2025年9月7日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館『K-1 WORLD MAX 2025』において、16名参加の「K-1 WORLD MAX 2025 -70kg世界最強決定トーナメント開幕戦」が行われる。
決定した8カードの見所を選手データとともに追っていく第3回目は、“覚醒した貴公子”ゾーラ・アカピャン(アルメニア/Gridin Gym) vs“南海の怪童”ジョナサン・アイウル(サモア/Allstyles Gym)の名門エリートとフィジカルモンスターの対決だ。
アカピャンは、チンギス・アラゾフを育てた名伯楽のアンドレイ・グリディンコーチの指導を受けてテクニックをブラッシュアップしてきた、いわばエリートともいっていいファイターだ。左右に構えをスイッチするスタイルは、多彩な攻撃を生み出している。
じつはアラゾフの後継者として期待がかかっていたアカピャンは、昨年のMAX -70kg世界最強決定トーナメントでファンを失望させてしまった。開幕戦のタラス・ナチュックから勝利をあげたものの、決勝トーナメント準々決勝ではカスペル・ムシンスキに完封負け。汚名返上のために組まれたダリル・フェルドンク戦では延長判定負けと、爪痕を残せずに輝きを失ってしまった。
ところが今年7月の璃久戦では、見違えるほどの強さを発揮してKO勝ち。結果的にレベル差があったとはいえ、完全復活と見ていいだろう。
一方のアイウルはオーストラリア出身のサモア系ファイターで、ラグビーをやっていたためか、フィジカル能力が高い。22年にはK-1参戦経験のあるクルーズ・ブリッグスに勝利している。ちなみにブリッグスは、19年6月に木村“フィリップ”ミノルと対戦した選手だ。これまでのサモアンファイターと違い蹴りを中心に試合を組み立て、右フックで仕留めるのが得意のKOパターン。今年5月には佐藤嘉洋の日本チームに加わり『武林風』で戦い、勝利している。
ともにハイレベルなテクニックを持っているため、最後までもつれる戦いに発展しそうだ。
<詳細選手データ>
ゾーラ・アカピャン生年月日:1997/11/06 身長:179cm 体重:70kg出身地:アルメニア 所属ジム:Gridin Gym構え:スイッチ趣味:ロシア式サウナ、プール特技:ジョークバックボーン:空手→キックボクシング格闘技を始めた年齢:空手7歳、10歳にキックボクシングへ転向格闘技を始めた動機:叔父が連れて行ってくれたのがきっかけ。格闘家の存在も知らなかったプロデビュー戦:2013年にプロデビュー獲得タイトル:TatNeft Cup 2019 -70kgトーナメント王者、FEA WGPライト級(-71kg)王者(2019)、Fair Fightウェルター級(-77kg)王者(2021)、MFCライト級(-71kg)王者(2022)得意技:左フック記憶に残る試合:プロ初試合K-1参戦への意気込み:前回はK-1ベルトを獲得できなかったので、今回こそ全力を尽くして奪取したい
ジョナサン・アイウル生年月日:1994/08/02 身長:176cm 体重:70kg出身地:オーストラリア・ブリスベン(サモア系) 所属ジム:All Styles Gym構え:オーソドックス趣味:ラグビーバックボーン:ラグビーラグビーを始めた動機:オーストラリアではラグビーが非常に人気で、友人たちも皆プレーしていたため、自然に始めた格闘技を始めた年齢:20歳~格闘技を始めた動機:子供の頃から格闘技を観るのが好きで、レイ・セフォーやマーク・ハントの試合に影響を受けて「自分もやってみたい」と思った獲得タイトル:WBC NKTチャンピオン得意技:右ストレート記憶に残る試合:2022年のクルーズ・ブリッグスとのムエタイ戦。オーストラリア年間ベストバウトに選ばれた憧れのファイター:レイ・セフォー、マーク・ハント──どちらも同じサモア系で、世界の舞台で活躍している姿に刺激を受けたK-1参戦への意気込み:決して諦めない自分のファイトスタイルで、パワー、ハート、そして勝利への執念を見せたい。リングの上ですべてを出し切る
<K-1 WORLD MAX 2025 -70kg世界最強決定トーナメント開幕戦対戦カード>
ゾーラ・アカピャンvs.ジョナサン・アイウルストーヤン・コプリヴレンスキーvs.デニス・タプオウヤン・フェンvs.カスペル・ムシンスキアビラル・ヒマラヤン・チーターvs.アイメリック・ラジジアルビオン・モリーナvs.アルフォセヌー・カマラジョナス・サルシチャvs.サリムカーン・イブラギモフダリル・フェルドンクvs.ヌルティレク・ザリンベコフ木村“フィリップ”ミノルvs.メイソン・ストロッドマン
※勝ち上がった8選手が、11月15日(土)に東京・国立代々木競技場第一体育館大会のワンデートーナメントで世界一の座を争う。