2025年8月15日(金)にタイ・バンコクのルンピニースタジアムのリングにて『ONE Friday Fights 120』(U-NEXT配信)が開催された。ONE女子アトム級では、平田樹(フリー)が1年2カ月ぶり復帰。プロMMA6勝無敗(2KO・3一本)のアーティ・カトリ(インド)とONEアトム級で対戦する。
▼第1試合 ONEアトム級(※52.2kg)MMA 5分3R〇平田 樹(フリー)1.0066、114.0lbs(51.70kg)[判定3-0]×アーティ・カトリ(インド)1.0005、113.4lbs(51.43kg)
MMA6勝(2KO・2一本)4敗の平田は、ONEでプロデビューから5連勝を飾るも、2022年3月にジヒン・ラズワンにスプリット判定で敗れ、連勝ストップ。2022年8月にリン・ホーチンに判定勝ちも、以降、ハム・ソヒ、三浦彩佳、ビクトリア・ソウザを相手に3連敗中。25歳。
29歳のカトリは、WMCプロムエタイで2度王者になっている160cmのオーソドックス構えのストライカーの触れ込みだが、フィニュシュは一本勝ちの方が多く、2つのリアネイキドチョーク、1つの腕十字を極めている。
21年9月から約4年ぶりのMMAとされており、インド・ナーシクのプロモーションThe Heroで3連勝中。オーソからの左の蹴り、首投げテイクダウン、腕十字の極めの速さは平田と似通う強みを持つが、その精度は平田が上。
2024年6月の前戦バンコク大会で平田は、ビクトリア・ソウザのジャブを被弾し、遠間からのタックルを切られ、クローズドガードに入れられてのアームインギロチンチョークに失神一本負けしている。
その後、一時は引退も頭をよぎりながらも昨年末からトライフォースやIGLOOで柔術・グラップリングから復帰。浜崎朱加とHALEOでのフィジカル・トレーニング、FIGHT BASEで浜崎、万智、NOEL、サラらと女子練習に参加している姿をXにも投稿している。
セコンドの鹿志村仁之介、平田直樹の試合にも刺激を受け、自身も再起戦に臨む。14日、平田は「明日はしっかり勝って帰る。それだけ。やるぞ、自分。応援よろしくお願い致します」と、意気込みを記している(※平田樹インタビュー)
1R、ともにオーソドックス構え。左の蹴りが空振りしたカトリ。ダブルレッグを切られるとロールしてから足を手繰りに。そこにアームインギロチンチョークを組んだ平田。クローズドガードに入れて絞める平田だが、首を抜いたカトリに、平田は下から腰を切ってバック狙いも回らせないカトリ。上から細かい鉄槌、ヒジ。
なおもクローズドガードの平田は、上体を立てて首を狙うが、カトリはそれを剥がして鉄槌。半身になり一度はクローズドを解いた平田だが、再びクローズドに。カトリが声を出して鉄槌でゴング。
2R、ワンツーのカトリ。右ロー。カトリの左フックを潜ってダブルレッグへ。ロープ背にするカトリは差し上げず。平田はダブルレッグテイクダウン。両足を束ねるが、ロープ背にするカトリの立ち上がりに首投げテイクダウン。袈裟固めからVクロスを狙うが、腕を抜いたカトリがバック狙い。
立つ平田のバックに着くとコーナー際で背後からヒザ。さらに引き込んで両足フックするカトリは細かいパンチ、リアネイキドチョークも狙いゴング。
3R、左ジャブのカトリ。平田は潜ってダブルレッグからボディロックテイクダウン。左足をパスしかけた平田だが、足を戻すカトリ。コーナー下に押し込む平田は、オモプラッタ狙いのカトリの足をかつぎパスでサイドに左手で腰を抱き、右でパウンド。そこからマウントに移行し、パウンド。
ブリッジするカトリにヒジ。アメリカーナも狙いつつマウントキープ。細かい打撃は上下ともに。肩パンチの平田は上体を立てて声を上げてパウンドも、そこにブリッジを合わせるカトリは残りわずかでシザーズで後転して抜けたところでゴング。
判定は3-0で平田が勝利。1年2カ月ぶり再起戦で3年ぶりの白星を掴んだ。
試合後、平田は「最初は本当に緊張して。大きなプレッシャーとか、勝たなきゃいけない壁とか、すごい考え詰めちゃって。あんまり動けなかったんですけど、最後のラウンドは“もうこれやるしかない”と思って。みんなの声援が力になりました」と語り、11月日本大会について問われ、「そうですね。やっぱ日本でできることはすごい光栄に思うし……、でもまだまだ弱いんで、もっと強くならないとだめだなって思います」と語るに留めた。