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【ZST】王者・関鉄矢が鈴木琢仁をTKO「ZSTはステップアップするためのリングじゃない! 本気でベルトを獲りに来るやつだけが上がってください」=1.27「ZST.63」

2019/01/30 09:01
【ZST】王者・関鉄矢が鈴木琢仁をTKO「ZSTはステップアップするためのリングじゃない! 本気でベルトを獲りに来るやつだけが上がってください」=1.27「ZST.63」

(C)ZST

1月27日、東京・新宿FACEで「ZST.63」が行われ、メインでZSTフェザー級王者の関鉄矢(SONIC SQUAD)が、PANCRASEで異彩を放つ寝技で活躍した鈴木琢仁(ボンサイ柔術)とノンタイトルで対戦した。

序盤は鈴木のガードワークに手を焼いたものの、寝技を凌いだ関が2Rに左ハイでダウン気味のダメージを奪うと、3Rにパウンドアウトで勝利。試合後は、ベルトを肩に「ZSTはステップアップの場所じゃありません。本気でこのベルトを取るやつだけ上がってきてください」と、王者の気骨を示した。

第1試合では、前戦でライト級王座から陥落し、自らオープニングマッチ出場を志願した平信一(綱島柔術)が登場。ベン・ブッカン(T.GRIP.TOKYO/総合格闘技津田沼道場)に判定ながら完勝し、5月11日新宿FACE大会でのライト級GP、ワンデートーナメントの開催をリクエストした。

また、全試合終了後、ZST実行委員会の勝村周一朗氏がリングイン。バンタム級トーナメントの構想を明かしながらも「あの柏崎剛が返上したベルト。今日の内容では難しい」と辛口のコメント。しかし、「今日はチャンピオンの関と平がすごく良かった」とメインと第1試合を評価。ライト級GPを望む平には「1日5試合の“平5番勝負”ができたら」と含みのある笑顔で返答。関には「強い相手を用意するのがこちらの仕事」と、さらなる強豪の招聘を約束した。

▼第9試合 メインイベント フェザー級 5分3R
◯関 鉄矢(第4代ZSTフェザー級王者/SONIC SQUAD)
[3R 2分05秒 TKO]※パウンド
×鈴木琢仁(ボンサイ柔術)

2017年9月に強豪・島村裕にTKO勝利、同年11月に橘川尋貴を破り、ZSTフェザー級王者となったSONIC SQUADの関鉄矢。長身から繰り出す打撃を武器に海外AFCでの白星も含め6連勝中だったが、2018年8月に豪州のカラム・ルイスとドロー。連勝が途絶え、今回が仕切り直しの1戦となる。

対するボンサイ柔術の鈴木琢仁は、ガードからも仕掛ける寝技を武器に、2015年からDEEP、PANCRASEで5連勝(2016年オブラッド・トーナメントフェザー級優勝)も、2017年11月に田村一聖に判定負け。2018年3月のGRANDSLAMでも工藤諒司に判定負けを喫したが、9月に地元浜松で開催されたDEEPで加藤貴大に判定勝利で再起すると、11月にはシュートボクシングにも参戦。SBランカーのイモトに1R、左フックでKO勝利。打撃にも磨きをかけている。ブルテリア・ボンサイの柔術衣を着て先に入場は鈴木。対する関はノンタイトル戦ながらZSTのベルトを肩にかけて登場した。

1R、ともにオーソから。開始早々に鈴木はバックキック。関の左ミドルに左ジャブを合わせえる。さらにボディストレートと上下に散らす鈴木。左右の足を入れ替えるジンガのようなステップに、関は左前足に右ローをヒットさせる。そこにダブルレッグに入る鈴木。ボディロックすると潰しにきた関に引き込むように自らガードに。得意のスイープで上を取り返すと、ハーフから関に背中をつかせてパスガード、マウント、バックマウントからチョーク狙い。関も鈴木が足を解いたところで正対し上になる。


ガードに入れた鈴木は、下から三角絞め狙い、さらに右手で関の左足をすくって再びスイープを狙う。上半身を立てた関に鈴木はハーフでニーシールド(Zガード)。自ら腹ばいになりながら潜り、サドルロックを狙う。その潜りをはがした関は右で差して頭を顔横につけるが、なおも鈴木はXガードからスイープ狙い。浮かされかかった関だが、目の前はロープ。鈴木はXで挟んで前に送った足と反対側の足をとらえて足関節を狙う。

足を曲げて防ぐ関。なおも潜る鈴木に関は上からパウンド! しかし鈴木も外掛けでトライアングルに足を組むと、ヒールフック狙い。右足を取られながらもヒザを曲げて右手でパウンドを打つ関。鈴木はその右手も掴みにいく。

2R、近距離でも打撃戦に臨む両者。鈴木は左ミドルを関にブロックさせて左ジャブ、さらに外側から左フックと打撃の成長を見せる。さらに左を振ってからダブルレッグに入るが、ここは関が両足を後方に飛ばしてがぶり。鈴木のハーフからのもぐりを剥がして自ら離れて立つと、シッテッィングガードからの鈴木の立ち際に右ストレートを狙う。

スタンド。互いに左ジャブを刺し合い、右ローをヒットさせるのは鈴木。しかし、その蹴り足を掴んだ関は右ストレート。ガードを取る鈴木にパウンドで飛び込む関。鈴木はクローズドの中に入れ、関の頭を抱えるが、関は外側からパウンド。関の左足を抱えにいく鈴木は潜りからデラヒーバを狙い、関のバックを奪いにいく。その鈴木の左足を抱え、ヒザ十字で足を抱える関。ヒザを抜いた鈴木はバックへ。すぐに関も亀から立つことに成功する。しかし、四つからテイクダウン奪ったのは鈴木。ここで抑え込まれない関は片ヒザを立ててスタンドに戻していく。

スタンド勝負を望む関に右をヒットさせるのは鈴木。しかし、関も左フックを返すと、鈴木が頭を下げたところに左ハイ! 顔面に浴びた鈴木は、思わず両ヒザをマットに着いて崩れるがそのまま本能でダブルレッグへ。それを関が潰して2Rが終了。

3R、先に左前蹴りを鈴木の腹に突く関。さらに左ジャブに鈴木も右をかぶせていくと、右足を関の左足の外に置き、横捨て身的に後方にテイクダウン! ここで抑え込まれなかった関はシングルレッグから上を取ると、クローズドになった鈴木に強いパウンド連打! 頭を抱えようとする鈴木だが、剥がした関は鉄槌、パウンド!

ここでも関の足を手繰り潜りを狙う鈴木だが、潜らせない関は強い姿勢から左右のパウンド。徐々にクリーンヒットが増えていくなか、片足を越えた関の左の強力なパウンドを浴びた鈴木は思わず亀に。それを潰しながらマウントを奪った関が、パウンドラッシュ! 逃げ場を失いパウンドを浴び続ける鈴木を見て、レフェリーが間に入った。

クレベル・コイケの肩を借りてリングを降りる鈴木。TKO勝ちに雄叫びをあげた関は、リング上でベルトを肩にかけ、マイクを持つと、「ZSTはステップアップするためのリングじゃない! 本気でベルトを獲りにくるやつだけ上がって来てください」とアピールした。

▼第8試合 セミファイナル ZSTルール バンタム級 5分2R
◯清水俊裕(総合格闘技宇留野道場)
[判定3-0]
×上田直毅(パラエストラ東京)

1R、ボディロックからテイクダウン奪う清水。バックコントロールも落とす上田。下からガードワークの清水は右で脇差し潜ると再びバックへ。チョーク狙い。終盤、上田は正対し上に。

2R、左上段蹴りを放つ上田の打撃をかい潜り、ダブルレッグテイクダウンは清水。スクランブルで上を取り返す上田に下からリストコントロールで腕十字を狙う清水。かついでバック回る上田を落として今度は清水が上に。上田はオモプラッタ狙い。またいで外す清水はヒザ十字を狙いながら脇差し上に。

背中つける上田の足をさばきながら清水は圧力かけてパウンド。上田も足は越えさせずも畳まれ苦しい展開。判定は3-0で清水が勝利した。

▼第7試合 ZSTルール フライ級 5分2R
×小林 優(パラエストラ吉祥寺)
[判定0-3]
◯ジョン・ウォンニ(KINGDOM/韓国)

オーソから左の上下の打撃を入れるウォンニが、小林をコーナーに詰めての連打。小林のシングルレッグも切って上を奪うと、小林の足関節狙いも潰していく。立つ小林だがスタンドもウォンニ優勢。左ミドル、ワンツーにロープを背に。小林も右フック、右ミドルを返すが、そこに左の攻撃を的確に入れたウォンニが判定勝利。

▼第6試合 ZSTルール フライ級 5分2R
◯上田貴央(FIGHTER'S FLOW)
[判定3-0]
×勅使河原稜太(AACCスパイダー)

勅使河の打撃に前蹴りを入れる上田は、組みで首投げ狙うも潰され下になるとすぐにシングルレッグへ。勅使河をテイクダウンしハーフで上からパウンドを放つ。

2R、右ミドルを続けて当てる上田は、ヒザ着きのローシングルは切られるものの勅使河の左足を手繰っていく。

そこに左腕を差し込んで切る勅使河原の左手を掴んだ上田は、キムラロックで後方に回すと、勅使河原もすぐに体勢を整え、立ち上がる。スタンドでコーナーに向けてシングルレッグで押し込む上田は、右腕で差し上げながら潰されると亀から立つと、みたびシングルレッグを仕掛けてところでゴング。判定はアタックを続けた上田が勝利。

▼第5試合 ZSTルール バンタム級 5分2R
◯金井塚信之(フリー)
[判定3-0]
×諏訪部哲平(和術慧舟會駿河道場)

左構えの金井塚の右ジャブをかいくぐりダブルレッグテイクダウンは諏訪部。上体立てコーナーで立つ金井塚のバックに回る諏訪部は再び崩してテイクダウン。バックに回り足をかけようとするが正対した金井塚が上に。立つ諏訪部は右を振りながらコーナーに詰めダブルレッグテイクダウン。腰を切り立つ金井塚の背後に回るが、またも正対した金井塚は四つから小外でテイクダウン。ハーフからパウンドを当てる。シングルレッグから立つ諏訪部が今度はダブルレッグテイクダウン。ここも金井塚はコーナーを使って立つ。

互いにスクランブル合戦のなか、諏訪部のボディロックからバック狙いを潰して上を取る金井塚。諏訪部に背中をつかせるとアメリカーナ狙い。外した諏訪部のバックを奪いチョーク狙うもゴング。

2R、早々に左ストレートからダブルレッグテイクダウンは金井塚。ニーシールドから蹴り上げで立つ諏訪部。なおも詰める金井塚に諏訪部はコーナーで体を入れ替え、四つから小外テイクダウン。しかし金井塚もヒップスローから腕狙い上を取り返した金井塚は、すぐにシングルレッグで立って来た諏訪部を小手に巻いて潰しバックへ。しかし正対する諏訪部が上に。立つ金井塚のボディをロックし、背後から小外で崩そうとするが、体を預けた金井塚に、捨て身気味の投げとなってしまい、諏訪部が下に。

ここもシングルレッグから立つ諏訪部。さらにダブルレッグに切り替えるが切った金井塚がバック奪取。バックマウントからパウンド、リアネイキドチョーク狙いでゴング。目まぐるしいスクランブル合戦を判定3-0で金井塚が制した。

▼第4試合 ZSTルール フライ級 5分2R
×田丸慶輔(総合格闘技宇留野道場)
[1R3分05秒 腕十字]
◯己吏人(フリー)

1R開始早々の田丸の右にダウンした己吏人だが、シングルバックで立ち上がり、ボディロックに変えてテイクダウン。右で脇差しながらパスガード、マウント。頭付きのキムラ狙いから左足を差し込んで、うつ伏せで腕十字へ。田丸を前転させて極めた。

▼第3試合 ZSTルール フェザー級 5分2R
◯渡部拳士郎(スーパータイガージム)
[判定3-0]
×山本空良(POD札幌)

渡部拳士郎のセコンドには兄で昨年末にFighting NEXUS初代バンタム級王者となった渡部修斗がつく。山本空良のセコンドには父でパワーオブドリームの山本喧一会長が付きそう。

1R、オーソで長い手足から右ロー、前蹴り、ロングフックを放つ山本に、渡部はダブルレッグテイクダウン。山本の下からの仕掛けを潰しサイド、バックからチョーク狙い。マウント、パウンドもゴング。

2Rも山本の右ハイの打ち終わりにダブルレッグテイクダウンを決めた渡部が山本の潜り潰してサイド、バックマウント、マウント。しかし山本は渡部の左ヒザを押して右足を戻すと、右で差して立つ。しかし、腰高な山本の首狙いにすぐに右で差し返した渡部が再びテイクダウン。センタク挟みを狙う山本から頭を抜くと亀から立って来た山本に渡部はギロチン狙い。頭を抜かれると左でオーバーフックして引き込むがゴング。判定3-0で渡部拳士郎が勝利。試合後、拳士郎の父・渡部優一氏と山本喧一氏も握手を交わした。

▼第2試合 ZSTルール フェザー級 5分2R
◯直斗(総合格闘技宇留野道場)
[1R 2分46秒 リアネイキドチョーク]
×木下尚祐(和術慧舟會GODS)

四つからテイクダウン奪う直斗は、木下の腕狙いを足を払いバックへ。シングルバックから前転し、4の字ロックに移行すると背後からパウンドを入れつつ、リアネイキドチョーク。

▼第1試合 ZSTルール ライト級 5分2R
×ベン・ブッカン(T.GRIP.TOKYO/総合格闘技津田沼道場)
[判定0-3]
◯平 信一(綱島柔術)

2018年10月のZSTライト級王座戦で小金翔に敗れ、王座陥落した平が希望通り第1試合に登場。PANCRASE、GRACHAN等で戦ってきたブッカンは6勝8敗。前戦は5月のZSTでマックス・ザ・ボディに判定負けしている。

1R、平から組み付き四つになるが、四つからクラツチを組んだブッカンは小外がけを合わせてテイクダウン、サイドを奪う。左で差して右手で平の頭を抱えるブッカンだが、右を差し返した平が煽ると前に乗りすぎ、そこにブリッジを合わせた平がスイープ。

対角に頭を抱えたままのブッカンに平はヴォンフルーチョークを狙うが、腕を外したブッカンは平をクローズドガードに入れる。パウンドに切り替えた平は拳を振りつつ片足をパス、エビからシングルレッグで立とうとするブッカンをがぶり背後からもパウンドを入れると、ブッカンも仰向けになったところでゴング。

2R、1R同様に四つから得意の小外をしかけるブッカンだが、今度は平が上体を伸ばされず。カウンターのテイクダウンで上に。すぐにハーフになり、パウンド。パスガードのプレッシャーをかけるが、足を戻したブッカンがクローズドから三角絞めを狙ったところをかついでパス。肩固めを狙う。腕を流されないブッカンに平はパウンドラッシュ。判定は3-0で前王者が極め切れずも危なげなく勝利。勝者は5月のライト級ワンデートーナメント開催を要望した。

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