このスタイルで行くならば、強化しないといけないことが明確に
──征矢選手が踏み込んだからこそ当てた打撃でしたね。あの1回戦を経て、総選挙で準決勝のカードが決まりました。あの投票システムをどのように見ていましたか。
「あの選挙で『見たい対戦カード』を投票ってっていうのが当日分かったじゃないですか。あの瞬間に、自分は扇久保(博正)さんいけるなと思ったんですね。“誰を落とすか”という話じゃなくて、“見たいカード”ってなると、やっぱり『ガジャマトフvs.扇久保』が一番、誰もが見たいっていう試合になるだろうなと。それで“あっ、これは扇久保さん大丈夫だろう”と。それでおのずとカードも決まるんで、あのシステムはすごく斬新ですが、納得いくものだったと思います」
──THE BLACKBELT JAPAN同門のお二人には本誌で対談もしていただきましたが、実際に手を合わせたガジャマトフ選手と扇久保選手との試合、どのように予想されますか。
「そうですね……僕が予想するのは、ガジャマトフ選手は扇久保選手のテイクダウンを警戒して、そんなにラウンドの序盤からガンガン攻めてこないんじゃないかなって。扇久保さんも打撃をもらわないで、遠い距離で蹴りを打つ動きが得意なので、ラウンドの序盤は結構見合う展開になるかもしれないなと」
──扇久保選手にも左右の蹴りがありますね。特にオーソからの左の蹴りが。
「はい、その蹴りも駆使して中盤から後半で扇久保さんがテイクダウンを混ぜて戦って、もし1Rが取れなくても、2、3Rで扇久保さんがしっかりテイクダウンを取って、トータルで扇久保さんが判定で勝つんじゃないかなと思います」
──そこにいかにハメるか。しかし、征矢選手のボディロックをウィザーで耐え逆にトップを奪った、あのテイクダウンディフェンスも強いガジャマトフ選手をいかに崩すか。
「たしかにテイクダウンディフェンスはめちゃめちゃ反応が速いですね。でもそこは一つ、反応レベルが速いっていうのは、強さでもあるし、フェイントにかかりやすいっていうことかもしれないんで、それもMMAとしてどう戦うか。
それと、ガジャマトフの強さはさきほど言ったことにも繋がりますが──僕は結構、試合中に相手の顔を見ていて、目とかを見ていて、一瞬弱気になった瞬間とか、攻めに転じたりっていう瞬間を、試合中すごく意識してるんです。その点で、彼はすごくポーカーフェイスで感情が全く読めなくて。疲れ方で荒い息はしてるけども、動くきはあまり変わらないみたいな、そういう選手はあまり見たことなくて。そこは強みかなと思いますね」
──そんな難敵を扇久保選手がどう崩す感じか、楽しみです。そして、征矢選手の今後ですが、あらためて7月のガジャマトフ戦はタフでした。今後に向けてダメージを抜きつつ、ただ、ひとつ気になるのは、フライ級GPでリザーブマッチになった伊藤裕樹選手の対戦相手が「1回戦の覇者から選ばれる」というアナウンスです。もしや、そこも狙っていたりもしますか。
「それはオファーを来てから考えようかなと思ってます。ただ、今は自分がやれることはやってるので、それはもう、その時の流れに任せるしかないですよね」
──やれるところから練習を再開している状況ですね。
「はい。もちろん焦っていま、打撃のスパーとかしてもマイナスでしかないんで」
──ジョン・ドッドソンに勝利し、ガジャマトフという強豪と3R 競り合った。手応えとともに、修正して次に向かうことになりそうでしょうか。
「そうですね。課題がかなり明確に見えた試合でもありますし、試合後のダメージとか考えても、やはりディフェンス面を重視しないといけない。長く格闘技を──このスタイルで行くならば、そこを強化しないと続けられないなと思いましたし、かなり負けて学ぶことが多かったので、次戦では、自分自身すごくパワーアップして臨めるんじゃないかなと思ってます」
──復帰戦も楽しみにしています。ありがとうございました。






