キックボクシング
インタビュー

【RISE】志朗はいかにして玖村将史を攻略したのか「向き合った本人にしか分からないと思いますけれど、緻密に作りあげてきたんですよ」「右ストレートは3種類用意していた」

2025/08/03 12:08
 2025年8月2日(土)東京・大田区総合体育館にて『ABEMA presents RISE WORLD SERIES 2025 TOKYO』が開催された。  メインイベント(第12試合)ではRISE世界バンタム級タイトルマッチ3分5R無制限延長Rで、王者・志朗(BeWELLキックボクシングジム)が挑戦者・玖村将史(999)から合計3度のダウンを奪っての大差判定勝ち。2022年6月に行われた『THE MATCH 2022』で敗れたリベンジを達成した。  試合後、志朗は玖村へのリベンジを考えて3年間、研究と練習を重ねてきたことを明かした。 足の一本やあばらの一本捨ててもいい覚悟でいた ――試合を終えての感想は? 「やっと3年前の呪縛から、呪いから解放されたなと。3年間、ファンの方や関係者、いろいろな方からリベンジマッチをして欲しいとか。今回の試合前もたくさん声をかけていただいて、道歩いていてもスパーリングに行った時も、頑張ってくださいね、勝ってくださいねって。その一人一人の声がパワーになって、試合前から今回絶対に行けるっていうのがあったので、それが出たんじゃないかなと思いますね」 ――3年ぶりの印象は? 「攻撃のパターンというか、三日月もそうだし、カーフもそうですけれど、執念は凄いと思いましたね。カーフ、三日月で5Rしつこく来たのは凄いなと思いましたし、自分2Rからもう足の一本やあばらの一本捨ててもいい覚悟でいたのでそこは気持ちの勝負だったなと思いますね」 ――1Rの最初ダウンはかなり効いていたと思うが、感触は? 「パンチの感触はそんなになかったけれど、あれはニックさんとずっと一緒に練習していたパターンで、それがハマったのもありますし。その後に行って反応を見てハイキックとか合わせようかと思ったんですけれど、ガードをしっかりしていて足を踏ん張って返していたので、回復力は早いなって印象でした」 ――その後の2R、3Rのダウンも同じパターンで? 「パターンではそうですが、立ち位置とか細かいのを今回は徹底的にやっていて。ニックさんとコンビを組んで10年くらいですけれど、3年前に負けたのを自分のことのように悔しがってくれて、3年間かけて2人で近い距離でも何でも圧倒できるように取り組んでいて。距離感の外し方とかずらし方を3年間ずっとやってきたので、それが出たのだと思います」 ――3年前の負けがあったからこそ成長が出た試合になった? 「結果的にはそうですし、負けてからやりたくない練習、苦手な練習、近い距離、打ち合いとかも。自分たちが考えていたのは打ち合いの中でどれくらいもらわずに打ち合えるかというのをやり続けていて、それが今回出せたと思います。あの負けがなかったら普通にムエタイのリズムで流しながら戦ったと思うんですけれど、今回5Rでも前に行かないとって姿勢を見せられたので、3年前の負けが自分を変えてくれたんだなと思います」 ――合計3度のダウンを奪って、どこかで試合が止まる感覚はあった? 「レフェリー早く止めてよと心の中で思っていました(笑)。早く終わるに越したことはないので。でも、立ち上がるのは遅かったけれどカウントを数えている時にレフェリーと目が合っていたので、目が死んでないっていうのはあったので、これは決めるのはけっこう難しいかなと思っていました。ダウンさせられたけれど追撃までは出来なかったので、そこは玖村選手の強さだと思いましたし、自分のこれからの課題だと思いました」 ――玖村選手はダウンした後も強い攻撃を出していたので、警戒した? 「飛びヒザもそうですし、近い距離から見えにくい角度から来たので。外の攻撃から真ん中の飛びヒザは見えにくかったので、そういったのももらうリスクがあったので攻め辛い印象がありましたね」 [nextpage] 3度のダウンを奪った右ストレートは ――3度のダウンは全て右ストレートだった。あれは玖村選手から見ると死角から入って来たのか、それともタイミングだったのか。 「あれは向き合った本人にしか分からないと思いますけれど、死角だったり、前手でスペースを作ったりだとか、足の立ち位置とか緻密に作りあげてきたんですよ。足の位置で全てが変わる、距離感を徹底的に今回に向けて。殴り合う選手とかボクシングのチャンピオンとやっていて。そういうのを徹底してやった結果でもありますね。見えにくい角度というのもありますし、ジャブをあえて少なくしてとか。たまに強いジャブを打ってとか誘導したりしながらで。自分がコントロールしながらというのを意識していたので、そこに右がハマったと思います」 ――vs.玖村用の右ストレートだった? 「そうですね。右はもう2種類くらい用意していたんですが、それはガードの種類がいつものと違ったので出せなかったんですけれど、あと2つくらい用意してあって。基本的に3つ用意していて、今回のは真正面から狙っていたのでそれはハマったなという感じです」 ――試合後に金子選手との対戦をアピールしていた。自分としてはどれくらいの時期に実現させたい? 「自分は年内でもいいです。軽量級が盛り上がるためにはK-1とかONEとかとやってもらいたいですし、どうやったら軽量級が盛り上がるかって常に思いますよね。65kgが盛り上がっているので、55kgで盛り上がるなら金子選手、またはONEのチャンピオンとか。vs.世界で見てそれくらいかなと思いますね」 ――伊藤代表は、その前にRISEの中で戦わないといけない相手が一人いると言っていたが? 「いつでもウェルカムです。逃げもしないので。RISEならいつでも戦えるのでいつでもいいです」 ――今日の試合でそのもう一人の相手に、俺は危険だと見せられた? 「彼も強いですからね。そこは戦い方も変わりますし、実力はみんな紙一重だと思いますし。その中で自分はけっこう上だと思っているので、煽ってきているのは分かりますけれど、そんな甘くないぜってのはあります」 ――3年間の玖村選手の努力よりも自分の努力の方が優っていたと思う? 「どのルールでもジャッジに判定を委ねた時点でそれを受け入れるしかないじゃないですか。だから全てのレフェリーとかジャッジがポイントを取ってくれるような戦い方を3年前からずっと練習してきて、それが今回つながったんじゃないかなと思いますね」 ――玖村選手が「志朗選手はRISEルールっぽい戦い方をしなかった」と言っていたが? 「ワンキャッチで崩してそこで効かせてとか、首相撲とかで勝っても誰が喜ぶんだと思いますね。そんなの誰も見たくないじゃないですか。RISEの人たちとか関係者が組んでくれたわけで、自分も待ち望んでいて、そんな中途半端な勝ちとか1ポイント差とか判定2-1で勝つとかは絶対に嫌だったので、今回は絶対にダウンを取らないといけないと心の中で決めていたので。そういう想いがありましたね。RISEルールにこだわるつもりはなかったです」 ――最後にファンへメッセージを。 「今日はたくさんの応援ありがとうございました。3年間お待たせしました。しっかりリベンジすることが出来、負けた時もそうですが皆さんが応援してくださるおかげです。これからもRISEの55kgのベルトを守って自分の価値、ベルトの価値、RISEの価値を高める選手になっていきますので、これからも応援よろしくお願いします」
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