2025年11月1日(土)福島・KNOCK OUTアリーナ常葉で開催される『THE KNOCK OUT FIGHTER』の記者会見が、8月7日(木)都内にて行われた。
今大会ではUNLIMITEDルールによる-60.0kgトーナメントが行われることが発表されていたが、「今年最後のTHE KNOCK OUT FIGHTERになるので違うことをやりたい。変わった面白いことをやりたいということで、一気に変えることにしました」と山口元気KNOCK OUT代表。
変更点は優勝賞金が通常の100万円から200万円にアップ、8人トーナメントで11月1日が1回戦、勝ち抜いた4人が12月30日(火)に東京・国立代々木競技場第二体育館で開催されるビッグマッチにてワンデートーナメントで優勝を争う。さらに、優勝者にはKNOCK OUT-UNLIMITEDスーパーフェザー級王者・倉本一真(リバーサルジム新宿MeWe/MAJESTIC)への挑戦権が与えられることになった。
8月17日まで出場者の応募を受け付け、プロの試合数制限は撤廃されたためプロ・アマ問わず誰でも出場可能。また、これまでの1R3分・2R2分・3R1分から3分3Rに変更された。
会見では、このトーナメントに推薦選手として栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺)の出場が発表された。
栗秋は九州で活躍後、2018年10月に上京してクロスポイント吉祥寺に入門。天性の格闘技センスを生かした左の攻撃を武器とし、飛びヒザ蹴りは一撃必倒のキレと破壊力を秘めている。2023年9月にK-1 GROUPから乗り込んできた第6代Krushフェザー級王者・玖村修平を初回KOに降して評価を一気に高めたが、2024年2月の『ONE Friday Fights』初参戦で判定負け。4月のシュートボクシングでは山田彪太朗に判定負けと連敗。
【写真】大雅とのMMAデビュー戦ではUNLIMITEDで磨いた技術を存分に発揮した栗秋(C)RIZIN FF しかし、6月にKNOCK OUT-UNLIMITEDルールで中村優作を1RでKOし、大きなインパクトを残した。10月にはチュームーシーフーを延長戦で破りKNOCK OUT-BLACKフェザー級王座に就いた。12月のUNLIMITEDでカルロス・モタに判定負け、2025年6月のKNOCK OUT-UNLIMITEDスーパーフェザー級王座決定戦で倉本一真に判定負けを喫したが、2025年7月の『超RIZIN』でMMAデビュー、大雅に判定勝ちした。。キックボクシング戦績は46勝(25KO)23敗3分。
栗秋が今回トーナメントに出場することになった経緯について、山口代表は「大雅戦をセコンドで見ていて、テイクダウンの対応がまだ出来ていない。寝技で技を出すときの身体の記憶がまだ練れていないので、MMAをやるのはまだ早いという判断です。大雅選手のタックルを全て決められていたので、MMA転向にストップをかけました。もっとキャリアを詰まないといけない。テイクダウンされたら極められるレベルなので、もっと経験を詰ませたく、テイクダウンを狙ってくる相手に経験を詰むのが大事」と、もっとUNLIMITEDで経験を詰んでからMMAに再出撃をさせたい、との意向を示した。
栗秋は「誰が来ても1Rで全員KOします。自分が目指しているところは、今はMMAも目標に入れているんですけれど、まずはUNLIMITEDのベルトを獲ることを目指して練習しているので、全力で潰しに行きます」と意気込み。
今回のトーナメント出場については、超RIZINでの試合を終えて帰りの車で聞いたと言い、「自分自身反省点がありますし、結局のところはそれを踏まえて練習しないといけない。自分の打撃が活かせるような練習も取り入れているので、もっともっと経験を詰むのが必要だと感じました」と、UNLIMITEDで経験を詰むことに同意だとする。
王座挑戦権が懸かることについては「いつかは絶対やり返すと思っていたので、こういうチャンスが来てありがたい。あの日負けてからは、そればかり思い込んで練習して、本当に悔しい想いをしているので絶対やり返す気持ちで挑みたい」という。
まだ王座決定戦から時間がそれほど経っていないが、再戦して勝てる自信はあるかと聞かれると「倉本選手をナメているわけではないので、倉本選手の強さはあると思うけれど、正直言うと投げしかないので。そこの練習をもっともっと積んで、そのためのトーナメントだと思っているし、練習期間もしっかりあるのでそこめがけてしっかり練習して、投げられる前に殴り倒すって気持ちでやっていきたい」と、今回のトーナメントと練習で投げに対する対応を磨きたいとする。
【写真】6月に倉本一真と初代KNOCK OUT-UNLIMITEDスーパーフェザー級王座決定戦を争ったが判定負けに KNOCK OUTアリーナ常葉での試合は初めてとなるが「場所については何とも思わない。どこでもリングがあれば戦います」とし、八角形リングについては「そこまで変わらない」とした。
実は、KNOCK OUTアリーナ常葉がある「KNOCK OUT TRANING CAMP」は元々、当時練習嫌いだった栗秋を山中の施設に閉じ込めて練習に専念させることも目的として作られたという経緯がある。
そのことについて聞かれた栗秋は「もしこのトーナメントで、万が一負けるようなことがあれば閉じ込めてください。でも絶対に負けないです」と宣言。
この言葉を受けて山口代表は「トーナメントまで閉じこもればいいんじゃないですかね」と、試合当日まで施設にいればいいんじゃないかと提案した。
1回戦を突破すれば12月は1日2試合となることには「練習でやっているので。スパーリングが激しいので、5分11Rはやっているので緊張感は変わらないと思いますね。2試合とも1Rでぶっ倒して、会長もそうですが周りを納得させるような結果で終わらせます」と、問題なしとした。
超RIZIN後は「試合が終わって次の日から練習を始めている」と言い、山口代表も「こんなことは初めてです」と驚くほど、かつての練習嫌いから別人になった栗秋。
「UNLIMITEDらしい、練習は取り入れているし、タックルに入ってもらってそれに適応するように練習で作っていく中で、周りの人たちにサポートしてもらってやっているので、6月に倉本選手と戦った時以上のものが見せられると思います」と、11月はさらに成長した姿を見せると語った。