ムエタイ
レポート

【ONE FF】石井寿来が4連勝3連続KOで3度目のボーナス&FIGHT OF THE NIGHT獲得!初参戦の元K-1王者・黒田斗真は判定負け、ナビル・アナンのキックボクシングデビュー戦はダウン奪うも無効試合に、今回も大接戦でポンペットがヨードレックペットにリベンジ、リウ・メンヤンが大熱戦でシャドウを降す、カセムがムアンタイをTKO撃破、スーブラックがセクサンを翻弄、サムエーが逆転勝利

2025/09/26 22:09
ONE Friday Fights 1262025年9月26日(金)タイ・ルンピニースタジアム※U-NEXTにてLIVE配信中 ▼第2試合 ONEアトム級キックボクシング 3分3R〇アダム・ソー・デチャパン(マレーシア/タイ)判定3-0×黒田斗真(フリー)  ONE初参戦の黒田は小学3年生で少林寺拳法を学び、その後キックボクシングを始める。しかし次第にドロップアウトし、格闘技から離れていた時期もあったが、兄・勇斗からの『お前と一緒に格闘技をやりたい』という手紙をきっかけに再び格闘技の道へ。2021年5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では必殺の左ストレートを武器に圧倒的な強さで優勝を果たした。  2022年6月の『THE MATCH 2022』ではRISEの風音に延長戦の末に判定負けしたが、12月の「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」で優勝し、初代王座に就いた。2023年6月には現在ONEで活躍中のラマダン・オンダッシュに判定勝ち。12月に石井一成の挑戦を判定3-0で退け、初防衛に成功。その後は試合から離れていたが、2025年5月の『SPACE ONE×BOM』にて復帰、シワラット・ウォー リンティダを1Rわずか55秒でKOした。戦績は14勝(5KO)3敗1分。  アダムは身長170cmの17歳で、2025年5月の『ONE Friday Fights 107』でONE初参戦、フランスのナヒヤン・モハメッドに判定勝ち。2カ月後のダイレクトリマッチではTKO負け。この2試合はムエタイルールで、キックボクシングルールは今回が初となる。アリーフの弟。  1R、アダムは右ミドルからのワンツー、黒田はサウスポーからワンツーを伸ばしていく。そのワンツーに右ストレートを返すアダム。右ミドル、右インローで誘うアダムは黒田がパンチを出してくるとパンチを返す。  黒田は左インロー、その左インローを蹴ったところでアダムの右ストレートをもらう。飛び蹴りを繰り出すアダム。右ミドルから右ストレートのアダムは蹴りで誘い、黒田の左ストレートに左フックを合わせる。  2R、左インローを蹴って前へ出る黒田を右ミドルで迎え撃つアダム。黒田のワンツーをバックステップでかわしていくリーチの長いアダム。右ミドルからの右ストレートに黒田は左ボディを返す。左フックをビッグヒットさせ、アダムを大きく崩した。  アダムの右ミドルに左インローを返すようになった黒田だが、前へ出るところにジャブをもらう。しっかり蹴り返す黒田にジャブを当て、黒田をのけ反らせるアダム。強烈な右ミドルハイを蹴るアダムはジャブを多用する。  3R、黒田が左ストレートを当てて前へ出ると、アダムも右ストレートと右ミドル。アダムの右ミドルには左フックを返す。黒田も左ミドルを蹴り、左の三日月も。ジャブから左ミドルを蹴る黒田。しかし、アダムに右ミドルを蹴られる。  黒田の左ストレートを警戒していることが分かるアダムは右ミドルハイと右ミドル。黒田も左インロー、左ミドルを返す。右ミドルを蹴られると左インローを必ず返す黒田だが、アダムのバックステップでパンチが当たらない。  判定は3-0でアダムの勝利となった。 [nextpage] ▼第1試合 54.4kg契約 ムエタイ 3分3R×エンゾ・クラリス(フランス)TKO 3R 1分27秒 ※レフェリーストップ〇石井寿来(ウォーワンチャイプロモーション)  ジュライ・ウォーワンチャイこと石井寿来は石井一成の甥で、一成と同じくジュニア時代からタイ遠征を重ねて2019年3月にルンピニースタジアムでプロデビュー。その後も日本とタイを行き来しながら戦績を重ね、WMC日本フライ級王座、スックワンキントーンフライ級王座、BOMスーパーフライ級王座の三冠を獲得。2023年7月、BOMで吉成名高と好勝負を繰り広げたソンチャイノーイに敗れるまで国内無敗の戦績だった。  2025年5月、KPKB(九州プロキックボクシング)で初めてのキックボクシングルールに挑戦し、ジョン・ヒョヌに1RでTKO勝ちしてKPKBインターナショナルバンタム級王座を奪取。2024年4月には『ONE Friday Fights』に初出場し、ベテランの片島聡志との日本人対決で勝利した。2025年6月の2度目の参戦ではモロッコのユネス・ムーニンをヒザ蹴りで2RにKO、8月の3度目の参戦でもハー・リン・オムをハイキックでKOして3連勝。戦績は20勝8敗。 クラリスは21歳、174cmのフランス人選手。2025年2月に『ONE Friday Fights 96』で初参戦、マキシム・コンベッツに判定負けしたが、3月に当時無敗だった柿﨑瑠に判定2-1で初黒星を付けた。6月にはパデッスクにKO勝ちと連勝中。  1R、サウスポーの石井は左インローを蹴りつつワンツーを見せる。グラリスは左へ回り込みながらの右ロー。石井は左の三日月を蹴り、首相撲に持ち込むとヒザ。石井の三日月にグラリスはワンツーを返す。前に出る石井が左ボディ、左三日月、さらに左ボディ。石井が左ローを蹴ってラウンド終了。  2R、石井はクラリスの蹴り足をキャッチしての左ストレートを繰り出すが、クラリスも蹴り足をキャッチして石井を思い切りコカす。石井がワンツーで前へ出ると、ワンツーと右ボディ、さらに左ローを奥足へ。飛び込んでのヒザも蹴る。  石井は左三日月を蹴るとワンツー、飛び込んでのヒザ、左ボディも打つ。打ち合いに来るクラリスだが、石井は左ハイ。石井の矢のような左ストレートでクラリスはダウン。さらにワンツーの連打、左ミドルで前へ出る石井が攻勢のままラウンドを終える。  3R、クラリスは足払いで石井をコカす。前へ出るクラリスに石井はジャブ、左ストレート。クラリスは左へ回りながら左ローを蹴るが、石井はジャブからの左ストレート、左ローを当てに行く。飛びヒザ蹴りから左ストレートを見舞うと、クラリスは座り込むように腰を落とし、さらに左ストレートで追撃。ここでレフェリーがストップした。  これで石井はONE FFで4連勝(3連続KO)。「相手のパンチが強いのは知っていたのでそれを警戒しながら組み立てて、1Rの最後にパンチが当たり始めたのでこれは当たるぞと思ってパンチで行きました」と勝利者インタビューに答えた石井には、これも3連続となる35万バーツのボーナスが贈られた。 「もっともっと強くなってONEのトップ選手と張り合えるような強い選手になるので、怪我もないので次の試合よろしくお願いします」とアピールした。この試合が豪華興行となった今大会のFIGHT OF THE NIGHTに輝いた。 [nextpage] ▼メインイベント(第12試合)ONEバンタム級キックボクシング 3分3R―イリアス・エナッシ(オランダ/モロッコ/キックボクシング同級2位)3R 無効試合―ナビル・アナン(アルジェリア/タイ/同級ムエタイ世界王者)  ついに、ONEバンタム級(-65.8kg)ムエタイ世界王者のナビル・アナンがキックボクシングルールに挑む。元ONEフライ級キックボクシング世界王者で現バンタム級キックボクシング2位イリアス・エナッシとバンタム級キックボクシング3分3Rで対戦する。  アナンはテコンドー、空手(いずれも黒帯)を経てムエタイを始め、パタヤの地方スタジアムで経験を積んで2017年からルンピニーとラジャダムナンのメジャースタジアムに進出。2022年5月にはWBCムエタイ世界フェザー級王座に就いた。RWS出場を経て、2023年6月にONE初出場にしてスーパーレックと対戦したが初回KOで敗れている。  しかし、9月にはナックロップを右クロスでKO、12月には元ルンピニースタジアム認定ライトフライ級王者の“エルボーゾンビ”ことムアンタイを判定で破り、2024年7月にはクラップダムをヒザ蹴りでKOしてみせるなど5連勝を飾り、2025年1月にはニコ・カリロに初回TKO勝ちで暫定バンタム級ムエタイ世界王座を獲得。  3月の日本大会で正規王者のスーパーレックと王座統一戦を行うはずだったが、スーパーレックが体重超過で王座はく奪、ノンタイトル戦でアナンがリベンジを果たした(その後、アナンが正規王者に昇格)。ONEバンタム級で195㎝という規格外の長身で、戦績は38勝5敗1分。21歳。  エナッシは11歳でキックボクシングを始め、ジュニアからプロへ。2014年11月に18歳で来日し、森井洋介と対戦するも1RでKO負け。2016年5月にEnfusion -60kg世界王者となり、同年11月の再来日では町田光から2度のダウンを奪って勝利し、BLADE 61kg世界王者となっている。2018年にはWFL -63kgトーナメント優勝。  2019年8月にONEへ初参戦を果たすと、ペッダム・ペッティンディーアカデミーを3RでKOし、ONEキックボクシング世界フライ級王者となった。2021年2月にはスーパーレックの挑戦を退けて3度目の防衛に成功したが、2023年1月に体重超過で王座ははく奪。2023年2月、約2年ぶりの試合でバンタム級に階級を上げてアリアスガーにKO勝ち。  2024年9月には秋元皓貴に判定勝ちでONEでの戦績を5戦全勝とした。しかし2025年2月、再び体重超過で体調不良となり、ペッタノン戦が中止となっていた。29歳。  1R、右ローの蹴り合い。アナンは飛び込んでの右ストレートを繰り出し、エナッシはアッパーを繰り出す。アナンのワンツーの右ストレートがガードを突き破ってヒットし、エナッシが仰向けに倒れてダウン。エナッシの右カーフに右ストレートを合わせるアナン。  エナッシは距離を詰めて左右ボディを連打する。エナッシは素早い踏み込みで左フックから左ロー、右カーフも蹴る。アナンはテンカオを突き上げる。ジャブを突くアナンの懐にエナッシが入り込むとヒザが突き上がる。さらに顔面前蹴り。  2R、アナンは素早いフットワークから左ミドルを連打、エナッシは右カーフを蹴る。右ローの蹴り合い、アナンは右ミドルとジャブ。ジャンプしての右ミドルをヒットさせるアナンは続けて右ハイ、左ミドル。  アナンは2回転してのフェイントからの右ミドルで場内を沸かせる。エナッシに右ストレートを当て、軽快でスピーディーなフットワークでエナッシの攻撃をかわす。  3R、アナンがジャブから強烈な右ミドルを蹴るが、スネブロックしようとして左足を上げたエナッシの股間を直撃。悶絶して倒れるエナッシ。3分間のインターバルが与えられたが、エナッシは回復せず試合終了。無効試合となった。 [nextpage] ▼第11試合 ONEフェザー級キックボクシング 3分3R×シャドウ・シンハ・マウイン(タイ)判定0-3〇リウ・メンヤン(中国)  1R、序盤からメンヤンがワンツー、左右フックで前へ出ていきシャドウにロープを背負わせる。シャドウはヒザ、左ミドル、左ボディ。メンヤンはパンチを打ち続け、シャドウは左右ミドル交えて左ボディを打つ。メンヤンは右カーフ、シャドウはヒザから左右フックと近距離でも戦う。  右カーフの蹴り合いからシャドウが左アッパー、右フック。近距離でのパンチの打ち合いが続くが、シャドウはヒザも交える。右ミドルの連打からシャドウが右フック、左右フックを打ち続けるメンヤンは右アッパーも突き上げた。1Rは近距離での打ち合いに終始。  2R、メンヤンの右カーフに下がるシャドウだが、左フックからのヒザ。シャドウは近距離で飛びヒザ。シャドウの左フック、右アッパーもヒット。前に出るメンヤンに右ハイもさく裂。それでも距離を詰めて右カーフからパンチのコンビネーションで攻めるメンヤンだが、シャドウのヒザ、右ストレート、右アッパーが強烈に決まる。  が、シャドウが右アッパーを空振りした直後にメンヤンの左右フックでシャドウがダウン。立ち上がったシャドウはメンヤンの接近戦のパンチにヒザで応戦。近距離でのパンチの打ち合いは互いに当て合う。  3Rも近距離での打ち合いが続く。シャドウはヒザも連打。メンヤンは右カーフ。メンヤンの右フックをもらうシャドウだがすかさず右ハイ。メンヤンの左右フックにヒザと右ミドルで応戦するシャドウへ、メンヤンは右カーフも蹴る。メンヤンのパンチが止まらない。シャドウのヒザに大歓声が起きるが、メンヤンも左右フックを当てる。  大熱戦を制したのはダウンを奪ったメンヤン。シャドウを判定3-0で降した。 [nextpage] ▼第10試合 63.5kg契約 ムエタイ 3分3R×ムアンタイ・PK・センチャイ(タイ/P.K. Saenchai Muay Thai Gym)TKO 3R 2分27秒 ※レフェリーストップ〇アンタル・カセム(フランス/ベラルーシ)  1R、長い脚で右ローと右ミドルを蹴るカセムはムアンタイが近付いてくると前蹴り。サウスポーのムアンタイは左インローを蹴っていくが、カセムの右の蹴りでなかなか近付けない。ムアンタイは左ストレートで入り込むとさっそく左ヒジを繰り出すが、カセムが連打で突き放す。  カセムのジャブに左ハイを放つムアンタイは前へ出るが、カセムはサイドにかわして右ストレートを打つ。それでも前へ出て左右フックを打つムアンタイ。カセムは右ストレートで応戦。  2R、右インローで崩してワンツーの連打を放つカセムは、ムアンタイが前へ出てくると右アッパー。ジャブ、前蹴りで距離を取り、右ローを蹴るカセム。ムアンタイが入ってくると下がって回り込む。どんどん詰めるムアンタイは左ヒジ。カセムの右ストレートにムアンタイが左ヒジを打つと、カセムは大きく下がる。  どんどん前に出るムアンタイは組んでコカす。打ち合いに行くムアンタイにカセムは右アッパー、左右ストレート。それでもムアンタイは距離を詰めて打ち合いに行き、左ハイも蹴る。ムアンタイの接近戦に右アッパーで応戦するカセムにムアンタイは左ヒジ、組んでのヒザ。ムアンタイの猛攻に大歓声が沸き起こった。  3Rもどんどん前に出て、ボールを投げるような左ストレートをヒットさせるムアンタイ。しかし、ヒジを打ったところでカセムの右フックをもらってダウン。さらにムアンタイのフックやヒジを空振りさせて右ストレートを打ち込むカセム。ジャブ、左フックのカセムにムアンタイは左右ヒジ、しかしカセムのパンチを被弾する。  ムアンタイの左ストレートへ右のカウンターを叩き込みダウンを追加するカセム。再び前進するムアンタイだがカセムのジャブ、右ストレートでロープに詰まり、最後は左ヒジを空振りしたところに右フックをもらい3度目のダウン。  カセムがKOで激闘を制して5連勝に。35万バーツのボーナスもゲットしたカセムは「今回の試合は今までの中でも大きなチャレンジでした。今日は自分の強さを証明できたのでスッキリしました」と勝利者インタビューに答えた。 [nextpage] ▼第9試合 63.5kg契約 ムエタイ 3分3R×セクサン・オー・クワンムアン(タイ/Or. Kwanmuang)判定0-3〇スーブラック・トー・プラン49(タイ/Tor Pran49)  1R、静かな立ち上がりからサウスポーのスーブラックが後ろ廻し蹴りを繰り出すと、セクサンも負けじとバックスピンエルボーを放つ。セクサンの右フックをかわしたスーブラックは左ストレート。スーブラックの左縦ヒジ、左ストレートを被弾するセクサンだが、前へ出て右ボディストレートを打つ。右手を前に出して距離を測るスーブラックは左ヒジ、組むとセクサンを裏投げのように投げる。そしてラウンド終了間際、左フックでダウンを奪った。  2R、右ミドルを蹴りながら前へ出るセクサンだが、スーブラックは左インローで崩して右ヒジ。セクサンの右ヒジはかわされる。首相撲に持ち込んでヒザを蹴るセクサンを、軽々とコカすスーブラック。セクサンの右ストレートをかわして自分の攻撃を入れるスーブラック。  左ヒジにはセクサンが右ヒジを返す。スーブラックの左右フックでバランスを崩したセクサンに、スーブラックは左ハイ。スーブラックの多彩な技に翻弄されるセクサンは、蹴り足をキャッチされて崩される。セクサンの左右フックをボディワークで鮮やかにかわすスーブラック。  3Rも前に出るセクサンへスーブラックが左右の連打。ジャブを打つスーブラックはセクサンの蹴り足をキャッチするとそのまま回転してのバックスピンエルボー。セクサンのバックスピンエルボーはかわされる。セクサンの前足を払って崩すスーブラックだが、セクサンが崩された体勢から右ストレートをヒットさせる。  しかし、すぐにスーブラックが伸びるジャブで距離を取り、左ストレートをヒット。ジャブを打ちながら回り込むスーブラックは左ストレートにつなぐ。セクサンは右ミドルを蹴るもジャブを被弾しまくり、組むとコカされる。  試合終了のゴングが鳴ると、スーブラックは跪いて敬意を表し、セクサンの手を上げる。判定は3-0でスーブラックの完勝となった。 [nextpage] ▼第7試合 ONEフライ級ムエタイ 3分3R×ヨードレックペット・オー・アトチャリア(タイ)判定1-2〇ポンペット・パントンジム(タイ)  当初は第7試合で行われる予定だったが、進行状況の都合により、メインイベントの後に行われた。 “ザ・デストロイヤー”ことヨードレックペットはラジャダムナンスタジアムでライト級(2015年と2017年)とスーパーライト級(2021年)の2階級制覇、ルンピニースタジアムでも2017年にライト級王者となり、2大スタジアム王座を同時に保持した。2015年12月にラジャで梅野源治と対戦してTKO勝ちしたが、2016年10月の日本での再戦では判定で敗れラジャ王座を奪われた。2018年4月のKNOCK OUTでは初代王者・森井洋介にTKO勝ちしてKNOCK OUTライト級王座を奪取。同年にはタイのスポーツ界で権威のあるサイアムスポーツ社認定のタイ・スポーツ大賞のムエタイ部門でMVPを獲得している。  ONEには2023年7月の『ONE Friday Fights 2』から参戦し、4連勝(3KO)するもムアンタイ、タギール・カリロフに連敗。2024年6月のコムアウット戦で連敗を脱出したのも束の間、8月にコンスックに敗れた。11月のプンルアン戦ではダウンを奪われるも3Rに逆転KO勝ち。1月31日の『ONE Friday Fights 95』ではジャオスアヤイに2RでKO負け、3月のONE日本大会では吉成士門に判定負けを喫したが、6月にONE4戦全勝だったドンキングを1RでKOした。8月にはポンペットに判定2-1で辛勝。戦績は92勝38敗3分。  ポンペットは2023年5月からONE FFに出場し、ドゥアンソムポン、リッティデット、スリヤンレック、プンルアンらを撃破。5勝(3KO)2敗の好成績をマークしていたが、8月にヨードレックペットに判定2-1で敗れた。35万バーツのボーナスを4回獲得している激闘男。戦績は107勝47敗。  今回はダイレクトリマッチとなった。  1R、サウスポーのヨードレックペットは小刻みに身体を動かし、強い左インローを蹴っていく。ポンペットはジャブを突き、右インローと右ロー。ヨードレックペットが近付くとヒザを突き刺すポンペット。ヨードレックペットの左右ボディにポンペットは右ミドル。  コーナーに詰まったポンペットだが、首相撲で体勢を入れ替えてワンツー。前に出るヨードレックペットは左ボディ。ポンペットが右ヒザを突き上げるとヨードレックペットが左フックを返す。アッパーの打ち合いからポンペットが左ボディ、右ストレート。打ち合いが続いた。  2R、前に出るポンペットにヨードレックペットが左インロー、ポンペットの右ストレートがヒットする。ポンペットの右フック、右ヒジ、さらに左フック、右ハイ。ヒザも突き上げる多彩な攻撃のポンペット。手数に押され気味のヨードレックペットは前へ出ようとするが、ポンペットの右ハイ、ヒザ、ジャブから右ヒジとポンペットのスピードある攻撃が目立つ。  ヨードレックペットは左ヒジで応戦し、攻撃をもらっても前へ出て左右フックを打つ。近距離でパンチとヒジを打ち合う両者。ポンペットの多彩な攻撃と手数に強打で対抗するヨードレックペット。  3R、前に出るヨードレックペットが左ボディストレート、左ロー、左インロー。ポンペットは右ミドルを蹴り、右ヒジの連打。ヨードレックペットが左フックの連打、ポンペットはジャブを突いて前へ出ると右ヒジ。両者ともに手数を出し、近距離で打ち合う。ポンペットの首ヒザにヒジで対抗するヨードレックペットに、ポンペットもヒジを打つ。  ヨードレックペットのワンツー、ポンペットはヒザを多用して右ヒジ。ヒジの打ち合いから右ハイを蹴るのはポンペット。前へ出てポンペットがボディを打つが、ヨードレックペットは左右フックをヒットさせる。  打ち合いは最後まで続き、試合終了。今回も大接戦となり、判定2-1で今度はポンペットの勝利となった。 [nextpage] ▼第6試合 ONEストロー級ムエタイ 3分3R〇サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)判定3-0×スイ・リン・テート(ミャンマー)  1R、両者サウスポー。サムエーが左ローを蹴るとテートは前蹴り。さらにサムエーが左ローを蹴っていくとテートは右フックを打つ。テートが伸ばした左手がアイポークとなり、試合中断。再開後、左ローで体勢を崩したサムエーは続けて左ミドル。ローのダメージからテートはオーソドックスで構える。テートは左右フックで攻め込むが、サムエーに組まれてコカされた。  2R、テートはオーソドックスでジャブ、サムエーが出てくるところにバックハンドブロー。サムエーの圧にロープを背負ったテートだったが、右バックハンドブローでダウンを奪う。サムエーは“なぜダウン?”と両手を広げたが試合続行。すぐに前へ出てラッシュをかけるサムエー。  テートも下がりながらワンツーで反撃。サムエーの左ハイにグラつくテートに左ストレート。サムエーは左ストレート、右フック、ヒザ、右フックと畳みかけるが、テートは組み付いて防ぐ。サムエーの大逆襲にあったテートだが、このラウンドを凌いだ。  3R、猛攻を仕掛けるサムエーが左右フック、テートもワンツーで反撃。サムエーの左カーフで転倒するテート。そしてテートが右インローを蹴った直後に、左ストレートのリターンでサムエーがダウンを奪い返す。右フックのテートにサムエーは左ミドル、左ロー、左ストレート。左ストレートで飛び込み、左ミドルを蹴る気迫のサムエー。テートは前蹴りもサムエーが強烈な左ミドルを蹴る。  試合終了、サムエーは逆転勝利に確信を持ち、笑顔でリングを走り回る。判定はその通り3-0でサムエーが勝利をもぎ取った。
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