手の上半身を固めることを主にしているように見えました。これはやっぱリングとケージの違いだったり、佐藤選手相手に対策していたプランだったのでしょうか。 「両方の要素はあると思います。佐藤選手のためでもあり、リングというのもあると思いますけれど、事前に彼の映像を見たときに、肩固めにオープニングがあると見てたので、まあ、そこは必ず来るだろうなと思っていました。あとは、自分はサッカーボールキックだったり、グラウンドのヒザを狙っていたので、少しずつ自分の上半身を上に上げていって良かったという部分はありました。ただ佐藤選手は非常にそこら辺がうまくて、ノリみたいにくっついてきて、自分をそういう風にさせてくれなかったという部分がありますんで、自分が大きな打撃を当てることをうまく阻まれた、という感じがします。腕も絡まれて、ヒジが本当に全然出なかったんで、やっぱりベテランらしい、すごく老獪なテクニックがあるんだなとは感じました。で、結局はそういった老獪なテクニックを持っている選手、自分がフィニッシュされないための技を持っている選手たちをフィニッシュするのは本当に難しいと思うので、自分としてはそれでもいい経験になったと思います。  だから自分がベルトを取った時も、彼ともう1回リマッチをして、彼をフィニッシュしたいなと思ってますんで。自分は彼をフィニッシュするべきだと思っていますし、できると思っています。で、たまに1Rで大きな打撃が入ってしまうと、いろんな作戦、考えているものが全てできなくなっちゃう部分があるので、今回はそういった試合になりました。この試合のためにいろんな作戦や武器を用意してきましたが、あの1Rで効かされたことによって全てそれはできなくなり、そして本当にガムシャラに、グダグダの、ドロドロの試合をする必要がありました。もちろんお客さんはみんな一発KOであったり、派手なKOを見たり、それが素晴らしいと思うことはあると思いますが、このように効かされて逆境に陥った選手がドロドロの展開に持ち込んでそこから逆転で勝つっていう展開も非常に面白いんじゃないかなというふうに思います」 [nextpage] 金のためにロゴをつけてファンに嘘の宣伝するなんて俺にはできない ──前回の試合も今回の試合も、ファイトショーツにスポンサーのロゴがありませんでした。こだわりなのでしょうか。次期コンテンダーとして、日本企業のスポンサーを募集することは考えていますか? 「理由は2つあります。ひとつは、本当にたくさんの選手たちは自分たちが使いもしない商品、金のためだけにロゴを載っけて、偽物の商品をさも自分が使っているように宣伝する偽物の野郎が本当に多い。自分もたくさんのスポンサーとか、たくさんの商品の企業からスポンサーの話をもらうけれども、そいつらみんなもう嘘っぱちだ。ただ、金のためにやつらのロゴをつけて、自分のファンに嘘の商品を宣伝するなんて俺にはできない。ただ金のためにスポンサーをつけるってことは、自分はしない。本物のものしか付けたくない。  そしてあと、みんな自分がキャラでこういう風にトラッシュトークをしていると言うけれども、当然自分は自分でキャラを作っているつもりもないし、ただこのスタイルが原因でスポンサーがつかないっていう理由もあります。で、自分はスポンサーをつけるためにキャラを変えるつもりもないし、自分は自分らしくいたい。お金のために自分を変えるつもりは一切ないし、そこまで下がる必要もない。自分がこういう風にたくさんの禁止用語を使うことによってスポンサーにつかないんだったら、お前らクソ喰らえだ。それが理由で金が払えないんだったらクソでも食ってろ。クソの役にも立たないような金はまったく必要ないので、こっちから願い下げだ、という風に思ってます。金は興味ないです。金があったところで自分は変わらないし、当然日本の企業の方で自分にスポンサーをしてくれたい、という人がいるのであれば、そこは当然大歓迎はしますけれども、自分は変わるつもりもないし、このスタイルを変えるつもりもない。自分には決して嘘を吐きたくないです」 ──レスリングを使って試合するスタイルはたくさんの批判を浴びるスタイルでもありますが、サバテロ選手から、レスリングを使っても面白い試合ができるような秘訣はないでしょうか。 「レスリングといっても、MMAレスリングと純粋なレスリングには大きな差があって、それは全く違うものだと思います。自分としては世界で一番MMAレスリングができるファイターだと思っています。誰にもMMAにおいて自分のMMAレスリング力にかなう人間はいないと思います。そういった意味で過去の試合を見ても、自分がレスリングの試合は必ず圧倒します。圧倒する理由は、相手がやられたことのないポジション、やられたことのない固め方を自分はするので、全く動けないので、結果“つまらない”となってしまうかもしれませんが、そこには技術があるので、そういった部分はあるのかなと思います。  そして、この試合に関しても自分は、打撃数は数えてないので分かりませんけれども、佐藤選手から、最初に大きな打撃を2発効かされました。確かに効かされました。ただ総合的な手数、テイクダウン、そしてコントロールでは全部自分が上回っているはずだと思います。2発大きいのを当てられたけれども、自分はそこで踏ん張って、そのまま戦い抜いた。打撃においても、ジャブは多分全部当たってるんじゃないかと。ヤツの大きな顔に、出したジャブは全部当たっていると思いますので、次の試合、井上に関してもそうなると思います。自分は打撃もできるし、レスリングもできる。井上と打撃になっても、自分はそこで勝ちますし、グラウンドに行ってもそこで勝つつもりがあります。そうなると井上は逃げ場がないので、結果として圧倒的に自分が勝つことになると思います」 ──サバテロ選手は日本語で煽ったり、SNSを使って煽りをやってるんですけど、フェイスオフで佐藤選手が英語で言い返してきた部分に関してはどう思いましたか。そして次の井上選手とやる時にどういったものを期待していますか? 「佐藤が英語で返してきたことは素晴らしいなと思います。通常、自分はトラッシュトークをただの壁とやっている、一人で喋っている気分でいます。今回食いついてきたことに関してはすごく良かったなと思います。で、いつも言うのは、ダニー・サバテロと戦う時は、違う経験をすることになる。(相手が)自分を変えざるを得ない。太田選手も自分と戦った時はちょっと自分じゃないなかったと思うし、今回も佐藤選手は普段は絶対に言い返さないような人でしょうけど、今回は言い返した。俺が人生に入ってきたら相手は変わらざるを得ない。当然、彼が英語で言い返してきたことに少し驚きはしたんですけれど、自分が奴の頭の中に入ったっていうのを確信できたことはすごく良いことだと思います。俺とエンゲージする、俺との時間を過ごせば過ごすほど、その人は自分じゃなくなっていく。俺はどんどん相手の頭の中に介入するから、どんどんそうなればいい。  今日、チャンピオンの井上も一緒で、自分が試合後にリングから去る時、ヤツの目にもう恐怖を感じた。自分とは試合したくないっていうような。もう怯えた目が見えたので、すごい自信を持っています。井上の頭の中にもう俺が入っているのだと思います。とりあえず佐藤選手が自分の撒いた餌に食いついてきたのはすごく嬉しい。そして日本語を話すことに関しては太田戦の後に自分は『日本が大好きだ』って言ったつもりが、実は『日本大嫌いだ』と言っちゃったらしくて、そういった間違いは二度と犯したくないので、ちゃんと喋れるようになるまでは日本語の使用は控えたいと思ってます」 ──これでサバテロ選手のインタビューは終了です。 「ありがとう、サンキュー」
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