MMA
インタビュー

【RIZIN】2度目の王座防衛に成功した井上直樹「誰でも大丈夫です」×福田龍彌「“強い生き物”やなあと」=『超RIZIN.4』

2025/07/30 11:07
 2025年7月27日(日)さいたまスーパーアリーナにて『超RIZIN.4 真夏の喧嘩祭り』が開催され、第11試合では「RIZINバンタム級(61.0kg)タイトルマッチ」として、王者・井上直樹(Kill Cliff FC)に、DEEP二階級級制覇王者の福田龍彌(MIBURO)が挑戦した。 ▼第11試合 RIZINバンタム級(61.0kg)タイトルマッチ 5分3R〇井上直樹(Kill Cliff FC)[判定3-0]×福田龍彌(MIBURO)※井上がバンタム級王座2度目の防衛に成功 レフェリー:福田正人ジャッジ:豊永 稔/赤・井上 [D 0-0/ A 0-0/ G 20-0]松宮智生/赤・井上 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0]石川喬也/赤・井上 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0]  試合は、サウスポー構えの福田に対し、井上は巧みな細かいステップで左のリードジャブを外から刺して、右ストレートでは内側に入ってヒット。近い距離の福田のカウンター狙いに、右の長い蹴りを上下に打ち分けて入らせず。遠い間合いで打撃でコントロールして、福田を削り、判定3-0で王座防衛を果たした。  元谷友貴がフライ級に転向したいま、バンタム級では、9月28日の『RIZIN.51』名古屋大会で、佐藤将光vs.ダニー・サバテロが発表されており、また『超RIZIN.4』では、安藤達也がヤン・ジヨンに、秋元強真が68kgで赤田功輝にそれぞれ一本勝ちしている。そして、秋元戦を負傷欠場したカルシャガ・ダウトベックの階級転向、太田忍の次戦はどうなるか。  次期挑戦者候補争いも激化するなか、これまで防衛が困難だったバンタム級で2度の王座防衛を果たした井上直樹と、敗れた福田龍彌の試合後の一問一答は以下の通りだ。 井上直樹「(安藤は)タイトルマッチに近づいている選手だと思う」 ──福田龍彌選手との試合を終えた率直な感想をお聞かせいただけますか。 「勝ってひと安心です。前回病院送りになって、試合後インタビューが受けられなかったので、とりあえずここに来れて良かったです」 ──右足が痛々しい様子ですが、どういう状態ですか? 「これは多分普通に打撲だと思います。だから全然大丈夫です。ドクターに診てもらったのですが大丈夫です」 ──その打撲はどの場面で起きたことですか? 「2R目くらいに福田選手のヒザ、内股を蹴ったときに、ヒザに当たったやつだと思います」 ──福田選手と実際に戦った印象を教えてください。 「打撃が上手くて、一発がある怖い選手だったので、そこは最後まで気を抜かずに、対応できたのは良かったのかなと思っています」 ──前回の防衛戦(vs.元谷友貴)はなかなかご自身として納得いく部分が少なかったかと思いますが、今回の納得感や充足感はいかがでしたか。 「やっぱりフィニッシュできるパワーがあればよかったんですけど、1回……福田選手がダウンっぽくなったときに、自分は行こうと思ったのですが、セコンドたちが止めてくれて、そこで行っていたらまた福田選手のペースになるかもしれないし、チャンスはあったと思うのですが、しっかり勝ち切ることが大事だと思うので、今回はこれで良かったかなと思います」 ──V2を果たして、ベルトが腰に馴染んできた感覚はありますか。 「いや全然(笑)。ま、はい。全然……(笑)。まあでもRIZINバンタム級としてしっかり守っていかないといけないと思うので、また頑張ります」 ──同階級の安藤達也選手とヤン・ジヨン選手の試合はご覧になりましたか。 「全部は見ていませんが、最初だけ見て倒したところは見ていないので、そこは分かりませんが。すごいですね、強い。タイトルマッチに近づいている選手だと思うので、警戒してまた試合を見たいと思います」 ──試合順はメインよりかなり手前の順番でした。試合を終えた今どう考えますか。 「それはRIZIN側が決めたことなので。自分は福田選手と試合できて良かったと思いますし、全然早く終わったので良かったです(笑)。試合が後半のほうになると帰りが遅くなっちゃう(笑)」 ──今回、テイクダウンのフェイントはあってもほぼ組みませんでした。最初からそのプランでしたか。 「組みの展開も結構考えてやっていたんですけど、1R目は全然組みにいかずにちょっと様子見ようと思っていて、2、3R目で組みに行こうとは思ったのですけど、福田選手のテイクダウンディフェンス的に、汗で滑りやすいとは思いました。そこで入りにくかったというのもあります」 ──スタンドで立ち合うことになりました。喧嘩四つで左を被弾しながらも右の蹴りを当てて行って、それで奥の手を潰していくという、ひとつの作戦だったんでしょうか。 「はい。インカーフとか、散らして。で、上のハイキック当てたりというのをずっと練習したりしていました」 ──どのあたりで、右を当てられると感じましたか。 「本当に3R目は……、まあでも距離感はなかなかしっかりとは掴めてはいなかったので、でも3R目、出して当たる距離になって、もっとどんどん出せば良かったと思っています」 ──今後は海外選手と戦っていきたいという考えですか。 「(ダニー)サバテロとか、今回の安藤選手とかいろいろいると思うので、誰でも。誰でも大丈夫です(笑)」 ──チャンスで行きそうになった場面で「セコンドが止めてくれた」ということでしたが、そろそろそこでも行ってくれる姿を見せてほしいな、とも思います。 「そうですね」 ──それで勝てるんじゃないか、と。 「それが3R目だったらもう行っていたかもしれないですけど、結構序盤の方だったので。でもそうですね。仰る通りだと思います。それでも行けるようにもっと倒すチャンスをもっと作りたいなと思いました」 ──今後の展望・目標を教えてください。 「防衛戦で勝ちましたが、まだまだ強い選手はたくさんいると思うので、また防衛して、最初から言っているように、ベルトの価値を上げていくのが自分の使命かなと思います」 [nextpage] 福田龍彌「行けそうで行けへんところから、ずっと当てられた」 ──井上直樹選手との試合を終えた率直な感想をお聞かせいただけますか。 「チャンプほんまに強かったですね。すごい、ほんまになんかすごい強い選手やなあ、“強い生き物”やなあと思いました」 ──具体的に、どのあたりが自分の予想していた強さよりも上回っていましたか? 「距離感の設定とかですかね。思ったよりもジャブの刺し合い勝負するところの、ジャブの精度がすごい高くて、ほんとすごかったなと思いました」 ──判定にはなりましたが、RIZIN王座戦に挑戦した経験は、今後の選手生活に活きてきますか。 「そうですね。やっぱり井上直樹っていう強い選手と戦えたのでいい経験にはなったと思いますし、また強くなって戻ってこれるように頑張ります」 ──「ヒリヒリするような試合がしたい」とずっと仰っていますが、今日の15分間はヒリヒリできましたか。 「捕まえられる気がしなかったですよね。なんと言うか、1Rも序盤に入ったジャブが効いてしまって、そこでだいぶ出鼻くじかれたなあという、そういうところで全体的に彼のほうが精度が高かったなと感じました」 ──その高い精度との差を、また切り替えて練習を積んでいくことで埋めていけると感じていますか? 「まあ、まだありますね。ただ、今日の内容じゃ特に何も言えることないので、それはまた、もしみんなの前で見せられる機会をいただけるのであれば、そこで証明するべきかと思いますし。そういう感じですね」 ──入場時に大きな声援がありましたが、応援を感じていましたか。 「いやもう、ほんまにそこはすごいびっくりして、うるうる。帰りも結構いろんな人が声かけてくれたんで、すごいあったかさを感じられましたね、ありがたいですね」 ──福田選手は格闘家として、「有名になっていきたい」というような思いも持っているのですか? 「そこはそんなに。やっぱり、でも応援してくれた人らに、いいとこ見せられへんかったっていうのが、まあ……、自分が楽しむためにやってるんですよね、僕。で、やっぱりこう昔からずっと僕のことを応援してくれている人は、それをすごい楽しみにしてくれているんで、そういう人たちとあと少し、やり尽くせたらという感じですかね。まだここでは終わらないです」 ──井上選手は、早くから日本若手のホープとして評価されてきたような選手で、そういった選手を当てられていることについて、福田選手のようなキャリアはあまり他にないようなものではないでしょうか。 「それは、僕が自分のキャリアをどうしていきたいか、ということですか?」 ──というより、若手の凄玉を当てられることははある意味では見込まれているからではないかと思います。ご自身としてはそこを突き抜けられない部分、あるいはそういうマッチメイクをどう考えていますか。 「素晴らしい選手と当ててもらえれるのは僕としては光栄なことですし、やっぱり強い人とやるのは楽しいから、それはすごい光栄ですね。そこに関しては。そこで勝ててないので、課題と言いますか、自分のなかでもっと積まなくてはあかんあと思っているのですけど」 ──では、今後のキャリアでは、たとえば外国人選手とやりたいといった希望はありますか? サバテロ選手などもいますが。 「海外の人を当てていただけるならそれはもちろんやりたいです。日本人の良さというか、そういうのはやりたいとは思っているのですけど」 ──うまくいかない時間帯が長くなった試合は久しぶりだったと思います。ジャブをもらってその次がなかったですが、あまりもらい続ける想定はしていなかったですか。 「いや、想定はしていたんですけど、あそこでもうちょっと距離を詰めてくれたら、こっちがカウンター打てるかな、くらいのすごい絶妙なところを突っつかれた感じですかね。ほんまに行けそうで行けへんところから、ずっと当てられた。で、追いかけると逃げられた。そういう感じでした、やっている感覚としては」 ──このままいくと判定で勝てないという状況になっていて、それでも精密な格闘技をしたい、やぶれかぶれみたいなことはせず、負けそうになっても自分がやってきたことを出したい、と? 「それすらできない距離感覚みたいなものは感じましたよね、なんか」 ──イチかバチかはやっぱりできない、ということですか。 「そうですね。そこが、イチかバチかで、となっちゃったら、そこに関してはイチかバチかはできなかったですね。自分の武器を信じていたみたいなのはあるんで。それを出せる瞬間は来ると思ったけど、そこを作らせてもらえなかったですね」 ──今後の展望・目標を教えてください。 「とりあえずちょっと休んで、体と心を休めてから、僕もそんなに年齢的に長くないと思うので、最後にちゃんと自分の納得行く形で戦い尽くせたらと思います。面白い試合できるようにちゃんと積み上げてまた戻ってきたいなと思いますね」
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