ONE Friday Fights 1222025年8月29日(金)タイ・ルンピニースタジアム※U-NEXTにてLIVE配信
▼第4試合 ONEアトム級(-52.2kg)ムエタイ 3分3R×ハマダ・アズマニ(モロッコ/アルティメットファイトスクール/ISKA K-1ルール世界フェザー級王者)TKO 3R 0分15秒〇吉成名高(エイワスポーツジム/ラジャダムナンスタジアム3階級制覇)
名高は2023年7月にラジャダムナンスタジアム認定フライ級王座を獲得し、外国人として史上初のラジャダムナン2階級制覇王者に。その後も快進撃を続け、8月にはタイ『RWS』のメインイベントでフライ級タイトル初防衛戦を行い4RでKO勝ち、12月のRWSではラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級暫定王座決定戦で勝利し3階級制覇。
2024年2月には正規王者プレーオプラーオとの統一戦にも勝利し、正規王者に。7月のジョムホートとのタイトルマッチでも圧倒的な差を付けて勝利、2度目の防衛に成功した。9月のWBCムエタイ ダイヤモンド スーパーフライ級王者決定戦では、プレーオプラーオに勝利しているペットアヌワットを2RKOで葬り、10月にはクンクメールとの対抗戦で3RKO勝ち。12月1日のRWSではペットヌンに大差判定勝ちして3度目の防衛に成功。 12月、シュートボクシングの大会でオープンフィンガーグローブムエタイに初挑戦して初回TKO勝ちを収めると、2025年3月のONE日本大会に初参戦してOFGムエタイでラック・エラワンを左ストレートで3RにKOした。2025年5月11日には『SPACE ONE×BOM』でOFG第3戦に臨みチョークディーを1Rわずか1分59秒でKO。6月にはONE Friday Fightsに初参戦し、バンルーロックに圧勝してONEで連勝を飾った。現在驚異の38連勝を誇る。戦績は64勝(41KO)6敗1分。 アズマニはISKA K-1ルール世界フェザー級王者で、身長167cm、体重57kg。戦績は23勝(3KO)9敗1分。6月の「RISE WORLD SERIES 2025」に初来日し、那須川龍心(TEAM TEPPEN)とISKA K-1ルール 世界ストロー級(-51.5kg)王座決定戦を争い、判定負けしている。那須川戦では左右にスイッチし、強い蹴りと思い切り振り抜くフックを繰り出したが、のらりくらりと動いて那須川に決定打を許さなかった。
1R、アズマニは距離を詰めて右ローを蹴りつつ、蹴りのすぐ後にパンチを繰り出す。名高はその動きに惑わされず、左ミドル、右ローを蹴る。得意の蹴り足キャッチから左ストレートを打つ名高。
左三日月から左ボディストレート、さらに左ボディストレート、アズマニの蹴り足をキャッチしてコカす。前に出る名高は組むとアズマニを簡単にコカす。首相撲は完全に名高の横綱相撲に。さらに左ハイキックも名高はヒットさせた。
2R、アズマニはローからのパンチ、二段蹴りとトリッキーな動き。しかし、コーナーに詰まったところで名高の左ストレートがさく裂、ダウンを奪う。アズマニが組んでくるとすぐにコカす名高。前に出る名高は飛びヒザ、ジャブ、組んで押し倒す。
アズマニはワンツーを伸ばすが名高はバックステップで軽々とかわす。左ミドル、蹴り足をキャッチしての左ミドル、ジャブから左ストレート、組んだらすぐに首相撲でコカす。場内からは次々と歓声が沸き上がる。
3Rが始まってすぐ、名高が左ハイを放つとアズマニはダウン。どうやらスウェーでかわそうとしたところで右足に体重がかかり、捻って痛めたようだ。レフェリーが即座にストップし、名高のTKO勝ちとなった。
しかし、アズマニはストップを不服とし、レフェリーに抗議。コーナーに登って両手を上げるが後の祭り。
勝利者インタビューで名高は「今日の試合は普段なかなかやらないタイプの選手でリズムが違ってやりづらかったんですけれど、自分が持つムエタイの技術で勝つことが出来ました。自分、ONEで3連勝しているんですけれど、無敗のままONEの王者になりたいので、それにふさわしい相手なら誰でもいいです」と答えた。
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▼コー・メイン ONEムエタイ 53.07kg契約 3分3R×ソンチャイノーイ・ゲッソンリット(タイ)判定0-2〇ヌンスリン・チョー・ケットウィナー(タイ)
ソンチャイノーイはS1ジュニアバンタム級王者の肩書きを引っ提げて2022年9月のNJKFに初来日すると、塚本望夢を1RでKO。2023年4月には『BOM OUROBOROS 2023』で名高に3RでKO負けを喫したが、強烈な攻撃の数々で名高を苦しめた。2023年7月の『BOM』にも来日し、重い左右ローキックで場内をどよめかせ、5Rには首相撲からのヒザ蹴りでジュライ・ウォーワンチャイ(=石井寿来)に判定2-0で勝利している。
ONEには2023年1月の『ONE Friday Fights 2』から出場し、9戦全勝(4KO)の快進撃。前戦は2025年3月にティーヤイ・ワンコンオームMBKに判定勝ち。所属するゲッソンリットジムは、K-1など日本で大活躍したチャンプアを輩出したジムだ(※チャンプアは現在同ジムのトレーナー)。
ヌンスリンは2023年3月からONE Friday Fightsに参戦。これまで5戦全勝(2KO)と同じく負け無しを誇る。
勝った方が次に吉成名高と対戦するのではないかという一戦。リングサイドではその名高が試合を見守る。
1R、ヌンスリンの前蹴りをキャッチしたソンチャイノーイはいきなり右フックをヒットさせてダウン気味に倒したが、ヌンスリンがすぐに立ち上がったためノーカウント。右ローを蹴るヌンスリンに、ソンチャイノーイは蹴り足をキャッチして右ボディストレートを2連打。ソンチャイノーイはサウスポーにスイッチすると左ミドル、組んでのヒザも。ヌンスリンは左右の前蹴りを放つが、ソンチャイノーイはキャッチしての右を打つ。
2R、ソンチャイノーイが右ローから左右フックでパワフルに攻め込むが、打ち合いになったところでソンチャイノーイの左ボディからの右フックに、ヌンスリンが左フックをヒットさせてダウンを奪う。再開後、すぐに打ち合いを展開する両者。左右フックが激しく交錯する。前に出るソンチャイノーイが左フックを当てるが、ヌンスリンは左右フックを返す。
ヒザを突き上げるソンチャイノーイ。ヌンスリンは左右フックから左右のアッパー。顔面前蹴りもヒットさせる。ヌンスリンは左右のアッパーから左右フック、左ボディも。ソンチャイノーイは組んでのヒザに持ち込む。前に出るソンチャイノーイにアッパーとフックを打ち込むヌンスリン。
3R、前に出るソンチャイノーイにヌンスリンは左ミドル、ヌンスリンのミドルをキャッチするとソンチャイノーイは左ボディを打つ。どんどん前に出るソンチャイノーイにヌンスリンはステップを使って距離を取り、ワンツーを打ってソンチャイノーイが近付くと首相撲で組んでしまう。
逃げ切り態勢に入ったヌンスリンを追いかけるソンチャイノーイ。ヌンスリンはソンチャイノーイのパンチをかわし、首相撲に持ち込む。ソンチャイノーイが右ボディから左フックをヒットさせるも、ヌンスリンは組み付く。どんどん前に出るソンチャイノーイに、ステップを使って回り込むヌンスリン。そのまま試合終了となった。
判定は2-0でダウンを奪ったヌンスリンが勝利。6連勝となった。ソンチャイノーイは連勝がストップ。この結果により、新設が予定されているONEアトム級ムエタイ王座の行方が混とんとしてきた。
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▼第3試合 ONEバンタム級キックボクシング 3分3R×チェン・チャオビン(中国)判定1-2〇力斗(TEAM PREPARED)
1R、チャオビンは右カーフを蹴るとワンツー・左フックで前へ出て攻める。ガードの上からでもパンチを叩きつけるチャオビンに力斗は右カーフを返す。チャオビンの右ローには右ストレートを合わせ、さらに右カーフ。チャオビンはジャブ、すぐに力斗が右カーフを2連打。力斗がワンツーを2回、右カーフを蹴ってワンツーを打つ。チャオビンが前へ出ようとするとすかさず右カーフを蹴る力斗。
ジャブを突いて前に出る力斗へチャオビンは後ろ廻し蹴りを放つが空振り。力斗の右カーフにチャオビンは大きくバランスを崩す。チャオビンのバックハンドブローは空を切る。ジャブと右カーフの力斗にチャオビンも右カーフを蹴り返した。
2R、力斗がワンツー、ジャブ、右カーフ。チャオビンは足が流れる。チャオビンのパンチをかわしてワンツーを返す力斗は右カーフを狙い撃ち。ワンツーを打って右カーフ。チャオビンが前へ詰めてくると左フックを打つ。力斗の右カーフ2連打にバランスが崩れるチャオビンだが、前へ出て左右フックを出す。力斗がワンツーから左アッパーでアゴを突き上げる。左ミドルを蹴るチャオビンは待ちの体勢となり、力斗が攻めてくるところへ右を狙う。
3R、力斗の右カーフに右ストレートを返していくチャオビンだが、力斗はすぐに右カーフをリターン。サウスポーに構えを変えるチャオビンに力斗は右ミドルを3連打。さらに右ハイも蹴る。チャオビンは声を上げながら左ストレートと左右アッパー。前へ出てくるチャオビンを力斗は右ストレートで迎え撃つ。
チャオビンはバックハンドブロー。力斗は右インカーフを蹴るが、チャオビンの左ストレートをもらって後退。パンチで前に出ていたチャオビンだが、力斗が再び右ミドルを蹴っていくと手数が減った。最後は攻めあぐね、試合終了。
判定は2-1と割れたが、力斗の勝利となった。 なお、本来なら第5試合で行われる予定だったONEストロー級ムエタイ3分3R、アヤド・アルバドル(イラク/Venum Training Camp)vs.乙津陸(KNOCK OUT クロスポイント大泉/KNOCK OUT-REDバンタム級王者)は、乙津がメディカルチェックの結果、出場不可となったため中止となった。
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▼メインイベント フライ級ムエタイ 3分3R×パンパヤック・ジットムアンノン(タイ)KO 1R 2分07秒 ※右ハイキック〇アサドゥーラ・イマンガザリエフ(ロシア/Team Mehdi Zatout)
パンパヤックは2012年にラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王座、2013年に同ライトフライ級王座を奪取して2階級制覇を達成。2014年にはルンピニースタジアム認定バンタム級王座、2015年に同フェザー級王座を奪取してこちらでも2階級制覇を達成している。2013年から2015年タイスポーツ記者協会の年間最優秀ファイター賞を3年連続受賞(史上唯一)。
2019年9月からONEに参戦し、RISEフェザー級王者(当時)工藤政英を破ると2024年12月までは4勝2敗。この2敗はいずれもスーパーレックに付けられたもので、スーパーレックとは4勝3敗1分。また、スアキムに2勝、サムエーに2勝、プラジャンチャイとは1勝1敗というトップの実力者。2024年12月にロシアのイゴール・ベクレフにKO負けしたが、2025年3月にマジッド・シダリにTKO勝ちで再起。
イマンガザリエフは180cmの長身を持つ22歳。2024年7月からONE Friday Fightsに参戦すると、5勝(4KO)と無敗の快進撃。通算戦績でも9勝無敗だ。
1R、右の蹴りを多用するイマンガザリエフ。右ロー、右ミドル、前蹴り、カカト落としと多彩な技を繰り出す。サウスポーのパンパヤックは左ミドルを蹴っていく。パンパヤックは様子見か、イマンガザリエフの蹴りを受ける。
ロープを背負ったパンパヤックに、イマンガザリエフが右ハイキック。ミドルキックかと思ったか、パンパヤックは左足を上げてブロックしようとしたがイマンガザリエフの蹴り足はその上を抜けていき、パンパヤックに直撃。パンパヤックはもんどりうってダウンし、レフェリーが即座にストップした。
「相手が左フックを出そうとしたのが見えたので右ハイキックを出そうと思いました。素晴らしいコーチに感謝です」とイマンガザリエフ。35万バーツのボーナスに続き、10万ドルの本戦契約も発表された。
ボーナスでは喜ばなかったイマンガザリエフだが、本戦契約にはセコンドと抱き合って歓喜。「ここからはビッグネームと戦いたい。イリアス・マムーディと戦いたい」と話した。